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【ヒカルの碁 第120局「一色碁」】 01/06/11

今週のジャンプは全体的におもしろかったです。「ライパク」は試合をしているよりもこういう日常エピソードの方がぐっとくるなあ。「ワンピ」、こういう泣かせのエピソードになるとうまいです。普段は情けないイソップだからこそこういう効果がでるんだろうなあ。あと、「ジャガー」に爆笑。あのジャガーさえもしのぐようなキャラがいるとは。キユの読みきり、青くさい…悪くはないけど必殺ネタというのはありきたりだなあ。でも今のジャンプの層の薄さを考えると、これが連載化される可能性は高いかも。連載化しても長続きするとは思えませんが。
「ハンター」が載ってるや。でもなんか中途半端に投げ出されちゃったような気がしないでもないですな。ちゃんと風呂敷はたたんでくれるのかしら。

今週の「ヒカルの碁」。第120局「一色碁」。碁会所で倉田と一色碁を始めたヒカル。全部の石が白だから、記憶力だけが頼りだ。ギャラリーのおじさんたちにはどんな勝負になっているかは全然わからない状態となっていた。倉田は始めは余裕を持って打っていたが、少しずつ本気になっていく。対局はヒカル優位で進んでいた。しかしヒカルがミス。そのときに倉田はつい「助かった」と考えてしまう。ヒカルはプロに成り立てのヒヨっ子、はるかに格下の相手。名人や桑原本因坊を相手にしているならともかく、なぜヒカル相手に「助かった」と思ってしまったのか。しかもヒカルは一色碁は初めてのはず。…下から突き上げてくるのは、塔矢アキラだけではないことに気が付いた倉田だった。「もうひとりいた!!」
倉田は考えごとをしていたせいで、盤面をすっかり忘れてしまい、ぼんやりとした記憶を辿ってとりあえず石を置いた。ヒヤヒヤしている倉田を後目に、ヒカルは中押し負けを宣言する。その碁ヒカルは検討に入るが、ヒカルにとってそれは一色碁ではなく、普通の碁とかわらないものであったかのようだった。
「複雑な勝負だったけど勝てる自身はあったのにミスが痛かった」というヒカルに、倉田は色紙に「倉」の文字だけ書いて渡す。「公式手合でオレに勝ったら続きを書いてやる」と。それを聞いて、「倉田さんがオレを認めてくれた?」と驚くヒカル。
そしてその時、テレビで塔矢名人が引退を表明したニュースが流れていた。


今回は順当な話の展開なのであまり書くことはないのですが。今週もナチュラルに佐為がでてこなかったねぇ。勝負そのものよりも、佐為がいないことによる緊張感の方が強いかも。
一色碁はどんな影響を及ぼすかと思いましたが、結果としてはヒカルの才能を示すエピソードでした。ヒカルにとって一色碁は普通の碁と全然かわらない…それだけ記憶力・集中力が優れている、と。倉田さんは(いくら最初は本気でなかったとはいえ)一色碁だったためにヒカル相手にヒヤリとしてしまう。そして、一色碁ゆえに、ギャラリーには戦いが見えないから、今回の一局はヒカル(+佐為)と倉田さんの中にだけ残るという形で。それで倉田さんにヒカル絡みの因縁が残りました。で、重要なのは倉田さんにとっては、佐為が関わらないヒカルの実力そのままが印象に残ってるわけです。倉田さんは御器曽さんと佐為の対局の中身はみてませんから。ヒカルの主要ライバルのうち、ヒカルの実力だけしか知らないのは今のところ倉田さんと秀英くんだけなのです。あとの人達はsaiや佐為になんらかの関わりを持ちますから。…そういった倉田さんの役割がどう今後効いてくるのか。
今回も、ヒカルの才能の片鱗や実力の急成長を示すエピソードとなりました。それがしばらく続いたということは、またなんかありそうだなあ…ほったさんって順当な展開のあとに、いきなり爆弾を出したりする人だから、油断できないんですよ。あまりにヒカルが好調すぎるから、そろそろスランプになるエピソードにつながるような気がします。院生になったばかりの時の話や、プロ試験予選のときのように。今の段階でスランプにつながる可能性といえば…まず思い浮かぶのが佐為の喪失。絶対にそうはなってほしくないけど…なんか先を知るのが怖い感じです。前回のエピソードからすると、佐為の消失はしばらくはないだろうと思ったのですが、なんだか不安になってきました。 それにしてもヒカルの急成長ぶりは怖いほど。この分では、十代のうちにタイトルどころか、1,2年のうちに一流棋士になりそうな。倉田さんによるとアキラは「夏には頭角を表す」そうですから、そんなアキラを追いかけるようにヒカルもでてくるんだろうなあ。ヒカルは碁を覚えて2年もしないうちにプロになって、そしてまだプロとしての手合すら体験していないのに(初手合はアキラのせいで不戦勝でしたから)、トッププロの倉田さんを感嘆させるだけの力を付けてしまったんですよね。「進藤」は「神童」からきてるのではないかという説は前からよく言われていますが、このまま行けば作中の世界でも「神童現れる」と騒がれそうだなあ。緒方さん、倉田さん、アキラも含めて時代は一気に「新しい波」に傾くということかしら。
そういえば名人の引退。読者としては予想通りの流れではありますが、作中ではかなりの混乱を引き起こしそうだねぇ。緒方さん、名人の引退がsaiのせいだと思い込んで、「saiに会わせろ!」とヒカルに詰め寄ったりしないかしら。少し期待してたりします。

次週はお休み。「ヒカルの碁」の連載始まって以来、初のお休みなんじゃ? いくら原作があるとはいえ、週刊誌連載であのレベルの絵を書きつづけ、頻繁にカラーは回ってくるし、小畑先生もオーバーワークでしょう。特に今年に入ってからは月イチペースでカラーがきてましたから、このあたりで少し休むのはいいことだと思います。…読めないのは寂しいけどねぇ。でもその次は、表紙&巻頭カラーということで楽しみにしましょう。でも連載の区切りやジャスト回数でもないのに表紙と巻頭カラーっていうのはなんか企画あるとか? 前から噂になってた(4/19の朝日新聞の碁がらみの記事に載ってたからほぼ決定してるようですが)アニメ化の発表とかあるのかなあ。


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