Illustration: 麻生朋希
風が舞う。 生まれたばかりの草木から、新たな葉が出て、枝が伸び、花を咲かせ、種を付け、そして落ちた種からは新しい命が生まれる。 ここは清浄な地。 地上でならば、長い長い年月をかけねば起こらぬことが、その日の内に、何度も繰り返される。 単に一日が長いだけかもしれないが、ここでそれを気にするものはいない。 同じ毎日が繰り返されていても、気にするものはいない。
シーラはシロツメクサを摘んで、花輪を作っていた。幼い彼女の手では、シロツメクサはうまく摘めない上に、編もうとして茎をポキリと折ってしまったりして、なかなか作業は進まなかった。 |
『柔らかな風が吹き、シーラの前に金髪の少年が降り立った。』 画像をクリックすると新しいウィンドウで元のイラストを表示します。 Illustration: 麻生朋希 |
「こんにちは」
この地は二つに分かれている。
ここは、神々の住まう地。 |