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【ヒカルの碁 第128局「最後の手がかり」】 01/08/20

第128局「最後の手がかり」。周平との対局、ヒカルは早く帰りたい一心でノータイムで対局を進める。異常な早打ちではあるが、ヒカルは最後まで読み切った上での対局だった。そんなヒカルの迫力に飲まれるギャラリーたち。
ついに周平が負けを認めた。快心のデキの対局、その喜びを分かち合おうと、いつものように後ろにいるはずの佐為を振りかえるヒカル。…しかしそこには赤ら顔のオジさんがいただけ。ヒカルは意気消沈したが、気を取り直して東京にある秀策の墓の場所を聞くと河合を促して帰ろうとした。そこで周平が声をかけ、ヒカルと河合を新幹線の止まる駅まで車で送っていくことに。
ヒカルにコテンパンにやられはしたが、周平はヒカルの腕前に感心こそすれ、わだかまりはもうないようだった。アマ碁世界大会で上京するときに、周平はヒカルに手合わせしてほしいと頼む。ヒカルたちを送り出した後、ひとり考え込む周平。ヒカルは中三にしてあれだけの腕前を持っているのだから先が楽しみだ。いずれ彼を中心に碁界がまわるだろう。…しかしだとしたらあの名人との新初段戦の棋譜は一体なんだったのだろうか?
河合とヒカルは東京に戻り、巣鴨の本妙寺の秀策の墓にやってきた。そこにも佐為はいない。すわかり拗ねてしまったヒカルは河合に八つ当たりをして自宅に戻った。
自宅に戻ったヒカルは母親から小言を言われる。それを聞き流しながら自室のドアを開けたヒカルがみたのは…誰もいない部屋だった。一気に疲れがでて壁に凭れこんだヒカルだったが、最後の望みにすがるように日本棋院に出向く。夜遅くだから、売店はしまっていて、対局室にも誰もいない。佐為の姿を求めてさまよいながら、ヒカルは佐為が「自分はもうじき消える」と言ってた言葉を思い出す。「オレは気にもしなかった」「だって佐為が消えるなんて考えたことないんだ」
棋院をさまよっているヒカルをみつけた棋院の職員が声をかけた。悲痛な顔で「幽霊の出そうなところを教えてよ」というヒカルを、棋院の奥深くに案内する。その扉の奥にヒカルが見たものは…


なんだか痛ましいなあ…
ここしばらくの小畑先生の絵のすごさというのは筆舌に尽くしがたいものがありますが、今回も筆が冴えわたっています。静と動の対比が見事。表紙や覚醒状態のヒカルの迫力、そして必死で否定しつつも、少しずつ信じたくない事実…かけがえのないものを失ってしまったこと…をじわじわと実感していく表情の移り変わりとか。
それにしてもヒカルのお母さん、なんかむちゃくちゃ若返って美人になってるんですが…緒方さんや伊角さんの行った整形外科についにヒカル母まで。

今回も周平さんがアマ碁のことを口に出しているということは、アマ碁世界大会は物語中で描かれる可能性が高くなったかなあ、と。そこで世界各地の代表が一同に会してsaiの話になるのでしょうが…でももうsaiはいないからねぇ。
物語ではこの時点で5月7日。「ヒカルの碁」はわりと現実と季節が同時進行だったのですが、物語が現実に随分遅れてしまいました。このあとは5月19日(たぶん)から若獅子戦が始まるはずですが、どうなるのかなあ。コミックスではアキラがヒカルとの対局の可能性を若獅子戦にみていたようですが、これだけすれ違いを続けていて、ここで対局がくるとも思えないし。あったとしても、佐為を失ったせいで腑抜け状態のヒカルと対局をしてアキラがまたしても「フザけるなっ」になるとか。うーむ。

さて、棋院の秘密の部屋には冥界への入り口が…となるのはジャンプ的には正しい(?)かもしれないけども「ヒカルの碁」ではありえないでしょうし。考えられるとしたら、古い碁盤とか棋院入り口に展示してあるのですが、そういうものの倉庫なのかなあ、と。それが物語とどう繋がるかは全く想像できませんが。

情報あれこれ。
「ヒカルの碁」の2002年カレンダーが製作されるようです。小畑先生がたくさん書き下ろしたカラーイラストがこれだったら嬉しいけどなあ。全部書き下ろしはありえないでしょうが、何枚か書き下ろしがあればいいのに。
アニメ情報続編。主要キャストの声優さんが載っていました。
ヒカル:川上とも子さん
佐為:千葉進歩さん
アキラ:小林沙苗さん
あかり:かかずゆみさん
加賀:伊藤健太郎さん
筒井:津野まことさん
アニメ絵はこれをみる限りはわりときれいでいい感じなんですが…さて、動いたときにどうなるかなあ。
主題歌はオープニングが「dream」「Kids Alive」共にavexの若手グループのようです。
監督は西澤晋氏、シリーズ構成は大橋志吉氏、キャラクターデザインは本橋秀之氏。
小畑さんの巻末コメントによると、アフレコ用のビデオをみたそうですが、かなりよい感じだそうです。

雑誌「ダカーポ」475号に「ヒカルの碁」の記事が載っています。大人でも楽しめるマンガということで、3ページ。担当編集の高橋雅奈さんの談話がいくつか。物語にリアリティを与えるために棋譜もちゃんと作成しているとか、今まで撮影した資料写真は数千枚におよぶとかの話がありました。
ほったさんについて「青年誌で活躍していたキャリアがある」とかいてあったんですが、それは私には初耳。「囲碁未来」以外のほったさんの他のお仕事をご存知の方がいましたら教えてくださいませ。
あと佐為の性別について「ちなみに、死んで1000年もたつので性別は無くなったというのが最新の公式見解」と。今回記事を書いた方(たぶん男性)は、佐為が男とわかったときにはよっぽどショックだったらしく、そのあたりを高橋さんにも聞いたんでしょうね。今回取材を受けたのは高橋さんであってほったさんでも小畑さんでもないけど、きっとおふたりとそういうやりとりをしたことがあって、今回の発言となったのかなあ。
「佐為が女だったらよかったのに」派の人には朗報(?)でしょうが、それにしてはアニメの声優さんは男なんだよねぇ…


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