98年1月に読んだ本。
●「日曜の夜は出たくない」倉知淳[創元推理文庫](98/1/30)
猫丸先輩シリーズの、はじめての文庫本化です。
猫丸先輩は、童顔・小柄で、猫のような目をした、毒舌でつかみどこのない、謎の人です。彼が探偵役の連作短編集です。
数年前に非常に流行った、「短編はそれぞれ独立した話だが、実は全部をつなぐ『真相』がある」というパターンを踏襲しています。だた、ちょっとこのオチは強引かなあ、って気がしなくもないです。
猫丸先輩は変な人で、なかなか魅力的です。ストーリーも、荒い話もなれば、なかなかの話もあります。値段分は楽しめると思います。
●「覇王の道 グイン・サーガ59」栗本薫[ハヤカワ文庫](98/1/29)
またでました、グイン・サーガの新刊です。
…マルガで無事ナリス様との対談を終えたイシュトは、帰路で魔道師に襲われるが……
ここしばらくテンションが高くておもしろいグイン・サーガですが、今回もなかなかよかったです。特に中盤から終盤に向けて。グラチー(笑)の語る話で、闇の世界での闘争が表に浮き上がってきたし、最後のヴァレくんとイシュトの会話、ゾクゾクきました。でも、本当にイシュトは「覇王の道」がわかったんでしょうか?
ナリス様の鬼畜ぶりにも拍車がかかっているし。久しぶりのリンダ登場も嬉しかったです。でも、イシュトにとってリンダってなんだったの(^ ^;)?あまりにそれじゃ寂しいぞ〜〜〜
表紙はヴァレくんだけど、あら結構カッコいいじゃないですか。
ちなみに次は3/11に外伝13「鬼面の塔」、4月上旬に本編「ガルムの報酬」を出すそうです。
あいかわらず飛ばしてますね〜〜(^ ^;)。
でも、次が「ガルムの報酬」ということは、いよいよアリとの決着ですかね。でもきっと簡単には話は進まないんだろうなあ。どうなることやら。
●「リング」鈴木光司[角川文庫](98/1/28)
話題の「ループ」を読みたくなって、買っちゃいました。「リング」と「らせん」は昔図書館で借りて読んだけど、ストーリーの細かい部分を忘れていたので、「ループ」のために文庫本を買いました。
(ちなみに私が読んだ時は、ビデオテープが表紙のやつでした)
……雑誌記者の浅川は、4人の少年少女の死の原因を追いかけてゆくうちに、「みた人は一週間後に死んでしまう」呪いのビデオを手に入れる。そのビデオをみてしまった浅川は、呪いをとくために、奔走するが……
この話は結構細かいところまで覚えてました。ホラーとして有名な作品なんだけど、あんまり怖くはなかったです。でもすごくおもしろかった。発端はよくあるオカルトモノのようなだけど、そのあとの展開がおもしろいです。ビデオの解析を進めていく過程なんか、読んでてワクワクしました。
これ、本というメディアだからそれほど思わないけど、映像だったら怖いだろうな〜〜。(「ビデオ」のデキにもよるだろうけど)ドラマ化したときには、みてないんです(^ ^;)。…映画もたぶんいかないだろうけど(^ ^;)。
●「らせん」鈴木光司[角川文庫](98/1/28)
お次は、「リング」の続編の「らせん」。これも以前読んでたんですが、こちらの方は、最後の方しか覚えてませんでした(^ ^;)。
前作がホラー的な展開をするのに対して、今回はSFというか、ミステリというか。
あの「リング」で起こった事件を、科学的な方面から再解析を加えます。
暗号解読のあたりがおもしろいっ!!
