10月に読んだ本。
●「別れの日 キル・ゾーン10」須賀しのぶ[集英社コバルト文庫](97/10/31)
おおー、待ちに待った新刊がでました!!本屋で買ったあと、さっそくうどん屋さんに入って、夕食を食べながら読みふけっちゃいました。
キル・ゾーンシリーズの10冊目。ついに一部完です。
前の巻が、キャッスルは囚われの身だし、ラファエルはほとんど眠っているし、動きがあまりなかった反動か、今回はすごいです。…派手だ、派手。読みながら、時々声を押さえ切れずに、「ひゃぁ」とか叫んでました。(小声で、だけど(^ ^;))…怪しい人に見えただろうなあ…
それにしても、サリエルくん(T T;)…彼のブロークンハートを思うと、切なくなります。
あと、「ラファエル」は一体いつ帰ってくるんだろう…「アロイス」の鬼畜っぷりにも惹かれたりしますが(^ ^;)。…
さて、次は「ブルー・ブラッド」がでるそうです(*^ ^*)。それからあとには、本編にも総帥がでてくるみたいだしっ!!ユージィン、ファンなんです〜〜〜(*^ ^*)。
来月には、雑誌連載をしていた、「グッドモーニング・ボルネオ」もでるし、楽しみ。(来月のコバルトは、でも先に「六人の兇王子」を読むだろうけど(^ ^;)。)
●「僕達の卒業式」あさぎり夕[小学館パレット文庫](97/10/31)
泉&由鷹シリーズ19弾。高校生編のラストです。彗ちゃんを失って、そして高校卒業ということで、それそれ新しい道を見つけて旅立っていく…話なんですが、本編を進めながらも、えっちシーンもたくさんあるあたりが、いつもながらスゴイな、と…。自分の書きたいことをやりつつ、エンターティメントに徹っするあたり、トップでやってたプロの漫画家の力量というのを実感させますね〜。
で、次からは大学生編が始るそうですが。…それにしても、あのあとがきはなんなのかな?やっぱり、またゴタゴタがあったんですかね(^ ^;)。
●「きっと君は泣く」山本文緒[角川文庫](97/10/30)
山本文緒は、私の知り合いの方のオススメ作家で、前から勧められたのでこの本を見つけたらすぐに買ったんですが…ずっと積読してました(^ ^;)。やっと読みました〜。
この本の主人公の椿は、自分の美貌を鼻にかけてて、男の前だけでは猫なで声を出し、自分の欲望に正直に生きる、嫌な女。何もかも思い通りに生きてきたのに、23にもなると、うまくいかないことが色々でてきて…
この主人公って、絶対に友達にはなれないタイプです(^ ^;)。ほんと、嫌〜な女を、よくリアルに描いているよなあ。この話にでてくる女は、みんな生々しいです。
椿って、私からは程遠いところにいる人だし、絶対に友達にはなりたくない人だけど、でも椿に共感できる部分があるのも確か。まあ、とにかく、おもしろかったです。
●「光の帝国 常野物語」恩田陸[集英社](97/10/29)
恩田陸の新刊がでてるって話を聞いた。本屋に行った。ハードカバー…っていうのは知ってたけど、うーん、1700円……迷った。文字の量が少ないし、一日分の本にもならないかも。でも恩田陸の本は待ってても文庫になるとは思えないし…と散々迷ったあげく、結局買っちゃいました。で、買ってよかったです。
過去から綿々と続く、不思議な力を持った「常野」の一族のオムニバス短編集です。
こういう超能力一族モノって、すでに使い古されたパターンなのに、恩田陸の手にかかると、なぜこれだけふんわりとした、美しい、上質な御伽噺になるんだろう。文章の匂いとか、この世界とかが、私の感覚にはあうようです。…すごく好きだなあ、こういうの。
表題作の「光の帝国」にうるうるしたので、最後の話ではボロボロ泣いてしまいました。
ただ、これはもっと大きな話の、断片とか、プロローグにすぎない話が多すぎるんですよ。とても素敵な物語の片鱗を「ちらり」と見せただけなんて、物足りなくなっちゃうじゃないですか。とにかく、続編希望。ぜひ長編を書いてください。亜希子の話の続きを知りたいです。
●「グインサーガ外伝11 フェラーラの魔女」栗本薫[ハヤカワ文庫](97/10/28)
グイン・サーガの外伝11。それにしても、最近のこの発刊ペースの早さは何事??先月も、その前も新刊をみたような気がするのは…気のせい(^ ^;)?
