草村 礼子 アルバム

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転がれ!たま子
『転がれ!たま子』の特別試写(2005年8月に開催された第30回湯布院映画祭)
のパンフレットに寄せた 新藤 風 監督 への想いを、お読みください。

『 ふうさん、また招んでね 』 草村礼子

新藤兼人監督のいくつもの作品から、深い感銘を受けていた俳優の一人として憧れながら見つめていた、近代映協からの初めての出演依頼に、一も二も無く跳び付き、お受けしたいとシナリオを読んだ。
周防監督の「Shall we ダンス?」で、たま子先生役と出合い、一時は芸名をたま子に、と考えた位に好きな名前のついている作品でもあるのに、迷った。
「面白くない」からではなく、「面白いから」こそ二の足を踏んだのです。 シナリオを読んで面白いのに、自分がどんなふうに演じられるのか、どんな作品になるのか皆目見当がつかないのだ。
トシを重ねると、臆病になる。出来るだけ恥をかかないような選択をしてしまう。
困った挙句“新藤兼人先生にも、近か付くチャンスではあるかもしれないが、ヘマをして悪印象を残すよりは、出ない方が無難かなァ”と思いながら【新藤 風監督】に、お逢いした。
ほんとは【かぜさん】であるし、わたしごときが【ふうさん】等と呼べる道理もないのだが、わたしは心の中で監督を【ふうさん】と呼んでいる。
ふうさんは、愛くるしい目でわたしを見詰め『ワタシ、草村さんに演ってもらいたいんですヨ。だいじょぶ・ですよ』と。何だかそのひと言で、わたしにも出来そうな気がしてきたのが不思議だった。
そしてミッキーカーチスさんと、パン屋・日進月歩堂の老夫婦ジイチャン・バアチャンとして、楽しく撮影に参加させてもらいました。
なんとも言えない温かさと、楽しさのある作品の仕上がりを、初号試写で確認したわたしは、あるパーティでお逢いしたばかりなのに、東京国際女性映画祭のディレクターの大竹洋子さんに『若い素敵な女性監督の新作、ご覧になりましたァ? 転がれ・たま子は、今年のリストに入っていまスゥ?』と、尻上がりの声で問いかけてしまいました。(あはは。ビックリなさってました)
文章下手で、作品の好さを説明する言葉は探し出せなかったのですが、風さんと、この不思議なオハナシのふしぎな役に出逢ったわたしは【今後いくつに成っても、臆病にならずに挑戦を続けよう!】と勇気を得ました。
それで今【新藤 風監督】に出逢ったからレパートリーが増えるゾ〜って(あはは。次回作にも呼んで貰えるって信じて!)喜んでいるの。
風さんの創ったふしぎな作品を、ゆったりと、お愉しみください。


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