99年7月に読んだ本。

●「アヤしい夜を待って」尾鮭あさみ[角川ルビー文庫](99/7/31)

尾鮭あさみさんの新シリーズ。今度は高校を舞台にした、オカルトラブコメというところでしょうか。
この作者の作品にしては、なんだかフツーのボーイズラブでした。文章にしても、ネタにしても、今までのシリーズと比べるとアクが少ないんですよね。
……この方が読みやすいのは確かなんだろうけど、この人のあの強烈にズレた部分が好きなんで、ちょっと残念。


●「あぶない竜の選び方」津守時生[角川スニーカーブックス](99/7/30)

「やさしい竜の殺し方」「ゆがんだ竜の愛し方」に続く、シリーズ三作目にして完結編。
RPG的世界を舞台にした、竜とその誓約者たちとの究極の愛(?)を描いた、一風変わったファンタジーです。
今回はなんといっても、女聖騎士のフェンリエッタが最高です。威勢がよくて、気風のいいお姉さまで。彼女とウル坊のやりとりが楽しいったら。
炎烈王もカッコよかったなー。
とても楽しかったです。
このシリーズ、なかなかオススメですよ。


●「月と炎の戦記」森岡浩之[角川スニーカーブックス](99/7/28)

「星界の紋章」の森岡浩之さんの新刊です。
これは、神話時代の日本を舞台にしたファンタジー。まだ空に星がなかった頃。アマテラスが岩戸に隠れ、世界は常夜になった。少女カエデは無理矢理に蛟退治に向わされるが、ひょんなことから月の神様・ツクヨミを呼び出してしまったが……
うーん。…正直というと、あんまりおもしろくなかったんです。ヒロイン(?)のカエデがあまり好きになれなくて。あまりに身勝手に思えちゃて。
ツクヨミとツユネブリの軽いノリの会話も森岡さんらしいといえばそうなんだけど、今回は分量が多すぎて完全にバランスが崩れちゃっていると思う。
ファンタジーにしては、“におい”が薄かったのも……
とにかく、はやく「星界の戦記」の続きを出してくれー、ってところかしら。


●「セレンティアの憎悪 スレイヤーズ14」神坂一[富士見ファンタジア文庫](99/7/26)

「スレイヤーズ」シリーズの本編(長編)の最新刊。
長編は第二部にはいってからイマイチおもしろいとは思えなかったんですが…なんとあと一冊で終わりだそうです。え??なんかこんな中途半端で不完全燃焼状態からいきなり終わっちゃうんでしょうか。あと一冊でどの程度盛り上がれるかはわかりませんが…
今回の話は、急展開ではありますがなんだか悪い方向にいってしまったような。こういう展開が「必要」だったのかな、と疑問。
このシリーズ、一部のラストあたりはかなり盛り上がって、結構おもしろかったんですよ。実際はあれが実質的なラストだったのかなあ。


●「スカーレット・ウィザード1」茅田砂胡[中央公論社C★NOVELS](99/7/24)

「デルフィニア戦記」シリーズの茅田砂胡さんの新作です。今回はSF…かな?
宇宙海賊のケリーは、ある印象的な女に仕事の依頼を受ける。それは「1年でいいから結婚してくれ」で、しかも彼女はクーア財閥の「女王様」で…
あらすじには「かなり異色な宇宙恋愛物語」となってましたが、恋愛もの??
いや、茅田さんらしく、パワフルで楽しい作品に仕上がってて楽しかったです。
女王様が強くて素敵ですねー。ただリィとキャラ被ってるかな?ダンナ様の方は、いくつかのWEBなどの感想では「普通の人だし」と書かれてたんですが、一般の基準からいえば十分まともでない人なんだけどね……でも茅田さんのお話だから、「普通」に思えてしまうんでしょうね。
シリーズ一冊目なんで爆発度は低いんですが、これから先にはもっとノリもよくなっていくんじゃないかと。「デル戦」の世界とのつながり(?)もあるみたいだし、色々と楽しみです。


●「僕達の水平線 泉君シリーズ8」あさぎり夕[小学館パレット文庫](99/7/23)