あと、読んでびっくり。これのどこが「外伝」やねん(^ ^;)。…たしかに、ストーリー自体は外伝かもしれないけど、本編の重要な謎の一端に触れる話がガンガンでてくるし〜。キタイの王様も出てくるし、あの「アウラ」についての話もね。中には、本編しか読まなくて、外伝を読まない人もいると思うんだけど、いいのかなあ(^ ^;)。
●「守護霊はお熱いのがお好き」柴田明美[集英社スーパーファンタジー文庫](97/10/27)
守護霊シリーズ(?)の第二弾。高校生の安奈には、美形の守護霊がついていた。彼は実は、異世界の天才科学者で、彼の巡っての騒動に安奈はいつも巻き込まれてしまう。今回は、なんと巨大なハマグリが送り付けられて……
まあ、ラブコメ、でしょうね。さらっと、楽しく読ませていただきました。はい。
●「怨の呪縛」新田一実[講談社ホワイトハート](97/10/24)
新・霊感探偵倶楽部の第8弾。今回は、人を「渡り歩く」霊との対決の話です。…別につまんなくはなかったけど、でもあんまりおもしろくもなかった(^ ^;)。…なんでこのシリーズ買い続けてるのかなあ、と思いつつ、新刊がでるとつい買ってしまう。なんでかなあ。
●「泣赤子奇談」椹野道流[講談社ホワイトハート](97/10/23)
「人買奇談」の続編。本業は小説家、裏稼業が霊障を扱う「組織」に属する追儺師(ついなし)の美形と、人間と植物の精霊のハーフの美少年による、ゴーストバスターもので、ちょっとボーイズラブがはいってる話です。今回は、ある女子校でポルターガイストを調べるために、潜入調査を行う…話。あらすじだけかくと、よくあるパターンの話ですが、読んでるとそういうのは別に気にならないですね〜。怖い話…というよりは、どちらかというと、悲しい話なんですね、このシリーズは。
それにしても、ああもうじれったい、この二人は(^ ^;)。一話から全然進展しないないなあ(^ ^;)。
●「明天快晴 金陵城内記」真樹操[角川スニーカー文庫](97/10/22)
タイトルには「あしたははれるさ」とふりがなが打ってありました。帯によると、「ほのぼの中華ミステリー!!」だそうです。「ほのぼの」はともかく、「ミステリー」はちょっと違うかも。でも、読んでて、「わくわく」する話。…すごく、よかったです〜〜!!!!
舞台は、宋朝の金陵(現在の南京)。城下町で繰り広げられる、ドタバタコメディの短編が3つ入っています。一つ目は、旅行先の村で起こった話。二つ目は、花魁と幽霊騒動。みっつ目は、神童の誘拐騒動。
この話は、まず、キャラがいいです。科挙を目指して浪人中の田子玉、浮世離れした学者の公孫、キツネ使いの巧娘、キレると恐い(笑)お役人の祭思文、世話焼きの段おばさん、みんな生き生きと描かれています。それと、この時代の中国の城下町でたくましく生きていく人たちを鮮やかに描いていて。…この時代の空気が伝わってくるような感じで、いいです。話も、読んでてわくわくしたし。楽しかった(*^ ^*)。
ぜひ読んでほしいなー、これ。中国モノの割には漢字も多くなくて読みやすいし、とにかく読んでて楽しい話だし。疲れたときに、どうぞ。
●「パラダイスルネッサンス 楽園再生」谷瑞恵[集英社スーパーファンタジー文庫](97/10/22)
97年度のロマン大賞受賞作。砂嵐が吹き荒れ、人間たちは細々と生きている世界。そこで、ガードのジーンは、「楽園」を目指す少年と女性と出会い、共に旅することになる。長い長い旅の果てに辿りついた「楽園」は…というような内容。
うん、なかなかいいです。情景描写とか細やかだし、その長い旅のエピソードのひとつひとつがあるから、最後が生きてくるんじゃないかと。ラストはちょっと切なくて、それでいてキレイでいいです。
