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【ヒカルの碁:11巻感想】 01/03/02

「ヒカルの碁」11巻購入。今回の表紙は桜の木の上の佐為とヒカル。ヒカルの服の配色が強烈ではありますが、小畑先生、質感の出し方とかさすがうまいです。華やかな表紙になりました。背表紙は越智くん。今回収録されたのは88局から96局でプロ試験終盤からその結末まで。話は全部知っていますが、こうやってまとめて読むとさらに面白いですね。なんとも緊張感の溢れる展開でした。ジャンプでも毎週「どうなるんだ〜」とハラハラしながら読んだものです。今でも毎週ほったさんに振り回されてるのはかわらないですが。
今回も書き下ろしの「ネームの日々」がたくさんあったし、おもしろかった。ほったさんってなんだかかわいげのある人ですよね。あんな容赦ない豪胆な展開の話を書く人とは思えないなあ。


【ヒカルの碁 第107局「告白」】 01/03/05

「ヒカルの碁」第107局「告白」。初手合の日から3日後の土曜日、ヒカルは名人を心配する佐為にせっつかれて、名人の入院する病院に向かった。その頃名人の病室(豪華!!)には緒方九段と碁会所の市河さん、広瀬さんが見舞いに訪れていた。心筋梗塞で倒れた名人だったが、なんとか回復。倒れたのは緒方さんとの十段戦の第三局の前日で、そのために名人は不戦敗となってしまった。第四局は五日後だが、名人は「十日は入院しろ」という医者の言葉を押し切って対局に望むつもりであった。そこにヒカルがやってくる。ヒカルがきたことを緒方さんはいぶかしむが、市河さんは久々に会ったヒカルに、初対局でアキラに勝ったときのことを話にふる。ちなみにその対局はアキラは緒方さんにも名人にも教えてないし、まわりでみていたお客さんもちゃんと覚えている人がいなかったらしい。
緒方さんは名人が退屈しないように、医者の許可をもらってノートパソコンを病室に持ちこみ、ネット碁ができるようにした。そして病室を三人は退去し、ヒカルだけが取り残される。
病室からの帰り際、緒方さんは一昨年の夏、「ヒカルがインターネットカフェにいる」という話を聞いて飛びだしたアキラのいきさつを聞く。それを聞いて緒方さんは、アキラがsaiをヒカルだと思ったのか、それともsaiとヒカルの関連をなんらか見出したのか…と考えたのだった。
一方、病室で名人からネット碁は性にあわないから病院に入院している間だけだと聞いて、意を決して「名人と打ちたがっている知りあいがいます。ネットでのそいつの名前はsai」と切りだすのだった。


