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【批評家】 01/01/24

批評家について。
うちのダンナは趣味で写真撮影をしてるんですが、批評家というのをよく思ってないんです。「あいつらは撮った人の事情なんて何も考えずに好き勝手に言えて気楽だ」って。私は感想に毛が生えた程度のことしかやってないけど、うちも書評サイトのはしくれなわけで、そうやって長いこと書評してきた立場からすると批評だってそんなに気楽でもお手軽なものではないと思うんです。結構、覚悟がいる。批評するという行為を通して、その人自身の知識やセンスも問われてしまうんですから。
例えば、自分が読んだことのある本の書評をみれば、その人が読み手としてどれくらいの力量を持っているか大体分かります。評判のいい本を「これのどこがいいんだ」と貶めて本人は悦に入ってても、実は他人からは「読解力足りなすぎ」とバカにされ、人をあざ笑ってるつもりが逆に晒しモノにされて笑われていたということもありえるんですから。…というか、私の本の感想を読んで、そういう評価を下した人もいるんだろうなあ。そういうことかあったとしても、私の力が足りないんだから仕方がないですね。こんなことを考え出すと薄ら寒いものを感じますが、それでも伝えていきたいものがあるから本の感想は続けてゆくつもり。…できることならもっとうまくなりたいけど。
WEBで手軽に情報発信ができるようになったせいで、プロじゃない素人の批評家が(自分も含めて)大量発生しています。質もピンキリで、タチの悪いのもいるけど、おそらく読者が自分にあった批評家を選ぶ過程で自然淘汰されてゆくでしょう。そうやって、生身の自分を晒してヒトの判定を待つのは、創作者であっても批評家であっても同じじゃないでしょうか。
檻の中で見世物になっているのは自分の方かもしれない、と。


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