●「闇の運命を背負う者 エピソード2」神坂一[角川スニーカー文庫](97/10/21)
ライトノベルズとか、少女マンガのオカルトものでよくあるパターンのひとつに、「●●の一族」とか「●●の戦士」というのがあります。時代を超えて、転生をしながら、人知れず戦い続けていくというやつです。この「やみさだ」も、「光(ヴァルハラ)」と「闇(ガイア)」という二つの対立する組織、「力」を使った戦い、そういう、典型的な道具仕立てなんですが、なんと主人公の仁くんは戦士として覚醒しながらも、「闇」の戦士として闘うことを拒否します。「運命なんかに従うつもりはない」と。
それでも、敵も見方も放ってはくれず、色々と干渉され続けて…それでも「運命」に逆らって生きていけるのか?…という話。そして、最後の方では、なんと…!!…これって、掟やぶりですよね〜。ここまでやってしまうとは、なかなかすごいです(*^ ^*)。…ちなみにこの部分、作者のあとがきをみたら見当つきますので、あとがきは最後のお楽しみとっておいた方がいいんじゃないかなあ。作者の考えには、共感しますね(*^ ^*)。
●「シヴァの刻印」あさぎり夕[集英社コバルト文庫](97/10/21)
雪之丞事件簿シリーズの第2弾。…なんとなく、買ってしまいました(^ ^;)。
ボーイズ・ラブ・ミステリーだそうですが、ミステリーはあくまでもおまけ。…全然ミステリーじゃないし(^ ^;)。まあ、それはいいんだけど。
前作では非常にひっかかった、「三人称の距離感の悪さ」や、視点が急に切り替わったこととか…前作に比べたら、許容範囲でした。美形の御曹司、不良、一見クールに見える美少年などなど「お約束」なキャラに、結構お約束な展開でも、結構読ませてしまうのは、さすがです。しっかりとえっちシーンもあるし(^ ^;)。
●「魔術士オーフェンはぐれ旅 我が聖都を濡らせ血雨」秋田禎信[富士見ファンタジア文庫](97/10/20)
「魔術士オーフェン」第8弾。話が佳境に入ってきたせいで、これから4冊一気読みしちゃいました。話の方は、いよいよキムラック潜入編。そう簡単に入れるところではなく、案の定色々と大変なことに。そして、最後の方で、オーフェンがついに…!!
マジクくん、今回は頑張っています。まあ、増長しすぎなような気はするけど(^ ^;)、大人の心配がわかんないあたり、子供だから仕方ないかな、と(^ ^;)。
ここに至っても、謎の核心の断片をちらちらとみせてくれるもんだから、一気読みするしかないじゃないですか〜。…というわけで、次の本に行きます〜。
●「魔術士オーフェン・無謀編4 顔を洗って出直しな!」秋田禎信[富士見ファンタジア文庫](97/10/20)
「魔術士オーフェン」の番外編の第4弾。すっかり無敵モードですなあ、キース(^ ^;)。この人なら、アザリーにも勝てるかもしれん(^ ^;)。
書き下ろしのプレオーフェンには、コミクロンが出てきます〜。本編一巻出演の、あの不幸なキャラですよね〜。なかなかいい奴じゃないですか〜。…かわいそうに(T T;)。
それにしても、本編が深刻さを増すだけに、この能天気な番外編が「…この頃はこんなに幸せだったのね…」とちょっと切なくなってしまいます。…いや、本当にこの状態で幸せだったんだろうか(^ ^;)?
●「魔術士オーフェンはぐれ旅 我が神に弓ひけ背約者(上)」秋田禎信[富士見ファンタジア文庫](97/10/20)
「魔術士オーフェン」第9弾。前作の最後で、オーフェンが精神的なショックから、魔法が使えなくなってしまいます。まだまだ敵地の真っ只中、しかも最強の敵を迎えて、どうするんだ、一体!!その一方で、謎の一部が解明されます。最後のエピソード…あ、あの人はそうだったのねっ!!