名人無事でなにより。でも心筋梗塞だし、完全に安心はできないですよね…今後に不安が残ります。
それにしても、名人の病室は豪華ですなっ。一日何万円かかるんでしょうか。名人の収入から考えるとその程度だったら平気なのかも。そうそう、名人の奥さんって生きてたんですね。今まで全くでてこないから「他界説」も結構根強かったんですが。第78局で「アキラさん電話よ」というのがその奥さんだったんでしょうなあ。
それにしても、ヒカルもお見舞いを買ってこなきゃ…と気遣いできるようになったのね。でも前もって買ってこないあたりがまだまだ子供ですが。
緒方さんってマック派だったんですか。あれは新しく出たノートパソコンですね。もともと緒方さんのを貸したのか、それとも新規に購入したのか。アキラのパソコンがWindowsであったことからすると、緒方さんのお見立ての可能性が高そうですね。
アキラとヒカルとの二戦目、アキラが越智くんの前で並べたときに「誰にも教えてない」と言ってましたが、本当に名人にも緒方さんにも何も言ってなかったんですね。でも見てたお客さんから緒方さんあたりは何か聞いていたかと思ってたんですが、誰にもまともに覚えてなかったって…あの時いたお客さんはみんなヘボってことですか? ユン先生あたりだとちゃんと人の対局も覚えられるわけですが。どれくらいの腕前になると対局を全部記憶できるようになるんでしょう?
今回の話で、緒方さんにsaiとヒカルのつながりを思わせる証拠をさらに与えたわけで。…当事者のアキラを別にすれば、佐為に関する情報を一番握っているのは緒方さんなんですよ。今までにも伏線もたくさんあったし。だから佐為の存在が明かになるキーキャラは緒方さんだと思いこんでたんですが、緒方さんは越常現象に理解がないようですし、「カン」が優れている名人の方が先に正解にたどり着きそうですよね。予告には「塔矢名人の意外な返事にヒカル&佐為驚愕」となっていますが、まさかその返事が「…でその知りあいというのは後ろに立ってる烏帽子の彼かね?」ということはさすがにないだろうけど…死線をさまよったおかげで佐為が見えるようになった、というのは安直だろうし。でも、名人がヒカルの中の別の存在に気がついていることを匂わせるような発言はあるのかもしれません。
で、佐為と名人の対局は実現するでしょうが、ネット碁で行うとしたら次の日の日曜日になるかな? 名人がネット碁をするのは退院するまでの五日間だけですし、ヒカルも平日は学校があるものね。こんなに直後ではパソコン購入は間に合わないでしょうから、ネットカフェあたりからのアクセスですかね。で、名人と佐為の対局が実現したとして、その結果は…ここで佐為が勝つと話が終わりそうですし、かといって、対等の対局において現代に蘇ってから無敗を誇る佐為に瑕をつけるというのもなんですし。白熱した勝負が中盤で中断せざるをえない状態になるというのはどうでしょう? たとえば名人が対局中に容態が悪化するとか、ヒカルがネット碁を打ってるところを知りあいに見つかってしまうとか。それに名人と佐為の対局も、ふたりの間の問題では済まないでしょうね。なんらかの波及効果がありそうです。ネットのオープンな環境では誰がみてるかわからないですし…和谷くんがみてるとか、もしくは一柳棋聖(和谷くんがネット碁でのされた相手です)がみてるとか、そういう展開になるとおもしろいんだけどなあ。
あと、十段戦の行方。5番勝負で緒方さんが2勝1敗であり、名人の体調不安もあって名人が防衛できるかどうかは微妙な線かと。でもこういう形で緒方さんがタイトルとってももうひとつ嬉しくないしなあ。がんばって名人に防衛してもらいたいもです。
今週はイチオシの緒方さんをたくさん見れて幸せです。ベストショットは「初耳だな」の横顔。くー、カッコいいっ!! 緒方さん、市河さんに対してはなにげなくざっくばらんな口調になってるのが気になりますが…年下の親しい相手だからってことなのかな。まあどっちにしても市河さんが好きなのはアキラですもんねぇ。


【ヒカルの碁 第108局「2人きりの病室」】 01/03/12

今週のジャンプ。「バキ」の作者の本を読んだ直後のせいか、いまさらながらジャンプバトルマンガの薄っペらさが気になってしまう。ONE PIECEとかハンターは虚構がしっかりしているからそれほど気にならないんだけどね…ベラベラ喋って正面から対決する殺し屋とかもううんざりです。
ジャガーが久々に復活。やっぱりおもしろいなあ。ハンターはまたしても…
さて、「ヒカルの碁」。第108局「2人きりの病室」。「saiといいます」と話を切りだしたヒカル。それに名人は「知ってるよ」と。以前緒方さんから、saiとアキラの対局を並べてもらったらしい。「キミの知りあいなのか?」という名人の問いをヒカルは肯定するも、「誰にもナイショにしてください」とお願いするのだった。saiは名人と対局したがっているが、ネット碁しかできないから…というヒカルに、正体を明かそうとしないsaiに不信感を抱く名人。「ここに呼びたまえいつでも打とう」とあくまでも対面の碁を希望する名人に、佐為は一瞬切ない顔をしたあと、「私はここにいる! 碁盤と碁石の用意を!」と叫ぶのだった。そんな佐為をみて、ヒカルはもう一度名人に懇願する。名人は…saiの力はわかるが、アキラとの一局はアキラのヨミの力が足りなかっただけで、自分なら勝てた。ただ実際に自分で打ってみないと相手の力はわからないが…と。それにヒカルが「一度でもお願いしますっ」と必死に。そのヒカルの熱心さに打たれた名人は対局を了解する。
一方、緒方さんの部屋。一度棚上げにしたsaiのことをあれこれ考えていた。一度はヒカルのことをsaiかと思ったが、実際にヒカルの対局をみてヒカルは佐為でないと断定する。「ではsaiは誰だ?」
病室に戻って。「タイトル戦の合間の気晴らしになる」という名人の言葉にカチンとくる佐為。もう一度「saiと自分のことを誰にもナイショにしてほしい」とヒカルは名人に念押して、名人は他言をしないことを約束した。対局は来週の土曜日に。せっかくの名人との対局が叶ったものの、タイトル戦の合間のついでのような扱いに、「こんなついでのような対局を望んでいたわけではないのに」としょげる佐為だった。そんな佐為をみたヒカルはつい名人に「真剣に打ってくださいね」と。「先生が負けたときに「真剣じゃなかったから」って言われちゃやだし」と口を滑らせてしまう。それにムッとした名人は「私は負けんよ 負けたらプロを辞めてもいい」と。あまりに重大な言葉にヒカルはなんとかその約束を撤回させようとするが、そんなヒカルの態度にますますムキになる名人。一方佐為は「ヒカル 感謝します」と名人に闘志を剥き出しにするのだった。


