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【HTMLメール】 01/07/11

HTMLメールの話。
ネット関係の話題がメインのメーリングリストを購読しているのですが、そこでHTMLメールの話題になりまして。日本では「いきなりHTMLメールを出すのはマナー違反、メールはプレーンテキスト送るべし」という意識が強いですが、韓国ではHTMLで送るのが当たり前で、アメリカでもHTMLメールがすでに半数以上を占めているらしいです。
HTMLメール推進派の言い分は、
(1)HTMLメールの方が表現力があり、情報が見やすい。画像が使えるだけではなく、表組みを使う場合は圧倒的に見やすい。
(2)オプトインメールとして商用宣伝目的で利用する場合も開封率の確認やメールからサイトに来た場合の追跡調査ができるなどかなりのメリットがある。
(3)トラフィックが増えるという問題は、回線が太くなったために現在では大きな問題ではない
(4)HTMLメールをサポートしているメールソフトの利用者がほとんど。(2001年度の「インターネット白書」(インプレス)によるとOutlook系の使用者が75%以上。「わからない」も含めると85%になります。)

今も日本では「HTMLメールはマナー違反」意識が強いのは、うっかりHTMLメールを送った初心者に「それはマナー違反だ」と教育していくような一部のコンピュータオタクたちの「声が大きい」為ではないか、という意見の方もいました。

言い分には納得のいく部分もあります。物理的な環境の変化により、昔ではタブーだったことがスタンダードになることはよくありますし。特にインターネット関係ではその移り変わりが激しいですからねぇ。
メールにしても、昔はタイトルに日本語を使うのはダメだったんですよ。化けて読めない人がいたから。今はそういう方が圧倒的少数派になったせいで、まず問題視されることはないですもの。そうやって「常識」は移り変わってゆくものだけども。
ただ日本の場合はHTMLメールの普及まではもうしばらくかかるでしょう。その理由は、
(1)日本ではHTMLメールをサポートしていない、携帯電話とポストペットでのmailの割合もかなりある。
(2)HTMLメールの画像をサーバーまで見に行く場合はネットへの接続を行なうのでダイヤルアップ環境だとかなり困る。(韓国でHTMLが標準なのはブロードバンドが普及しているためという理由も大きいようです)
(3)HTMLメールは開くだけでIPの取得などができるような仕組みを簡単に作れるためにプライバシーを侵害される危険がある。
(4)セキュリティホールの問題。HTMLメールを読むだけで感染してしまうウィルスが存在して危険

あたりですかねぇ。私自身自身はHTMLメールがきたからといって目くじらたてて送信者に文句を言ったりすることはないけれども、ちょっとだけ不愉快になります。私が使っているメールソフトのBecky!の場合は、テキストファイルならスペースキー連打で自動的にスクロールして文章が読めるのですが、HTMLメールにはこの機能が効かないのでマウスを使わなきゃいけないのが面倒でして。あと、メールに添付ファイルの印がついてるとやはり身構えてしまいますね。ウィルスかもしれないから。

HTMLメールがこれだけ勢力を伸ばしてきた原因はもちろんMicrosoftがそれまでのネットの流れを無視してOutlook系のデフォルトをHTML形式にしたせいでしょう。初心者が増え、ユーザー層がコンピュータマニアから一般人に変わることで常識が変わるのは仕方ないとはいえ、後からきた強者が勝手に作った仕様が多数派の論理でなし崩しに「標準」となってしまうのはなんだか気持ち悪かったりするんだよね。

6月に頻繁に話題にしてた「リンク」や「個人サイトについての意識」のように、初心者が多数派になることでネットの空気がどんどん変わっていってるのを肌身に感じます。

ちなみに2001年7月現在では、見知らぬ相手やメーリングリストにHTMLメールで送ると「マナー違反だ」と怒られる可能性はまだまだ高いですので、「出してもかまわない」相手以外にはプレーンテキストにしておいた方が無難です。Outlook系でテキストメールをデフォルトに設定する方法はこちら
HTMLメールへの本格的なシフトは、ポスペと携帯電話のメールがHTMLメールに対応したら始まるかと。…1年後にはどうなっているのかなあ。