ますます増長するマジクくん。でも、身も心もボロボロのオーフェンを助けて頑張っていたと思うよ〜。…やっぱりちょっと彼、ひいきかも(^ ^;)。オーフェンシリーズでは、私のイチオシはキリランシェロですが。とにかく、ここで先を読まずにいられるわけはない!!…で、次の話にいきまーす。
●「魔術士オーフェンはぐれ旅 我が神に弓ひけ背約者(下)」秋田禎信[富士見ファンタジア文庫](97/10/20)
「魔術士オーフェン」第10弾。西部編、堂々の完結です。前作の最後で、魔法が使えないまま、瀕死となったオーフェン。アザリーは必死で彼を助けようとします。そして……
緊迫ムードの漂う戦闘のただ中で、「神」「ドラゴン」「魔法」などの謎が(一応)全部とけます。
…わかったような、わからなかったような(^ ^;)。いや、一応わかったかなあ、とは思うけど、ややこしいんで一読では完全に理解できないぞ(^ ^;)。…でもストーリーの方が気になったから、とにかく先に進みましたが。
それにしても、アザリー………。悲しい人ですよね、ほんと。好きになった相手が悪かったんだよ、きっと。でも仕方ないよなあ、先生カッコいいから。
あと、意外なほどの地人たちの活躍(笑)。こういうシリアスな状況で出番はないかと思ってましたが。
それにしても、マジクくん……だったわけですねぇ。なるほど、前からアレは気になっていたけど、そういう意味だったんですね〜。
「西部編」がとりあえず終わって、次は「東部編」だそうです。次は王都殴り込みかな?とにかく、次は番外編を読みたいな〜。
●「魔術士オーフェン・無謀編3 お前はいったいなんなんだ!?」秋田禎信[富士見ファンタジア文庫](97/10/17)
「魔術士オーフェン」の番外編の第3弾。暴走がますますエスカレートしています(笑)。新キャラのキース、本当に何者なんでしょう、この人は一体(笑)。
書き下ろしのプレオーフェンは、ハーティアくんの恋の話。それにしても、こんなことをされていたら、一巻でアザリーにああいう態度をとってしまうのは、とってもよ〜〜〜〜くわかるよ、ハーティアくん(^ ^;)。フォルテがいい味出してますね〜。それと、キリランシェロがきゅーと(はあと)です(*^ ^*)。こんなにかわいかったキリランシェロくんが、成長したらああなるなんて…やはり貧乏のせいかしら(爆)
●「魔術士オーフェンはぐれ旅 我が意志を伝えよ魔王」秋田禎信[富士見ファンタジア文庫](97/10/17)
「魔術士オーフェン」第7弾。オーフェン一行は、ひょんなことから天人の遺産の「劇場」に入り込んでしまいます。そこでみたものは…という内容。
世界に関する謎をちらり、ちらりとみせてくれるばかりで、あー、早く先を読まなくちゃ!!という気になってしまいます。それにしても、マジクくん…役立たずでしたねぇ、今回は(^ ^;)。
●「未明の悪夢」谺健二[東京創元社](97/10/16)
第8回鮎川哲也賞受賞作。新鮎川哲也賞は、審査員が島田荘司、綾辻行人、有栖川有栖の上に、今回のはすごい…という前評判が高かったから、みつけたら即買いました。
あの、神戸の地震を舞台に、あの悪夢のようなできごとの中に起こった連続殺人事件を描いています。
とにかく、地震の、そしてそのあとの震災地の描写は圧巻。作者も被災者なんだそうです。そのためか…あまりにもリアルな手触りの描写が、すごく…怖かった。痛かった。
………すごい話でした。
さて、肝心の(?)ミステリ部分は、…たしかにトリックがわかりやすいんですよね。私にさえ大体の見当がつきましたから。
でも、そういうマイナス面を吹き飛ばすだけの、力のある話です。
●「影喰らい 封殺鬼15」霜島ケイ[小学館擬コンパス文庫](97/10/9)
封殺鬼シリーズの15冊目。今回は番外編です。ひとつは平安末期の話で、もうひとつが明治時代の話。この平安末期の方は、安倍晴明の子孫で、晴明の再来と言われている陰陽師の安倍泰親に雷電と鬼同丸は仕えていた。その頃、京に「影喰らい」が跋扈し、それに対峙することとなるが…という話です。
今回のこの泰親がいいです〜。なんだか茫洋とした人で、陰陽師として、希代の才を持つゆえの辛さを、さらりと見せられて…切ないです。
今回の名セリフは、なんといっても聖の「暇やからやっ!!」ですよね〜(爆)。さすが聖!!
