日記Selection  ↑目次へ ↓麻弥へのメール
【著作権のはなし。】 01/05/11

みなみさんの5/10の日記。えっと、著作権法の国際法はすでにベルヌ条約があります。詳しい話はこのあたりとか。ベルヌ条約加盟国の著作物は、その国の著作物と同じ権利を与えるそうです。あと最近、ネット時代を反映して新しく作られたのがWIPO著作権条約。こっちは加盟国がまだまだ少なくて条約として効力がないそうですが。

みなみさんの5/11の日記にさらに補足。
昔アジアは著作権なんてなんのその、コピー天国…でしたが、最近は少しずつ情勢が変わってきてるようです。たとえばジャンプにしても、昔は海賊版が大手を振って発行されてましたが、今は正式な海外版がアジアのあちこちで発売されてます。発展途上国の詳細な事情は知らないのですが、ある程度IT化が進んでいるような国はベルヌ条約を批准しているのではないでしょうか。というのも、この条約を批准してない国は先進国(という言い方はあまり好きではないですが)から相手にされませんから。少なくとも著作権ビジネスにおいては。
でもまあまだ全部の国で徹底されてないでしょう。東南アジアの某国では路上で海賊版CD売ってたり、1本のカセットに100本のゲームを無断収録したスーパーファミコンのソフトとかも未だに売ってたりもするそうですし。…それをいうなら、日本でも路上でオフィスやPHOTSHOPの違法コピーソフトを低価格で売ったりもしますが…

著作権にあれこれうるさいのが日本だけってことはないと思います。アメリカだってキツそう。向こうでもキャラクターは完全にビジネスだし、なんたって訴訟王国ですもん。例えばディズニーがどれくらい厳しいかというと、ミッキーのイラスト(抽象化を含む)を掲載するのはもちろんのこと、グッズの写真も当然ダメ。それどころか、「シンデレラ城をバックにとった写真」とかにもいちゃもんつけられるそうです。ひょっとしたら水分子もダメかしらん。あとマンガや小説をよく読む人なら知ってるだろうけど、作中でディズニーランドの描写も基本的には避けられてます。でも「ネズミーランド」とかあからさまに分かるような形が多いけどね。

ネットで自サイトをオープンにしているかぎり、原則としては版権もののイラストは一切載せないというのが一番安全です。著作権関係のサイトのFAQなどではまずそういう回答になってます。…ただ私はそれはいくらなんでもなあ、と思って昔ホームページ安全講座にはこう書きました。
それをさらにダイジェストでまとめると、
そのまんまコピーやスキャナでとり込んだような一次画像は絶対に載せない。載せたければ権利者に問い合わせて許可をもらってからにする。もしくはオフィシャルサイトに許可を明示されている場合のみ行う。
二次著作も権利者が禁止していればやめておく。権利者が黙認か放任してるようであれば、著作権者に敬意を払いつつ、謙虚に利用する。
の二点に収束します。一次著作は絶対にやめておけというのは、「複製権の侵害」では過去に逮捕者もたくさんでているように、リスクが高いから。「警告されたらやめたらいいや」と思ってる人は甘い。企業が万が一その気になったら怖いよ。商売ではなくサイトをやってる人が警告なしに逮捕されたという事例は山のようにありますし。…もっともそれもMP3・ゲームソフトのエミュレーター・市販ソフトあたりなんで、絵を載せてて警告なしに逮捕というのはさすがにないようですが。ちなみにスキャナでとり込んだ写真を載せてて、賠償金200万払わされたという事例は聞いたことがあります。
今のところは二次著作権の侵害で逮捕というのは、私の知る範囲ではないですねぇ…二次著作の侵害であっても名目に「複製権の侵害」であることが多いですし。ちなみにスキャナでとりこんだものではなく、自分で書いたものであっても「誰がみてもそっくり」なのは「複製権の侵害」となってしまうのです。今回のミッフィーの件も、おそらくこれがひっかかる可能性があるのでは? あとグッズの写真とかももちろんマズいのは確か。CLUB MIFFYの掲示板によると今回の件はディック・ブルーナ・ジャパンの意向ではなく、本社側の意向のようですから世界的に締め付けが始まってる可能性は多いにありますな。
…あー、でもキャラクター名のドメインをとっちゃうのはまずいでしょう、それは。…あと、ジオシティは基本的にはファンサイトには向いてないんですよ。ジオは隠しファイルおけないし、どこからもリンク張ってなくてもジオサーチで検索されちゃうし、広告バナーがでるし。自分が儲けてるわけでなくも、広告が表示されるのでは「商売でやってるわけじゃない」とは言えなくなってしまう可能性だってあるのですから、避けた方が無難。

ちなみに最近でてる「ホームページを作ろう」系の雑誌や本では、「キャラクターのイラストは載せてはダメ」など著作権がらみの話もでてくることが多いです。「自分の写真を載せるのは危険」のような安全面の話もありますし。よい傾向ですな。ただ問題は、ちゃんとそういうのも隅々まで読む人がどれくらいいるか…ってことかなあ。

つい著作権関係で検索かけて、リンクを辿ってみのうらさんの99年2月の日記を読みふけってしまいました。おもしれー。…それに今読むと色々と示唆的なものがありますなあ。ちなみにこの日記はFF8がでたばかりの時期ですね。FF8と四季のミュージカル「美女と野獣」関連の話とか、今にして思えば…
でもあれこれリンクを辿っていったのですが、少し古いページになるとリンク切れの多いこと。関連リンク集の場合、リンク切れになっちゃうと価値が激減しちゃいますから。WEBというのはライブ/ナマモノであって、知識の集積には向かないメディアかもしれない…という印象を受けました。リアルタイムで読むなら直リンクが圧倒的に便利だけど、未来のことも考えると、該当ページへの直リンクよりは、トップページにリンクを張って目的の場所までの行き方を書いている方がまだ理にかなっているのかもしれない。

おまけ。自宅サーバーにゲームボーイ用ソフトなどをアップロードした男性を逮捕。警告を受けた段階でやめればよかったのに…バレないとでも思ってたのかなあ。


HOMEへ