第12局「三将はお前だ」
ヒカルは三谷に1万円を返すといって、放課後囲碁部の活動している理科室に連れてきて、ヒカルは三谷を囲碁部に誘った。三谷は囲碁部には入ってもいいが、大会にはでるつもりはないという。そこに筒井とあかりがやってくる。三谷と筒井の間に不穏な空気が漂ったが、「海王は強くて三谷では勝てない」と筒井の言葉にムキになって、三谷は大会参加を約束した。筒井は三谷が大会でズルするのではないかと気が気ではなかった。
一方、海王囲碁部。美和と対局していた岸本は、来るべき大会のために部員たちに実力差を明らかにしようと、棋譜並べをしていたアキラに対局を持ちかける。大会近くなって、アキラの頭の中はヒカルのことでいっぱいだった。…アキラはユン先生に葉瀬中の囲碁部の大会申し込みを見せてもらったときのことを思い出していた。大将は三谷、副将は筒井、そして三将がヒカル。ユンは作戦のためにこの組み合わせになったのだと考えていた。アキラはユン先生に三将にしてくれと頼み込んだ。…岸本に海王一の実力があっても、アキラとの実力差は歴然としていた。岸本はあっさりと負けを認め、「プロをあきらめて正解だったよ」と呟いた。ざわめく部員たち。
そこにユン先生がやってきて、大会のメンバーを発表した。アキラは大将。アキラはなぜ自分を三将にしてくれないのか、ユン先生につめよった。
日本棋院で塔矢名人は桑原本因坊に声をかけた。桑原は緒方を破り、塔矢名人の持つ碁聖への挑戦権を得たという。最近の若い棋士たちのふがいなさを嘆く桑原は、ついでに名人の息子の様子を聞いた。院生(プロ予備軍)ですらなく、中学の囲碁部の大会にでるときいて驚く桑原。…名人はアキラの告白を思い出していた。アキラほどの実力の持ち主がたかが囲碁部の大会にでる「大人げのなさ」を名人は咎めたが、ヒカルを恐れながらも闘志を燃やすアキラを頼もしく思った。
アキラはユン先生に三将にしてほしいと懇願した。ユンは中学校の大会ではセオリーを守り、一番強いものが大将をやるべきだと考えていた。アキラはこの大会が終わったら部を辞めるから、一度でいいからヒカルと対局をさせてもらいたい、と涙ながらに訴えた。
そして大会当日。三谷はちゃんとやってきたが、筒井とはやはり険悪な雰囲気だった。あかりもお弁当を作ってやってきた。二回戦で当たる海王の三将との対局を楽しみにしていたが、そこに現れたのはアキラだった。ヒカルが対局を拒んだから、囲碁部に入って大会に出場したという。ヒカルと戦うために。ヒカルはアキラがそれほどまで佐為と対局したいのかと、彼の情熱に気圧されていた。
今週は作画がよくて満足です。アキラの思いつめた顔が怖いけれども美しいですなあ。ピンと張られた弓のようで。あと、メガネがズレてる筒井さんの顔がラブリーであります!!
アキラの思い込みの激しさがいつにも増してアレですが、泣くのはちょっとやりすぎかと…原作ではあのシーンでは涙を見せてませんでしたし。
でも総じて演出はよかったです。何気ない葉瀬中囲碁部の空気とか、丁寧に描いていて。派手な展開ではないのに、不思議におもしろいですなあ。
さて、今回登場したじいさんの名前は桑原仁。本因坊という囲碁のタイトルのひとつを持っています。今回の話では好々爺に見えますが、実は… 今後の展開をお楽しみに。(随分先になりますが) 桑原先生が買っていたタバコは「ピース」。ニコチンがむちゃくちゃキツい銘柄であります。かなり後でこのタバコが効果的に小道具として使われるんですが… あ、原作でもこの時からピースだったんだ!! これは原作者のほったさんの指定だったのか、それとも小畑先生がさりげなくかいたのをほったさんが有効利用したんでしょうか。
岸本くんが負けた後で「プロをあきらめて正解だったよ」と言ってますが、これは後でとあるエピソードにうまくつながりますので、記憶にとどめておいてください。
次回は1/1の午後5時から総集編+αとなります。