あと、この話では、この世界(ってなんだ(^ ^;))では有名な方々がたくさん登場して、楽しかったです。あとがきから考えると、あのお方は、今後出てくる可能性あるんですよね〜。…あのお方には興味があるので、楽しみです〜。京都にある、あの方を祭った神宮に行ったことがあるんですが、ラモスのサインが飾ってましたね〜。(あ、これで誰のことか分かっちゃったかな(^ ^;))
●「魔術士オーフェン・無謀編2 馬鹿は一人でたくさんだ!」秋田禎信[富士見ファンタジア文庫](97/10/6)
「魔術士オーフェン」の番外編の第2弾。いやもう、おもしろかったです〜〜〜。
思いっきり笑ってしまいました(*^ ^*)。オーフェンの情けない生活費の稼ぎ方(T T;)と、派手な魔法の使い方が楽しいです〜。一話目には、おまけ?でマジクくんが出演しています。…でもマジクくん。この当時からこんな扱いされてて、よく一緒に旅をしようという気になったよねぇ……。
で、書き下ろしのプレ・オーフェン編。話が爆裂してましたね〜。もー、おもしろい!!アザリーとティッシがあんな性格だったなんて…いや、楽しいですけど。
それにしても、キリランシェロ、かわいいですねぇ……ひねているかと思えば、妙に素直なところがあって、ああ、かわいい………私はオーフェンは好みじゃないけど(おいおい)キリランシェロは好きだわ〜。
●「魔術士オーフェンはぐれ旅 我が塔に来たれ後継者」秋田禎信[富士見ファンタジア文庫](97/10/6)
「魔術士オーフェン」第6弾。「牙の塔」編パート2。オーフェンは「牙の塔」の暗殺者に襲われる。犯人の目的は、ある本らしいが…という内容。
巻数が進むごとに話がパワーアップしていきますね。どんどんおもしろくなっていきます。今回は、マジクくんも結構頑張ったんじゃないかなあ、と。…でも万引きか(爆)。
●「幻惑の死と使途」森博嗣[講談社ノベルズ](97/10/5)
森さんの新刊、一気に読みました。
ある老マジシャンが、衆人環視の中、脱出マジックの途中、殺されてしまう。その上、そのマジシャンの葬式で、死体が不可解な状況で消失してしまって…
おもしろかったです。トリックそのものは、ある程度見当がついたのですが、今回の事件の構造がなかなか興味深いものでよかったです。
堪能させていただきました。
ミーハーな視点からいうと、なんといっても喜多先生のお風呂場の話でしょう……想像すると、なかなか(^ ^;)。
●「カナリア・ファイル〜金蚕蠱」毛利志生子[集英社スーパーファンタジー文庫](97/10/4)
97年度ロマン大賞受賞。あらすじ読んでおもしろそうだったし、ロマン大賞受賞作だったので読んでみました。
系統的にはゴーストバスターものですが、この話のオリジナルなところは、主人公が「呪禁師」だということでしょうね。今は、日本古来のものでは、「陰陽師」であれば、どこでもやってますから。(この話でも、敵役に出てきます。)ただ、私には「呪禁師」っていうのがどういうものか、ちょっと分かりづらかったです(^ ^;)。匠や耀の設定はなかなかおもしろいなあ、って思いました。描写もうまいし、なかなか読ませます。ただ、ゴーストバスターものの枠組みで結局収まってるんですよね…それを突き抜けたところ、そういうのがちょっとほしかったかも。
●「女子校サバイバル」須賀しのぶ[集英社コバルト文庫](97/10/3)
ライトノベルズの新刊がたくさんでる中、真っ先に読んだのがごひいき作家の須賀しのぶの新刊です。
タイトルに「サバイバル」がついていても、今回は地雷も銃もでません。普通の女子高校を舞台にした、コメディです。主人公の桐子は、なりゆきから、グランドホッケー愛好会に入ることになります。それから彼女の生活は一変して…という、話。
この話を読んでて、なんだか、懐かしい、「あの頃」の空気を味わったような感じがしました。巻末の著者紹介をみると、あ、なるほど同世代だわ。今の女子校がどんなものかは知らないですが、私が高校生だった頃の空気をリアルに描いてあるなあ、って思いました。私の学校は共学だったし、私は文化部だったし、主人公の環境とは全然違うけど。でも、なんか、わかるんだ、こういうのって。同世代だから、そう思うのかな?…今現役の高校生からこの話をみると、どんな感じがするんだろ?それ、ちょっと興味あるなあ。
それにしても、キャラが本当にいいです。脇役までイキイキしてます。そして、ひとつひとつのエピソードとか、セリフとか、小道具の使い方とか、見事!!の一言です。
