以下、ネタバレ感想になります。
□週刊碁
アキラの髪型がっっっっっっっ〜〜〜〜〜 なんてこったい。個人的には、ちょっといやんな感じ。
この日付が2004年4月ということは、148局から2年半ほど後でヒカルもアキラも16歳? アキラもいつまでもおかっぱのままじゃ、と思わなくもないですがセミロングは現代日本を舞台にした現実寄りのマンガではちょっとなあ…
この「週刊碁」の企画自体は(成仏したはずの佐為が映ってるし。いや、それ以前に幽霊なのに写真に映るのか?)お遊びだとは思いますが、どの程度オフィシャル設定を反映しているんでしょうか? 発行日の設定からして「4/1」エイプリルフールを意識してるような気はしますが… まさか149局はいきなり2004年から始まったりするんでしょうか? 葉瀬中卒業式とかそのあたりは見たいんだけどなあ。…日韓中Jr杯が開催されるのは2004年…ってことはないと思うけれども出場予定の韓国の高永夏棋士は2年半後だと18歳ギリギリだろうし、可能性のない話ではないですが… あと、奈瀬ちゃんはプロの仲間入りするんでしょうか。小畑さんが「女の子もかかなきゃ」程度でかいたってことじゃなきゃいいけど。
「オリンピックに囲碁を」というのは、そういう提唱をしている人もいるしまったく現実味のない話ではないですが…世界大会ならともかく、囲碁をスポーツだというのには個人的には違和感があります。名人、なにげに中国チームの監督だし。これで実現したらある意味親子対決、うわー、ジャンプぽい展開だ。
倉田さんが7段に、芦原さんがなにげに6段になっていますねぇ。
まあおもしろかったんですが、本編の今後の展開に不安を覚えてしまう「週刊碁」でした。でもアキラのあの髪型…
□キャラクター紹介
一番印象が大きいのは小畑先生の絵のタッチの変化の激しさ。全然違う時期にかかれた絵が並べて置かれると違和感を覚えてしまいます。でも伊角さんや緒方さんのような整形組(?)は整形前の顔は置かれてませんでしたが(伊角さんは整形中が1カットありますね)、あれを並べても同一人物だとは見えないから…なのかな?
コミックス14巻の「ネームの日々」(アニメスタッフとの打ち合わせ話)からすると、小畑さんもほったさんもキャラの本質的でないプロフィール(誕生日や体型など)とか適当にしか決めてない感じがします。必要になったときにひねり出すのかなあ、と。ちなみに誕生日などが載ってる主要キャラのプロフィールはアニメのキャラクターグッズのカードかシールに載ってたそうで、そのときにほったさんに考えるように話がきたのか、アニメスタッフが考えたのを「それでいいですよ」と承認しただけなのか、気になるなあ… 個人的には白川先生の名前が「道夫」というのは納得できません。あのはかなげな外見にあったもっとキュートな名前がよかったのにっ!!
でもこうやってまとめたものを読むと、アキラって本当にヒカルに振り回されてきたんだなあ、としみじみ…
□ネームの日々
小畑先生がかいた連載2か月前のキャラデザインが載ってます。ヒカル・あかりちゃん・佐為は今とあんまりかわらないんですが、ほう、これがワイルド塔矢ですか。ワイルドとはちょっと違うような気はしますが、気になるのはこれらは今はほったさんしか持ってないって… あの、小畑先生ってラフスケッチとかそういうのってとっておかずにガンガン処分したりするんでしょうか? うわ、もったいない!!
第二局の原稿にキリバリがあったとは、アキラのデザインはぎりぎりまで迷ってたんですね。じゃ、いったいどこからあの「おかっぱ」というイメージが降って沸いたんでしょうか? おかっぱはアキラの浮世離れしたところや、ナイフのような鋭さをうまく象徴しているとは思いますが、今の日本でおかっぱの男の子… なぜ…
もうひとりのアキラもみてみたかったです。
□千年放浪
人が死んだときに白い梟が現れると、その死んだものの魂は千年この世に留まるという。そんな母親の話はロクに聞きもせずに天童丸はやってきた佐為と遊びにゆく。佐為は囲碁をしたがるが、天童丸は蹴鞠やかくれんぼの方が好き。蹴丸がヘタですぐに「碁をしよう」という佐為に腹を立てて、もう佐為とは遊ばないと天童丸はダダこねた。
何人もやってこない佐為に腹を立てつつも、意地を張って自分からは遊びにいかない天童丸。その頃、外では入水騒ぎが起こっていた。そのとき天童丸の目の前に白い梟が現れ、どこかに飛び去った。天童丸は碁でもいいから佐為と遊びたいなあと思うのだった。
すごくよかったです。佐為の入水前の話。でも佐為は表紙に後ろ姿しかでてません。絵は山田章博さんを髣髴とさせるタッチで描いてますね。きれいだなあ。梟のシーンの緊張感が見事です。
それにしても切ない話です。佐為は自分が残した人がどれだけ悲しむか、考えずに入水を選んだんでしょうか。当時の日本だと貴族くらいしか碁をたしなむゆとりはなかったにせよ、伝をたどって地方豪族の元にとりあえず身をかくまってもらい、帝の怒りがとけるまで待つとかいう考えは浮かばなかったんでしょうか。…佐為は碁だけが好きな人ですから、そうやってしたたかに立ちまわることなんて考えたこともないんだろうけども。でも天童丸に佐為を失う直前のヒカルの無邪気さをつい重ねあわせてしまって、心が痛かったです。
今回の番外編で本編を解釈してみると、佐為が消えたのは約束の千年が経って帰る時間がきたからともとることができます。ヒカルが佐為を消したのではなくて。そうだとすると、佐為は消える前にちゃんとバトン(というか扇子?)を渡せたことに気が付いてよかったのかもしれません。