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【ヒカルの碁 第180局「中国VS日本(3)」】 03/02/10


今週のダイジェスト。
・ヒカルの反撃が始まった。ヒカルの打った一手は、王は読みから抜けていた手であったが、すでに大勢は決しているので、自分は冷静に打てばいいだけだと思っていた。
・ヒカルの反撃は「粘りというよりあがき」だとは思いながらも、王は気おされていった。
・大盤解説会場では、渡辺は大将戦の解説に熱が入っていた。塔矢アキラの勝ちはほぼ間違いないだろうとの渡辺の言葉に、詰めかけた人々は喝采をおくった。その中、伊角と和谷は、副将戦の盤面の異様さに気がついていた。
・三将戦は社が趙石に惜敗。日本が中国に二勝する可能性がなくなったと残念がる渡辺に、副将戦の盤面に気がついたアシスタントが慌てて渡辺を呼ぶ。ヒカルは投了までに少しは粘ったのか?と聞きながら盤面をみた渡辺は唖然とした。
・控え室は、緊張をはらんだ重い沈黙に支配されていた。ヒカルの怒涛の追い上げを皆が凝視していた。永夏は真剣な顔で盤面をみていた。
・ヒカルは必死の形相で追い上げながら、「まだ少し足りない」と思い、挽回できる可能性を必死に探していた。
・大将戦が終局した。アキラは陸力に2目半の勝ち。一息ついただけで、アキラはあと2人の結果を知るために振りかえると、ヒカルの背中と必死の形相の王、そしてヒカルの脇で対局に見入っている社の後姿が目に入った。

覚醒したヒカルの怒涛の追い上げがカッコいい!! …の一言で今週の感想は終わってしまいそうですが。
先週までのヒカルがぱっとせず、色んな人にバカにされていただけに今回のヒカルの強さが映えます。特に唖然とした顔の渡辺先生とか。どう盤面解説するんでしょうか、この後。会場の後ろにいる、パソコンの前に座っている3人の人がおそらく手順の記録もしているでしょうから、その人たちから慌てて聞くのかなあ。
ヒカルと王の攻めぎあいも迫力ある描写でしたが、私が一番感心したのは重い沈黙に支配された控え室の小畑先生の描写でした。「シーン」という擬音なしで、しかも表情をほとんど描かずに、緊張と沈黙が見事に表現されています。同じような状況の描写がアキラの新初段戦で座間先生の反撃の一手でありましたが(6巻に収録)、この時は「シーン」という擬音がかかれていました。
あの1枚絵に痛いくらいの沈黙と緊張を感じるのは、物語の流れから読者が脳内補完しているというのもありますが、真ん中のテレビに視線が集中し、そして椅子に座っている皆の体が少し強張っていることがちゃんとわかるからではないでしょうか。先々週の第178局の控え室の座っている描写と比較すると、それがよくわかります。体の微妙な緊張を表情なしで描きわけができるなんて、さすが小畑先生です。

小畑先生の絵に感嘆しつつも、今回の話はアニメでみてみたいなあ、と思ったり。私は囲碁はよくわからないんですが、原作でよくわからなかったところが、アニメで盤面を俯瞰して対局が進むと「おお、こういう展開だったのか〜」と分かる部分もありますし、動きを感じさせる小畑先生の絵はすばらしいんですが、でもやっぱり動いているところもみたい、と。
今放映中のアニメは、おそらく148局の「佐為編」終了までの放映のようですから今回は無理でしょうが、OAVでもいいからいつか見れたらいいなあと思います。

さて、来週決着がつくようですが、ヒカルは逆転ができるんでしょうか。あれだけヒカルをバカにしていた永夏も本気にさせたようですし、永夏とヒカルの対局は実現するんでしょうか。
物語の緊張を高めるには、韓国戦で日本が背水の陣で臨んだ方がおもしろそうなので、今回はヒカルが惜敗、そして韓国は中国に勝って、最後の日本と韓国で日本は負けるわけにはいかない!!という展開もありえるかな?と思うんですが。


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