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【ヒカルの碁 第135局「伊角vs楽平(レエピン)」】 01/10/06

第135局「伊角vs楽平(レエピン)」。いよいよ楽平と伊角の対局の日。対局室では楽平が時間になってもこない伊角をイライラしながら待っていた。対局室は休みの日のためか、この対局を見にきた数人以外には誰もいなく、がらんとしている。その頃、伊角は楊海の部屋にいた。時間を気にする伊角に、楊海はまだ時間があるから気にするなという。伊角をリラックスさせようとする楊海だが、伊角は相変わらず色々なプレッシャーを背負っている。世話になった楊海のためにも負けるわけにはいかないとか、負けたら中国棋院には金銭的にも気持ち的にもいられなくなるとか。しかし、伊角はそんな自分を外側から突き放してみることができるようになっていたのだった。
そして伊角と楊海は対局室に向かった。遅くて怒ってる楽平を尻目に、伊角に楽しげに話しかける楊海。これはジラして楽平を精神的に揺さぶるための楊海の作戦だったのだ。それを知った伊角は怒って、楽平に謝り、遅れた分の2倍持ち時間を減らして対局を始めた。作戦はバレてしまえば意味がない。逆に伊角を動揺させることになってしまったと頭を抱えた楊海。そこに趙が観戦にやってきた。伊角は楊海の心配とは裏腹に冷静に対局を進めていた。気持ちのコントロールは習得できる技術とはいっても、簡単にモノにすることはできない。しかし伊角はひとつの壁を超えたようだった。
勝負は、伊角のニ目半勝ちだった。
夜、楊海の部屋で伊角と楊海が話をしていたら、楽平がやってきて伊角に対局をせがんだ。あの対局の後も10秒碁を何局もやったが、それでも勝ったり負けたりの状態では楽平は満足できないらしい。あれだけ言っても碁の勉強をしなかった楽平がこれだけ執着をみせることに楊海は満足そうに笑いながら、伊角に「次は趙戦だからな」と告げる。伊角が勝てば趙の持ってる深キョンのストラップを楊海はゲットできて、逆に趙が負ければMDプレイヤーを渡さなければならないとか。すっかり賭けネタにされてる伊角であった。
中国棋院では、李先生が伊角にまとわりつくようにして熱心に碁を打ってる楽平に満足し、伊角に感謝していた。そのとき棋士たちの噂話で、伊角が勉強熱心なこと、そして楊海の部屋で寝泊りしていることもつい知ってしまったが、伊角のためにも聞かなかったことにするつもりだった。
その頃伊角は日本にいる父親に電話し、プロ試験への申し込みをお願いしていた。伊角の目はプロ試験を通り越して、プロになった仲間達を見据えていた。
一方、葉瀬中学校にヒカルの母親がきて、先生に相談していた。ヒカルがプロを辞めるつもりだと…ヒカルは教室の窓からぼんやりと空を眺めているだけだった。


コンビニでジャンプの表紙をみた瞬間、涙腺にどわっとこみ上げてくるものが。紅葉の舞い散る中、盤面を挟んで楽しそうに対局しているヒカルと佐為が一休み。…もうこんな情景はみれないんですよね。佐為がでてくるだけでもアレですが、ヒカルと碁を通じて対話している図ですから余計、胸が痛いです。これで思い出したのが、第38局「千年のワガママ」(5巻収録)。ヒカルがおじいちゃんにねだって碁盤を買ってもらい、初めて佐為と対局したときの話です。連載当時に読んだときには、バタバタして微笑ましい話ではあるものの、エピソードとしての繋がりが乏しく、なんでああいう話がここにくるのかなあ、箸休めかなあ…と思ってたんですが。今にして思うと、これは「千年の答え」〜「さよなら」の佐為消失と対を為すエピソードになっているわけで。…それで久しぶりにこのあたりの話を読み返したら、泣けて仕方ありませんでした。葉瀬中囲碁部もいい感じの時期だったから余計。ヒカルはこの時から何をなくして、そして代わりに何を得たか…とかつい考えちゃって。
でもこの「千年のワガママ」のネームを作ったときには佐為消失はああいう形になるとか考えてたのかなあ、ほったさん…佐為自体を消すつもりはこの時点で既にあったのだと思うのですが。

