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【ヒカルの碁 第157局「思い出」】 02/07/22

第157局「思い出」。
門脇とヒカルの対局は、ヒカルの中押し勝ちとなった。対局が終わって感想戦に。ヒカルは最初の形勢は悪かったが、あせらずじっくりと対応した。門脇が驚いたヒカルの一手は「瞬間ひらめいた」ものらしい。今回はヒカル自身「我れながら上出来さ!」と思うような快心の一局だった。 そんなヒカルに門脇は「ありがとう。打ててよかった」と感謝の言葉を捧げた。ヒカルのような棋士がいるとは、プロの道を選んだ甲斐がある…と。ヒカルは照れた。
碁石を片付け、伊角の対局を思い出したヒカルは急いで行こうとする。門脇を促そうと振り向いたヒカルの目に入ったのは、割りきれない思いを抱いてるような表情をした門脇だった。そんな門脇にヒカルは真剣な表情でさきほど自分と打ててよかったと言ったけれども本当はどうなのか、問い詰める。門脇はさっきのは本音、ヒカルは本当に強かったと慌てて答えた。しかしヒカルは「他には?それだけじゃないよね?」とさらに問い詰めた。門脇は口を濁しながらも、以前のヒカルの方がやっぱり強かった、と答える。慌てて気にしないでほしいという門脇にヒカルは、「ううん。オレもそう思う」と満面の笑顔で答え、去っていった。門脇は以前の自分の方が強かったなどと誉められて喜ぶヒカルの気持ちかわからず、混乱する。
ヒカルが対局室前についたとき、ちょうど記者室から和谷たちがでてきた。伊角が6目半で勝ち、これから検討に入るので皆で対局室に移動するところだったのだ。遅くなったことを問い詰める和谷に、「門脇さんと打ってた」とヒカルは答えた。驚く和谷たちの前にちょうど門脇がやってきた。「進藤と知り合いなんですか?」と和谷に聞かれた門脇は、1年半前にヒカルと打ってあっさりやられたことを話した。それを聞いて和谷たちは先ほど話をしていた「子供」がヒカルだったことを知って驚く。さらに追い討ちをかけるように、門脇は前のときの方がヒカルは強かった気がするといい出す。「院生のときの方が強かった」とは思えない和谷たちは困惑した。その上、ヒカルがそれを聞いて「オレもそう思う」と笑った話を聞いて、和谷は混乱してしまった。
日がかわって。師匠の家の研究会に顔を出した本田は、玄関で見なれない靴をみかけた。部屋にいたのは、師匠の友人の関西棋院の棋士・吉川八段とその連れの少年。彼は関西棋院でプロになった社清春で、まだ15歳だ。吉川は先生のところに今年プロ試験に合格した少年がいることを思い出して連れてきたらしい。「コイツ強いで!いっぺん打ってみ」と吉川はいい、本田は碁盤をもうひとつ出した。関西棋院では院生手合いの成績がいいとプロになれるために毎年プロ合格者がでるというわけではないらしい。本田は越智が「関西棋院に有望なヤツがいる」と言っていたのを思い出した。こいつがそうか、と。吉川は北斗杯の代表選抜戦に関西棋院からは社と津坂三段がでるということを話した。それを聞いた本田は北斗杯の前哨戦としてこの対局は負けたくないと思った。社はちらと本田をみて、「…アレいってみるか」と天元に石を置いた。初手天元に驚いた本田だったが、受けてやると闘志を燃やした。


門脇さんとヒカルの対局は予想通りヒカルの勝利で終わりました。で、問題は門脇さんの評価でしたが… ヒカルの力に十分魅力を感じつつも、1年半前…佐為の方が強く感じた、と。それに対してヒカルは笑って「オレもそう思う」って言いましたが、この笑顔はどう解釈すればいいのでしょうか。私が受けた印象は、「やっぱりまだ佐為にはかなわないなあ」「門脇さんはちゃんと佐為の強さを分かってくれてるんだ」とか、そういう気持ちがごちゃ混ぜになってなんだか嬉しかった…というものでした。
今回のタイトルは「思い出」。ヒカルは碁を打つことで佐為に「会える」わけですが、佐為はヒカルにしか見えない存在だっただけに、こうやって他者の中に「佐為との記憶」が残ってそれを「わかって」くれているのは嬉しいものなのではないでしょうか。思い出を誰かと分かちあえるというのは幸せなことですから。

