今週のダイジェスト。
・日本棋院でヒカルは偶然倉田に会い、ヒカルとアキラとの名人戦一次予選での対局が、アキラのスケジュールのためにまだ決まらないという話をした。倉田はヒカルにガンバレと言い、サイン色紙の続きを書こうかと言い出したが、どこにやったか忘れてしまったヒカルはなんとか誤魔化した。
・研究会では、ヒカルは冴木四段に中押し勝ちをおさめた。白川はヒカルの成長ぶりに感嘆していた。冴木や和谷にハッパをかける森下九段。
・帰宅したヒカルのところに手合い通知が届く。2週間後、ついにアキラとの対局が決まった。ヒカルはアキラの本因坊戦の棋譜を見ながら闘志を燃やす。打たなければ自分たちは始まらないのだ、と。
・葉瀬中。放課後、あかりは真剣な顔で歩いているヒカルをみつけ、声をかけた。翌日にアキラとの対局を迎え緊張していたヒカルは、緊張をほぐすためにあかりに一局打とうと誘い、あかりは恥ずかしがりながらも喜んでついていった。
・翌日、日本棋院で冴木と芦原が話していた。冴木は因縁の塔矢門下の芦原との対局なのだ。一方、芦原には緊張はみじんもない。そんな芦原をみて、ひょっとして森下門下生が塔矢門下生をライバル視しているのは一方通行なんじゃ?…と疑問を持ってしまった和谷に「それは禁句だ」と冴木。
・やってきたヒカルをみつけ、和谷が声をかけ、伊角が現在全勝でプロ試験合格を決めたと報告した。
・そしてアキラと越智がエレベーターからでてくる。アキラはヒカルを一瞥し、対局場に入っていった。そしてヒカルも対局場に移動する。和谷は越智にアキラとエレベーターで何を話していたのか聞いた。越智はアキラに今日のヒカルとの対局のことを聞いたが、アキラは「やってみなくちゃわからない」ということを言ったというのだ。やはりアキラはヒカルをライバル視しているのか?と考えてしまう越智と和谷。
・対局場、ヒカルはアキラに声をかけた。二人の対局は2年4か月ぶりなのだ。長かった、と感慨深そうにアキラは呟いた。
・そして対局が始まった。ヒカルが黒、アキラが白。ヒカルの手に、まるで早碁のように応手するアキラ。この一局が待ちきれなかったように。局面は序盤から激しい戦いに突入した。この対局を待ちきれなかったのは、ヒカルも同じなのだから。
今週も原作2話をアニメ1話に。作画はきれいなところと妙なところと入り混じっていて、今一つでしたが、演出はいい感じでした。前半の緩やかな空気から、後半クライマックスに向けての入り方が加速のついた感じがうまくでてて。
作画については、来週の作画は予告をみる限りすばらしいので、大いに期待しています。
前半はツナギの一局。ずっと続いていた緊張状態から緩めた感じになっています。あかりちゃんとヒカルの下校のシーン、原作読んだときも「20年前の少女マンガのみたいだなあ」と微笑ましく思いましたが、アニメにするとラブコメのようで、なんだかみてて照れくさかったです。そういえばヒカルって、小学生の頃はあかりちゃんよりも小さかったんですよね。それがヒカルが中一の秋頃には同じ位に並んで。今はヒカルの方がこぶしひとつくらい大きいのでしょうか。でもこうやって、ずっと一緒だった男の子が急に落ちついた雰囲気を漂わせるようになったら、なんでも知ってたと思うだけに余計ドキッとするものなんでしょうね。あかりちゃんのヒカルに対する気持ちは押しつけがましくないし、相手に依存したような「好き」じゃなくて、自分ががんばるためのエネルギーを貰うためにそっと心の中に隠し持ってるような「好き」だから、ほほえましくて。
今回のこのあかりちゃんとヒカルのシーンは、佐為と名人との対局の前日との対比となってるんでしょう。