今週はジャンプの表紙も「ヒカルの碁」でした。佐為とヒカル。でも佐為の狩衣の色が強烈だなあ。春を意識した色なんでしょうが…小畑先生って線が綺麗で、カラーも質感の出し方は抜群にうまいけど、色彩感覚はもうひとつのように思えるのは私だけでしょうか。
さて、本編。表紙の佐為の表情、迫力ありますよね。ぎりぎりまで引き絞られた矢のような。今回の話もただの会話だけなんだけど緊張感があってよかったです。名人に佐為が見えないし、佐為は自分の言葉を名人に伝えるすべはないから、すれ違ってしまう気持ち。それゆえに高まる闘志。そんな2人の間を必死に取り持とうとするヒカルがけなげでした。この三者三様の微妙なズレがうまくドラマを作っています。名人の「負けたらプロを辞める」宣言とか。名人からすればプロでもない素人に負けるとは思えないでしょう。それだけ囲碁にプライドがあるからこその五冠なわけで。一方ヒカルにすれば佐為の強さを知ってるから、名人が負ける可能性も考えられてしまう、と。そんな態度が逆に名人には自分を侮っているように思えたんでしょうねぇ。
「私はここにいる!」の佐為が切ないなあ。肉体を持たない、ヒカル以外とのコミュニケーションを持つことはできない辛さ。saiがリアルを獲得できるのはネットの中だけで。…前にインターネット碁編をやったときに、ヒカルが「オモしれェな 佐為 おまえってオレにしか見えないのにさ この箱の中にはハッキリおまえがいるんだぜ 藤原佐為が」と呟くシーンがありましたが、ネットの中で生き生きとした生命を持てる佐為に私もドキドキしたものでした。今回はそのことを思いだしちゃって。
逆にネットになじみのない名人が、そういうつながりに訝しさを抱くのも当たり前なんですよね。でも名人はヒカルの中の何かの存在に気が付いているかも?と考えてたんですが、そこまで世の中甘くなかったです。たしかに霊が宿って…など普通は思いつかないろうし。
あと、緒方さんのsaiとの関わりの伏線がここでまた復活しました。一度は「表にでてこないものは興味がない」と切り捨てたわりには、マメにネット碁を覗いていたんですね、緒方さん。ヘボsaiのことも知ってるし。直接の当事者ゆえに幻惑されているアキラとは違って、緒方さんはヒカル≠saiであることが分かってるようです。…前にも何度か書きましたが、私は佐為の正体の判明には緒方さんが深くかかわると思ってたんですよ。「現代の定石を覚えた本因坊秀策」の伏線がありますから。佐為の正体に対しては登場人物たちが少しずつ正解へのピースを持ってるわけで、それを誰かが集めてひとつにしてくれたら答えがわかるのに…ともどかしく思います。私はその役割を緒方さんに期待してるんですけど。三谷姉と白川先生の持つピースを手に入れてくれるのは緒方さんではないかと。
さて、名人と佐為の勝負。…いくらなんでもここで名人がプロを辞めるわけにはいかないでしょうから、佐為が負けるか、もしくは対局がなんらかのトラブルで最後までいかずに途中で終わるとか。…でもほったさんだからなあ、あの人なら何をやってもおかしくないですから。名人敗北の可能性も捨てきれない。あ、でもよく考えてみたら、結局はヒカルが打つわけで、ヒカルも佐為のいうままにアキラと対局した昔とは違って、今は盤面の形勢もわかるわけです。名人の言葉を思いだして、佐為が勝ちそうになっても指示どおりに打たずにわざと負けることもできるわけだし。とにかく、どんな対局になるか楽しみです。 
キャラ萌えとしては、緒方さんが今週もでてきてくれて嬉しかったです。あいかわらず生活感のない部屋ですねぇ。灰皿がおもしろいデザインですけど、あれも小畑先生のものかな?
今回はヒカルがなんかかわいいですねぇ。切なそうな顔、おろおろとした困った顔といい。ベストショットは「アイツ……ネット碁しかできねェし…」のしょぼんとした背中。ヒカルの気持ちが切々と伝わってきます。私は第57局のノートをみつけたときの三谷くんの背中も好きなんですが、こうやって背中で気持ちを語れるだけの画力が小畑先生にあるからこその演出なんでしょうね。