個人的には、こっちの方が「リング」よりも怖かったかな?読み終わったあと、つい…計算してしまったもん(笑)。ちょっと危ないかもしれないです(笑)。
●「ループ」鈴木光司[角川書店](98/1/28)
さて、いよいよ「ループ」です。
「リング」がホラー、「らせん」がSFだとすれば、「ループ」はサイエンス・エンターティメントって感じがしました。
この話は、全然怖くないです(^ ^;)。でもおもしろいよ。
……転移性ヒトガンウィルスという新種のガンが猛威を振るいはじめた21世紀、馨は原因をさぐるために、アメリカの奥地に足を踏み入れ、「ループ」にアクセスする…
最初が結構明るくはじまるし、前二作との物語の関わり方がはっきりと見えてなかったので、…かなあと最初に読んで思ってたら、あらら、………ああなっちゃうのね〜〜〜。
こういうしくみ自体は、わりとよくある話ですが、そこにいたるための道具仕立てがなかなかおもしろいです。こういう使い方もできるものなのねぇ。
こういう構造の話って結構好きですし、どっぷりハマって楽しませてもらいました。
三作を一気に読んだだけに、巻を重ねるごとに、話の印象が変わっていく様を強烈に感じることができてよかったです。
おもしろかった〜〜〜。おかげで寝不足です(^ ^;)。
●「神曲法廷」山田正紀[講談社ノベルズ](98/1/27)
ダンデの「神曲」をモチーフに、裁判所を舞台に検察の内幕を描いた、本格推理。
帯には、「神の声を聴いてしまう名探偵、佐伯神一郎登場!」と書かれています。
…なかなかおもしろかったです。起こる謎が結構力技で偶然に頼りすぎだったり、最後の方のウンチクがよくわかんなかったり(私の理解力のなさのせいですが(^ ^;))、まあ色々ありましたが、それを差し引いてもおもしろかったです。二日で読んだんですが、昨日どうしてもやらきなゃいけないことがなければ、一日で読破してたんじゃないかなあ。
何度も繰り返し引用される「神曲」と絡み合うような謎、検察での確執のリアルさ、最後の二転三転する展開も、わくわくしながら読みました。
唯一の不満は、妖しい美少年の名前が、かわいくなかったことかな(T T;)。名前出てきた瞬間、がっかりしちゃいました(^ ^;)。
●「魔術士オーフェン・無謀編5 あきれてものもいえねえぜ!」秋田禎信[富士見ファンタジア文庫](98/1/22)
オーフェンシリーズの無謀編の第五弾。今回も、ストーリーがあるんだかないんだかよくわからない状態だったけど(笑)、勢いでイッキ読み。楽しかったです〜。ただ、ごひいきのマジクくんが今回は出演してないのが寂しい。
書き下ろしはプレ・オーフェンで、アザリーがまた爆裂してます。ハーティアはやっぱり不幸です(笑)。キリランシェロくん、かわいいです。先生がでてこないのが残念です(T T;)。
本編や無謀編よりも、プレ・オーフェンが一番好きだったりする(^ ^;)。一番のごひいきさんは、キャランシェロくんです。オーフェンは好みじゃないです(笑)。
●「眼球綺譚」綾辻行人[祥伝社ノンノベル](98/1/21)
ホラー短編集の新書化です。ついこの前ハードカバーで出た気がしたけど、一応二年か。でも2年で新書化は早すぎるような気はするけど(^ ^;)。ハードカバーを買わなかった本に関しては、早い新書化&文庫本化は嬉しいけど、ハードカバーで買っちゃうと、ちょっと悔しいんですけどねぇ。でも、まだ私は積読しているうちに文庫本化されたという不幸な(?)経験は今のところはありませんが。
話がずれちゃった(^ ^;)。さて、私はホラーは苦手です。ホラーをあまり読んでないせいで、「ホラーの文脈」っていうのがよくわかんないんですよね。だから高度な作品は意味がわからないし、かといって単純でも生理的にダメな話もあるし(^ ^;)。
今回は、よくわかんない話というのはなかったけど、生理的にダメ…っていうのがひとつありました。「特別料理」です。途中から飛ばし読み(泣)。読んだあとは、胃が気持ち悪くなりました(T T;)。
あとがきによると、綾辻さんはゴキブリが大嫌いだそうで、それでなんでああいう話をかけるんだか…そういうところが、「さすが作家」ですよね。
あとの話も…私にとっては、「怖い話」というよりは「気持ち悪い話」でした。
この本は、食事をしながら読める本じゃなかったので(行儀悪いけど、咀嚼している間に読まなきゃ、読書が進まないから(^ ^;)。移動時間と食事時間で読書時間を稼いでいるので)、読み終わるまでに時間がかかってしまいました。
…とにかく、はやく新刊出してほしいですよね〜。あと、奥様の新刊も首を長くしてまっております(^ ^;)
●「言霊(ことだま)」井沢元彦[祥伝社ノンポショット](98/1/20)
ノンフィクションというか、日本人論みたいなもので。
前から興味があったので、文庫本化の機会に手をとってみました。
日本人には、昔から「言霊信仰」とでもいうようなものがあって、それが今なお日本人の行動原理を支配している…というような内容。「言霊信仰」っていうのは、「ある言葉を唱えることによって、その言葉の内容が実現する」という考え方のこと。例えば、「これから雨が降るんじゃない?」と言われたとたんに雨が降ったら、「そんなこというから、雨が降ったじゃない」と思ってしまうような感覚というか。
