今週のダイジェスト。
・永夏を睨んでいたヒカルは秀英に気が付く。永夏は話があるだろうと秀英を残して部屋に引き上げた。
・秀英の日本語のうまさに驚くヒカル。自分は三将で、ヒカルは副将で対局できないことを知った秀英は、北斗杯が終わった翌日にあの碁会所でヒカルと打つことを約束した。
・秀英に永夏が秀策をバカにしたことを言うヒカル。驚いた秀英はヒカルからもっと詳しい話を聞きだそうとする。
・レセプション会場前、伊角は和谷を連れてやってきた。和谷をみた楊海と趙石は「大きい楽平」に驚いた。楽平と和谷を並べてみたいと思った楊海は、和谷に中国棋院に遊びにこいと誘う。和谷は一瞬躊躇したが、お金が溜まったら行くと約束した。中国チームの残り二人も和谷をみて「楽平!」と驚いた。
・永夏の部屋、秀英がヒカルの誤解を解こうと事情を永夏に聞いていた。あのインタビューで、「秀策を知っているか?」と聞かれて、日本の古い棋譜も勉強している永夏は「よく知っている」というついでに「今日本の力がないのは秀策達過去の棋士から何も学んでないからだろう」「日本が弱いと秀策達過去の棋士まで弱いと思われて忘れられていくかもしれない残念だ」みたいなことを喋ったらしい。しかし、通訳をしたバイトの人の語学が怪しく、永夏は早々に取材を打ちきった。
・誤解の経緯が分かった秀英はそれをヒカルに教えに行こうとするが、「ほっとけ」と永夏は止めた。「秀策をバカにした高慢な棋士」だと思われるのならそれもそれでおもしろいというのだ。
・安太善がレセプションが始まるからと二人を呼びに来た。
今までもうひとつよくわからなかった永夏のキャラがはっきりとしたエピソードでした。あの「暴言」が誤訳なのは予想の範疇でしたが、人から誤解されて悪く思われることを愉快に思うとは。それだけ自分に自信があるんでしょうねぇ… 自分の芯にしっかりしたものがあるからこそ、外からどう思われても揺らぎがないんでしょう。あの外見のイヤミなほどの美形ぶりにしても、その性格だからこそ生きるのかも。きっと永夏は外見だけから「王子様」扱いされたり勝手な期待されてそうですが、でもそれを面白がりながら「王子様」を演じて遊んでそうな気がします。この図太さ、桜庭くん(「アイシールド21」)よりもよっぽどアイドルに向いていそう。
今まで永夏はよくわからないキャラだったけれども、したたかで図太い彼はこれからおもしろいキャラになりそうです。
秀英はなんだかかつてのアキラを髣髴させるような言動もしていましたが、でもこの子は基本的に素直ないい子だなあと思いました。気は強いけれども、ヒカルと話したい一心で日本語を勉強するし、永夏への尊敬の気持ちや好意をなんのてらいもなくストレートに口に出せるし。誤解を解くためにも頑張ろうとするし。で、その秀英とヒカルの対局は、この約束で北斗杯中で行なわれない場合のフォローの場ができましたから、今後の焦点はヒカルと永夏の対局が実現するかどうかです。でも今のヒカルでは、永夏と対局しても勝てそうにもありませんが、どうなるんでしょうか。
和谷くんをみて驚く楊海さんが見たかったので、今回出てきて満足でした。それにしても趙くんは身長が伸びたのに、楽平は小さいままですか。まあ男の子はずっと小さいままだった子がいきなり高校くらいでデカくなったりすることもありますからね。楽平もがんばれ。
で、その和谷くんと楽平の対面in中国棋院もいつか実現するんでしょうか。個人的には囲碁にあんまり関係のないエピソードとか読んでみたいので、本編よりも番外編でやってほしいかも。
あと、楊海さんと倉田さんの会話が楽しかったです。二人は国際棋戦でお馴染みなんでしょうが、倉田さんが楊海さんの迷惑顔にも気にせず振りまわしているんでしょうね。それでも倉田さんはなんか憎めないからなあ。
さて、今回は小畑さんは「はじめ」(原作・乙一「石ノ目」収録)前編31ページ(しかも扉絵はカラー!)とたくさん働いています。原作の設定やエピソードの小畑さん流のアレンジの仕方がおもしろかったです。特にビジュアル面ではかなりかわっていますね。後編も同じだけのボリュームがあるんでしょうか。小畑さん大変だなあ…