泉くんシリーズ8。
……うむむ、ちょっとこれってあんまりなんじゃ…泉くんが身勝手すぎません?伊達がかわいそうだよ、いくらなんでも。今回こうなってしまうのは、納得いかないものがあります。
なんだかすっきりしない。


●「キル・ゾーンリミックス ジャングル・フィーバー」須賀しのぶ・梶原にき[集英社コバルト文庫](99/7/23)

「キル・ゾーン」シリーズの番外編的作品。というか、ファンブックにノリとしては近いかも。設定資料に短編が4つ、梶原にきさんの漫画が2本。雑誌コバルトでの特集の再録なども多いです。
いやー、ほんと楽しかった!!「ジャングル・フィーバー」は病院の待合室で読んでたんですが、声を殺して大爆笑。…端からみてたらブキミだっただろうなあ。でもラファかわいいし、シドーやエイゼンきれいじゃないですか。
「アナスタシア」はマックスのラブロマンス話。これのマックスがもうすっごいキュートでっ!!いいなあ。ユージィン様とヴィクトールの陰険漫才も読めたので得した気分です。
来月の雑誌「コバルト」で「キル・ゾーン」と「ブルー・ブラッド」の短編が読めるそうですが、それも今からとても楽しみ。


●「月に叢雲、花に風 学園武芸帳2」白井信隆[電撃文庫](99/7/23)

「学園武芸帳 月に笑(な)く」の続編。
このシリーズは学園挌闘青春モノなんですが、今回はラブコメ色が強くなったかな?前作よりもおもしろかったです。
なんだか無性に「やぎきた学園」が読みたくなってしまった。ああいうのに近いノリがあるんです。


●「勇気凛凛ルリの色」浅田次郎[講談社文庫](99/7/22)

96年にハードカバーで出たエッセイ集の文庫本化。
元は週刊現代に94年から95年頃に連載されてました。阪神淡路大震災の話や、オウム事件の話などが出てきて、あの時には本当に色々あったよなあ、と感慨深いものがありました。
そしてこの頃、まだ浅田次郎さんは売れない作家で。それでもせっせと作品を書き続けてて。ちょうどあの名作「蒼穹の昴」の執筆時期だったようです。
本当だか嘘だかわからないような、「実体験に基づいた」波瀾万丈の人生の話やら、大笑いさせられたり、ときにはほろりとさせたり、とてもおもしろい本でした。
最近はハートフル路線が多いですが、またピカレスクものもかいてくれないかなあ。とりあえずは「きんぴか2,3」の文庫本化が待ち遠しいですが。


●「魔術士オーフェン・無謀編8 それはいろいろまずいだろ?」秋田禎信[富士見ファンタジア文庫](99/7/21)

「魔術士オーフェン」シリーズの「無謀編」の新作です。
バカネタの短編が4つと、書き下ろしのプレオーフェンシリーズ。今回はレティシャ主役の話で、結構シリアスです。レティシャって結構強いのね。知らなかったです。
個人的にはフォルテの出番が多かったのが嬉しかったです。
あと、キリランシェロは本当にキュートだわ。プレオーフェンのために「無謀編」は買ってるようなものですから。
あ、今この感想書いててやっと気づいた。アニメ、またやるんですね。前シリーズは途中で見なくなっちゃったからなあ…聞いた話では、原作と違う終わり方をしたようですが。続きはどうなるんでしょうね。


●「百鬼夜行 陰」京極夏彦[講談社ノベルズ](99/7/19)

