今週はジャンプ表紙&巻頭カラー。表紙のヒカルがかわいい!! 佐為がいなくなってから、ヒカルがこういう子供っぽい無邪気な顔をすることはあまりなくなったから余計そう思ってしまうのかも。今回は本編で(別々の場面ではありますが)アキラ・ヒカルともに笑顔が見れましたし、なんかほんわかした感じでよかったなあ、と。扉絵のあかりちゃんとヒカルの絵も素敵。
卒業。ついにそういう季節になりました。アキラが葉瀬中囲碁部に押しかけてヒカルに拒否されてからもう3年もたつんですよねぇ…
卒業式というから、なにかドラマティックなイベントがあるかと思ったら、淡々と終わってしまいました。まあ、疾走し続けるアキラやヒカルにとっては「中学校の卒業」というのは通過するイベントのひとつにすぎないんでしょうね。ふたりともそれより対局の方に気をとられてちゃってるし。
まずは碁会所でのアキラのため息から。以前から家を出て、塔矢行洋という偉大な碁打ちの側から離れようと思っていたアキラ。でも父親が先に出ていってしまったから――韓国から帰ってきたかと思ったら、中国リーグも始まっていないのに中国にお出かけ――アキラは出て行く必要がなくなってしまった、と。
しかも明子さんは行洋さんについていくつもりのようですので、中国リーグが始まったらアキラはあの広いおうちに一人ですか。アキラは自分で家事をやるという宣言をしていますが、あれだけ広いと掃除が大変そうだよなあ。
そして、卒業式には手合いがあるためにアキラは欠席。現在も手合いのスケジュールがキツいので、対局の方を優先したのでした。周りからすると卒業式というイベントをパスするのはかわいそうという感じがしますが、もう「扶養家族」ではないアキラにとっては「儀式を体験することで環境がかわるという心構えを作る」必要はないですものね。でもきっと海王中のアキラに好意を寄せていた女の子たちにとっては寂しいことになったんだろうなあ。
「ヒカルの碁」の場合、主人公であるヒカルは普通の少年が成長していくタイプ、ライバルであるアキラは「サラブレッド」設定になっていますが、こういう場合はライバルの「父親越え」というのが描かれることが多いのです。あまりにも偉大すぎる父親の影に苦しむライバル、とういう感じで。で、アキラはヒカルと出会った小学校6年生当時は父親に心酔しているようなところがありました。あのまま続いていけば、偉大すぎる父親との葛藤に話は展開したかもしれませんが、ヒカルの謎に振り回されることで、アキラは気がついたら父親から精神的な自立を果たしていました。父親にはヒカル(佐為)との2度目の対局の棋譜を見せていない、saiのことで父親があからさまに嘘をついていることが分かっていても深く追求しない、と。それでてっきりアキラの父親越えの話は終わったかと思ったんですが、やはりアキラは自分が成長していく上で、あまりに大きな影響者の側にずっといる弊害を感じとってたんですね。でも先を見越してか、行洋さん自身が家から出ていくことになりました。
saiとの対局で碁が若返り、そして中国リーグで世界中の強い相手とやりあうことでグレードアップした塔矢行洋が、アキラと公式の場で対局を行なう…ということはあるのではないかと思います。行洋さんが引退→中国リーグ入りというのは、日本の棋戦を群雄割拠の状態にするというのと、さらに「ラスボス」である行洋さんをパワーアップさせるという意味があるのではないでしょうか。
それにしても、アキラは高校はどうするんでしょうね? 頭はいいから勉強は問題ないにしても、このまま手合いが増えていけば出席が困難になりますから、いかないのかなあ。
さて、葉瀬中の卒業式。式の後、三谷くんはさっさと帰ってしまったようです。彼らしいとはいえ、残念だなあ。残った金子、夏目、あかり、津田にたま子先生を加えて写真撮影を。
ヒカルにとっては卒業はさほど感慨深いものではないようで、それよりも今行なわれているアキラと芹澤九段の本因坊リーグの対局の方が気になるようです。ヒカルはすでにプロの棋士なのですから。
いつまでもお喋りをやめない母親に焦れたヒカルはあかりちゃんに話しかけます。二人が喋っている姿を気をきかせた金子さんが写真にとります。それをみた夏目くんと津田さんも気をきかせて先に帰りました。ヒカルがあかりちゃんに高校のこととか聞きましたが、公立の試験はまだだとか。入試が終わる前の卒業式では感慨に浸っている余裕はなさそうですね。あかりちゃんはどこの高校にいっても囲碁部に入るつもり。もし囲碁部がなかったら、自分で作ると。そのときは1度くらい教えにきてほしいとおずおずと切り出したあかりちゃんにヒカルはにっこりと笑って「行ってやる、行ってやる」と。
