今週のダイジェスト。
・倉田の発言にヒカルも含めて皆驚くが、倉田は団長決定だといい、皆で昼食に行った。
・古瀬村は同僚に倉田がヒカルを大将にしたことをボヤく。客はアキラvs永夏がみたかったはずなのに、と。
・午後の中国vs韓国戦、団長たちの注目は大将戦の高永夏に集まっていた。ヒカルは永夏の対局を見ながら、永夏に勝てるだろうかと自問自答していた。永夏が秀策をバカにした発言を思い出し、自分は佐為の変わりに打つのだから負けるわけにはいかないとヒカルは闘志を燃やしていた。
・中韓戦は、3-0で韓国の勝ちになった。楊海は悔しさのあまり、アキラに明日は高永夏に一泡吹かせてやってくれ、と言い残して去っていった。その言葉に複雑な表情の日本チーム。
・ヒカルは倉田に、明日は自分が大将をやるから、もうオーダーの変更はしないでほしいと言い捨てて部屋を先にでていった。
・そんなヒカルをみて、社はあんなにプレッシャーかかってるのにヒカルを大将にして大丈夫なのかと倉田に尋ねる。倉田は、ヒカルの成長のためには高永夏との一戦が「必要」なのだという。ヒカルの成長をみているとワクワクするという倉田。
・アキラは、ヒカルの成長は自分も望むところだが、なぜヒカルがあそこまで秀策にこだわるのか知りたいと言った。
・一度部屋に戻る三人。アキラは歩きながら、ヒカルが秀策に拘るわけを知りたいと考えていたが、部屋に入ろうとしたちょうどそのときヒカルが隣の部屋からでてきた。思わず「進藤」と声をかけるアキラ。
・ヒカルと秀策とのかかわりを知りたくてたまらなかったアキラだったが、かつてのヒカルの「いつか話すかもしれない」という言葉を思い出し、ぐっとこらえた。その代わりにでたのは、「無様な結果は許さない」という冷たい言葉だった。凍りつくヒカル。
・翌日、5月5日。緊張した面持ちで日本チームがやってきた。ヒカルは手に扇子を握り締めて…
勝てるとは思えない相手と戦って、絶対に勝たなければいけない。もし、負けたとすれば、それは自分だけの責任にとどまるものではなく、多くの人に迷惑をかけてしまう。そんな状況になってしまえば、怯むのも仕方ないですが、その怖さを乗り越えて戦う勇気を振り絞ってこそ、強くなれるのでしょう。
アキラにとっては、高永夏と戦えないことよりも、ヒカルの不可解な言動がずっと自分が追ってた「ヒカルの謎」に繋がってるのかもしれない…ということに気をとられているようです。長年、ヒカルの謎に振りまわされたアキラにとっては、それも無理ないですが。
アキラとしては、「キミの打つ碁がキミのすべてだ」と謎の追及を放棄してヒカルをまるごと受け入れたわけで、しかもヒカルはそんなアキラに「いつか話すかもしれない」と言ってくれたんですから、いくら謎の答えを知りたくてもヒカルから話してくれるのを待つしかないんですよね。
でも、自分の中に沸きあがる問いを必死で押しとどめながら、無言でヒカルを凝視しているアキラの顔は怖いです… 囲碁部に入ってヒカルを追いかけていた頃のアキラを思い出してしまいました。ヒカルがビビるのもわかるなあ。
でも二部のヒカルとアキラの仲良しさんぶりに物足りなさを感じていたので、個人的にはこれくらい緊張感があった方が好みです。
それにしても、どうしても聞きたかった問いの変わりにでた言葉が「無様な結果は許さない」って、そこまでキツいこと言わなくても…とツッコミたくなりますが、その部分がとてもアキラらしいというか。
倉田さんはお子様な言動をする困ったちゃんではありますが、でもいいキャラだなあ。団長としての自分の評価や、北斗杯の勝敗云々よりも、ヒカルの飛躍的な成長のきっかけとなる対戦だから、ヒカルと高永夏と打たせてみる、と。ヒカルは倉田さんにとっては将来のライバルですが、ライバルを強くすることになんのためらいもないんですよね。むしろ、それにワクワクするという。もっともライバルを強くすることに頓着しないのは「ヒカルの碁」の中で「強い」キャラには共通の特徴ではありますが。
それにしても古瀬村さん… わざとそういう風に描かれているのはわかっていますが、でも社会人としてそういう態度はなあ。少なくとも口止めされているんだったら、誰が聞いているかもわからないところでそういうことをベラベラ喋るんじゃない、と言いたくなります。
中国vs韓国はあっさりと流されてしまいました。対局している本人たちは1コマたりとも映ってません。
趙石くん、負けてしまいました… 秀英くんが「負ける碁を拾った」ということは、趙石くんの方が優勢だったようで、残念です。中国チームは対局前のエピソードの少なさから、出番は少ないんだろうなあとは思っていましたが、ここまでアテ馬になってしまうとは。でも、楊海さんも今回は日本への顔見世ってことで、今後のエピソード(?)での活躍に期待しています。和谷くんの中国修行編はやってくれるのかなあ?
話かわって。今週号の「碁ジャス」にアニメエンディングテーマを歌っているdreamへのインタビューがあったんですが、「最近気になる「ヒカ碁」キャラは?」という質問の回答がなかなか愉快でした。誰も主役級キャラの名前はあげないんですね。和谷くんや伊角さんや永夏あたりはまだわかるんですが、「森下九段」「越智康介」「本田敏則」という名前を挙げるなんてシブいなあ。
月刊のテレビ番組雑誌によると、アニメ「ヒカルの碁」は3/26で予定通りの最終回となります。148局、「懐かしい笑顔」までですね。もっと続けてほしい、という意見もネット上でよくみかけますが、私自身はアニメが3月で終わることに賛成です。理由は、原作のストックがもう少なく、原作148局時点で終了しなければ次の話の「区切り」がいつになるかわからないからです。個人的には、北斗杯は「三星火災杯」への呼び水となるのではないかと思っていますので、北斗杯が終了しても物語はカタがつかないと思っています。かといって、オリジナルエピソードで水増しされるのは、あまり嬉しくないので… たまに、ちょろっと物語中の空白を埋める程度に挿入されるオリジナルエピソードなら好きなんですが、無理に引き伸ばして間の悪い展開にされたら嫌ですので。
マンガでの小畑先生の絵による表現力はすばらしいですが、アニメには動きや声、音などの魅力がありますので、話のストックがたまったら続きをアニメ化してほしいなあ、と思います。「HUNTER×HUNTER」のようにOAVでいいから。
(補足:三星火災杯は韓国で行なわれる国際棋戦で、プロであれば誰でも参加可能。またアマの強豪(大会優勝者など)も参加することができる棋戦です。ただし予選では対局料も旅費もでないので、本選まで勝ちあがらないことには持ち出しになってしまいますが。ヒカルにも参加権はありますから、予選から勝ちぬいて本選まで行くと高永夏と対局できるかも? 「ヒカルの碁」の作中では、三星火災杯には塔矢行洋先生がシード枠を貰って参加の予定。)