京極堂のシリーズの番外編(?)となる短編集。シリーズ長編の脇役たちが「現実」から「異界」に足を踏み入れてしまい、彼岸にいってしまった話です。長編シリーズの裏エピソードとなっています。
被害者同士の意外な結びつきがわかって「お?」となった話もあれば、「…誰だっけ、これ?」なのもありました。あとで京極関係のファンページでどこの登場人物だったか確認しておかなきゃ。
これらは雑誌で掲載されていた話がほとんどですが、書き下ろしとなる十本目の話は、関くんの話で、しかも「姑獲鳥の夏」のプロローグともなる話です。
私にとって怖かったのは「目目連」かな。あとは「毛倡妓」のなかの「くう。」にはゾワッとしました。擬音の使い方がうまいよなあ。
全体的には、今回の話はそれほど怖くはないです。読んで残るのは、「厭」な感じ。それが自分の中の「現実」にささった刺のように、奇妙な疼きがあるような話で。憑き物が落ちてないから、気持ち悪いんですよー。京極堂の存在のありがたさというのを実感しますねぇ。
この短編集は、京極夏彦に興味があるけど長編は…の人がとりあえず「短編から読む」という形で読むのには向いてないなあ、と思います。そういうのには、次作刊行予定の「百器徒然袋 −雨−」の方がいいかも。これは「鳴釜」「瓶長」の榎さんのシリーズで、すごく愉快な話なんで、刊行が楽しみなんです。


●「グイン・サーガ・ハンドブック2」栗本薫・監修[ハヤカワ文庫](99/7/16)

グイン・サーガのハンドブックです。作品が始まってから20年だそうですが、私も気が付くと10年近く読んでるんですよね。前のハンドブックも買った記憶がありますもの。
今回のハンドブックは中原の地図(折り込み)、作者インタビューや歴史や魔道に関する解説、人名辞典の他、ナリスとヴァレリウスのなれ初め(?)を描いた短編「クリスタル・パレス殺人事件」などがありました。
末弥純さんのイラスト、表紙は油絵で口絵がCGなんですね。その違いに全然気が付かなかったです。油絵は生でみてみたいな。滋賀の美術館あたりでまたこの手の展覧会をやってくれたらいいんだけど。


●「殺生岩伝説 霊鬼綺談」小早川恵美[講談社X文庫ホワイトハート](99/7/16)

「霊鬼綺談」シリーズ最新作。今回は前世の因縁編。平安時代の話になるんですが……現代ならともかく、こういう時代を描写するのはちょっとキツかったかな、と。私でも「あらら」と思っちゃうところがいくつもあったんで。


●「訊く」中島らも[講談社文庫](99/7/15)

精神科医、漢方医、貧乏旅行、釣り、プロレスラー……その道の「達人」の方と中島らもさんとの対談集。96年にハードカバーででた作品の文庫本化。
単なる対談集かと思ってたんですが、これがとてもおもしろい。
結構どきどきわくわくしました。
どの話もよかったけど、一番感銘を受けたのは「漢方の達人」かな。私も今は体調がグズクズしてる感じでよくないから余計に。人生、休むことも必要なんだよね。


●「夢の樹が接げたなら」森岡浩之[早川書房](99/7/14)

「星界の紋章」シリーズでお馴染みの森岡浩之さんの短編集。ハードカバーなんですが、なんとなく勢いで買ってしまいました。
SFマガジンに掲載されていた話ということもあって、SF色の強い話ばかりでした。世界の枠組や認識を組み替えるような話というか。でも別にとっつきにくくもわかりにくくもなくて、おもしろかったです。
表題作の「夢の〜」は人造言語についての話。こういうマニアックな部分が「星界の紋章」のアーヴ語につながってるんでしょうね。イメージがなかなかよかったです。
今回の短編集の中で一番気に入ったのは、「スパイス」かな。ちょっと悪趣味な話ですけど。


●「ハルマゲドンバスターズ 佐原家の人々」嬉野秋彦[集英社スーパーファンタジー文庫](99/7/13)

「ハルマゲドンバスターズ」シリーズの最新作。今回は二部開始前の番外編的な内容になっています。
現代の陰陽師・ゼンのところに、親戚であり、本家の跡取り候補である閑が挑んできたが…
軽いノリのシリーズですけど、今回はさらに軽かったような。サクサク読めるのはいいけど……ねぇ。
あの呪い方はなかなかおもしろかったですが。
でも二部の敵って、あのオッサンだけってことはないですよね?一部のドルトムントに比べるともうひとつ物足りない感じがするんで。


●「ダブル・キャスト」高畑京一郎[主婦の友社](99/7/12)