結局、告白タイムや制服の第二ボタンとかそういうイベントは一切起こらず、あかりちゃんの手元に残ったのは(金子さん撮影の)ツーショット写真と、小さな約束がひとつだけ。佐為がいなくなって立ち直ってからのヒカルはあかりに優しくなったものの、今のヒカルは前に進むことだけを考えているから、恋愛とかそういう余裕はなさそうですもんね。あかりちゃんにしてもそのあたりは分かっているだろうし、もうひとつ自分の気持ちもはっきりしてなさそうだから何も言えないだろうし。あかりちゃんとヒカルの約束が果たされるのが本編で描かれるといいなあ、と思います。あかりちゃんとヒカルの関係って、なんだか大昔の少女マンガのような描かれ方ですよね。ほほえましい。
それにしても金子さんはいいキャラだ!! これで金子さんの出番が終わりならもったいない限りですが、今後OBが葉瀬中囲碁部を訪問して…みたいな展開もありえるかなあ、と。現・葉瀬中囲碁部のエピソードもまだ中途半端なままですし。
三谷くんとヒカルの和解が卒業式であるかと思ったんですが、あっさりとスルーされてしまいました。三谷くんがまだ意地はってそうですが、精神的には実質的な仲直りは終わってますから、わざわざかかないのでしょうか… うーん、でも三谷くん関係のエピソードはあと一つくらいはありそうに思えるんですが。ちょっと今では中途半端かなあ、と。
そして3月29日、合同表彰式・新入段者免除授与式。伊角さんと門脇さんのコンビってなんかいいですね〜。スーツ姿がいまいちしっくりこない伊角さんに対して、さすが門脇さんはサマになっています。それにしても去年の新入段者が「ちびっこ3人組」って呼ばれてたって、そんな誰が呼んでんでしょうか。…あ、でもそうやって密かに呼ばれてたかと思うと萌え、だ…
それに対して今年はアダルト組だとすれば、なんだかカミセン―トニセンのようだとふと思いました。人数も合ってるし。
さて、門脇さんと伊角さんの会話からわかった情報。
・アキラは本因坊リーグ戦で芹澤さんに負けて2勝4敗。(勝った相手は一柳、負けた相手は座間、緒方、芹澤が確定)この成績ではリーグ残留はできなかったんじゃないかと。ちなみに本因坊リーグは、緒方、一柳、倉田、アキラ、芹澤、乃木、座間、畑中で争われていました。
・今回でわかった情報で主な棋戦のタイトル七つのそれぞれのおよその開催時期と「ヒカルの碁」の中でのタイトルホルダーをまとめると、
名人 畑中(対局者:一柳) 9-11月
本因坊 桑原仁(対局者:倉田厚) 5〜7月
棋聖 石橋(対局者:一柳) 1〜3月
十段 緒方精次(対局者:塔矢行洋) 3〜4月
碁聖 緒方精次(対局者:乃木) 7〜8月
天元 乃木(?) 11〜12月
王座 座間(?) 10〜12月
となります。
十段と本因坊の対局者は昨年度のものです。
畑中さんはまだ作中には登場していない書生風の人、石橋さんは関西棋院の棋士(名前のみの登場)、乃木さんは緒方さんに碁聖戦で破れた中年の人です。
そっか、もうすぐ緒方さんも十段の防衛戦になるんですね。去年自分が言ったように、防衛して初めて世間に認めてもらえるのですから頑張ってほしいものです。
塔矢名人という頭ひとつ飛びぬけた存在がいなくなって、日本棋院は群雄割拠の時代。門脇さんはその争いにいずれヒカルも加わると思っています。それを聞いた伊角さんの真剣な顔からしても、伊角さんの言葉に答えた門脇さんの顔からしても、ふたりはその争いにもちろん加わる気でいるんでしょうね。
さて、来週は北斗杯の1次予選。日本棋院・東京4名、中部2名、関西棋院2名の中から二つの椅子を争うことになります。社くんも再登場ですね。楽しみだ〜。
来週も巻頭カラー、小畑先生大丈夫でしょうか…
集英社の通販サイトMekke!で、新規会員になったらダウンロードできるというスクリーンセーバーに「ヒカルの碁」が追加されました。いや、これがもうかわいいったら!! このイラストは第160局(オールカラーの回)のときの「キャラ入りスーパーボールプレゼント」のための小畑先生の書き下ろしイラストだと思います。ヒカル、佐為、あかり、アキラのチビキャラが… かわいいなあ、もう!!
ぜひぜひみてください〜。
コミックス19巻は10月4日発売。ジャンプにも載っていた、来年のカレンダーについてのページはここ。「ヒカルの碁」のカレンダーは扇形って、置きにくそう… もちろん購入しますが。