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【ヒカルの碁 第101局「不透明な一局」】 01/01/22

今週のジャンプ。久々に復活のハンター、やはりおもしろいですわ。単純なパワーゲームじゃなくて、巧妙な駆け引きになってるのが。それにしてもヒソカさん、またしてもヤバい…いいのか、少年誌なのに。
今週のヒカルの碁。第101局「不透明な一局」。20分にも及ぶ長考の末、やっと打ち始めたヒカル。そんなヒカルに呆れながら、週刊碁の記者の天野は記者控え室に引き上げ、そこに桑原本因坊・緒方九段という思わぬ二人をみて驚く。ヒカルに興味が?という問いに「すれ違ったときにピンときた」と告げる桑原先生。それを「勘だそうです」とバカにする緒方さんに「勘をバカにするようじゃいつまでたってもワシに勝てんぞ」と桑原先生が切り返す。天野さんが今回の対局は名人の指名で実現したと明かすと、緒方さんが「それはアキラが進藤をライバル視してるからでしょう」と。天野さんに「そうなの?」と聞かれ、言葉を濁すアキラ。それに対して桑原先生が「いや、息子は関係なしに名人自身が気にかけてるハズじゃ。あの男も勘は鋭いからの」
そして、盤上では序盤からヒカル(佐為)が攻めはじめた。
今回の対局は本来であれば通常の対局に比べて11目も有利であるにかかわらず、己に15目のハンデ課した佐為。佐為の立てた作戦は、自分と対等である名人にその状態で打ち勝つためにわざとスキを作って誘いこみヨミの勝負に持ってゆくこと。しかし、名人はその誘いに乗ってこない。
その対局はハタからみていると、ヒカルが無謀な攻めをしているようにしかみえなかった。少なくとも桑原先生意外には。積極的に攻めていかない名人の意図を訝しく思う緒方さんに桑原先生だけしたり顔で「勘のイイヤツじゃからの」
一方、名人も一見荒れたようにみえる碁が奥が深いことに感づく。そして、ヒカルに、新人とは思えないような威圧感を覚えるのだった。
結局佐為の作戦は失敗に終り、あっけなく投了。「思ったとおりだ」とこの対局をヒカルの勇み足だと天野は考え、和谷くん、越智くんと共に検討会をみるために対局室にゆく。「進藤の評価は保留だな」と呟き1万円札を二枚サイフにしまった緒方さん。「いやこれはオモシロイ碁じゃよ。もし次もこんな対局があったらワシは小僧に賭ける」と告げる桑原を一瞥し、緒方さんは部屋からでていった。二人だけとなった控え室、桑原先生の言葉が気になり、アキラはすぐにでてゆくことができない。そんなアキラに「小僧が自らに大きなハンデを課していたのだとしたら納得がゆく」と説明する桑原。なぜそんなことをする必要があるのか、理解できず驚愕するアキラだった。
そして対局室。佐為は落ちこんでいた。しかし、名人は「なんのハンデもなしに打ちたかったよ。君がどうしてこんな打ち方をしたかわからないが、それでもキミの持つ何かは隠しきれない。次に打つ時を楽しみにしている」と告げるのだった。


ほう。こんな展開になりましたか。佐為と名人の初対局だ!!…と盛りあがったのが案外簡単に収束してしまい、がっかりした人も多いかもしれませんね。たまに意外な展開よりも自分が望むような痛快な展開がみたい!!というのはありますし。特に少年マンガには。そういう意味では肩透かしではありましたが、この物語の深さを感じさせる展開でありました。
大きな流れとしては、結局ヒカルの最初の思惑…佐為には打たせてやりたいけど、余計な荷物を背負いたくないので、佐為に大きなハンデを課して無茶な展開を強いて佐為の法外な強さを隠す…は大体において成功しました。しかし、名人や桑原本因坊のようないくつもの死活を乗り越え、頂点に立つような人々にはそのヒカルの意図が看破されてしまいます。今回は「勘」の部分が強調されてましたが、ある一線を越えるためには理屈を超越した何かが必要になるということを示しているわけで。…その点、緒方さんなんかまだまだこわっぱなのね…緒方ファンとしてはそう扱いは悲しい限りですが。緒方さんが桑原先生にリベンジできるのはいつの日になるでしょう。

見ていた人それぞれに不可解な印象を残した一局となりました。和谷くんと越智くんには「なぜヒカルがあれだけのトッププロ達に注目されてるのか?」という疑問が残ったでしょう。名人と桑原先生には「なぜ自らにハンデを課すような形で対局したか」 緒方さんは判断保留ですが。アキラにとっては…やっと自分の元まで近づいたヒカルがみせた対局は、自滅するような不可解な碁だった。でも桑原先生から「自分にハンデをつけた上での対局」である可能性を聞くわけです。それが理解できたかはともかく。アキラは元々ヒカルの「不思議」に惹かれて追いかけてたわけですが、今回も「キミは誰なんだ」には解答がでないまま。…そしてさらに惹かれつつも近寄れない状態が続くんでしょうか。

