森下九段に中押し負けをしたヒカル。色々と悔いの残る碁になってしまいました。これでせっかく2次予選まで勝ちあがった本因坊戦も来年はまた一番下の1次予選からに。意気消沈しているヒカルをみて、森下九段はヒカルを検討のために別の部屋に誘って移動。そのときにヒカルに「成長したな」と声をかける森下先生。ヒカルは、自分は2年前はヘボだったけれども今は成長して、森下先生相手にも気後れせずに打てると思っていたのに、と。
ヒカル、森下先生相手にタメ口になっちゃってますね。きっと敬語を使おうと気を回すだけの余裕がなくて、本音の部分がポロポロこぼれてきたのかなあという印象を受けました。
勝負の場での先生を超えることはできなかった。ヒカルは自分にはまだ何か足りないものがあるのに気がつきました。それを口に出すと、森下先生は棋士の怖さは勝負の場で向き合わないとわからない、自分ではまだまだ、上の連中は鬼か化け物に変わる、と。そして森下先生はヒカルが持っている扇子は何がしかの決意の現れであるということに気がついていました。
連載再開後、快進撃を続けてきたヒカルがぶつかった高い壁。これを乗り越えるにはその「鬼や化け物」(化け物ってやはり桑原先生ですか?)のような連中との真剣勝負を数多くこなすしかないと思うんですが… それで展開予想。ヒカルは北斗杯の代表には選ばれると思います。で、実際に戦ってみて世界の壁の厚さを知る、と。それで強い相手と真剣勝負をするしかないと気がついたヒカルは、韓国に渡って三星火災杯の予選に参加する…というのはどうでしょうか。三星火災杯は実在の国際棋戦で、ほったさんが韓国に行ったときに担当者の方に取材をされたことがコミックス17巻「ネームの日々43」で書かれています。また作中では150局で倉田さんが韓国の安太善(アン テソン)に惜敗した棋戦として名前ででてきています。この棋戦はプロはオープン参加で、誰でも予選に参加できるそうです。ただし予選の場合は、交通費・宿泊費は自費で、予選は7月に韓国で行なわれるとか。
ヒカルも今までの対局料で韓国に行くくらいの交通費はでるだろうし、お金が足りないのであれば秀英くんちにでも宿泊すれば… ほったさんが韓国で色々と取材したのは、北斗杯がらみで韓国棋院がちょろっと描かれるだけとは思えないですから、ありえない話ではないなあ、と。
一方、アキラも緒方さんに中押し負け。アキラはこれで2勝3敗、本因坊リーグに残るためにはもう負けられません。よく知る兄弟子との対局ゆえに緊張したのではないか?とアキラに質問する記者に、緒方さんがアキラは冷静に自分の力を出しきったと答えました。それゆえにこの勝負の結果は実力差で、「おまえはオレより下だ」といい放ちました。でも芹澤さんにも分かる緒方さんの余裕のなさ、緒方さんがそう言わざるをえないくらい、アキラは緒方さんを追い詰めていたわけで。
それにしても緒方さん… 芹澤さんにもバレバレなあたりのヘタレっぷりが… 私は緒方ファンですが、カッコつけてるのに情けない一面もある部分も含めて好きなんでこういう姿も愛しいのですが、それにしても〜。 この一幕はおそらく「週刊碁」にも載るだろうし、そうしたら桑原先生あたりにはあれが追い詰められてつい出てしまった言葉であると確実にバレるだろうし、またそれをネタにネチネチとイジメられそうだ… ああ。
緒方さんは一柳先生にも「クールに見えて顔にでるからおもしろい」と言われちゃうし、すっかりそういうポジションなんだろうなあ。今回のも記者が小瀬村さんだったからバレてないかもしれないけれども、あれが天野さんだったら追い詰められての虚勢だってことはバレちゃってたんだろうなあ。「緒方、動揺」とか週刊碁で書かれたりしたら緒方さんかわいそうすぎます…