「タイム・リープ あしたはきのう」の作者が久しぶりに出した新作。ハードカバーなんでどうしようかと思ってたら、西村さんからプレゼント。ありがとうございまーす。
川崎涼介が銃を持った男に追いつめられ、ビルから転落して死亡した。しかし、たまたまその場に居合わせた浦和涼介の意識の中で目覚めて…
同名のプレステのゲームとはなんの関係もありません。「ひとつの体に二つの心」というのは同じですが、展開の仕方は全然違うし。
話はサクサク読めるし、饒舌なところもないし、悪くないです。軽く楽しめました。構成もまあまあですが、「タイム・リープ」の方が凝ってておもしろかったなあ。
未読の方は文庫本化を待った方がいいかも。


●「COOL DOWN」伊達将範[電撃文庫](99/7/9)

イラストが緒方剛志さんなので買いました。
全校集会の最中、学園が武装したテロリストたちによって占拠された。そのとき捕まっていなかったのは不良の克樹のみ。たった一人で彼らと戦い始めた克樹だったが、実はテロリストたちは人外の生き物で……
という感じの学園版「ダイ・ハード」なんですが、展開やツメが甘すぎて。「なんだかなー」とつっこみ入れたくなるようなことが多すぎ。少なくとも、私が今回の犯人たちであれば、こういう行動は起こさないですね。一定人数の拉致が目的であれば、「夜」にもっと密かに行動を起こしていたと思うんです。その方が目立たなくて済むし。なぜわざわざ昼間に、こんな田舎の高校を襲う必要があったのか?そのあたりの必然性が全くない。
あと、意味なく人質たちを大切にしすぎてるし…この犯人たちであれば、不必要な人質や克樹なんてさっさと処分してておかしくないと思うんだけどな。
それと警察は何やってんだ、マヌケって感じだし。
敵さんたちが妙に弱すぎるのも、興ざめでした。
ライトノベルズでの「ダイ・ハード」モノであれば、一条理希の「サイケデリック・レスキュー」あたりはよくデキてたんですけどねー。
緒方さんのイラストはとても素敵でした。


●「トリスメギトス 光の神遺物」浜崎達也[角川スニーカー文庫](99/7/8)

第四回角川スニーカー大賞優秀賞受賞作。
15世紀のヴェネチアを舞台にしたファンタジー。エジプトでの修行から戻ってきた魔術師のミカは、ヴェネチアに向かう船の中で屍人の襲撃にあう。その屍人を操っていたのは、仮面を被った魔術師であったが……
うーん。悪くはないです。ただ、個人的にはちょっと波長があいませんでした。つまらなくはなかったけど、わくわくするような感じはなかったし。キャラにももうひとつ萌えられなかったし。


●「E.G.コンバット3rd」秋山瑞人[電撃文庫](99/7/7)

待ってました!!の「E.G.コンバット」シリーズ最新作。買ってすぐに読みはじめて、イッキ読みでした。
今回はいよいよ地球編。ますます展開がハードになってきてますね。ああ、一体地球では何があったんですかっ!!月では何が起こってるんですか!!…次がFINALだそうですが、あと一冊できちんとカタが着くのかなあ。この作者だから大丈夫だろうけど、それでも心配になるような展開ですもの。
この方の書く機械がとてもお気に入りなんですが、GARPはもちろん、今回のD+のキレ方も素敵ですねぇ。
イラストから「美少女モノ」「キャラ小説」のような印象を受けるかもしれませんが、設定の作り込みの細かさ、エピソードの緩急の付け方、そして話自体がとてもおもしろい作品です。
女しかいない月を舞台にした軍隊青春モノだったのが、今はかなり展開がキツいSFとなっています。
ぜひぜひ読んでください。いや、気持ちの上では「読め!!」と命令形にしたくなるくらい。


●「吐息のジレンマ」和泉桂[講談社X文庫ホワイトハート](99/7/7)