また、「悪い言葉をいうと実現してしまうから、悪い言葉は避ける」…受験生に「滑る」は禁句とか、結婚式で「切れる」とかいう言葉は禁句とか。
たしかに、そういう感覚が染み付いてるのは確かだと思うんですよ。
でも、第二次世界大戦をはじめたことから負けたことから、経済制度上の問題から何から何まで全部「言霊」のせいにしちゃってて、しかもその論法があまりにも強引で、明らかに虚偽の前提条件から結論を導きだしてたりして………これじゃ、「ユダヤ陰謀論」と大差ないような印象になっちゃうんですよねぇ(^ ^;)。
途中から流し読みしちゃいました(^ ^;)。
同じ作者の「逆説の日本史」に興味はあったんだけど、この本のせいで読む気無くしました(^ ^;)。
●「月のしずく」浅田次郎[文芸春秋](98/1/19)
浅田次郎の最新(たしか)短編集です。人に借りました。
表題作の「月のしずく」はなんだかきれいな話でした。他のもそれなりに味のある話がきて、でもちょっと淡白かなあ、って思ってたら、最後の「ピエタ」のリーさんに泣かされてしまいました。
やっぱり浅田次郎の本だなあ。
●「おうちバイバイ」渡海奈穂[大洋図書](98/1/12)
うーん、なぜかつい買ってしまいました(^ ^;)。
ボーイズラブの、「兄弟モノ」です。いつも笑顔を絶やさない、かわいい兄・真実と、頭のよさゆえに母親の期待を一心にうけ、そのプレッシャーのためかどこか壊れたような、弟の裕司。この二人を軸に、真実のクラスメイトの塚本高彦と、沙織が話に絡んできます。
ストーリーもありがちな展開だし、それぞれのキャラはいいと思うけど(真実と塚本と沙織の微妙な三角関係とかすごくいいです)、後半の展開からすると、真実と裕司の互いに対する気持ちや、裕司の葛藤をきちんとフォローしておくべきだったよなあ、…とか、欠点はたくさんあるけど………
………すっごい、ツボ、なんです。この話。
キャラも設定も、エピソードも(逃避行なんて好きなパターンなんで(^ ^;))。真実と裕司の気持ちにしても、欠落している部分は想像力…というよりは妄想力で補完できるから別にいいし(笑)。
関係ないですが、真実くんはアロアナを飼っているんだよねぇ。あと、話に出てきた水族館は、大阪の海遊館ですよね。私もすごく好きです、ここは。
●「鉄道員(ぽっぽや)」浅田次郎[集英社](98/1/11)
人に借りて、やっと読むことができました。
浅田次郎の、直木賞受賞作。短編集です。
相変わらずの浅田節が効いてて、表題作の「鉄道員」とかは話の先がミエミエなのに、ついうるうるしてしまいました。
「ラブレター」が一番よかったなあ。出稼ぎの中国人女性と、偽装結婚した男の、一度も顔を合わさないままの、愛の物語でした。
あとは「オリヲン座からの招待状」がよかったです。
しみじみとする話なのはよかったけど、でもやっぱり「…なんで『蒼穹の昴』じゃなくて、これで直木賞?」って思っちゃうなあ(^ ^;)。まあ、直木賞は作品に贈られる賞というよりは、作家に贈られる賞だから、旬を外した作品が受賞することはよくありますけど(^ ^;)。
●「人狼城の恐怖 第三部 探偵編」二階堂黎人[講談社ノベルズ](98/1/11)
本当は完結編だったはずが、伸びちゃって四部構成になったそうです。
今回は、やっと蘭子が登場。蘭子と黎人がフランス・ドイツに。あの不思議な事件に、巻き込まれることに…
ドイツ編はホラー、フランス編はSF、そして探偵編は本格な雰囲気です。
今回は渡仏までに200ページほど、あともなかなか糸口にたどり着けず、最後にやっと!!これから人狼城へ、という感じでした。でも退屈せずに一気読みできました。
それにしても、これだけ風呂敷きを広げて、ちゃんと収拾がつくのかなあ。
完結編が楽しみです。
●「夢埋みの郷 封殺鬼シリーズ16」霜島ケイ[小学館キャンパス文庫](98/1/10)
封殺鬼シリーズ16。新章の、天狗・羅ごう(漢字がみつからないぞ(^ ^;))編スタート。今回は、佐穂子がメインです。なんだか佐穂子って久しぶりって感じがするけど、相変わらず元気で結構(*^ ^*)。
秋川家の側近の皆様、大変だろうね、ほんと(^ ^;)。
今回も三吾はかわいそうなことに(^ ^;)。一番立場弱いよね、このシリーズでは(^ ^;)。
桐子様の覚え書きも最高でした(*^ ^*)。
ストーリー自体は始まったばかり。またしても悲しい話になりそうな予感はあるけど、キャラが元気いっぱいで、この巻は結構笑っちゃいました。
●「夏のレプリカ」森博嗣[講談社ノベルズ](98/1/9)
犀川先生のシリーズの最新作です。前作の「幻惑の死と使途」の欠落した偶数章の物語。萌絵の友人・杜萌は2年ぶりに実家に帰ったところ、家族は誰もいなかった。そして、次の日の朝、奇妙な誘拐劇に巻き込まれる。誘拐劇の幕が降りた時、鍵のかかった部屋にいたはずの杜萌の兄〜盲目の詩人〜の姿は消えていた…
森博嗣が「こういう話」を書いたのにはちょっと驚きました。いつも、乾いた話ばっかりだったから。…今
回の件で、萌絵ちゃんも成長したかな?
