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【ヒカルの碁 第177局「オレを大将にして!」】 03/01/20


今週のダイジェスト。
・韓国の通訳者は、永夏の挑発的な発言を仕方なくそのまま通訳するが、レセプションの招待客たちは本因坊秀策を知らないために発言の意図がわからずに拍手していた。
・挨拶後、永夏はわざわざ日本チームの前に来て、古瀬村のことを指差しながら「コイツの言ったことは本当だ」とさらにヒカルを挑発した。
・ホテルの部屋で韓国チームの関係者が集まっていた。秀英から事情を聞き、誤解をわざと本当にした永夏の稚戯に呆れる安太善。
・日本のスポンサーの機嫌を害したらどうするんだと安太善は怒るが、日煥は彼らの反応の鈍さから秀策を知らなかったのでは?と指摘。韓国チーム関係者の男はそれが今の日本での碁の立場を象徴しているんだろうと言い、誤解でも怒った古瀬村に逆に好感を持つとまで発言。
・韓国チームの通訳は古瀬村の誤解を解きにいっていたが、永夏の発言で本当になってしまい、古瀬村は聞く耳を持たなかった。
・日煥は自分は関係ないと部屋に戻る。秀英も自分の誤解を解こうとする努力を無にした永夏に腹を立てて部屋に戻った。
・秀策は過去の棋士だという男に、「そうでもありませんよ」と答える永夏。彼はもし本当に秀策が現代に現れたら、ものの半年で…と考えていた。
・男に「いつ世界のトップに立つ?」と聞かれて、「ご希望は?」と聞き返す永夏。「2年以内」との答えに永夏は「わかりました」と答えて去っていった。
・倉田の部屋に日本チームの3人も集まっていた。ヒカルは永夏への怒りを顕わにしながら、自分を永夏と戦わせてほしいと懇願する。
・ヒカルが秀策のことでそこまで怒るのを社は不思議がっていたが、倉田がヒカルは「秀策の署名鑑定士」だったことを思い出し、それを聞いて社はただのファンではないのかと思った。
・倉田はヒカルは今はまだアキラよりも実力が下だから大将にはしないというが、ヒカルの中国戦のデキ次第で考えなくもないという。倉田はヒカルの怒りを中国戦へのやる気に変えようとしたのだ。
・明日に備え、3人は部屋に引き上げる。アキラは苛立つヒカルをみながら、出会った頃のヒカルを思い出して考え込んでいた。慣れない手つきで古い定石で打ちながらも自分を圧倒する力を持っていたヒカルの謎と、今のヒカルの秀策へのこだわりがどうしても頭の中で結びついてしまうのだ。
・そんなヒカルを見ながら、社とアキラは中国戦に全力でいこうと気合を入れていた。

レセプションにきた関係者のほとんどが秀策を知らず、永夏の挑発にも無反応というあたりにリアルなやるせなさを感じます。でも、囲碁を知らずに、単に箔付け等のために利用している人たちがいるにしても、そういう人たちがいるからこそ棋戦が成り立っているんですよね。囲碁もビジネスとは無縁ではいられないのですから。

韓国チームの部屋にいた、あのいかにも悪そうなオジさんは一体何者なんでしょうか? 韓国棋院の関係者かなにかは確かですが… 心の汚れた私には、永夏とオジさんの会話が、なんだか妙にいかがわしく思えてしまいました、すみません。
誤解を本当にしてしまって、嬉しそうに悪ぶってる永夏はいい味を出しています。「誤解なんかじゃない」のシーンや去ってゆく秀英に声をかけるシーンなんて、昔の少女マンガに出てくる意地悪役(例:イライザ)のような高飛車ぷりで、素晴らしい。一方で、口では大きなことをいいつつ、実際は秀策の力をちゃんと分かって認めているあたり、永夏ははったりだけの人間ではないことが伺えます。
そして秀英がかわいいっっっっ!! 枕抱えてる姿も、怒って枕で永夏を叩くシーンも、スネ方があまりにキュートで、私のツボを直撃でした。永夏のために誤解を解こうと走りまわってあの結末では怒るのも無理ないですよねぇ。でも永夏はそうやって秀英が怒ってるのも楽しんでいるあたり、人が悪いよなあ。
韓国チームの副将・日煥(イルファン)は167局で出た顔がイマイチカッコよくなくて、今まで出番なくて影が薄いなあと思っていましたが、今回の話で私のハートを直撃してくれました。立ち姿がカッコいいし、無関心なクールタイプがそれにぴったりハマってる!! うわー、私の中の萌え度総合力が今では韓国チームが1位だよ…