「微熱のカタチ」の続編。キスシリーズにも出演している、バーテンの成見くんと、やり手のフードプロデューサー仁科さんの物語です。ホーイズラブもの。
些細な誤解から仁科との中がうまくいかなくなった成見の前に現れたのは、兄の英彰。優しく、際限なく甘やかしてくれる英彰だったが、成見が一番ほしいものは……
成見くんの子供っぽい不器用さが健気でかわいいです。兄ちゃんは怖かったです。…でもあの兄ちゃんがあれで諦めるとは思えないけどなー、どうするんだろ?
続き、でてくれたらいいんですけどね。


●「ダンスインザウインド 翔竜伝説」岩佐まもる[角川スニーカー文庫](99/7/6)

第四回角川スニーカー大賞優秀賞受賞作。
ドラゴンレースに賭ける人々の物語。サラブレッドを竜に置き換えた「優駿」のような話です。
正直いって、「ドラゴンレース」に置き換えただけの必然性はあるかな?という気はしましたが、さわやかで読後感のよい話でした。クーの今後の話も読んでみたいな。


●「そして二人だけになった」森博嗣[新潮社](99/7/5)

森博嗣のハードカバー初の長編。海峡大橋を支える「アンカレイジ」の内部に作られた核シェルター。そこに滞在実験のために、6人の男女がやってきた。そして何者かによって外部との連絡は断たれ、連続殺人事件が起こりだした……最後に残ったのは盲目の天才科学者とそのアシスタント。しかし、ふたりとも犯人ではありえないはずだったが………
姉に借りて読みました。ミステリとしてなかなか大技で、「おお〜」って思ったらラストのどんでん返しで……。ここで評価が分かれそうですね。個人的にはそのまままっすぐに落ちてほしかったなあ、と思います。
読み応えはかなりありました。新書か文庫なら間違いなくおすすめなんですが。


●「土蜘蛛奇談 下」椹野道流[講談社ホワイトハート](99/7/3)

本業は小説家、裏稼業が霊障を扱う「組織」に属する追儺師(ついなし)の美形・天本森と、人間と植物の精霊のハーフの美少年・琴平敏生による、ゴーストバスターもののシリーズ。「土蜘蛛奇談 上」の続き。
平安時代に飛ばされてしまった敏生が蘆屋道満を巡る事件に巻き込まれてしまうわけですが、そこで出会った「安倍清明」は天本そっくりで。しかし、彼に「お前を知らない」と言われてしまうが……というのが上での話で、上では結構敏生にはキツい展開になってましたが、その反動か下ではもう甘々でした。
これから先どうなるのかな、この二人は。


●「流血女神伝 帝国の娘 前編」須賀しのぶ[集英社コバルト文庫](99/7/2)

「キルゾーン」シリーズでお馴染みの須賀しのぶさんの新シリーズ。異世界ファンタジーかな?
ルトヴィア帝国の辺境の村に住んでいる少女・カリエはある日エドという男に拉致された。彼女は外見がそっくりな皇子・アルゼウスの身代わりとなって、皇位争奪戦に参加することになり……
なかなかおもしろかったです。まだ話は序盤でそれほどの展開はありませんが、キャラが生き生きしてるのがいいですね。
カリエってラファエルを女の子にしたらこんな感じかなって思ったんですが、元気がよくて強くて、いい感じです。グラーシカやエドも魅力的だし。今のところの一番気になるのはサルベーンかな。底が知れないところがユージィン様を彷彿させるものがあって素敵です。今回は話しか出てこなかったけど、グラーシカの弟も楽しみなキャラですね。
今後の展開が楽しみです。後編は9月だそうですが、そのあともシリーズが続けばいいのになあ。
「キルゾーン」の方は既にかなりの冊数が出てますから手をだしにくい人も、これならまだ始まったばかりですし、須賀しのぶさんの本に興味があったら読んでみてください。


●「そういうふうにできている」さくらももこ[新潮文庫](99/7/1)

4年前にハードカバーで出た本が文庫本化。さくらももこさんの、妊娠・出産体験を元にしたエッセイです。
この人のエッセイは発想や文章がおもしろいですよね。子供を自分の付属物のように考えていないところや、妊娠ものにありがちな「女」という性に対する過剰な評価とかがないあたりがよかったです。タイトルどおり、あるがままの出来事として描かれていて。


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