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【アニメ ヒカルの碁 第14局「三度目の対局」】 02/01/19

第14局「三度目の対局」
囲碁部団体戦のニ回戦、海王中と葉瀬中の対局が始まった。対局前、ヒカルには落ちつきはらってみえたアキラだったが、手が震え碁笥の蓋を落としてしまった。それだけアキラはヒカル(佐為)との対局を恐れ怯えているのだ。それでも力強い瞳でアキラは立ち向かってくる。ヒカルは佐為の言うとおりに打ってゆき、アキラは待ち焦がれたかのように反応した。
ふたりの対局が進んでゆき、序盤にて佐為が長考をはじめた。
手が止まったヒカルにアキラが話しかけてくる。しかし、真剣なアキラの瞳が本当にみているのはヒカルではなく佐為なのだ。ヒカルはアキラの情熱に引きずられるように囲碁の道に踏み込んだ。そして最初にアキラと対局した頃にはさっぱり囲碁がわからなかったヒカルも、囲碁部で打つことで少しずつ実力をつけてきた。自分で、打ってみたい。自分で打たなきゃ、アキラとの実力差はわからない。その思いが高ぶり、ヒカルは佐為に心の中で謝りながら、自分が打ちたいと思う場所に石を置いた。
意外な場所への一手に戸惑うアキラ。一瞬はっとする一手だったが意図がよくわからない。一方、佐為はヒカルの一手の発想の面白さに気がついた。しかしヒカルはそのカンのよさを生かすだけの実力がない。佐為は自分の対局を中断されてしまったが、ヒカルの打ちたいという意志を尊重してその対局はヒカルに譲ることにした。
アキラは突然崩れ出した盤面に憤りを覚え、「ふざけるなっ!!」と叫んで立ちあがってしまう。ユン先生の忠告で、アキラは苛立ちながらも最後まで打ち続けた。
一方、大将戦の三谷と岸本は、勢いよくつっかかっていく三谷を岸本がやんわりとうけとめ、翻弄していくような展開になっていた。
アキラとヒカルの対局はヒカルが中押し負けとなった。「以前のキミに神の一手を垣間見たとさえ思ったのに」と深い失望を隠しきれないアキラの背中に、ヒカルもまた傷ついていた。
筒井も中押し負け、そして食い下がっていた三谷も負けを認めざるをえなくなった。葉瀬中囲碁部は海王中にニ回戦で3-0で敗れた。終わった。あかりが泣き出し、筒井の目にも涙が浮かんでいた。三谷の目も潤んでいた。ヒカルは悔し泣きをしていた。


物語的には序盤の大きなターニングポイントとなる話です。アキラは目指していたものが「幻」だと思って、ヒカルに失望したこと。ヒカルがアキラと戦いたいと思い、アキラや佐為の意志よりも自分の「打ちたい」という気持ちを優先して打ったこと。このとき、ヒカルは自分の足で歩くことを選んだのです。そしてそれは……テレビアニメがずっと続くなら、1年後に放映されるあたりの話で「大きな選択の結果」が放映される、はず。あのあたり(原作の16巻あたりですが)はぜひ動く映像をみたいので、それまで放映が続いてくれるといいんですけどねぇ。

私がもしヒカルの立場だったら、苦労して自分で打つことなく、佐為にすべてを打たせて、自分は「神童」だとちやほやされて喜んでいたでしょう。それでも別に誰も困らないどころか、むしろ佐為にとっては好きなように対局できるのは喜ばしいことですから。物語上、佐為の存在はヒカルにしか見えません。だからヒカルがどれだけズルしても、誰にもわからない。視聴者以外には。
でもヒカルは、「本当の自分」でないもので誉められることを潔しとしなかった。そういうプライドがあるからこそ、この物語が「ヒカルの碁」であるわけです。

今はヒカルはまだまだヘタクソですが、でも佐為に「おもしろい」と言わせるような手を打つことを示しました。ヒカルはそういうセンスがある、ヒラメキ型なんでしょうね。ただセンスはよくても実力はまだまだですが。

アニメになってよかったなあ、と思うのは音がついてくることですよね。あの石を打つ音のリズムから伝わってくるものがいいですねぇ。音楽の使い方もうるさくなくていいし。
演出はちょっと過剰気味なのは、ちょっとひっかかりますが。アキラの挙動とか。いや、原作でもアキラさんの言動はアレなんですが、それが動いてセリフがつくと更にパワーアップしちゃうので。あのセリフやらあのセリフやらがどうなるか、今から楽しみです。
原作と比べて…だったのは、佐為のコミカルなシーン(ヒカルを見守ろうと思いつつも、つい悔しがってヒカルに「バカッ」って言いながら泣きついちゃうところ)がカットされたところ。アニメの方が連続性は高いですから、マンガに比べるとコミカルなところとシリアスなところの切り分けが難しいから仕方ないのかもしれせん。
でも、あかりちゃんが大泣きするのと、ヒカルの悔し泣きはちょっと違うような。ヒカルはいくら悔しかったとしても、あの程度じゃ泣かない子だと思うので。逆に、筒井さんの泣き顔はもっとアップでじっくりとみたかったです。

さて、来週からは「インターネット編」に。個人的に読んでてすごくワクワクした下りなので、今から楽しみです。ただちょっと気になるのは、日本語以外の言語の扱い方。原作ではバックの世界はリアル社会と同じなので、「外国人でも宇宙人でもなぜかみな言葉が通じている」ということはありません。インターネット編はまだしも、原作の先の方の展開では「言葉が通じないことによる誤解」も物語の要素となっていますから。リアルさを追求するなら、外人の方はそれぞれの言語で話をして、字幕をいれるになるだろうけども、手間が大変だし子供の視聴者には分かりにくくなるからそれはないかなあ。

1/21発売の週刊「ジャンプ」に、「ジャンプフェスタ」関係の映像の収録されたビデオの全員プレゼントの案内が載ってるようです。そこで流れた「ヒカルの碁」の番外編のアニメもはいってるそうです。このアニメは原作のほったさんの案を元に作成したオリジナル作品で、ヒカル・佐為・筒井・三谷・加賀・あかりが出演しています。ひょっとしたらこれを逃したら手に入れる機会がないかもしれないので、熱心なファンの方はジャンプをみてください。


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