【ヒカルの碁 第109局「toya koyo」】 01/03/19

今週の「ヒカルの碁」。第109局「toya koyo」海の向こう、アメリカでも塔矢名人が「toya koyo」の名でネット碁をしているのは話題に上っていた。2年前の国際アマ戦のアメリカ代表はあの時のsai騒動に思いを馳せる。一方、オランダでも2年前のオランダ代表は囲碁クラブで塔矢名人のネット碁の話を聞く。そして彼も消えたsaiのことを思い出すのだった。
一方、十段戦第四局は、塔矢名人の勝ち。これで二勝二敗で勝負は次の対局で決まることとなった。その後の検討会で、一柳棋聖から塔矢名人がネット碁をやっているという話題がでてくる。対局後、奥方と一緒に病院に戻った名人。病室でネット碁をしていると、入ってきた主治医に「倒れたのは対局疲れもあるんだから、今日くらいはのんびりやすんだら」と言われる。「それともネット碁くらい塔矢さんには遊びなのかな」と聞かれて名人は「遊びです」。しかし真剣な顔で「だが負けられない対局もある」と。
そして、ヒカルは緊張した面持ちで「明日か」と呟くのだった。


緊迫の一局だった先週に対して、今回はツナギの話です。嵐の前の凪いだ海。
久々に国際アマのみなさんたちの登場です。やはり塔矢名人は海外でも有名なようで、すっかり話題。でもまさかそのまま「toya koyo」を名乗っているとはねぇ。まあ名人の世代からすると、怪しげなハンドルをつけるのは気持ち悪いんだろうなあ。でもこうやって世界的に名人も話題になり、謎めいたsaiのことも忘れられてないということはかなり注目を集めそうですね。ヒカルはひっそりと対局したかったんだろうけど。でもこの海外のエピソードは余分なように思えなくもないけど、単に世界的に注目されているというのを示しただけに終わらずに別の意味がでてくるんじゃないかと思いますがどうでしょ?
今週、ついに名前だけでていた一柳棋聖が登場。……倉田さんがアレだったから期待しちゃいけないとは思いつつ、ネット碁で和谷くんと遊んでいるあたりおちゃめなオジさんかなあと密かに夢をみてたんですが…おちゃめなのは当たってましたが、見事なハゲ頭のオジさんでした。とほほ。落語家みたいな雰囲気の方で、リアリティを感じられるいいキャラだとは思います。「ヒカルの碁」の路線がキャラ萌えマンガではないことは百も承知ですが、少し残念。でもむやみに美形キャラを出して人気とりに走らないところや、人気のあるキャラをストーリー上優遇しないところが「ヒカルの碁」のよさなのは確か。編集部もそれを許しているというのは、ジャンプも昔とは変わってきてるんでしょう。
さて。緒方さん、対局に負けて悔しそうで、検討会もそこそこに先に帰ってしまいます。一柳棋聖にまで「緒方くんはクールなようで顔にでるからオモシロイ」とこわっぱ扱いされちゃいます。緒方さん、アキラを翻弄していても、桑原本因坊や一柳棋聖には勝負師として全然相手にされてないんですね。ううう。緒方ファンとしてはそういう情けない緒方さんもそれはそれでかわいらしいんですが…記者の皆さんが言ってるように、緒方さんもそろそろタイトルの1つでもとれるようになるんでしょうか? 今の感じでは塔矢名人に健康不安はあるものの、まだ旧世代は新しい波なんかに負けそうにないですよね。
名人、saiとの対局に随分本気です。たかが子供のヒカルの言葉に何をムキになってるんだか…と思いますが、この人はさすがにあの思い込みの激しいアキラの父親だけあります。名人も人格者のようにみえて実はプライドが相当高く気性も激しいというのは、タイトルを5つも持っているだけの男なだけあります。「いい人」では勝負に強くなんかなれないでしょうし。
そうそう、今回はなんとアキラ母が登場!! いやあ、若いですね〜。せいぜい30台にしか見えないということは、アキラを生んだのは結構若い頃なのかな。でも髪型がちょっと古めかしい…大正時代の「モガ」を思い出してしまいました。髪形がなんかヘンというあたりはさすがアキラ母なのかも。ででも少女めいたしなやかさとおおらかさを持った素敵な人ですねぇ。
さて、来週は人気投票の結果発表ということで巻頭カラー。今年に入ってすでに3度目のカラーです。月に一度のペースですか。小畑先生も大変ですなあ。予告では、佐為は名人との対局を前にある人と対局するそうですが…誰だろう、一体。


