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【ヒカルの碁 第170局「韓国棋院」】 02/11/03


今週のダイジェスト。
・中国シンセンでのリーグ戦、北京チームの一員として登場した塔矢行洋のところに多くのマスコミが取材に押し寄せていた。
・旅行の途中に韓国棋院に取材に行った古瀬村。しかし手違いで約束の日が1日違っており、韓国棋院には通訳も北斗杯の選手たちもいず、またそれを伝えることもできずに韓国棋院の職員は焦った。結局たまたまいた高永夏へのインタビューを、日本語が少しできるバイトに通訳をさせて行なうことに。
・日本棋院、手合いの日の昼休み、ヒカルはアキラに声をかけた。社が北斗杯前に練習手合いを打たないかと誘ってきたという。アキラはそれを了承し、自分の家を合宿所として提供することに。ヒカルも泊り込みで参加するという。ヒカルにアキラは日本の代表としてがんばろうと声をかけた。
・韓国棋院、高永夏へのインタビューが始まるが、通訳をやるハメになったバイトはまともな通訳ができなかった。塔矢アキラのことは知っているという高永夏に古瀬村は日本の囲碁をどの程度知っているかと本因坊秀策のことを聞くが、通訳の口からでた「高永夏の話」は「秀策に学ぶことはない、彼は力ない」というもので、しかもインタビューはあっという間に打ちきられてしまった。

表紙の高永夏の睫毛が長いですねぇ…

中国に行った塔矢パパはあいかわらず大人気な様子。今、ちょうどsaiとtoya kotoの対局がアニメでやっているんですが、当時あの部分を連載で読んだときには「まさかラスボスなパパを引退させるなんてことはでないだろうし、どうするんだろう…」と思っていたものでした。でも塔矢元名人は引退することによって、国というしがらみから自由になった塔矢行洋は、ますます世界に影響を与える存在になりました。当時、あの話の段階でほったさんはここまで考えてたのかなあ… ある程度の構想はあったのではないかと個人的には思うですが。

それにしても、このエピソードのために天野さんの後釜に古瀬村さんが後釜がなったんですね。天野さんであればこういう間違いは起こらなかったでしょうから。いや、きっと天野さんも別の役割があって新天地(一体どこでしょうか?)にいるとは思うんですが。
言葉の壁によるディスコミュニケーションというのは今までも何度も描かれていますが、最終的にはその誤解があったところで碁打ちの彼らには「手談」があるのですから、打てば分かり合うことができるんでしょう。…だからこそ、アキラとヒカルがまともに対局するまでに作中期間で3年もの月日を要したのではないでしょうか。
今回の連絡の行き違いによるトラブルですが、本来であれば韓国棋院側も簡単な英語を使った筆談で「私達は取材は明日だと聞いていた。そのために選手たちもいないし、通訳もいない。明日にもう一度来るか、もしくは質問を書いておいてくれれば選手たちに答えてもらい、その内容を日本棋院にFAXする」と伝えるべきだったんでしょう。でも慣れてないと突発的なトラブルには慌ててしまうもので、中途半端にその場でできることをやっちゃって、状況を悪化させて、後から「これなら何もやらない方がマシだった」なんてことはあるわけで… つい、過去の自分の失敗を思い出して、どよーんとしてしまいました。
古瀬村さんも取材者としてはいい加減すぎる態度だし、アポイントを確認してなかった彼も悪いんですよね。通訳のヘタさをみて状況を察してあげればいいんですが、そういう人の機敏に聡いタイプではないですからね、彼は。
今回の誤訳の内容については、後日明らかにされると思うのですが、私なりに推測すると「本因坊秀策の棋譜は研究し尽くしました。でも彼は昔の人で、今は碁の研究も進んでいますので今の棋士たちと比べて強いと言えるはどうかは難しいところです。」あたりですがどうでしょうか。インタビューをさっさと打ちきったのは、永夏が言い出したことではなく、自分の力量を超えた仕事をバイトの通訳の人が投げ出すためにああ言ったのではないかと思います。たかがバイトなのにそこまでの仕事を押し付けられた彼にも同情はしますが… 最初に事情を説明すればよかったのにねぇ… 自分がその立場にたったら、それができるかといえば難しいところですが。
とにかく、あの長さで真意がよくわからないインタビューでは記事にはし辛くてボツになりそうな気がしますが、古瀬村さんが北斗杯取材のために合宿中の3人のところにやってきて、そのときにそのインタビュー内容をグチり、秀策のことをバカにしたような発言にヒカルが腹を立てる…ような展開になるのかなあ、と。

さて、北斗杯のための合宿。アキラくんちでお泊まり会ですか〜。先週の表紙の「にらみあうヒカルと社くんと、それを呆れ顔でみるアキラ」というのはきっと合宿風景から来てるんでしょうね。ヒカルとアキラが落ちついてしまってなんだか物足りないだけに、3人で碁を巡って子供のケンカみたいなやりとりをしてほしいな。ついでに合宿に倉田さんあたりもきてくれると楽しいんだけど。
元名人が中国から帰ってくるのは5月3日、その日は北斗杯の前日でレセプションがありますから、名人とヒカルはすれ違いですね。そういえば、ヒカルと元名人はあの病室以降、顔を合わせる機会はなかったんでしょうか。緒方さんとヒカルにしても、あのあと全く何もないのかなあ… ふたりとってsaiの件はまだカタがついていないと思うし。

現在は北斗杯二週間前とのことで、作中時間では2002年4月18日あたりでしょうか。北斗杯は5月4日と5月5日、佐為が消えてから作中時間でちょうど1年になります。


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