久しぶりの森下九段研究会は嬉しいんですが、「優しい先輩」としてヒカルに色々と世話を焼いてくれてた冴木さんがやられ役になってたのが悲しかったです。ちなみにこのシーンでの白川先生のモノローグはすべてアニメオリジナルです。あと、森下先生が和谷くんにもハッパをかけるシーンはアニメオリジナルなんですが、「差をつけられるぞ」って、森下先生は和谷くんがヒカルより下だと認識してるってことなのね… 実際にこの時点での実力からすると確かにそうなんですが。
伊角さんが見事にプロ試験に合格しました。昨年度プロ試験での劇的な落ち方は、本人に大きな傷となったかもしれませんが、その苦しさを乗り越えたことで伊角さんは大きくなって帰ってきました。
ちなみに久しぶりに登場の真柴さんは、アキラや辻岡さんと同期でプロに合格していて、アキラの新初段戦の時や、若獅子戦の時に伊角さんにイヤミなセリフを言ってた人です。彼はこの物語では典型的な「イヤな奴」として描かれていますが、彼も彼なりの苦しみもあるわけで。同期のアキラは特別としても辻岡さんもすでに二段、真柴さんひとりだけパッとしないのですから。プロ合格がゴールであれば、実力は劣るのに運よく受かるというのはラッキーだけれども、実際はプロ合格はスタートにすぎないわけで。周りと比べて自分が小さく感じるのは辛いんですよね。そんなプライドをなんとか保つために、伊角さんにああいう風にイヤミをつい言ってしまうのかも。強い人への嫉妬かもなあ。
ついでに、この年のプロ試験合格者は今回のテレビシリーズの範囲ではわかりません。どうしても気になるのであれば、コミックス19巻でわかりますので、今月末になってアニメが終わってからでもぜひ読んでみてもらたいなあ、と思います。
佐為の消失から5か月たって、やっとヒカルも本編で笑顔をみせるようになりました。それでも「お前が打ちたかった佐為はもういないけれども」と佐為のことを思うときの目の暗さからすると、まだ傷口から血は滲んでいるのかもしれません。ヒカルはアキラが自分の中の佐為を見ていたことについてのコンプレックスはなくなっても、佐為を失ったことでアキラに申し訳なく思う気持ちは消えてないですね… 無理もないことだけど。
そのアキラとヒカルは、まさに「打たなければオレ達は始まらない」。このふたりまだ本当の意味で向き合って対局したことがないのですから。初めて出会ってから3年、一度も正面から戦ったことがない主人公とライバルというも珍しいのでは。
そしてやっとヒカルとアキラの対局が実現しましたが、「2年4か月」って、妙に細かい数がでてくるのはアキラはこの日をずっと数えて来たのでしょう。月単位だけではなく、「何日」レベルでも数えていたのではないかと思うのは私だけではないのでは。
その待ちきれなかった対局に二人は一体何を見出すのか、それを来週の美しい作画がみることができるのは嬉しい限りです。
原作とアニメの違いです。
(1)ヒカルと倉田さんの会話
セリフが一部省かれていたり、追加があったりしましたが基本的に話に大きく関わりのある変更ではありませんでした。
(2)森下研究会
ヒカルと冴木さんの対局をみながらの白川先生のモノローグはアニメオリジナルです。休んでた後に復活したヒカルの囲碁が変わった、そして強くなったという実感を白川先生はしていたのでした。
また、森下先生の和谷くんへの叱咤激励もアニメオリジナル。でも「引き離されるぞ」はヒカルより和谷くんが下だと思っていることを表しているのがキツいなあ、と。
(3)アキラとヒカルの対局日。
原作では細かい日付まで分からなかったのですが、アニメでは手合いの通知書がアップになり、10月23日(水)と判明しました。でも、作中ではこの年は2001年度なので、10月23日は火曜日なんですよ。スタッフは間違えて、2002年度のカレンダーで設定したのかも。