【HTMLメール(2)】 01/07/12

HTMLメールの話続き。いくつかご意見を頂きましたが、そのうちの対称的な二つご意見を紹介。

>後からきた強者が勝手に作った仕様が多数派の論理でなし崩しに「標準」となってしまうのはなんだか気持ち悪かったりするんだよね。
でも今の状態っていつまでも対応する気のないローテクの少数派が我がまま言ってるって状況ですよね。横並びをよしとする日本ならではかも。セキュリティーホールだのなんだのは対策とろうと思えば取れるのですし(出来ないってのならWebすら見れない)。
ケータイにしたってポスペにしたって、現時点では無理でもその気になれば技術的には簡単。そもそもポスペなんか使ってるタイプの人は見た目が綺麗に見えるhtmlメールへの潜在的需要が高そうな気もします。
htmlメール否定派の意見を見てるとネットの進化にとって害にしかならないように感じますねぇ。まぁ、htmlでは送らないけど。

ケータイはiモードとかWebをみることができるですから、メールでもHTMLに対応するのは難しくはないでしょうね。単に文字やバックの色を変えたりするだけでも表現の幅が広がるから若い子にはウケそう。ただケータイのネックはパケット料の高さかなあ。ドコモの一人勝ちじゃなくなって、もっと競争が激化しないと値下げはなかなか無理だろうし。ポスペが対応したらたしかに一気にHTMLメールが広がりそうですよね。
ただルールができてくるにはそれなりに意味があるわけで、「ローテク派のワガママ」と切って捨てるのは少々乱暴ではないかと思います。

もうひとつのご意見。

すでに同様な情報が届いてるかもしれませんが、Becky!はCTRL-SPACEで先に進めませんか? Becky!Ver.2ではそれでOKです。 なお、分かって書いてるのかもしれませんが、今でも直接漢字をサブジェクトやなんかのヘッダに使うのは御法度です。今のメーラがユーザの見えない所で面倒をみてくれているだけです。また、単に化けるだけならいいですが、そのメールが届かなかったり、さらには、途中の経路で障害を引き起こしたりする可能性があったから、漢字は使えなかったのです。まあ、余計な知識ですが、参考までに。

操作方法、教えてくださってありがとうございます。漢字タイトルの件は、かつての事情は知っていますが、「今でも御法度です」というのは原則論に固執しすぎるような。ネットのシステムとして対応してなく、メールソフトがそれを補っていたとしても実状として(少なくとも国内のプロバイダ同士では)問題ないのであればOKでは? 漢字やひらがなによるタイトルのわかやすさというメリットと、それを使うことによるシステム障害の可能性などのデメリットを比べてみると、今となってはメリットの方が圧倒的ですし。
…ひょっとして、今でも技術系メーリングリストの中には日本語タイトルを使用したら「マナー違反」と注意されたりするところがあるんでしょうか。

私が初めてインターネットメールを送ったのが94年だったかな? やっと当時の商用パソコンネット同士でのインターネット経由のメールのやりとりができるようになった頃。あるネットの自分のアドレスから別のネットの自分のアドレスにメールをテスト送信したのですが…届くまで3日かかりました(実話)。今からすると信じられないことだけど。今は大抵のネット同士では、1分もかからずに届きますからねぇ。昔は私も怪しげな英語のタイトルや、ローマ字表記のタイトルやらを使っていたものです。今となっては懐かしい。たった数年でいろんなことが変わったんだなあと思います。


【HTMLメール(3)】 01/07/13

昨日の日記のフォロー。同じ方からメッセージを頂きました。「メールのタイトルに直接漢字を使うのは御法度」というのは、MIME変換せずに使えば…という意味で書いたのだそうです。「直接」という言葉の示す意図がわかってませんでした。すみません。知識の上では知っていたけども、私はタイトルをMIME変換しないメールソフトを見たことないんでそういう考えは浮かばなかったので。私のインターネット歴は95年からですし。ちなみに今の日本語のメールソフトで普通に使っていてタイトルに日本語を使うことが問題になることはまずありません。技術系のメーリングリストでも英語メインのところじゃないかぎりは日本語タイトルでもOKだそうです。技術的な話は愚者の戯れ言 7/13に

念のため、私はHTMLメール推奨派でも否定派でもないです。(テキストで済むようなメールがHTMLでくるのは愉快ではないし、自分からHTMLメールを出すことはまずないでしょうが) ただすでにHTMLメールが実質的に標準化している国(韓国)もあり、日本もいずれそちらの流れに行くのではないか、ということ。
直接関係はなかったけれども、参考→効果的なHTMLメールの使い方


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