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【ヒカルの碁:コミックス8巻】 00/08/06

8巻の内容はプロ試験の予選の話と、緒方vs桑原の本因坊戦。ジャンプで何度も読んだ範囲ですが、それでも緒方さんをみるとジタバタしてしまいます。私ってやっぱり緒方ファンだわー。「タイトルホルダーとしてね」あたりの緒方さんなんて、何度見てもシビレます〜。きゅー、素敵っす!!…それにしても何気に緒方さんの頬骨復活しています。あまりに若返りさせすぎたと小畑先生も思ったんでしょうか。個人的にはこれくらいの方がぐーっ。理想の緒方さん年齢って32くらいなので。それか28くらい。あと、本因坊戦七局、雑誌では一局目と同じく札幌の京王ホテルになってたのが変更になってますね。誰かからのツッコミがはいったんでしょうか。
今回は人気投票の結果収録と、赤丸他のカラーイラスト収録のために楽しみにしていた「ネームの日々」がひとつしかない…寂しい。でも小畑先生って、基本的に美形描きで、放っておけば緒方さんや伊角さんのように若く美しく描いてしまうのに、オヤジをかくの好きだったり、金子さんがツボだったりしますかっ。ヒカルの碁は扱ってる題材のせいで、ジャンプの他のマンガに比べてオヤジ率が異様に高いですが、そのオヤジのバリエーションとキャラ立ちのうまさもズバ抜けてますよね。今回の神宮寺さんとか河合さんとかも強烈ですもん。


【第80局「身代わり」】 00/08/07

「ヒカルの碁」第80局「身代わり」。アキラってば大人げない。越智くんちに指導碁にいったアキラ、おそらく真剣勝負を期待しているんだろうと一刀両断に。(そして越智くんはトイレで壁をコツコツ叩く、と)アキラってばヒカルのことになるとなりふりかまわずだからなー。ヒカルの力を知りたいあまり、越智くんをモノサシにしようとして、その意図を見破られて怒られて。越智くんも「イヤなヤツ」ではありますが、今回はどう考えてもアキラが身勝手すぎるんだよね。ま、そこがアキラらしい。このあたりの展開はわりと予想通り。ただ越智くんはアキラにコテンパンにされても、ヘコむことなく逆に闘志を燃やすわけで。負けず嫌いだからなあ。またしてもアキラは敵を作ってしまいましたね。友達少ないもんなあ、彼。
で、今回のこのエピソードがどうつながるか。プロおよび予備軍でアキラの口からヒカルへのこだわりを聞いたことがあるのは、名人と緒方さんに続いて越智くんで3人目なわけです。そういえば、アキラの唯一の友達の芦原さんは、ヒカルとアキラの因縁のことを全く知らないんですよね。(アキラvs王座戦のときも、ヒカルとアキラがライバルであるという話題は、芦原さんが席を外したときに行われているわけで)それって今後に関わる話なのかしらん。院生はみんなヒカルがアキラをライバル視しているのは知ってるけれども、アキラの口から聞いたのは越智くんが初めて。ただ越智くんは院生に友達いなさそうだから、それが院生仲間―プロ試験に影響を及ぼすとは思いにくいけどどうなんだろ?
ほったさんのことだから、これが単に現時点でのアキラとヒカルの力の差を越智くんを間に挟んで測る…程度の意味しかもたないエピソードではないとは思うんですが。
さて、第10戦、ヒカルは体調不良(下痢)で一敗。でもそのあとは勝って、第11戦の段階で全勝が伊角さん、越智くん、一敗がヒカルと和谷くん、二敗が本田くんの模様。ヒカルとの対戦を前にして、伊角さんが今年が「院生最後の年」であることを強調。どうも最近は暗い表情が多くて、「負けそう」オーラが漂っていた伊角さんですが、「もちろん」の瞳には力強さを感じました。(でもこういう表情で物語ることができるって小畑先生すごいよなあ…)
話変わってヒカル。佐為相手に「集中しないと負けるぜ?」なんて言葉が吐けるなんて、たくましくなったよなあ。さて、12戦、いよいよ中盤の山場。次回が待ち遠しいですねぇ。
予想としては、ヒカルの勝ち。で、院生師範の言葉にあった、「全勝も1度負けるとそのままズルズルいってしまう」という伏線がひょっとして伊角さんなのかなあ、と…越智くんも今回のがアキラとの因縁となって、プロ編でも続くのでは?というのが私の予想。で合格はヒカル、和谷、越智。…でもま、越智くんはまだ若いから、今回落ちても次の年あたりは受かりそうだし、ストーリー上に因縁が残っても今年受かるとは限らないか。伊角さんには受かってほしいけど、無理かな…


