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【オフィシャルによるファンサイト締め付けの是非?】 01/05/09
みなみさんの5/7の日記より。ミッフィーのファンサイトの運営者にオフィシャルから自作画像撤去依頼のメールが来たそうです。好きという気持ちだけで、お金にもならないことを手間暇かけてやってきたのに、オフィシャルの人に否定されたら辛いよねぇ。その気持ちはもちろんわかるけど、でもそういう処置をとってしまうオフィシャル側の事情というのも私には理解できなくもないんです。
キャラクタービジネスというのは、実はハイリスク・ハイリターン。それだけに一度当たったキャラクターは金のなる木として企業は大事にするわけです。…お金と聞くと「企業の儲け主義は汚い」と嫌悪する人もいますが、民間企業は金を儲けてナンボ、それで社員を養っていかなきゃいけないわけです。度をすぎればさすがにまずいけれども、基本的には企業がお金を儲けるために努力するのは正しいことでしょう。
企業はキャラクターの寿命を長くするために、イメージを損なわないように気をつけています。そのために版権を許可するのにきちんと審査を行い、粗悪なグッズを流通させないように規制したり。また人気があればあるほどいいか?…となるとそれも簡単な話ではないんですよね。あまりにもそのキャラが氾濫しすぎると価値が磨耗してしまって、一気にブームが冷めてしまうことも少なくないわけです。いい例がたまごっちでしょう。あれだけ人気あったのに、キャラクター展開に完全に失敗してしまいましたもの。
それでネットでの話。ネットはどのサイトも並列でつながっているために、マスメディアも個人サイトも「サーチエンジン等から簡単に飛べる」という意味では等価であります。それがインターネットの利点でもあり、欠点でもあるわけで。マスメディアに頼ることなく自分の意見を主張できるのはすばらしいことだけど、友達とか親しい人達だけで気楽に遊んでいるつもりだったのに、たくさんの見知らぬ人たちが嘲笑いながら覗いてたということもあるわけで。今回のミッフィーの問題はその欠点がみごとに出ちゃったのではないでしょうか。
マンガやアニメのイラストならまだしも、ミッフィーのようなキャラクターを模倣するのは非常に簡単です。そのために、オフィシャルとアンオフィシャルの価値の相違はそんなに大きくない。たとえば、ある企業がWEBに集客するためにミッフィーのキャラを使用する場合、莫大なロイヤルティーを払う必要があるわけです。その一方で、個人サイトが気楽にミッフィーの画像を載せているわけで、その事態は企業にとっては自分の会社がミッフィーを使うための価値をかなり減らしてしまうわけです。
キャラクタービジネスというのは大人の世界の話なんですよ。そこに「個人サイトはお金を儲けてるわけじゃないからいいじゃない」という「子供の論理」を持ち込むのは何か違うような気がします。
…と、オフィシャル側擁護の意見をかきましたが、でももう少しなんとかならないかなあ。ネットにおいて、「多くの人に知ってもらいたい」人達と、「友達とか知り合いとかでこっそり遊びたい」という人達が棲み分けできるようなシステムがあれば。ネットがもっと風通しが悪くて、本当に好きで情熱を持ってる人しかファンサイトにたどり着けないような状況であれば、「キャラの磨耗」という問題は少なくとも解決できるわけで。
…今回の件に妥協点を見つけるとしたら。ファンが自分で書いたミッフィーの絵を公開できるようにするために、オフィシャルに「みんなのかいたミッフィー」を飾る投稿コーナーを作るとか。または、数種類のつかってもよい素材をオフィシャル側で用意しておいて、ファンは申請すればそれを使うことができる、と。種類が限られていれば多少氾濫してもキャラの磨耗する率はかなり減るでしょうし。
こういう問題はもっとこれからでてくると思います。今は過渡期だからネットのよい面も悪い面も噴出して摩擦が起きているけれども、企業にしても個人にしても自分の権利だけを主張するではなく、相手の立場も思いやってなんらかの妥協点が得られればいいのになあ。
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