今週のダイジェスト。
・ヒカルのキリの一手は永夏に動揺を与え、形勢をひっくり返すものだった。しかし永夏はうまくしのぎ、結局お互い一歩も譲らない状態に。
・永夏は背中に汗をかくほど、ヒカルの手ごわさを感じていた。塔矢先生の言っていた、自分と互角の力を持つ棋士は塔矢アキラだけではなく、自分の目の前にもいたのだ。
・検討室では、永夏とヒカルの対局の接戦に皆注目していた。ヒカルの力を前に、「いつの間に日本にこんな棋士が育ってたんだ」と呟く楊海に、倉田は「今育っているんだよ 高永夏への敵愾心のおかげでさ」と答えた。
・事情を知らない行洋に、倉田が永夏が秀策の悪口を言ったと答えると、韓国の通訳は誤解だと慌てた。楊海が「子供のケンカですよ」とフォロー。わざと怒らせるために言ったみたいだから、と。
・そこから話題は秀策に。行洋は、かつて門下生たちが「今、秀策が現れたら、名人とどちらが強いか?」と話していたことを思い出していた。それを聞いた楊海は「存在しない人間との力比べですか」と言うと、行洋の頭に何かがひらめいた。「存在しない…いや…まさにそのような人物がいる…」
・そのとき太善が叫んだ。副将戦の形勢が決まったのだ。アキラの勝負手が生き延び、もうあがくしかなかったのだ。
・倉田は副将戦は日煥が投了をもうすぐ宣言するだろう、三将戦はおそらく社の3目半の負けと考え、勝負は大将戦にかかっている!!と対局室に急いだ。慌てて太善や他の人たちも倉田を追って対局室に向かった。
・検討室に残ったのは行洋と楊海のみ。モニターで対局を見つめながら「子供のケンカの軍配はどちらに上がるかな」といいながら、何気なく行洋に話をふる。さきほどまさに秀策が蘇ったような人物がいるといっていたが、それはネットのsaiなのか、と。
対局もそろそろ終盤。アキラはほぼ勝ち、社くんは負けということで、勝敗は大将戦で決まることになりました。ヒカルは勝てるんでしょうか?
私自身はヒカル負け、アキラ勝ち、社勝ちで日中韓が仲良く1勝1敗になると予想してました。この北斗杯は三星火災杯につながるための大会で、きっとヒカルは永夏に負けて、リベンジを果たすために三星火災杯に出場するのではないか…と今後の展開を考えていたので。
今でも予想としてはヒカルが惜しくも負けるのではないかと思っています。でも、気持ちとしてはヒカルには勝ってほしい。私は21巻の表紙をみてはうっとりしてしまう永夏ファンですが、ヒカルのこの対局にかける意気込みをみると、絶対にヒカルに勝ってほしいなあ、と思うんです。もしこれでヒカルが負けて、日本が2敗になっちゃうと、事情を知らない人たちがなんて言うか… アキラひとりは2勝しましたが、それも口さがない人たちは「高永夏に勝てないものだから、逃げて副将になったから勝てたんだ」とかいいそうだし。
もっとも倉田さんにしても、ヒカルにしてもアキラにしてもそういう憶測に基づく陰口を聞いたとしても、自分たちがやったことがどういうことだかわかっているから、それで傷つくことはないでしょうが… でも美津子さんはヒカルのやったことがどれだけすごいことかわからないから、ヒカルがひとつも勝てなかったという結果にショックを受けそうだからなあ。
というわけで、ぜひヒカルには勝ってほしい!!