【ヒカルの碁 第110局「高ぶる心」】 01/03/26

「ヒカルの碁」第110局「高ぶる心」。病室にて塔矢名人は主治医に明日の面会は全部断ってくださいとお願いする。また奥さんにもアキラにも来ないように、と。どっちにしても明日はアキラは若手の勉強会に行くのでこないそうである。
中国のアマ碁チャンピオンの李が「toya koyo」とネット碁で対局をしていた。「toya koyo」のあまりの強さゆえに、彼は塔矢名人に違いないと確信する李だった。一方、その対局をみていたオランダ代表も塔矢名人であると思い、騒ぐのだった。
ヒカルの家では、過去の新聞を読みながら名人戦での塔矢名人の一手に感心するヒカルだった。佐為は観戦者は対局者よりも冷静でいるだけで、本当の対局の深みは実際にその対局を行ったものしかわからない。また相手の本当の強さは実際に対局してみないとわからないと言うのだった。そこにあかりが遊びにくる。囲碁部の皆が用事があっていないから打ってほしいとのこと。ヒカルは明日の塔矢名人との一局を控えて打つ気にはなれなかったが、佐為がかわりに緊張する気持ちをほぐすためにもあかりを指導碁することに。囲碁部の近況をヒカルに報告するあかり。佐為はつたないながらも必死で考えているあかりをみて、2年前現世に蘇った当時のことを思いだすのだった。そして、塔矢名人との出合い…同じく「神の一手」を目指す者同士ゆえに佐為は名人に一番深い思いいれを抱いているのだった。「次は互戦で」という約束がついに実現する。明日。


