日記  今の日記 / 「ヒカルの碁」感想INDEX     …………… 本の感想ページ

【ヒカルの碁 第145局「ヒカルvsアキラ 」】 02/01/05

第145局「ヒカルの碁」。日本棋院、対局場入り口で冴木と和谷が話していた。名人戦の一回戦、冴木の相手は芦原、塔矢名人門下生との対局であるため、もし負けたら森下九段に何を言われるかわからない。そのために冴木には大きなプレッシャーがかかっていたが、そのときやってきた芦原は緊張感のかけらもない。それをみて森下門下生が塔矢門下生をライバル視しているのは一方通行なんじゃ?…と疑問を持ってしまった和谷に「それは禁句だ」と冴木。
やってきたヒカルをみつけ、和谷が声をかけた。伊角がプロ試験合格をきめたと和谷に連絡してきたらしい。伊角はここまで全勝で、対局をいくつか残しながら合格を決めたという。嬉しそうなヒカルを後目に、ぶつぶついいながら真柴が通り過ぎた。そしてアキラと越智がエレベーターからでてくる。アキラはヒカルを一瞥し、対局場に入っていった。そしてヒカルも対局場に移動する。和谷は越智にアキラとエレベーターで何を話していたのか聞いた。越智はアキラに今日のヒカルとの対局のことを聞いたが、アキラは「やってみなくちゃわからない」ということを言ったという。越智と和谷は、ヒカルが院生になったときに聞いた「アキラがヒカルのライバル視しているという」噂を思い出した。あのときはデマだと思ったが、あれは本当だったんだ… 二人ともボヤボヤしてられないと改めて思った。ちなみに来週は越智と和谷の対局がある。
対局場、ヒカルはアキラに声をかけた。やっと対局ができる。囲碁部三将戦での対局以来、2年4か月ぶり。「そんなになるのか」というヒカルに、アキラは感慨深そうに「うん ……長かった」と呟いた。ヒカルは本因坊予選や、本因坊リーグでのアキラの棋譜をみていた。座間と対局は惜しくも敗れたが、アキラの力はひしひしと感じていた。しかし、ヒカルもこの2年4か月で力をつけたのだ。
対局が始まった。
 塔矢アキラvs進藤ヒカル
 冴木光二vs芦原弘幸
 和谷義高vs真柴充
 越智康介vs辻岡忠男
ヒカルが黒、アキラが白。ヒカルの一手目は右上スミ小目、アキラもすさかず反応する。ヒカルの手にまるで早碁のように応手するアキラ。この一局が待ちきれなかったみたいに。局面は序盤から激しい戦いに突入した。この対局を待ちきれなかったのは、ヒカルも同じなのだから。


伊角さん、プロ合格おめでとう。

ついに、ヒカルとアキラの対局が実現しました。長かったよねぇ…「2年4か月」って、妙に細かい数がでてくるのはアキラはこの日をずっと数えて来たのでしょう。まず間違いなく「何日」レベルでも数えていたのではないかと。

ヒカルの一手目は「右上スミ小目」。佐為が昔よく打っていた手ですが、佐為の囲碁への情熱はヒカルに受け継がれていると、そういうのもあるのかなあ。持ち時間5時間なのに早碁状態であるというのは、二人の対局がさっさと終わって(昼前にでも)他の人たちが見ることができなかった、になるためかもしれません。タイトル戦の予選でも一次予選あたりでは棋譜は残らないそうですから、ふたりの世紀の対局(?)も残るのは二人の心の中だけだった、というのもいいなあと。ヒカルとアキラの戦いはこれで終わるわけではなく、むしろはじまったばかりですから、最初は注目されることなくひっそりと行われていって、いずれはタイトル戦などの華やかな場で雌雄を決することになってほしいのです。
ヒカルとアキラの実力では今の段階ではまだアキラの方が上だとは思いますが、ヒカルは「早碁が得意」という伏線がありますから、今回の対局はひょっとしたらヒカルが勝つかもしれない。どうなるんでしょう。

そういえば真柴さん。彼はこの物語では典型的な「イヤな奴」として描かれていますが、彼も彼なりの苦しみもあるわけで。同期のアキラは特別としても辻岡さんもすでに二段、真柴さんひとりだけパッとしないわけで。プロ合格がゴールであれば、実力は劣るのに運よく受かるというのはラッキーだけれども、実際はプロ合格はスタートにすぎないわけで。周りと比べて自分が小さく感じるのは辛いんですよね。そんなプライドをなんとか保つために、伊角さんにああいう風にイヤミをつい言ってしまうのかも。強い人への嫉妬かもなあ。
「新しい波」として描かれる若手の中で、真柴さんだけはひとり負け組として描かれるかもしれないですね。真柴さんはいつか自分の能力に見切りをつけてプロをやめることになって、自分の夢を伊角さんに託す…なんて展開になるかもなあ、とふと思ったのでした。とにかく、真柴さんにも物語上のなんらかの役割がありそうです。

今回は年末進行でしかも増ページのせいか、小畑さんにしては珍しく絵が少し荒れてましたね…。対局場に向かうアキラの足が描かれてなかったり、「右上スミ小目」や最後のページとか線が小畑さんらしくない感じで… ジャンプフェスタの小畑さんのサイン会での担当編集者・高橋さんの話からすると、小畑さんは最近の原稿は遅くなってきてるとか。いくら他のマンガ家に比べてネームを作る時間は短くなるにしても、あれだけ丁寧な絵だと時間かかるだろうし。カラーや増ページも多いもんねぇ。たまには休んで気力を回復してもらいたいものですが。

2002年5月にPS版で「ヒカルの碁 平安編」がでるそうです。アキラとヒカルの仮衣姿が載っていました。囲碁アドベンチャーだとか… どっちにしてもキャラゲーであれば、別に囲碁じゃなくてもいいんだけどなあ。ジャンプフェスタで流れた映像によると、伊角さんあたりもでてくるそうですが、緒方さんもでてくれたらいいのに。


HOMEへ / 麻弥へのメール