社くんにしても今回2敗ということで、親に認めてもらう材料にはなりにくくなりましたが、社くんは親の理解を得るための戦いは長期戦を最初から覚悟していますし。まだプロとしての人生が始まったばかりなので、頑張ってほしいです。でも社くんについては、勝敗よりも対局風景がまったく描かれなかったことの方が寂しいなあ。今回、三将については検討室の会話しか手がかりがなくて、寂しい限りです… 超石も秀英もすごく好きなキャラなので… 秀英については、まだ碁会所対局はあるから、少しは期待しているんですが…
楊海さんから、saiの話が塔矢先生に対して切り出されました。
今回の楊海さんは大人で、とにかくカッコいい。北斗杯では中国チームはもうひとつパッとしませんでしたから、楊海さんの見せ場もなくて楊海ファンとしては寂しい思いをしてたんですが、なるほど彼は「探偵」としての役割で今回北斗杯にやってきたのかも。
楊海さんのキャラ設定からするとsaiを知らない方がおかしいくらいですが、でも楊海さんはいくらなんでもsaiとヒカルのかかわりは知らないはずです。楊海さんが聞きたがるのは、あの一局以来ネットから姿を消したsaiの行方、saiの正体についてではないでしょうか。もしくは、塔矢先生が日本でのプロ活動を引退して、世界に向けて戦っているのはsaiがきっかけなのか?ということについてとか。
でも塔矢先生は、ヒカルとsaiのかかわりについて他言をしないとヒカルと約束していますから、それを違えることはなく、決定的な話は出てこないのではないかと。
今回の話はsaiと「現代に蘇った本因坊秀策」の関連性の確認くらいで、それ以上のことはないのではないかと思います。もしくは、楊海さんの作っている囲碁プログラムにおそらくsaiの棋譜もデータとして取り込んでいるとか、そういう話がでる可能性はあるかも。
今回の楊海さんと塔矢先生に交わされた話は、塔矢先生からアキラに伝えられることはないと思います。先生にはヒカルとの約束がありますから。でも楊海さんからアキラにその情報が伝わることはありそうですね。
「ヒカルの謎」にもっとも近い位置にいるのはアキラですが、アキラは「キミの打つ碁がキミの全てだ」と謎の追求を放棄しただけに、自分からヒカルを問い詰めるわけにはいかないし… アキラはあと、河合さんの持ってる「1年前に因島で誰かを探し回っているようだった」という情報を聞いて、その後にヒカルが「碁を打たない」と言い出したことを知れば、正解に近いところまでいけるかなあ、と思うんですが。
アキラはヒカルの秀策へのこだわりを知っていますし、saiの秀策に通じる部分も気づいています。(プロ試験編の時に、越智くんに進藤対策として秀策の棋譜並べを勧めていることからしても) ヒカルの中にいた「もうひとり」がsaiかもしれないと考えたこともあります。それらが全部結びつけば… でも得られるのは突拍子もない答えですから。それが本当のことであっても、あの世界を支配しているリアリティの基準は現代日本と同じものですから、そう簡単には受け入れがたい答えになるんですよね。
対局前の「永夏の問い」にヒカルは答えるのでしょうか。その答えを個人的には「秀策は自分の師匠だ」もしくは「自分は秀策の碁を受け継ぐものだ」のようなことだと予想しています。これだと詳しい事情を知らない関係者であれば、ヒカルを熱狂的な秀策ファンだなあと呆れて聞くくらいだと思うんですが、アキラの耳に入れば、それは別の意味を持つ言葉になるのではないかと思います。
だからといって、アキラがこの北斗杯が終わるまでに答えに辿りついて、その突拍子もない結論を受け入れられるとは思えないし…
来週あたりには、ヒカルと永夏の対局の結果もでるのではないかと思います。そして、ヒカルの口から答えもでてくるんでしょうか。
あとは戯言ですが。今回、がっかりきたのは、塔矢先生が「もし本因坊秀策が現代に蘇ったら…」という話を持ち出したこと。これは第54局のエピソードですが、意味深な緒方さんのアップのせいもあって、てっきり緒方さんのsaiがらみの伏線だと思ってたんですよ。塔矢先生の方にきましたか…
緒方さんは一時期は「saiの謎」を追求しましたが、酔っ払って打って以来、saiの謎とのかかわりを持ちません。緒方ファンとしては、ぜひ緒方さんにももう一度saiの謎を追いかけてもらいたいんですよ… 緒方さんにはその前に因縁のジジイとの対局が待ってますが。
私の今のときめく「ヒカルの碁」キャラランキングは、永夏、緒方さん、楊海さん、秀英、超石の順だったりします。ずっと1位を保っていた緒方さんの座を永夏が抜いてしまいました。この北斗杯での永夏が素敵すぎて…
昔、プロ試験編のときに緒方さんがずっと出てこなくて寂しい思いをしたものでしたが、北斗杯が終わった後の反動はそれの比じゃなさそう。
今回、「ジャンプ」で映画「マトリックス・リローデッド」の特集をやっていますが、荒木飛呂彦さんと小畑さんが応援イラストを載せていました。