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【アニメ ヒカルの碁 第55局「sai vs toya koyo」】 02/11/03

今週のダイジェスト。
・若手研究会に出かけるアキラは、母親からこの日名人はネット対局に集中するために来なくていいといわれたことを聞いた。
・アキラはヒカルとの対局ができなかったことを残念に思ったが、その分ヒカルが別のプロの人たちと対局しているところをみればヒカルが何者かがわかると考えていた。
・ネットカフェに向うヒカル。塔矢名人もオンラインになり、持ち時間3時間ずつの対局が始まる。最初は名人の進退をかけるハメになった対局に戸惑っていたヒカルだったが、ネット越しに名人の気迫を感じ、この至上対決を特等席で見ることができることでそれらはどうでもいいと思うようになった。
・佐為と名人の対局は、名人が黒、佐為が白を持って始まった。
・朝帰りの和谷は、親の小言を聞きながら一人暮らしをしたいなあと考えていた。久しぶりにネット碁をした和谷は、toya koyoがsaiと対局しているのに気がつき、驚く。
・アメリカ、韓国、オランダ、世界各地のアマの強豪たちもあのtoya koyoが幻のsaiと対局をしていることに驚き、その行方に夢中になる。
・塔矢名人はsaiに手応えを感じる。しかしsaiに思い当たるプロはいなく、アマだとも思えなかった。負けたら引退という言葉を撤回するつもりはなかったが、勝てばsaiの名前を明かしてもらおうと思っていた。
・佐為のしかけた一手に名人は冷静に対処することで名人優勢となっていた。
・アキラが参加している若手の研究会で、話題が塔矢名人のことになる。今日もネット碁をやっているはずだというアキラの言葉で、そこからパソコンでネット碁にアクセスすることになった。そこでアキラは父親があのsaiと対局していることを知り、驚愕した。

今回のアニメのデキはすばらしかったです。演出、作画、音楽、動き、すべてが見事。原作の3話分をアニメ1話にまとめてありますが、原作ではこのあたりゆっくりとした展開でしたから、逆にテンポがよくなって緊張感が生まれました。塔矢名人と佐為のネット対局で流れる曲はこのシーンのために書き下ろしされたのでしょうか。静かで力強く荘厳な、RPGのラスボス戦で流れる音楽のような。音楽や声優さんの演技もあって、原作よりもこのあたりのシーンは迫力がありました。

いよいよ始まりました、名人と佐為の頂上対決。暗闇から現れた佐為がヒカルに憑依したようになり、そして自らの手で碁石を打つ… 原作でのこのシーンの描写の美しさは筆舌につくし難いのですが、アニメの作画や動きもきれいでした。原作ではネット碁は暗闇の中で対峙するという風に描かれていますが、アニメでは碁盤が翠色に輝いています。その光を受けて顔に影ができるのはちょっと怖いですが、アニメの光輝く碁盤から観戦者たちのパソコンのモニタに切り替わるシーンだとか、アニメの動きをうまく使っています。

さて、アキラくんのこと。あのアキラも母親の前では年相応の子供のようです。「いってきます」という力ない言い方がかわいかったなあ。ヒカルの謎に惑わされ続けたアキラくんも、いずれはわかるだろう…という気になったところで、saiとお父さんが打ってる!!という衝撃の展開で気持ちをひっかきまわされることになりました。アキラはこの対局をみることでsaiの謎に迫ることができるんでしょうか。

あと、ヒカルの「プライドたっけえなァ!親も子も!」というセリフにウケました。あの病室でのやりとりを読んで、「…この親にしてあの子あり…」と思ったのは私だけではなかったはず。ヒカルもそう思うよねぇ。「負けたら引退」を撤回する気が全くないあたりのプライドの高さやガンコさが名人らしいです。
アニメと原作との違い。今回、原作3話→アニメ1話に圧縮されているために、全体的に大勢に影響のないセリフのカットがありました。それ以外の大きな変更について。
(1)ネットカフェにきて。
ヒカルの「三谷のお姉さんじゃない」の後、原作では「チェッ 三谷のお姉さんならタダなのに」というセリフがあるのですが、アニメではカット。セコいですが、中学生の小遣いでは1日ネットカフェにいるというのは大きいんでしょうねぇ。ヒカルはこれからプロとして対局料が入るとはいうものの。
(2)和谷くんの家。
原作ではいかにも「団地の一室」という感じですが、アニメでは古い一軒家になっています。
(3)若手の研究会
会話が微妙にカットされています。ちなみにアニメで話はでてきませんでしたが、原作ではこの研究会の午前中にやっていたのは「春蘭杯での、中国の劉安(リュウアン)と韓国の高永夏(コヨンハ)の一局」となっています。春蘭杯は国際棋戦のひとつですね。高永夏は名前がでるのがこの時初めてですが、ずーっと後に本人が登場します。ただし今回のアニメではそこまではやらないんじゃないかと…

来週はいよいよ「千年の答え」。ついに、その時がやってきました…


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