アキラもまた壁を越えることはできなかったものの、相手をそれだけ追い詰めることができたというのはヒカルよりも一段階は上に行っていますよね。アキラは今期死に物狂いで本因坊リーグに残って、来年度から本格的に活躍するのではないかと思いますが。着々と「鬼や化け物」との戦いの経験を積んでゆくアキラ、これから先が楽しみです。
そして韓国。高永夏(コヨンハ)の自宅に洪秀英くんが遊びにきています。秀英くん、すらりと身長が伸びてカッコよくなったなあ。でもいじっぱりぶりはかわらないところがあるようで。ヒカルとの再開が楽しみ。
永夏くんはきれいなマンションに住んでますね。あの女の人はお姉さん?それともお母さん? ずらりと並べられた盾は、今まで棋戦での戦歴なんでしょうか。
塔矢名人と永夏の対局の結果は書かれていないものの、秀英くんの口ぶりからすると名人の勝ちではないかと思います。それにしても秀英くんからみても名人は敬意を払う、高いところにいる存在なんですね。「ヒカルの碁」の世界では日本は韓国や中国に水をあけられているものの、塔矢名人だけは国際棋戦で外国勢と渡り合えるという感じで描写されてましたし。
で、二人の会話からの情報。「塔矢名人と李先生は国際棋戦で戦ってきた旧知の仲で、今回は李先生の招待で塔矢名人が韓国にきた。ふたりは4月からの中国リーグにチームは別ながら共に参加する。」ということで、中国リーグももう少しで開幕ですね。中国リーグといえば揚海さん! 彼の話も少しはでてきてくれるといいんだけどなあ。
話戻って、対局後塔矢名人が永夏くんに、日本に彼より一つ年下の対等の力を持った棋士がいるという話をしたそうで、それを聞いて「そこまで強くなっているもんか」とムキになって秀英くんが怒鳴ります。永夏くんが聞いた名前は塔矢アキラで、秀英くんが思った相手はヒカル。永夏くんに聞かれて、秀英くんはヒカルに負けた経緯を語りました。でも彼が日本語を勉強したのはヒカルに勝って「僕の名前は洪秀英だぞ!」というためだとか。いやあ、かわいいねぇ。その秀英くんは北斗杯の韓国の三人目の代表に決定。これで韓国は高永夏・日煥(イルファン)・洪秀英と揃いました。
こういう「ライバル登場!」みたいな話はやはりワクワクします。北斗杯が本当に楽しみ。
ただ、今回永夏くんが本格的にセリフが出てきましたが、キャラの性格がまだはっきりとはわかりません。今回の印象だけからすると普通の少年という感じですが、きっと彼も勝負の場では「化け物」になってしまうんでしょうね。「誰だ」のところは迫力ありました。彼の「本性」が現れるときが楽しみです。
さて、来週は卒業式。ヒカルの学生服姿も見納めですね。この話で三谷くんとヒカルの和解はあるのか(あっても三谷くんいじっぱりだからそんなにあからさまなものではないと思います)、あかりちゃんはどうするのか、楽しみです。
でも、なんですか二週連続巻頭カラーって。連載再開してから現在までで13回、そのうちすでに4回カラー(しかも一回はオールカラー)と恐ろしいカラー率ですが、連続カラーを含めると15回のうち5回はカラーに… 小畑先生、大丈夫なんでしょうか。いくらなんでもオーバーワークなんでは… 絵がきれいでカラーが映えるだけにカラーは楽しみなんですが、でもここまで続くと心配です…
巻末のほったさんの一言によると、19巻にもカラーポスターがつくそうです。絵柄は小畑先生がサイズを間違えたせいで左端の人が入らなくなってしまった156局の扉絵(海辺で遊ぶヒカルたち)。19巻の発売は秋になるだろうけれども、こんなにはやく完全版がみれるとは思ってなかったので嬉しいです。巷の評判(?)では左端の一人は「車を洗っているアキラ」ではないかといわれていますが、ほったさんによると「意外な人」だそうで、誰でしょうね。