今回の対局はヒカルと佐為の力の差をはかる「ものさし」としての役割がメインでしょうが、あとは門脇さんにさらに「ヒカルの謎」を残したこと、あとそれが和谷・越智・本田くんたちにも波及したこと。あの3人は院生時代のヒカルそのままの実力を知ってるだけに、「1年半前の方が強かった」というのは不思議で仕方ないでしょうねぇ…これもまた今後のエピソードに繋がっていくのでしょうか?
あとは、門脇さんが驚くような一手は「瞬間ひらめいた」ものであったこと…これはヒカルのセンスのよさを表しているんでしょう。そして我慢強い碁も打つことができる、と。
それとヒカルが門脇さんにナチュラルに敬語を使っているのに「あれ?」と思いました。昔のヒカルは敬語の使い方がぎこちなかったのになあ。プロになってそういう部分も成長したのかな。

それにしても先週とうってかわった門脇さんの気の抜けたような顔… すごい落差です。門脇さんに誉められたときのヒカルの顔が久しぶりにあどけない表情に。それと門脇さんを問い詰める真剣な表情の対比、そしてあの笑顔。事情を知ってても翻弄されちゃうかも、あれは。でもああいう笑顔は本編では久しぶりにみたなあ…という気がしました。

ついに噂の「強い関西棋院の新人」登場。個人的には女の子希望してたので少しガッカリしましたが、でも社くんもカッコいいですなっ。小畑先生のお友達のマンガ家・浅田弘幸さんのバスケットマンガ「I'LL」にでてくる柊仁成に雰囲気が似ています。(ちなみに「I'LL」の方にはあきらかに小畑先生本人がモデルなライバル高校のバスケ部監督がでてきます)
クールな自信家、そんな感じがします。まだセリフは一言しかないので、キャラははっきりしませんが、とにかく「妙に元気で(なんちゃって)関西弁で喋りまくる」ありがち関西人キャラではなかったようでほっとしています。吉川八段の方はバリバリの関西弁でしたが。一応大阪人の私からすると不自然じゃない関西弁でしたので(オジさんではああいう古い言い方をする人も結構いるし)、関西在住の人に監修を受けたのかな?
でもこの子、本田くんよりみっつ下ということは15歳…中3? アキラやヒカルと同級ってことですか。同じ学年にしたのは何かほったさんに意図はあるんでしょうか。

伊角さんは桑原先生に勝ちましたね。見事!! もっとも新初段戦は逆コミ(新人は黒を持っているのにさらに5目半をもらう)ですから、対等な条件で勝ったわけじゃないにしても、あの桑原先生相手にそこまでやるというはさすが。

初手が天元…の意味ですが、私は囲碁はよく知らないので感覚としてはわからないんですが… プロでも天元から打たれることはありますが、あまり一般的な手ではないようです。囲碁は石で囲った分だけ自分の陣地になるゲームですが、角や辺を利用した方が陣地が作りやすいのです。だから端の方から打っていく方が一般的なのだそうです。佐為がヒカルにとりついた最初の頃、初手から星に打たれるのをみて驚いていました。佐為が秀策だった頃は、もうすこし端から打つのが一般的だったそうです。それに比べて星に打つと端の支配力は弱くなりますが、その分中央には進出しやすくなるとか。
社くんが何を意図しているかは来週になればわかるかな?

北斗杯の出場枠の決定は、「東京一次予選」というのがあることからすると日本棋院・関西棋院とか中部支部とか地区ごとに分かれて予選でまずは選抜戦メンバーを決めて、その選抜戦メンバーでリーグとかやるんでしょうか。まずは東京の選抜戦のメンバーの枠は何名か、が問題かなあ。ヒカルは大丈夫として、和谷くん入ってくれるかなあ…

各種情報。
8月2日発売のコミックス18巻にはほった先生による小畑先生のロングインタビューが載るとか。楽しみです。
「ヒカルの碁 囲碁スターターBOX」を購入しました。サイズがデカく、重いです。キャラのイラスト入り碁石がかわいい。(イラストの内訳は、今週のジャンプに載ってるイラストのメンバーが白黒一つずつです。)ちょっとだけ碁盤の上に石を置いてみましたが、合板といえ音がでるのがなんだか嬉しいです。置き場所がないので、マグネット式のポケット碁盤しか持ってないので。ただし盤は9路と6路しかありませんから本格的に囲碁をやるのには向いてませんが…
全国書店で発売ですが、予約分しか入荷してない本屋さんが多いらしく、手に入れにくいかも。ネット通販か、マンガ専門店やアニメショップあたりを探すといいかもしれません。


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