「塗仏の宴 宴の始末」ネタバレ感想。

●「塗り仏の宴 宴の始末」京極夏彦[講談社ノベルズ](98/9/18)

ここからネタバレの感想です。
もうもう、榎さんがカッコよかったっっっっ!!
特に、472から483ページ。
「支度」の終わりで関くんがあれだけ壊れちゃって、ハラハラしながら「早く白馬の拝み屋(爆)が助けにきてくれないかしら(T T;)」と待ってたのに、いっこうに関くんの状況が伝わらないわ、わかっても京極堂は動かないし(^ ^;)。……京極堂はいろんなことがみえすぎる人で、「言葉」という兇器を持ってる人だけに、動けないのはわかるけどさー、でもっ!!って思ってたけど、やっぱりそういう京極堂を動かすのは榎さんなのよねー。
榎さんってすっごくはた迷惑な人だけど、自由で何事にも縛られない人だから、やはりあの人も京極堂には必要なのねっ!!!!と乙女の妄想(^ ^;)煽られまくりでした。
二人の会話に漂う、「わかりあえた者同士」の雰囲気というのがたまんないです(^ ^;)。
ラストシーンもすごくよかったし。

でもさあ、関くんの無事をちゃんと確認したかったっすよ(^ ^;)。
「元元壊れているんだから大丈夫だ」って榎さんはいうけど、でもあれだけの壊れっぷり………本当に大丈夫(^ ^;)?
それにしても、雪絵さんはデキた人だなあ。あの関くんの奥さんをやってるんだから、並みの度胸じゃやっていけないとは思うけど、本当に強い方です。
で、その関くん。…最初の方、散々な言われようだったけど、関くんを客観的みたらそうなのかもしれないですねぇ(^ ^;)。それなのに、そのどうしようもない関くんの壊れっぷりがとてもかわいらしく愛しく思えてしまうのは、京極夏彦の「呪い」なんでしょうか(笑)?
京極堂は今回辛かったですよね…まあ、辛いのはいつものことかもしれないけど、今回は余計。
…読み終わってもいくかの疑問は残るんですけど、「村上家」に伝わっていたことってなんだったんでしょう?
あと、「アイツ」と京極堂との関係も気になります。まあ、今回でいくつかは語られたけど、もっと深い事情がありそうじゃないですか。…そういう、妄想だとか邪推だとかを喚起させる力が、京極夏彦はすごいんだろうなあ。

まあ、とりあえず再読だ(笑)。


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