チェスやネックレスを使ったエピソードがよかったです。あと、ラストシーンもよかったですね。いつもと逆なんだ(笑)。
メイントリックに関しては…薄々、そうかなあって思ってたけど、読み返すと、なるほどうまく伏線をひいてありますよね。
でも、あの動機で、なんでここまでやるかなあ……って思ったのは私だけ(^ ^;)?もっと他にやり方があると思うんだけど…
あとね、実際の殺人現場、血痕とかの始末ってどうしたんだろう(^ ^;)?
●「幻惑密室」西澤保彦[講談社ノベルズ](98/1/8)
待ちに待った講談社ノベルズの発売日でした。いやあ、もう何日通ったことか…
最初は西澤保彦の新刊から。「超能力者問題秘密対策委員会」略称チョーモンインの、出張相談員(見習い)の神麻嗣子シリーズ初の長編です。短編は雑誌「メフィスト」に二編掲載されています。「念力密室」と「念力密室2」の間にあたる話。「〜2」の方を読んだ時にその間の話が読みたかったんですよ〜〜。その楽しみに待っていた長編です。
西澤快彦の本っていうのは、“新しいルールを使ったゲーム”な本格推理物です。不可解だけれども法則性のある現象があって、それを中心に事件が発生していく…という感じなんですが、このシリーズの場合はそれが「超能力」です。健康器具販売会社のワンマン社長の新年会に呼び出された4人の男女。なんと、その家から「出れなく」なってしまった。そして、起こった殺人事件…
今回の「ルール」は結構複雑。西澤作品が初めての方、中盤の「ルール説明」は「こういうものだ」と受け入れてくださいね(^ ^;)。ここで「なんでだ〜〜〜」って思わないこと(^ ^;)。それが西澤作品を楽しむコツです。
…で、今回の話は。…ルールは魅力的なものだったけど、話の構造は期待したほどトリッキーじゃなかったです。ルールの説明のあと、私が思い付いた通りに展開するんだもんなあ…犯人は薄々この人かなあ、って思ってましたけど、動機とかは考えてなかったから、完全正解ではないけどね…でも、犯人そのものよりも、せっかくの長編なんだから、現象を起こした構造にもっとトリックがしこんであると楽しみにしていたから…ちょっと肩透かしです。
でも、嗣子ちゃんがかわいかったので満足ですが(爆)。保科さん(ミステリ作家)と能解警部(美女)と嗣子ちゃんのなんともいえない三角関係もすごくよかったし。キャラ中心で話をみると、満足だなあ。
このシリーズって、映像化しないかなあ。月曜8時あたりのドラマとかいいと思うんだけど。あ、でもこの枠は原作がマンガか(^ ^;)。…アニメでもOK!!
●「佳人の棲む家 新・霊感探偵倶楽部」新田一実[講談社ホワイトハート](98/1/7)
竜憲の幼なじみの沙弥子が、高校時代のクラスメイトの和歌菜をみてくれと相談を持ちかけた。和歌菜は分家から本家の養女となり、本家で暮らすようになったが、怪異現象に悩まされ、弱ってきた。問題はその家にあるとみた竜憲と大輔は本家をたずねることに…
今回はなかなかおもしろかったです。いつもはなんだかよくわからないうちに終わることが多いシリーズだけど、今回は因果関係の設定の仕方が興味深かったし。新キャラの嘉神伝世(ちなみに蠱物師(まじものし))がよかったです。これからもでてくるのかな?
