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【キャラ萌え。】 01/02/07

「ゲーム批評3月号」:「ガンパレードマーチに『自由』はあったのか?」という6ページの特集記事があります。熊本までいって矢上さん、芝村さんのインタビュー付きの力作。で、そこで「『ガンパレ』はキャラ設定がしっかりしてるのでキャラ萌えしづらいのでは?」というようなネタがありましたが。そうともいえるし、そうでないとも言えるんじゃないかなー、とか。
マンガや小説においてのキャラの造詣は、いつかのパターンに分類することができると思います。

(1)記号化されたキャラ
「メガネの生徒会長」「女たらしの美形」とか、あと「メガネっ娘」とかね。属性のみで構成されているようなキャラ。
(2)張りぼてポリゴンの上にテクスチャーだけはったキャラ
キャラの言動が表面的で、中身は空洞だったり、みな同じ(作者そのもの)みたいな状態。少年マンガのキャラはこういうのが多いです。かつての作品だと「キャプテン翼」、今だと「NARUTO」や「テニスの王子様」とかね。
(3)骨格も血肉も備えているキャラ
もしくはブラックボックス化されてる個別のOSを備えているというか。設定がしっかりしており、演技に作者の影がみえない、うまい作家さんだとこうなります。キャラの言動ひとつにもきちんと裏打ちされた設定なり個々の思考回路なりが存在している状態。小説とか「キャラの描写がうまい」というのはこのあたりを指すことが多いですね。
(4)内臓まで全部見せちゃってるキャラ。
設定がしっかりしてるのはわかるけど、それを全部表で見せすぎだよ…というパターン。作中では(3)であったものが、作者が作品外で語りすぎたためにこのレベルになることも。
これらはどれがいいとか悪いとかではなく、作り方の違い。ミステリではトリックのジャマにならないようにわざと登場人物を記号化することもあるし、「ブギーポップ」では意図的に中身が空洞になるようなキャラメイキングをしてますね。それによって物語の重力の制御をしてるんだと思うんですが。
さて、どのレベルが一番萌えられるかというのは人によって様々でしょう。美少女ゲーム好きな殿方には(1)が多くて、同人女には(2)が多い…というのは暴論だろうなあ、いくらなんでも。ただ、同人女に対しては、女性向け同人界の人気ジャンルをみると(2)の場合が一番人気が出やすいような気がします。中身が空洞であるからこそ、いくらでも自分の妄想や理想が注げますもの。アイドルなんかにしても、演出されたキャラとしてのタレントは(2)であることが多いです。アイドル雑誌の投稿欄をみればファンがアイドルをどうみてるかがよくわかりますが、アイドル宛てのラブレターやポエムはタレント名の固有名詞を変えても成立するような感じで、相手は自分の理想を映す鏡でしかないんだろうなあと思ったことがあります。…個人的にはアイドルウォッチの醍醐味はコンサートなどで虚像の下の生々しい人間性を垣間見える瞬間ではないかと思うんですけどね。
話それましたが。ガンパレは説明書などをみるかぎりでは(1)ぽいんですが(巫女さん、ロリ、メガネ美形、天使のような美少年など)、それを逆手にとった(3)になっています。そのため、妄想を注ぐための空洞が小さいことは確かかも。ただ、謎掲示板などで裏設定を暴露しすぎたために(4)になっちゃったかもねぇ…そこまでくると萎えるという人がいても仕方ないかと思います。
でも、(4)の中から本質を抽出して(1)の状態にすることで激しく萌えることもできる人だって結構多いんじゃないかなあ。属性萌えというやつですね。…我が身を振り返って考えてみると、「ゼノギアス」のビリーの場合は(4)なんですが(詳細な設定資料集が発売されてますし、製作者が裏設定をべらべらとネットやオフとかで喋ったらしく、その一部を私も知ってたりします)、萌えの状況としては(1)かなあ…だって、パラレル設定やオリキャラとの絡みとかも全然OKですからねぇ。キャラ自体よりはその属性が好きなのかもしれない。ビリーにハマってから自分の中に「口の悪いプラチナ碧眼美少年」萌え属性ができて、それが「ガンパレ」の茜萌えに繋がってるんですから。(ネットのビリー系サイトの人たちが結構茜にハマってるあたり、こういう展開の仕方はよくあることなんでしょう)
なんか話が散漫としたままですが、眠いのでこれで終わり。


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