表紙のイラストが「りぼん」で描いてる漫画家さんなんだそうです。そのせいか、いかにも「コバルト〜」な表紙だから、ちょっと手に取りにくいかも(^ ^;)…私も、この本が須賀しのぶの新刊だと気づくまでにかなり時間がかかりましたから(^ ^;)。
でもでも、ぜひ読んでほしいな〜。ちょっと疲れてて、元気のない時に、このパワフルな女子高生たちの話を読んで元気を出してほしいです。一気読みできるし、楽しいよ〜。続編も出してほしいな(*^ ^*)。
…で。来月には「キル・ゾーン」の新刊がでるそうですが、タイトルがなんと「別れの日」。なんなのー、これっ!!まさかまさか、彼が本当に?そんなこと、ないよね(T T;)。ああ、心配です〜。一か月後が心配なような、楽しみなような(^ ^;)。
●「魔術士オーフェン・無謀編1 てめぇら、とっとと金返せ!」秋田禎信[富士見ファンタジア文庫](97/10/3)
「魔術士オーフェン」シリーズの番外編その1。本編がどんどんシリアス化していく反動か、この番外編は気楽に楽しめる短編集になってます。スレイヤーズの番外編のような感じの。
最初の五つも大笑いして楽しかったですが、お気に入りは書き下ろしの「牙の塔」の頃のキリランシェロの話です。…私、オーフェンより、キリランシェロの方が好きかも(^ ^;)。大人びた冷静さがあるかと思えば、どこか子供で、冷たいかと思えば優しいところもあったり、なんだかその強大な力を持つゆえのバランスの危うさがいいですね〜。そそります(爆)。無謀編にキリランシェロの話がいくつかあるみたいだし、楽しみ(*^ ^*)。
●「魔術士オーフェンはぐれ旅 我が過去を消せ暗殺者」秋田禎信[富士見ファンタジア文庫](97/10/2)
「魔術士オーフェン」シリーズ五作目。今回は、「牙の塔」のある町での話。オーフェンは、暗殺者に襲われた。その圧倒的な魔力を持った暗殺者は、「キリランシェロ」と名乗った…
ますます話が緊迫していきます。おもしろかったです〜。あの方が再登場したし、思わせぶりな謎がますます出てきて。で、次は番外編。この番外編を読みたくて、本編を読み出したようなものだから(笑)、楽しみ。
●「子守歌…消えた」剛しいら[角川書店](97/10/1)
この本を手に入れるために、どれだけ探しまわったことか(^ ^;)。
この作者の本は、角川ルビー文庫(^ ^;)…の「帰宅」がよかったんですよ〜。それで楽しみにして、買っちゃいました。
…で。まず、カドガワ〜〜。ハードカバーっていうのは仕方ない。ただ、この分量で、この値段1400円って、ちょっといくらなんでも…まあ、ボーイズラブものということで、読者が限られるために、そんなに部数を作ってないだろうから、割高になるのも仕方ないのかなあ…この作者の作品を読むために、この値段を払ったのは別に惜しくはないんですが…でもハードカバーで1400円って聞いて、もっとボリュームのある話だと思ってたから残念。
で、肝心の話はというと。高校生の男の子同士の恋、そして息子に執着する父親、主人公たちとふたりをとりまく人々が巻き込まれていく、狂気の世界。「帰宅」と同じく、「家族」をテーマにしたものです。
…ただ、今回の話は、分量的にちょっと物足りなかったなあ、って感じがします。この内容であれば、もっと長くして、深く書込んでほしかった。ちょっと話の展開が急過ぎたような気がして。
今回の愛の形も、なかなか怖かったです。
今回は物足りなさはありましたが、この作者の作品は、次がハードカバーでも絶対に買うつもり。私はボーイズラブ…って感じの明るいノリの話より、ギリギリの愛憎を描いた、「JUNE」な作品の方が好きなんです。…最近は、あんまりそういう作品がないんですよね。だからこそ、この作者には頑張ってほしいなあ、って思っています。
●「魔術士オーフェンはぐれ旅 我が森に集え狼」秋田禎信[富士見ファンタジア文庫](97/10/1)
「魔術士オーフェン」シリーズ四作目。正直いって、今まではもうひとつこのシリーズにのめり込めなかったんですけど、これはおもしろかったです。はじめてクリーオウの減らず口がかわいらしく思えました(笑)。やっと、今まで話に出ていただけの「ドラゴン」が初登場。また、この世界の謎とか、キムラック協会とか、思わせぶりに色々な情報が断片的に出てきたし。これからどんどんドラゴンも出てくるんでしょうねぇ。どんな展開になるんだろう?楽しみです〜。
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