●「小説新人賞は、こうお獲り遊ばせ 下読み嬢の告白」奈河静香[飛鳥新社](98/1/6)
「下読み」とは、公募文学賞の一次選考担当者のこと。その「下読み」を2000編以上にわたってしてきた作者によると、下読みは「砂金さがし」みたいなものだとか。たくさんあるうち、光る作品はごく少数。それを見逃さないのが仕事。残りの大半は…そういう小説を読んできて、「こうすればいいのに」という著者のアドバイスがのっています。
それにしても、とんでもない作品も賞に申し込んできたりするんだとか。仕事とはいえ、そういうのを読み続けるのは…大変だろうなあ(^ ^;)。そういう、とんでもないエビソードがおもしろいです。とりあえず、巻末の「作家出世双六」だけでも必見かもしれない(笑)。
●「身近な危機から身を守る本」柘植久慶[PHP文庫](98/1/5)
海外での軍隊体験のある作者が書いた、「犯罪、災害、事故で生き残るためのテクニック」。実際に色々と起こった事件について、「こうすれば身を守ることができる」というアドバイスなんだけど……途中からどんどん過激な話になっていきます(^ ^;)。覚醒剤中毒の患者のところの話で、危険な相手には先制攻撃を勧め、「それこそ、死体をどこかの山中に埋めてしまえば、すべてめでたしとなるからだ」っていうのは、いくらなんでもじゃないかなあ(^ ^;)。
そういう過激なところはおいといて、危険回避のためには、「とにかく危険な場所を避ける」「危険を想定し、対応策を練っておく」「危険回避のための訓練をする」という言葉は、非常に説得力がありました。また、危険を他人事だと思っていてはいけないと。
まあ、色々と考えさせられることはありました。
あと、淳くんのことが心配になって…。淳くんはかなり辺境で仕事するし、そういうところでは老朽化した飛行機を使うことってよくあるみたいだし。海外での身の安全もねぇ…でももう25だし、海外経験も豊富だから、わかってる…とは思うけど…とにかく、日本に帰ってきたのかなあ。ラジオだけが唯一の頼りだし、元気な報告を早く聞かせてほしいものです。
●「ガブリエルの遺言」あさぎり夕[集英社コバルト文庫](98/1/5)
雪之丞事件簿の第3弾。雪之丞のいとこで俳優の政利は、恋人の作曲家の都築達也の部屋で、胸を刃物で刺された恋人の姿を発見する。助けを求めに政利は雪之丞の家に。同じ夜、政利のマンションが爆破されるという事件が起こり…
今回は、今までの中では一番ミステリーしていたけど、わりとすぐにネタはわかります。まあ、でもこのシリーズはミステリーよりも、「ボーイズラブ」の方がメインだし。主役のお二人さんは、「勝手にやってろ(^ ^;)」って呆れちゃうほど、ラブラブだし。
それにしても、政利くんまでゲイとはねぇ…姫子ちゃんが気の毒です(^ ^;)。
●「聖域」篠田節子[講談社文庫](98/1/4)
古本屋でみつけました。ラッキー(*^ ^*)。
ひとりの文芸編集者が「聖域」という話の原稿をみつける。読むものを引き付ける話であったが、残念なことに未完だった。編集者は作者の水名川泉を探し始めるが、彼女は行方不明で、彼女にかかわりがあった人に、「彼女にかかわると身の破滅を招く」と警告を受ける。それでも探し続け、東北にたどりつく…そこで編集者がみたものは…
冒頭に示された謎、追跡の過程、そのあたりはすごくおもしろかったです。でも…最後の部分、どうも私にはしっくりこないんですよねぇ…。私の死生観は実藤が最後のひとつ前に辿りついたものに近いから、それを「悪夢」と言われても「そう?」としか思えないんですよね。あと、私が今までに(幸運にも)かけがえのない人を亡くしたことがないから、かも。
●「子供の領分 ACT.1〜3」吉原理恵子[角川ルビー文庫](98/1/2)
気楽に読める本がほしくて、シリーズの既刊3冊まとめて買ったのでした。頭脳明晰、容姿端麗でクールな性格の長男・陽一と、バスケ狂で無愛想な三男・大地に挟まれて育った次男・広海。この3人を中心に繰り広げる学園ものです。楽しく読ませていただきました。でも、それにしても話が進まない〜〜〜(^ ^;)。キャラを中心に描いているっていうのはあるけど、これだけ話が進まない本を読んだのは初めてのような気がします(^ ^;)。しかも、ルビーで吉原さんの話のわりには、なーーーんにもないし(爆)。これから先もそういう気配はないような…(^ ^;)。個人的には、大地くんに頑張ってほしいぞ(笑)。
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