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【ファンサイトでの批評】 00/09/19

やっと、ファンサイトネタ。書きたいな、と思ったきっかけがあなたの知らない第十四帝国の「帝国雑記」-「帝国日記」の9/12,9/13あたり。半分アマチュア(でも観客動員数はかなりらしい)の劇団のファンサイトです。これを読んだ感想は、「王様は裸だ!!とひとりで叫ぶのも大変だろうなあ…」でした。
こういうインディーズに近い状態では、アーティスト(作家)とファンとの距離が近すぎるせいで、気持ちの上で他者としてきちんと区別することができない、相手を自己の一部みたいなものだと同一視してしまう状態になることがあるんですね。なんでも受け入れてもらうのがあたりまえだと思いこんで。そうなっちゃうと、作家にとってはファンが、ファンにとってはアーティストが思いどおりに動いてくれないと、「それは間違っている」とキレちゃって、トラブルに発展して、ヘタしたらコミュニティが崩壊してしまうことも。この劇団の件も、そういう距離を見失っているような感じです。
ファンがイタくてトラブルに発展したようなことについては、前にデーモン小暮閣下のサイトの件を12/20の日記でとりあげたことがあるけど、この劇団の場合はオフィシャル側がちょっと困った言動をしてるようです。そのため、賛辞以外の批評めいたことは書けない雰囲気なんだそうで。
「ファンサイト」での批評のあり方は難しいものがあると思うんです。ファンサイトを立ち上げようとする動機は、好きな気持ちを同好の士と「シェアしたい」という気持ちが大きいと思うんですが、実際問題としてサイトをみるのはファンだけじゃないし。ネットの強力な検索性とたどり着くまでの敷居の低さのせいで、アンチな人も、対象となっているアーティスト本人や関係者がくることだってある。ファンでもひたすら盲目的に愛でる人もいれば、冷静に批評の対象にしている人もいる。ファンサイトでポジティブな意見は広く受け入れられやすいけど、文字だけのコミュニケーションの摩擦係数って結構高いから、ネカティブな意見は読んだ人まで傷つけてしまうこともあるし。ファンだけじゃなくて、本人が読むこともあるし、その意見をみかけた仕事のクライアントにマイナスイメージを植えつけてアーティストの仕事やチャンスを奪ってしまうかもしれない。
アーティストを応援するはずのファンサイトがアーティスト本人を傷つけるのは本末転倒といえなくもないかも。かといって、盲目的な賛辞はスポイルするだけ。…要はバランスと表現のし方の問題かな。あと、批評というのは批評した本人にも必ず反動があるものだから、それらをきちんとかぶるだけの覚悟はあるか。自分は好き勝手にいって、それをとがめられたら「言論の自由だ!!」と相手の意見を封じ込めるのはみっともなさすぎ。
ふりかえって、自分のことになると、ファンサイトとしては光GENJI淳くんのを持ってますが、私は結構キツいことも書いたりしています。淳くんについては、本人が私のサイトも読んだことがあるようだし、ラジオで「活字で(批判を読むと)キツいよねー」みたいなことを言われたこともあります。私は淳くんのことは愛してるけども盲目的な信者ではないので、ダメだと思ったことはこれからも容赦なく書いていくつもり。淳くんも、文句はいいつつもファンの声に耳を傾けるだけの度量があるのは幸い。淳くんはむやみにファンサイトに関わらないし、距離のとり方をちゃんとわかっている。
ただ、自分の責任のとれる範囲でやりたいので、批判を行うのは自分のサイトだけにするつもりです。楽しいお喋りがモットーの掲示板で議論を起こすほど無粋なことはしたくないし。
なんか話がズレてきちゃったなあ。今回の件の場合は、本人もファンも棲んでいる水槽の狭さと特殊性に気がついていないゆえのイタさですな。創造者がどんな世界を望んでもかまわないと思うけれども、楽園は外からどんな姿に見えてるかを知っておいた方がいいのか、それとも…閉じた暖かい世界で安穏として過ごすか、冷たくても広い世界に歩み出すか。閉じた楽園は外からは丸見えで、そのため部外者が乱入して踏み荒らす可能性だってある。インターネットは見晴らしは悪いけれども隠れる場所のない荒野なのだから、できることなら荒野でも過ごせるだけのタフさを身につけておいた方がいいのは確か。

本日のURL:裏サイトオーナーのためのSmall Tips
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