巻頭カラー&人気投票結果発表です。人気投票の結果は後述。表紙は笛を吹くヒカルと琵琶を抱えて寝そべる佐為ですが、なんと佐為は生足!! 色っぽいですねぇ。
いよいよ名人と佐為の対決か?と期待してたのに、今回は肩すかしでした。前話に引き続きネット碁世界での塔矢名人登場の波紋。正直いうと、今回のは書く必要のないエピソードのように思えますが、ほったさんのことですからそう思わせてなにか別のつながりがでてくる可能性はあります。こうやって2週に渡りプロローグを描いたということは、名人と佐為の対決は結構時間をかけて描かれるのでは? すくなくとも4、5週くらい。あと、ネット碁も今回限りではなくまた話の重要なファクターになるんじゃないかと。でなきゃ、世界のアマチュア代表達の出てきた意味がなさそうですから。
でも名人がでてきたことでそれだけ皆が騒いでいるとするなら、saiの復活、そして名人との対局ではもっとすごいことになりそうですね。
さて、ヒカルはどこでネット碁をするんでしょうか? パソコン購入した気配がなさそうですから、前に行ってたネットカフェでしょうか? でもそこはアキラにバレているしなあ。ヒカルもさっさとパソコン購入すればいいんですよ。プロになって給料も貰うんだし。そうすればsaiに思う存分打たせてあげることができるのに。ネットの中でならsaiも「実体」を持つことができるのですもの。
アキラは若手の勉強会に行くために見れない模様。でもアキラにもそういう親しい棋士が芦原さんの他にいたんだ。それとも芦原さんが誘ってくれたんですかねぇ? アキラがこれからかかわりを持つべきなのはsaiではなくヒカルですので、そういう意味でも今回は渦中から外されたのかもしれません。さて、緒方さんはちゃんと二人の対局にチェックを入れるんだろうか? 緒方さんはsaiがらみの伏線が色々とありますから、観戦するのではないかと思います。
そうそう、囲碁データベースより、中国ネット碁会所に謎の最強棋士現る。saiが現実にまで現れたようでなんだかわくわくする話です。もしsaiが塔矢名人に勝ったら、週刊碁ばかりか一般の新聞や雑誌でも特集が組まれたりしたらおもしろいのになあ。
久しぶりに登場したあかりちゃん。打つ手をあれこれ迷ってる顔がかわいかったです。でももうあかりちゃんも3年生なんですね。6月の大会で最後かあ。三谷くんも出場して、ヒカルも大会を見に行ってくれればいいけど。というか、大会の話を本編でもちゃんとやってくれないかな。そういえば、囲碁部に新入部員は入ったんでしょうか? 誰も来なかったから3年生がいなくなったら小池くんひとりになっちゃって寂しいですもんねぇ。

人気投票の結果発表です。
1位 伊角慎一郎 11366票
2位 藤原佐為 3860票
3位 和谷義高 2712票
4位 塔矢アキラ 2474票
5位 進藤ヒカル 2450票
6位 加賀鉄男 2136票
7位 三谷祐輝 1924票
8位 筒井公宏 1050票
9位 緒方精次 994票
10位 冴木光二 576票
伊角さんが2位に7000票以上の差をつけて、ぶっちぎりの1位でした。伊角さんってプロ試験での扱いがあまりに不敏でしたから、ファンの方も「せめて人気投票くらいは〜」と気合をいれて頑張ったんでしょうね。1位なのに弱気な伊角さんのコメントがらしいですなあ。もっとも1位になったからといってほったさんのことですから、出番が増えたり扱いがよくなったりすることはまずないでしょうけども。ただ伊角さんの場合はストーリー的に役割がまだ終わってませんから、再登場はするでしょうね。あのときの院生師範の言葉からして、そのときには精神的にたくましくなった伊角さんに出会えることを楽しみにしています。でもこういうタイプのキャラがジャンプの人気投票で1位になるって珍しいですよね。
あとはわりと順当かなあと思います。ベストテンからメンバーが入れ替わるとしたら冴木さんだろうとは思ってたけど、やはりでてきましたか。カッコいいし、いい人だし、それでいてちょっとおちゃめなところがあってキュートですもんね〜。ヒカルや和谷くんの兄貴分としての活躍がますます期待されます。
緒方さん、なんとかベストテンに入っててよかった〜。最近出番は多いものの、なんだか老獪なオヤジたちに弄ばれてるだけのような……最初の頃のアキラを翻弄するミステリアスな男だった頃から比べると情けないかぎりですが、ファンにとってはそういう部分もかわいかったりするんですよねぇ。
ちなみに11位が奈瀬ちゃん、12位が岸本くんですが今回で初めて名前判明。「薫」だそうです。おおっ、似合いますな〜。今頃名前がついたということは、また出番が……そんなのは期待しない方がいいんでしょうけど。
ライバルが4位、主人公が5位というのは、少年マンガとしては少々問題かもしれません。まあプロ試験のアキラの怪しげな言動、ヒカルの炸裂する問題発言からするとこの順位でも頑張ったなあ、という気がします。



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