第133局「試される伊角」。中国棋院にいるエリート棋士たちの力に圧倒されている伊角に、別の18歳くらいの棋士が声をかけた。一手10秒の早碁をやろうと誘っているようだ。そういう碁自体は伊角も九星会でよく打っていたが、違ったのは相手の強さだ。彼は伊角と年はほとんどかわらなくみえるが、日本の九段クラスの力の持ち主だった。伊角は早々と投了したが、その後の感想戦で「こういう手があったのに」と指摘されてしまう。対局者は何か言葉をかけてくれたが何を言ってるのか伊角にはわからない。唯一分かる碁では、力の差を感じるだけ。すこし落ち込み気味だった伊角に、日本語で言葉がかけられた。二十歳前後にみえるその青年は楊海(ヤンハイ)と名乗った。彼はその日1日部屋にいたから伊角のことをその時初めて知ったらしい。語学が趣味で、日本語だけでなく英語も韓国語も話せるらしい。伊角がホテルにひとり泊まっているときいて、楊海は二人部屋でひとつベッドが空いてるからこっちに泊まったらどうだ?と誘われる。しかし伊角はうつむきながら、ホテルでひとりになりたいし、長くいるわけでもないから…と断った。また楊海に一局持ちかけられたが、目を伏せたまま伊角は断った。
ひとり沈み込んで、伊角は自問自答する。去年のプロ試験、ヒカル・和谷・フクと三連敗したあと立ち直った原動力は、越智に対する意地だった。「オレの碁がオレを支えている 自分の力を信じよう そう思うことができた あの時は」「だがこの中国棋院でその気持ちを持てるだろうか オレの碁はオレを支えてくれるだろうか」去年、プロになったヒカル・和谷・越智に追いつくことができるのだろうか。対等になれるのだろうか。焦りばかりが大きくなるが、「弱気になるな」と自分を叱咤する。このまま自信を失って帰ったらプロ試験に臨むことはできないのだ。
そのとき、楊海が伊角に電話をとりついだ。日本にいる伊角の父からだった。父親は桜野から伊角が残ることを聞いて心配して電話をかけてきた。「残るのは2,3日なのか?」という父の問いに、決意を固めた伊角は答える。「プロ試験がはじまるまでいるよ 2か月」と。滞在費を心配する父に心配ないことを伝え、伊角は電話を切った。
その日の夜、伊角は宿泊していたホテルを解約して、楊海の部屋を訪れた。恐る恐るやっていた伊角を楊海は気楽に受け入れる。楊海の部屋は日本人のとあまり変わらず、壁にアイドルの写真がはってあったり、パソコンが2台もあったりした。伊角が喜んだのは碁盤が部屋あったことだった。碁盤があれば夜でも勉強ができるからだ。楊海はパソコンを使うから、碁盤を自由に使っていいと伊角に告げる。今日のことを聞かれ、「楽平ともう一人と打ってまけた」と伊角が言うと、それまで我関せずという感じだった楊海がいきなり怒りだす。「あんな奴は叩きのめしてくれよっ」 そして碁盤の前に座り、伊角の力だめしを始めようとした。伊角が楽平に勝てない程度の力の持ち主ならばこの部屋にはおけない、と。
「2子置いて」
今回も「伊角の碁」でした。ヒカルが今あんな状態だけに、正直いうとヒカルサイドの話の方を読みたい気分ではありますが…でもきっとこれも物語に必要な布石なんでしょう。
で、今回読んで一番最初に思ったこと。「ビザはどうするっ!!」日本人が中国に滞在するにはビザが必要ですが、観光ビザの場合は滞在日数が30日までなんですね。それ以上だと別の申請が必要になります。元々数日の滞在予定のつもりできたのでしょうから観光ビザでしょうし、それだと2か月もいることはできないんですけども… まあきっと次かその次くらいの話でフォローがされるとは追います。今までも「あれ?」と思ったことはそういう形でかかれたことが多いですから。
それにしてもほったさん、お金は誰が払うとかいくらかかるとか、そういうことには妙に細かいですねぇ。家計を守る主婦の感覚がそういうところにでてるような気がします。
楊海くんと楽平くんにはなにか因縁がありそうですが…ひっとしたら楊海くんも「年下のガキ」にすぎない楽平くんにしてやられたことがあるのでしょうか。その上、楽平くんが全然まじめじゃないから、腹が立つとか?
楊海くんがパソコンをやっているということは、当然ネット碁もやってるでしょうし。そこからsaiへ話が繋がることとかあるのかなあ。もしくはネット碁でZELDAと対局することがあったりして。
伊角くんは弱さを克服して日本に帰ることが出切るのでしょうか?
正直いうと、この「伊角の碁」シリーズが本編でどういう役割をするかがまたみえてこないから、読んでてもちょっと落ちつかない感じがします。もっとも「ヒカルの碁」の場合は、そのときはわからなくてもかなり先になってから「あの話はこういう意味付けだったのか」と分かることも多いですからねぇ。話の先を読んでみないことには、なんとも。
来週の予告は「弱点を指摘され、驚愕の伊角!?」となっていますが、ってことはあの楊海くんとの対局に負けるということなのかな? 負けたら追い出されるんじゃ…
巻頭にジャンプフェスタの情報が載っていましたが、そこで上映される「ヒカルの碁」のオリジナルアニメはなんとほったさんが原案を作ったそうです。しかも、ヒカルが中学1年の夏、海王中との対戦で負けた後の葉瀬中囲碁部の話。あの頃の雰囲気ってすごく好きなのに本編ではあっさり飛ばされて残念だった分、その部分の話をみることができるなんて嬉しいかぎり。本当は小畑先生の手でマンガ化されるのが一番ですが、そこまで贅沢は言うまい。絶対にみたいなー、これ。たぶんいつかはビデオ化され市販されると思いますが… ジャンプフェスタ、私は大阪会場を申し込みしていますが、当たるといいなあ。
あと、会場販売グッズの一部が載ってましたが、「ヒカルの碁」は卓上カレンダーが掲載されていました。ジャンプのカラー原稿を再利用したもののようですが、これほしいなあ…
10月からのアニメ情報は、市川さんと白川九段と緒方九段の声優さんが発表されていました。雪乃五月さん、遊佐浩二さん、藤原啓司さんです。私は声優に詳しくないので、名前を聞いても誰が誰だかわからないんですが…
また、テレビ東京に「ヒカルの碁」のオフィシャルサイトができています。要FLASHですが、第一話の予告(ヒカルの声付き!!)もみることができますよ〜。
http://www.tv-tokyo.co.jp/anime/hikaru/