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【ヒカルの碁 第159局「関西棋院」】 02/08/06


今週は、まずは関西棋院での話。関西棋院のシステム説明、社くんの事情説明でした。
今回のオジさんたちが集まってきている場所は「関西棋院囲碁サロン」ですから日本棋院での一般対局室なものなのでしょう。今回のはそこでの囲碁教室なのでしょうか。吉川先生がやってきたのも偶然という感じではなさそうですし。
関西棋院は日本棋院とは別組織で棋士の数は日本棋院の1/3、各棋戦の3次予選以上は混合で手合いが組まれ、それ以外は日本棋院とは別に運営しているとか。棋聖戦の挑戦者は関西棋院の石橋九段で、もしタイトルがとれたら10年ぶりに関西棋院の棋士がタイトルホルダーになれるかもしれないということ。社くんは囲碁を始めたのはわりと遅かった(中学生になってから?)が、成長は早かったこと。社くんの両親は彼がプロ棋士になるのに反対していて、高校に進学するのがプロ棋士になるための条件だったこと。…これらがオヤジたちの会話の中で描かれています。社くんはあのオヤジたちにもかわいがられているようですし、親に反対されても妥協しつつも自分の望みを諦めたり、ヤケになったりしないあたり、まっすぐでいい人たけど芯は強そうな子だなあ…という感じがしました。まだ本人が喋ってないので性格はよくわかりませんが。
「親にその道を進むことを反対される」というのは少年マンガでは葛藤や話の盛りあがり要素として主人公/ライバルなどに付け加えるのはよくあることですが、「主人公/ライバルの熱心な姿をみて親が許す」だけというありがち解決編にはほったさんはしないとは思いますが… そういえば、ヒカルも親が微妙に無理解ですが、あそこの場合は「よくわからないけれどもとにかく見守る」という感じになってますよね。いや、ヒカルはもうすこし親に色々と話した方がいいとは思いますが… でも自分の中学時代のことを思い出すと、自分で決めて自分で進みたくなる気持ちはよくわかります。
棋士としての勉強だけでも大変だから、棋士としては高校にいかずに囲碁に専念する方がいいのかもしれませんが、個人的には高校に行くことは色々な意味でプラスになると思うんですよね…
作中人物では和谷くんとヒカルは高校進学せず、社くんは高校進学となってます。アキラはどうするんでしょうね? アキラは頭よさそうだから特に受験勉強しなくても大丈夫そうですが、アキラなら高校いかなくても必要なことは全部自分で学びとるだけの力はありそうだし。もし進学したとしても、アキラほど棋戦を勝ちあがってゆけば、対局スケジュールがキツキツで学校いってる暇がないのかもしれないし。

あのオヤジたちの関西弁は、生まれが大阪でそのあとずっと関西在住だった私からみると「ナチュラルだなあ」という印象がありました。ほったさんは関西在住の友達にでも言葉使いにチェックを受けたんじゃないかと思います。

さて、平八さんちに遊びにきたヒカル。蔵にくるたびにあの碁盤を見に行ってるんですね。あの碁盤がある蔵は、ヒカルにとって佐為の「お墓」みたいなものかもしれないなあ、と思いました。亡くなった人がいるとしたらそれは生きている人の「心の中」なのでしょうが、でも「ここにいけば一番魂が近い」と思える「会いにゆける」場所があるというのは気持ちの上で楽ですから。…そういう意味で「お墓」かなあ、と。
あの碁盤は出会った場所である蔵にあるからいいわけで、手元には出会ってからの思い出が染みついている碁盤があるからいい、という気持ちなのかなあとヒカルのセリフをみて思いました。
でも平八さんってやはりヒカルのおじいさんなんだなあ、と… 相手が強いと分かっていても「置石はいらない」と言い張る負けん気の強さがヒカルに通じるものがあります。でもその平八さんに手を緩めず容赦なくヒカルは打っちゃうあたり、佐為とヒカルのやりとりを思い出してしまいました。「千年のわがまま」の回で、自分の部屋に初めて碁盤がきたときのヒカルと佐為のやり取りに似てるなあ、と。
2部になってから佐為の名前は1度もでてきてませんが、でも「佐為を思うヒカル」というエピソードはたくさんでてきています。ヒカルにとっては囲碁と佐為を続けていく限り佐為への思いを忘れることはできないにしても、自分の心の中だけにいた「見えない師」をどうやってヒカルが乗り越えてゆくかをほったさんがどう描くのかを楽しみにしています。

今度の対局は「森下九段vs進藤ヒカル初段」(第58期本因坊戦2次予選2回線)と「緒方十段碁聖vs塔矢アキラ三段」(第57期本因坊リーグ第5戦)という師弟対決(?)と兄弟弟子対決の二戦を同時に。
本当に久々の緒方さんの登場で、ファンとしてはやっとキタッ!!って感じです。あの相変わらずカッコつけた歩き方といい、やはり緒方さんは素敵です。アキラとの公式戦は初めて、アキラも強くなってるだろうけども緒方ファンとしてはまだ緒方さんがアキラに負ける姿は見たくないなあ… せめてアキラ・ヒカルの天下とりは緒方さんが桑原先生を完膚なきまでに叩きのめしてあとにしてほしいものです…
森下先生とヒカルの対局ですが、今回は2部になって初めて「ひょっとしたらヒカル負けるかも?」という相手ですね。ヒカルがこれで負けたらまた本因坊戦は来年度に最初から予選を勝ち抜いていかなければいけないわけで、そうなるとアキラとの公式戦での対局が遅れてしまいますから… でも森下先生にも勝ってもらいたいし。森下先生は「ヒカルの碁」オヤジ棋士たちの中の実力番付はトップ集団(タイトルホルダーたち)からは少し下ではあるものの、一回目の対局で簡単に「先生越え」ができるとも思えないし。どういう展開に持っていくのか、楽しみです。

来週はオールカラー23ページ。オールカラーって、前に「テニスの王子様」がやってたような、全ページカラーのやつですよね? 小畑先生、仕事多くて大変だなあ…


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