第一局「永遠のライバル」。小学6年生の進藤ヒカルは、幼馴染の藤崎あかりと雨の道を急いでいた。ふたりはヒカルの祖父の家の蔵に入る。ヒカルが小遣いかわりになりそうなものを漁っていると、古い碁盤を見つけた。そこにはヒカルにしかみえない血の染みがこびりついていた。そのときヒカルの頭の中に声が響く。「私の声が聞こえるのですね?」と。そしてヒカルの前には、烏帽子姿のひとりの青年が現れた…
気を失ったヒカルは、救急車で病院に運ばれながら、朦朧とした意識の中でその青年と対話をしていた。青年の名前は藤原佐為。平安の都で大君(天皇)に囲碁を教えていたが、もうひとりの指南役から持ちかけられて指南役の座をかけて対局をすることになった。緊迫した状態で対局が進む中、佐為は相手がズルをしているのを見つけた。それを注意しようとしたが、逆に佐為が不正をしたと罪を着せられてしまう。動揺したせいで対局に負け、不正の汚名を着せられて都を追放された佐為は入水自殺した。しかし、碁に未練があった佐為の魂はある碁盤に宿り、今から150年前にひとりの少年と出会う。彼の名は虎次郎。長じて本因坊秀策と名乗るようになった、歴史に名を残す棋士である。秀策にとりついて存分に碁を打っていた佐為だったが、秀策は30半ばの若さで流行り病で命を落とし、佐為は秀策が血を吐いた碁盤で再び眠りにつくことになった。そしてヒカルとであったのだ…
翌日。授業中、ひそかにヒカルは佐為とひそかに会話していた。佐為は囲碁をやりたい一心で蘇ってきたという。なぜなら自分はまだ神の一手を極めてないからだ、と。しかしヒカルは碁なんてやる気もしない。そう突き放したヒカルの言葉に佐為は泣いてしまう。その途端、ヒカルは急に気分が悪くなった。佐為の感情がヒカルに影響を与えてしまうようなのだ。
結局、佐為との共存を受け入れ、二人の間のルールをいくつか作ったヒカル。社会のテストを佐為に手伝ってもらったお礼に、ヒカルは囲碁を打つことに。祖父がたまにいくという碁会所に足を踏み入れた。碁会所にいたのは見事にオジさんばかり。しかしヒカルはその中に子供をみつけ、彼に対局を持ちかける。おかっぱ頭の品のよさそうな少年は塔矢アキラと名乗った。ヒカルと同じ小学6年生らしい。ふたりの対局は置石なしで始まった。150年ぶりに碁が打てるという喜びで涙を流す佐為。ヒカルは佐為のいう通りに碁石を置いていくのだった。アキラはヒカルの石の持ち方があまりにも初心者じみているのに最初は気をとられていたが、すぐに持ち方とは裏腹な達者なうちまわしに驚く。そしてヒカルが打ったある一手に驚愕した。最善でも最強の一手でもなく、アキラの力量を試すための手であったからだ。アキラは何者かにはるかな高みから試されているような気持ちになってしまった。
ヒカルはなれないものだから、一局終わると疲れて帰ってしまった。受付で「子供囲碁教室」のチラシをもらって。彼が帰ったあと、碁会所にいるオジさんたちの間で騒ぎになってしまった。なんと、プロに限りなく近い実力を持つ塔矢アキラが同じ年くらいの子供に負けてしまったのだから。ヒカルが黒番だったので、コミをいれるとアキラの勝ちではあるが、アキラが感じた力の違いはそんな数目程度のものでは済まない差であった。そのとき、ヒカルにとってはこれが初めての対局であったことを聞いた。そんなことはありえないはず。一体彼は何者なのだ…
第一回は作画もなかなかのデキで、話もテンポよく、満足なものでした。ただまだ慣れてないせいか、声がしっくりこなかったのが唯一残念です。
話は原作の1話と2話をミックスして抽出したような感じ。ただ原作よりもヒカルと佐為は仲良しさんな感じがします。あと、最初のヒカル(佐為)vsアキラ戦が原作よりもしっかり丁寧に描かれていましたね。
ただ、囲碁用語が連発されているのに説明がないのが少し気になります。このあたりはコミックス14巻には「アニメスタッフが説明用字幕を付けると話の流れが悪くなるのでやめておこう、と言ってた」ことが書かれていますが。意味がよくわからなくても、最後の梅沢さんのミニコーナーでいつか説明されると思います。
今は、「アキラは並の子供じゃないくらい強い」「しかし佐為はそれを大きく上回る強さを持っていて、今回の対局も本気ではなかった。」「アキラもそれがわかってしまったが、相手のあまりの強さとヒカルの外見(子供や初心者のような打ち方をしていたこと)のギャップに戸惑っている」状況であることがわかればいいかと。
今回気になったのは、ヒカルが碁会所に入るときに「きりょくは?」と聞かれたときのこと。これ、知らない人だと「気力」と脳内変換しそうですが、本当は「棋力」なんですね。碁の強さのことを指します。何段とか、何級くらいとか。
見つづけていたらなんとなく「囲碁」用語とか分かってきますので、ぜひみてください。これから魅力的なキャラもたくさん登場しますので。
来週は予告からすると、原作の3話〜4話あたりをやるようです。私の最愛の緒方九段が登場するのではないかと、今からドキドキ。
アニメをみて原作に興味を持った方は、コミックスが14巻まででてるのでどうぞ。ただ、マンガ喫茶で一気読み…というのはもったいないかも。絵もキャラクターの表情だけでなく、背景までしっかり描きこまれていますし、物語の構造がしっかりしているのでじっくり読んだ方がよりおもしろく感じられますので。伏線の張り方とその意外な生かし方がとても見事なのです。
せめて1日1冊くらいのペースに押さえて、ゆっくり読んでもらえたら…