院生研修でヒカルはなかなか連勝できずにいた。和谷はヒカルに次の研究会の話をした。それを聞いてた奈瀬が自分もどこかの研究会に言った方がいいいのかとボヤいたが、友達の少女にたまには気晴らしにカラオケやボーリングに遊びに行こうと誘わてれた。
それを聞いていたヒカルは、自分はカラオケもボーリングもいいから、たまに囲碁部で打ちたいなあと考えていた。ある日の放課後、囲碁部が活動している理科室の外から覗くヒカル。夏目があかりと久美子相手に指導碁をしていた。三谷はあれからきてないらしい。人数が減って寂しそうな光景をみて、ヒカルはあかりに声をかけて自分が打ってやると言いだす。しかしあかりはヒカルに「もうこないで」と断った。囲碁部メンバーはみんな三谷が帰ってくるのを待っているのだ。ヒカルが楽しそうにしていたら三谷は苦々しく思うかもしれないのだから。
ヒカルはそのあかりの言葉を聞いてしゅんとしたヒカルだったが、「一回だけ」と強引に入って三面打ちをした。楽しそうに打っているとき、外で音がしたのであかりが見に行くと、そこには三谷がいた。ヒカルのことをいいわけするあかりに、三谷は忘れた理科のノートを取りにきただけだからといって去っていった。あかりが探したらたしかに机の中に三谷のノートがあった。がっかりするあかりに、夏目は今日は理科がなかったはずだと言う。
三谷は桜吹雪の中を歩きながら、タマ子先生が休みで今日は理科がないはずだったことに気が付いた。
小細工をしてまで囲碁部に顔を出すきっかけを作りたかった三谷の気持ちを知ったあたりは、ヒカルにやつあたりをするのだった。
そして一か月ほど後。三谷は廊下に張られた囲碁部のポスターをみて、ヒカルが三谷を囲碁部に引っ張っていったのは去年の今頃だったと思いだしていた。
囲碁部では新入部員も囲碁部もこないのでがっかりしていたが、気を取りなおしてポスターを張りなおそうと思っていた。女子は助っ人のバレー部の金子に頼んで3人で大会にでるつもりだった。それに比べて男子は夏目しかいない… そこに入部希望の1年生の少年がやってきた。
夏目は翌日、三谷のクラスにやってきて、囲碁部の男子が二名になったから大会にでるためにも三谷に帰ってきてほしいと声をかけたが三谷は冷たくあしらった。そして授業で理科の実験室にきた三谷は囲碁部の用具入れの棚をこっそりとあけた。そこに見つけた対戦記録をつけたノートを三谷は手にとる。夏目、あかり、久美子、小池(新入部員)、そして三谷の名前のかかれたノートもあった。
放課後、囲碁部に三谷が顔を出した。大会にでるつもりはないがたまに囲碁部で打つのならいいという三谷を暖かく受け入れる囲碁部員。そこに大会に向けて練習するために金子がやってきて、「一番強い人」ということで三谷と金子が打つことに。ズケズケとモノをいう金子に三谷は毛を逆立てつつも、和気あいあいと対局は進み、三谷は囲碁部の活動に溶け込んでゆく。
帰り道、あかりは金子にお礼と、同じクラスのヒカルに「三谷くんが囲碁部に顔を出すようになったから安心して」と伝言を頼む。でもヒカルは翌日は若獅子戦で休みだという。
通りかかってヒカルの名前を聞いて悪態をつくていく三谷だったが、金子のペースには乗せられっぱなしだった。
今回は棚上げされていた葉瀬中囲碁部の話。原作でもすごく好きなエピソードなんですが、今回は絵もきれいだし、テンポや演出もよかったです。
ただ、時間的配置が原作とズレたことで切なさが少し薄れちゃったのが残念。
原作では前半部分と後半部分は時期がかなりズレています。前半部分はアニメでは4月になってましたが、原作では2月の頭、ヒカルが院生二組で伸び悩んでいた頃の話。前回スペシャルの和谷がヒカルを研究会に誘った直後の時期にあたります。ヒカルの居場所はもう囲碁部にはない… 院生でうまくいってないからといっても、帰る場所はすでになく、それはヒカルが選び取った結果なのだと付きつけられるわけで。これがあるからこそ、そのあとヒカルの院生でのがんばりにも味わいが増すんですよね…
ちなみに2月頭の話ですから夏目くんと三谷は同じクラスですが、話はできる状態ではなく、三谷くんの「嘘」は夏目くんが「今日うちの組 理科ないよ」でバレます。あと、囲碁部冬の大会に女子はでるんだろ?とヒカルが聞いたら金子さんが用事があってダメだったという話に。それとあかりちゃんがヒカルに投げつけた碁石はプラスチックち製であることがかかれています。
後半は原作でも5月の話、若獅子戦直前の話となってます。こちらの展開はほぼ原作と一緒。原作での名シーン(三谷くんの背中)もそのまんまやってくれたのが嬉しかったです。ただアニメでは原作に比べると時間間隔が短くなってましたから、いつまでも意地はってる三谷くんの切なさが少し薄れたのは残念でしたが。
でもつくづく金子さんはいいキャラですねぇ。原作絵描の小畑さんがお気に入りのことだけはあります。
三谷くんみたいな素直じゃない子は、金子さんくらいストレートな人に振り回されているのがちょうどいいかも。でも、アニメでの金子さんが登場したときの効果音はちょっと失礼じゃ…
この両方の話のあかりちゃんもお気に入りだったりします。ヒカルの後ろをついてまわっていたあかりが、仲間の居場所を守るために好きな男の子(?)にもちゃんとノーという。そういうのがけなげでいいなあ、と。