「ヒカルの碁」は少年マンガの王道である「少年の成長物語」「ライバルたちとの切磋琢磨」などを踏まえながらも、予想外の展開など細かいところでは「お約束」を打ち破っているところが魅力だと思うんです。王道少年マンガとしての「ヒカルの碁」であれば、アキラはいつかヒカルと真正面に向き合って対局をしなければならない。今のように佐為の幻影に惑わされている状態ではなく。そのためには佐為が憑依してるというヒカルの事情をアキラが納得する必要があると思うんですが、問題はどうやってそんな展開に持ちこむか、ですよね…今までの伏線から緒方さんがキーキャラかと思ってたんですが(saiに関わりがあるし、「現代の定石を覚えた本因坊秀策」のときの思わせぶりなアップとか)、この分だと名人や桑原先生の方が真実には近そう……緒方さん、超常現象バカにしてそうだし。ただ個人的には緒方さんに佐為をみつけてほしいんです。若獅子戦のときの佐為の一人芝居があまりにも哀れだったので、それに応えてほしいから。
話戻して、王道展開としては、ヒカルvsアキラの対決の他に名人vs佐為の真剣勝負というのもありますね。これは絶対に実現するでしょう。今回の不完全燃焼だった対局はその伏線に違いありません。
もうひとつは、ヒカルが佐為から自立、でしょうね。友達であり、師匠であり、母親(父親というよりは母親な感じがしませんか?)である佐為がヒカルから離れること。「ヒカルの碁」はある意味「オバケのQ太郎」「ドラえもん」などと同じ異世界生物居候モノなんです。こういう話では、最後にはちゃんときれいに「お別れ」をしなければ話を畳めません。大人になってもドラえもんと一緒にいることはできないんですから。その点は「いつまでも一緒にいれるわけじゃない」という伏線は既に引かれています。「ヒカルの碁」でおもしろそうだなあと思うのが、その問題が佐為のアイデンティティの危機に結びついてるところです。ヒカルは佐為の影を払拭したがってるし、佐為もヒカルの黒子でいることをよしとしない。それがアキラとヒカルの歪んだライバル関係にリンクしてるのが興味深いですね。
こういう部分をほったさんがどう処理してくれるか。先が楽しみです。

キャラ萌え視点でいうと、緒方さん、名人のことを話すときには丁寧な言葉使いになるんですね〜。どの顔もカッコいいですが、ベストショットは「勘だそうです」と出て行くときに桑原先生に振り向いたときの高慢な顔。ああ、これでこそ緒方さん!!
年が明けてから緒方さんを思う存分みれて幸せでした。たとえ桑原先生に弄ばれたこわっぱであっても。この次の登場はいつになるかなあ。脇役に惚れるとそれが辛いんですよね。とにかく、はやく再登場してくださいませ。

次回予告。「ブルーな気分の佐為に気をつかったヒカルが向かった場所は…」
予想その1。見ず知らずの碁会所で佐為に思う存分打たせる。
予想その2。インターネットカフェでsai復活。
予想その3。合格祝いに、パソコンショップでパソコン購入。思う存分ネット碁だ。
私の頭ではこれくらいしか…それがどういう展開に結びつくかなんて予想もつきませんが。…そろそろ倉田六段、出てこないですかねぇ…

さて、メールマガジンでいただいたメールによると、メールマガジンはジャンプを読んでない方もとってくださってるそうです。WEBでもジャンプを読んでない、もしくは立ち読みの方がいると思うので人気投票の要綱を。
官製ハガキに、
 1)お気に入りのキャラ番号
 2)そのキャラを気に入ってる理由
 3)郵便番号
 4)住所
 6)性別
 7)年齢
 8)学年(職業)
 9)電話番号
を書いて、郵便番号101-8050 集英社週刊少年ジャンプ編集部「ヒカルの碁」第二回ピカイチキャラコンテスト係 まで。
一人何通でもOKだそうです。
さて、100名のキャラが載ってるんですが、とりあえずメインのあたりの番号を。
 和谷→4 フク→10 飯島→12 緒方九段→14 小畑健→16 桑原→23 洪秀英→26
 塔矢名人→30 岸本→31 冴木→33 加賀→34 白川七段→39 ヒカル→40
 森下九段→42 津田久美子→51 ほったゆみ→52 筒井→53 椿→55 アキラ→58
 奈瀬→60 日高→63 あかり→66 佐為→68 伊角→73 三谷→82 美和→84
 梅沢由香里4段→93
他に「このキャラの番号を知りたい」というのがありましたらメールをください。
締め切りは1/29の当日消印有効。
  


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