中国チームは、超石のあどけない上目使いがかわいかったです。

そして日本チーム。ヒカルの中国戦でのデキ次第で韓国戦でのヒカルと永夏の対局の可能性もでてきました。倉田さんはヒカルの憤りをうまく対局へのやる気に持っていきましたね。中国チームの大将・陸力は調子を落としているそうだし、この分では2-1で日本が勝つかも。でも倉田さんも「2勝1敗で」の1敗はやはり社くんのことを想定しているんでしょうか… がんばれ、社くん。でも私は超石くんの方を応援してます、わいいから。最近の社くんは、私の中では少年サンデー連載「焼きたてジャぱん」の河内くんに重なってしまいます…関西弁のせいかな。このままでは社くんも「ヒカルの碁」の中での「なんやてー!!」係になってしまいそうな。
倉田さんが持っていたヒカルの秘密に関する情報・「秀策の署名鑑定士」の情報の使い方も見事ですね。今回のヒカルが永夏に怒った件は、倉田さんや社くんあたりでは「ヒカルが熱心な秀策信者」程度だと考えてしまう程度ですが、ヒカルの謎に翻弄されてきたアキラには過去の記憶と深く結びつく情報となりました。
それにしても。今回を読んで、ヒカルが148局で言ってた「いつか話すかもしれない」の「いつか」が案外早くやってくるのではないか?という気がしてきました。
「ヒカルの中にいるもうひとりがsai」であることに気がついているアキラは、最初に対局したときのヒカルが「古い定石ばかり使う、恐ろしく強いが碁石を持つ手が初心者」だったことを思い出します。そして、その手筋が秀策を彷彿させるものであったことも…
今回の話を読んだときに、「ひょっとして北斗杯3日目、佐為が消えてから1年となる日にアキラは答えに辿りつき、それを知ったヒカルはアキラに佐為のことを告白するのでは?」と考えてしまったんですが、まだ今の情報だけでは「本因坊秀策が現代に蘇ってヒカルに取りついた」などという突飛な発想は浮かばないだろうし、もし浮かんだとしてもまっとうな常識の持ち主であればそれは受け入れられないと思うんですよ。そこに至るにはまだエピソードが足りなすぎます。

というわけで、アキラが答えに辿りつくにはさらにヒントが必要となりますが、アキラがこの北斗杯の最中に知る可能性のあるヒカルの秘密関連の話題で私が思いついたのは二つほどです。
・河合さんから、ヒカルが去年の5月6日・7日に秀策ゆかりの地めぐりに出かけた時のことを聞く。そしてヒカルはロクに秀策ゆかりの品々をみずに、「何かを探すように」走りまわっていたこと。これは、その直後からヒカルが手合いをサボるようになったことにアキラが気がつけば、かなり強力なヒントになるのではないでしょうか。
・名人とヒカルの会話から、saiはヒカルの知り合いで、もういなくなったことを知ること。名人は約束を守って他の人がいる前ではヒカルにsaiのことを聞かないにしても、偶然ふたりが会話しているのをアキラがみてしまう可能性はあります。
あと、アキラが佐為に気がつくための強烈なヒントになりそうなのは、
・あかりちゃんからヒカルが囲碁を始める前に、じいちゃんちの蔵で突然倒れたことを聞くこと。
・白川先生から、ヒカルに「藤原佐為って知ってる?」と質問されたことを聞くこと。
・三谷くんのお姉さんから、あの夏休み中、ヒカルがインターネット囲碁をずっとしていたということを聞くこと。
・葉瀬中の社会の先生から、ヒカルが「平安時代の天皇の囲碁指南役に藤原佐為がいたか」という質問をしたことを聞くこと。
あたりかなあ。でも社会の先生あたりの情報は、まずわからないでしょうね。あかりちゃんともう少し親しくなって、あの頃の話を聞く可能性はまだあると思うんですが。

とにかく、今後の展開が楽しみです。


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