【第81局「慎重な一局」】 00/09/18

今週の「ヒカルの碁」。第81局「慎重な一局」。盆休みで一週空いて、待ち遠しかったです。いよいよプロ試験も中盤の山場で、仲良し対決&上位陣の星の潰しあいに突入。その皮切りとしてヒカルvs伊角戦。伊角くんはヒカルが強くなったことは認めつつも、自分なら勝てる、と。アキラとの対話以来、ヒカルのことが気にかかる越智くんが、ヒカルたちの対局時計をチェックすると伊角さんがすでに持ち時間の半分以上を使っていることに気がつき、それを伊角さんに確かめてみる。そして、アキラがヒカルにこだわっていたことを伊角さんに知らせ、それを聞いた伊角さんは動揺してしまう、と…アキラが越智くんに指導碁をしたエピソードが越智くんの失速になるのではなく、伊角さんの方にきましたか。院生師範の、院生一位でも受かるとは限らないし、動揺したらダメだとかという話からすると、今回のエピソードは、伊角さんが落ちるための伏線ばかりに見えちゃいますねぇ。最近ますます美しさに磨きのかかってる伊角さんですが、やはりプロ試験には合格できないんでしょうか… 予想では、このまま動揺→ヒカルに負け、次の和谷くんにも負けて失速、になるかなあ。
いつもながら、以前にさりげなく出てきたエピソードの絡め方がうまいです。今回の伊角さんが動揺したのは、発端はヒカルが院生試験を受けたあとに「アキラが自分をライバル視している」と口を滑らせて、院生の間で噂になったものの、二組に入ったばかりのヒカルのヘタレさに誰もそのことを信じなかったということなんですよね。それなのに、本当はヒカルは「あの塔矢アキラ」が気にかけるほどの存在だったと聞いて驚くわけで。
座間王座とアキラの対局のときに、院生をバカにしていた真柴さんの鼻を明かしてやろうと「ヒカルはアキラの唯一認めたライバルだ」と告げるわけですが、そのときにひそかに和谷くんも伊角さんも舌を出して笑ってるわけです。その場の勢いで言っちゃっただけで、自分たちも実は全然本気にしてなかったことがこれでわかるわけで。ちなみにこのエピソードがこのときに同席していた囲碁記者が半信半疑ながらもヒカルに注目をはじめるようになるという展開にも続きます。このときに葦原さんはたまたま席を外していて、このときのできごとを知らないいうのもちゃんと意味のあることなんでしょう。
そのあと、和谷くんの方は、sai疑惑を経て、若獅子戦のときに緒方さんとアキラがヒカルの一局をみてた件から、アキラがヒカルをライバル視しているのは「ひょっとして本当かも」と思いはじめているようですが、伊角さんの方は(若獅子戦の翌日のマクドナルドでの昼食時のように)ヒカルにアキラネタを振ることはあっても、きっとヒカルが一方的にアキラに熱をあげていたと思ってたんでしょうね。
こういうひとつのエピソードの重層的な使い方は、さすがほったさん。
たぶん、今回の何気ないシーン(昼食休みに体操をさせる佐為にヒカルが言った「かなわねーなァ、もう」を和谷くんは「伊角さんにかなわないと弱音を吐いている」とうけとったところ)なんかも後で効いてくるんだろうな。おそらく、次の和谷vs伊角戦に。


【第82局「魔の一局」】 00/09/25

「ヒカルの碁」。第82局「魔の一瞬」。なぜ伊角さんが「アキラがヒカルのことを気にかけていた」ことを知って動揺したのかの内面描写から話は始まります。これがきっかけでヒカルにとって会心のデキである秀英との一局を思いだしてしまう、と。あの碁会所めぐりの話がこういう感じでもきいてくるわけですね。
ヒカルと伊角さんの一局は、伊角さん有利のまま進みます。ただし、伊角さんは持ち時間を全部使ってしまって(一分以内に打たねばならない)秒読み段階に突入。「ヒカルに勝てる」と思いながらも、伊角さんの頭をよぎるのは若獅子戦でヒカルの対局をみていたアキラの姿だったり、秀英の泣き顔だったり。そのせいで、伊角さんは打ち間違いをしてしまい、慌てて正しいところに打ちなおしをしてしまう。碁では、一度碁石から手を放してしまえば、打ちなおしはできない。やってしまうとルール違反で即効失格となってしまいます。…伊角さんから自ら告げるか、ヒカルが言いだせば。
それにしても、こういう展開がくるとは。これは予想外。しかもこのあと予測されるどのルートをとってもヒカルと伊角さんの間に気まずいものが残るじゃないですか。少年マンガ的に一番あとの展開が楽になるのは、「ヒカルは反則を指摘せず、実力で勝つ」ことだけどほったさんはそんな甘い展開にはしないでしょう。次回の予告が「棋士になれないっ」ってあるので、予想としては伊角さんとの友情が壊れるのを恐れて(またこういう結末は卑怯に思えて?)ヒカルは気づかなかったふりをして指摘せず、それで負けてしまう…のかなあ、と。でもヒカルと伊角さんの間にわだかまりは残るだろうし。大会よりも院生を選んだときに三谷くんとの友情を壊してしまったように、何かを得るためには何かを失ってしまうものかもしれません。
それにしても今週の伊角さんもキレイだ…消える前のろうそくの炎の輝きでしょうか。目の微妙な表情から伊角さんの気持ちが伝わってくるなあ。小畑先生、さすが。
来週は表紙&巻頭カラー5ページ。巻末コメントからしても力入ってるようで、楽しみ。


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