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【アニメ ヒカルの碁 第53局「saiの告白」】 02/10/20

今週のダイジェスト。
・ヒカルは佐為にせっつかれて日本棋院に電話して、塔矢名人の入院した病院を聞き出して、見舞いに訪れた。
・名人の病室に緒方・市河・広瀬が見舞いにきていた。塔矢名人は心筋梗塞を起こしたが今は大丈夫。
・名人が倒れた翌日にあった、緒方との十段戦第3局は緒方の不戦勝に。
・そこにヒカルが名人の見舞いにやってきた。そこから話はヒカルが初めて会ったときにアキラを負かしたことに移ったが、緒方はその対局の内容はアキラに教えてもらってないとのこと。
・名人はしばらく入院したまま、病室から棋戦に通うつもり。緒方はそんな名人のために、パソコンを病室にセットしてネット碁ができるようにした。
・緒方らは病室を後にした。市河は一昨年の夏、ヒカルがネット碁をやってるネットカフェの話を聞いて飛び出たことを話した。
・緒方はそれがアキラがsaiと対局した少し後だと気がつき、ヒカルとsaiの関係について思いをめぐらすが、自分が見た範囲ではヒカルとsaiは実力が違い過ぎるという結論に達した。
・ひとり病室に残ったヒカルは、名人にsaiという友達とネット碁を打ってほしいと懇願する。
・正体を明かさないsaiに不愉快を覚える名人だが、ヒカルの懇願に来週の土曜日に対局する約束をした。
・ついでの対局という扱いにしょげる佐為。そんな佐為をみて、名人に真剣に打ってほしい、負けたときに真剣じゃなかったと言われたら困るから…とつい口を滑らせたヒカルに、名人はムキになってsaiとの対局に負けたらプロを辞めるとまで言い出した。
・「感謝します、ヒカル」と闘志を剥き出しにする佐為。

今回も原作2話をアニメ1話にまとめてありました。作画は…微妙ですね。うーん、ちょっとなあ。
あと、プロ編に入ってからのヒカルの顔は大人っぽくなっていましたが、アニメ公式サイトの10/11更新分のコラム対局室によると、ヒカルのキャラデザを大人っぽく変更したそうです。なるほど。(…ついでに、初めて緒方さんの部屋の怪しい物体のことを知りました。原作をあれだけ読みこんでるのに気がつかなかった〜 緒方さんが登場しているときにはつい緒方さんばかりみてしまうから)。でも、原作ではこの時点ではまだヒカルは幼い顔つきなので、それだとヒカルの表情の作画がポイントとなる、とあるシーン(第116局の振り向いたヒカルです)で原作を参考にすることができなさそうなんですが… あのシーンは絵で物語ってるだけに、作画がイマイチだと感動がかなり損なわれそうですから。

ヒカルとアキラの初めての対局は、「名人が倒れる」という思いもかけない展開で流れてしまいました。それがあまりに早過ぎる、佐為と名人の頂上対決に発展。このあたりの展開は見事です。演出や声優さんの演技も緊迫感を盛り上げてくれました。

今回の、名人・ヒカル・佐為の三人のおりなす病室での作劇はうまいですよねぇ… 名人に佐為が見えないし、佐為は自分の言葉を名人に伝えるすべはないから、すれ違ってしまう気持ち。それゆえに高まる闘志。そんな2人の間を必死に取り持とうとするヒカルがけなげでした。この三者三様の微妙なズレがうまくドラマを作っています。互いにずれた三者の思いが、巡り巡って名人のプロ棋士生命をかけた対局を成立させてしまう。しかも流れに無理がなく、まさにそれぞれのキャラらしい考え方、行動をとった上での出来事。原作者のほったさんの、エピソード作りの巧さが発揮された話でした。
名人からすれば、プロでもない素人に負けるとは思えないでしょう。それだけ囲碁にプライドがあるからこその五冠なわけで。一方ヒカルにすれば佐為の強さを知ってるから、名人が負ける可能性も考えられてしまう、と。そんな態度が逆に名人には自分を侮っているように思えたんでしょうねぇ。
「私はここにいる!」の佐為が切ないなあ。肉体を持たない、ヒカル以外とのコミュニケーションを持つことはできない辛さ。saiがリアルを獲得できるのはネットの中だけで。…前にインターネット碁編をやったときに、ヒカルが「オモしれェな 佐為 おまえってオレにしか見えないのにさ この箱の中にはハッキリおまえがいるんだぜ 藤原佐為が」と呟くシーンがありましたが、ネットの中で生き生きとした生命を持てる佐為に私もドキドキしたものでした。今回はそのことを思いだしちゃって。
逆にネットになじみのない名人が、そういうつながりに訝しさを抱くのも当たり前なんですよね。
さて、名人と佐為の勝負。…当時、いくらなんでも名人がプロを辞めさせるわけにはいかないだろうから、佐為が負けるのでは?とか、何かトラブルがあって対局が不成立になるのでは?とか色々と憶測したものですが…

それにしても、名人の病室は豪華です。一日何万円もかかりそうですが、名人の収入から考えるとその程度だったら平気なのかも。そうそう、名人の奥さんって生きていたことが判明しました。このときまで登場しなかったので、一部では「他界説」まででてたんですが。
それにしても、ヒカルもお見舞いを買ってこなきゃ…と気遣いできるようになったのね。でも前もって買ってこないあたりがまだまだ子供ですが。
アキラとヒカルとの二戦目、アキラが越智くんの前で並べたときに「誰にも教えてない」と言ってましたが、本当に名人にも緒方さんにも何も言ってなかったんですね。今にして思えば、父親にさえ話せない出来事を持ったことがアキラが父親から精神的独立を始めた第一歩だったのかも。
でも見てたお客さんから緒方さんあたりは何か聞いていたかと思ってたんですが、誰にもまともに覚えてなかったって…あの時いたお客さんはみんなヘボってことですか? ユン先生あたりだとちゃんと人の対局も覚えられるわけですが。
今回の話で、緒方さんにsaiとヒカルのつながりを思わせる証拠をさらに与えたわけですが、緒方さんはsaiはヒカルではないと考えています。さて、これが今後の展開にどう影響するでしょうか。

原作マンガとアニメとの違い。
(1)棋院に電話で問い合わせするヒカル。
ここはアニメオリジナル。電話をかけるヒカルの横で、新初段戦でのやりとりを思い出しながら「互戦での対局は叶うのだろうか?」と佐為は考えます。
(2)二人とも追いかけてきた?
病室で緒方さんの口から、名人も緒方さんもアキラがヒカル(本当は佐為)に負けた対局の棋譜を知らないことを聞いたヒカルは、「そうだよな 知ってたらもっとオレにキョーミ持って 2人とも塔矢といっしょにオレを追っかけてきたよな コエ〜〜〜〜〜」と考えた部分のセリフがカット。
(3)名人のパソコン
原作では明かにMacのノートパソコンでした。アニメでは特定商品だとわからないように変更されていました。
(3)緒方さんの自室。
原作では昼間ゆえにブラインドも上げて明るい室内ですが、アニメでは妖しさ(怪しさ?)を出すためか、部屋は閉め切って真っ暗で、パソコンのモニターだけが浮かび上がるということになってました。


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