さて、今回はアニメ化がもうすぐってことで表紙&巻頭カラー。本編の扉絵はハロウィン。ヒカルがドラキュラ、和谷くんが狼男、越智くんがミイラ、伊角さんがフランケンシュタイン。コスプレって感じですごくかわいいです。
これで中国編も一段落かなあ。伊角さんは自信をつけることができてよかったね。最初はバカにされていたものの、結局中国棋院のみなさんにも愛されてるようですし。(ルール違反の滞在をしていることをしりながらも、みんな黙っていたわけですから) 楽平のようなやんちゃな子供は懐くとかわいいだろうなあ。 さて、伊角さんも今年のプロ試験はここまできたら大丈夫でしょうね。…あと門脇さんも受かるだろうし、するとあとひとり。個人的には片桐さんを希望。物語に華を添えるという意味では奈瀬ちゃんが頑張るのが一番いいかもしれないけどなあ。
キャラとしては、この中国編では楊海さんがよかったですな。いい人です。それにしても日本語流暢すぎるのが怪しいんですけども。この中国サイドの話は今後国際棋戦で当然関わってくるだろうし、あと楊海くんがネット好き(らしい?)とのことでsaiがらみの話にもでてくるかなあ、と期待しています。結構好きなキャラなので。
あと、趙くんがなんかもうかわいすぎるんですけども……こういうタイプに弱くて。
あー、でも伊角さんのビザの問題はどうなったんでしょうか…

一方、ヒカル。プロを辞める…ここで辞めたら去年ぎりぎりでプロ試験に落ちてしまった伊角さんの立場は一体。(まあその挫折があったからこそ、さらに強くなることができたとも言えますが…) ヒカルがプロを引退するかもしれないなあ、というのは私の予想の中にありました。この物語の軸となるアキラとヒカルのライバル関係が「すれ違い」と「追いかけっこ」に徹底している以上、ふたりがずっと同じ土俵でいつづけることはできないのではないかと。ということで、私の今後の予想(というより妄想)。ヒカルは一度プロを辞めてしまったものの、佐為を取り戻すための祈りが「碁を辞めること」から「saiを蘇らせること」になって、ネットでsaiの名前で強敵を撃破していくヒカル、とか。でもいくら新生saiが強くても、かつて対局したことのある人は「あれはsaiではない」と思ったり。ヒカルはこの前の旅行でお金を使いきったのでパソコンを買うお金がないから、相変わらずネットカフェからネット碁で、その姿を誰かがみつけて… うーむ。
もうひとつ、ヒカルが「日本で一体プロを辞めてしまったから、今度は中国or韓国でプロになる」展開も考えてみましたが、昔コミックスのおまけで「日本にも外国人のプロ棋士がいるのですが、敢えてこの話では日本の棋士は日本人ということにしました」みたいなことを書いてたから、そういうことはないだろうなあ。
予告によると次回は三谷くんがでてくるそうで、気落ちしたヒカルにカツを入れるのは彼になるのでしょうか? ヒカルは自分の夢を追うために、三谷くんの夢(団体戦で海王に勝つ)を踏みにじったんですよね。ただ三谷くんがそれをヒカルにつきつけた位では、ヒカルが立ち直れるとは思えないし…どうなるんだろ。

コミックスの14巻が発売されました。表紙がポップでキュートなヒカル。背表紙が名人です。ネームの日々はアニメの裏話とか。そっか、小畑先生、緒方さんの髪の色とか決めてなかったんですね。それでなんかコロコロ変わっちゃうわけだ。顔にしても、あまり深く考えずに描いてたりして。それであれだけ出てくるたびに別人になっていたのかも。
それにしても14巻は緒方祭で、連載当事は緒方さんの一挙一動に踊ったものです。メガネ外した姿もすごかったですが、やはり白眉は「オレにも打たせろ」ですか。あのページをみた瞬間、倒れるかと思いました。すばらしい。67ページの振り向いたヒカルの顔は、いやもうすばらしいデキなんですが……コミックスになったら縮小される分、線の微妙なニュアンスも消えてしまうのが残念すぎです。せめてワイド版でみたかった。そのジャンプにしても紙や印刷精度はよくないんだし。このシーン、一度生原稿か、それがダメなら複製原稿でみたいなあ。原画展やってくれないかしら。ジャンプフェスタにちょろっと、じゃなくてもっと大規模に。

アニメはいよいよ10月10日19時27分からテレビ東京系で。10月8日の朝からアニメ化前の特番をやるようですが、大阪では放映ないようです。残念。そうそう、番組には梅沢さん出演の囲碁コーナーがつくとか。梅沢さんかわいいし、楽しみですね。
あとはゲームとかカードとかの関連グッズ。三谷くん、山猫かい。かわいいのう。


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