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【ヒカルの碁 第141局「復帰初戦」】 01/11/26

第141局「復帰初戦」。村上は自分の三段昇格のかかった大手合に限ってヒカルがやってきたので、不戦勝を期待してただけに少しグチった。そのとき、たまたま後ろに辻岡二段がいて、その話を聞いて、ヒカルが来ていたことを喜ぶ。辻岡は次の大手合の対局相手がヒカルで、ぜひヒカルと手合わせをしたかったのだ。なんといってもヒカルはあの塔矢アキラがライバル視しているのだから… それを聞いて驚く村上。そのときちょうどアキラもやってきて、対局場にいるヒカルをみつけ、鋭い目で見つめたあと、自分の席に座った。時間がきたので、村上もヒカルの前に座り、そして対局が始まった。
村上はヒカルとは去年の若獅子戦で対局をしている。そのときヒカルはハッとするような手を打ったものの、ヨセがマズく、村上が勝利をおさめた。しかし…その対局の後、村上はアキラにヒカルがどんな打ち方をしていたのか、しつこく聞いてきた。そのときは不愉快になっただけが…ひょっとしてアキラは本当にヒカルのことをライバルだとみていたのだろうか? そんなことを考えながら、村上は守りに徹した碁を打つつもりでいた。
葉瀬中囲碁部。あかりは金子からヒカルが対局のために学校を休んだことを聞いて、「ヒカル元気になったんだ!!」と喜んでいた。それを聞いても毒づいてしまう三谷は相変わらず素直ではないが、そんな三谷にすかさず金子はツッコミをいれるのだった。葉瀬中囲碁部の6月の大会は、男子は決勝に進出したがあえなく海王にストレート負け。女子は一回戦を3-0で突破と、それなりに満足な結果を得ることができたのだった。しかし、三年生たちが卒業したら自分ひとりになってしまう…と小池が寂しがるが、あかりは葉瀬中囲碁部は元々筒井がひとりで始めたもので少しずつ輪が広がっていったのだから、ひとりから始めるのも案外楽しいのかもしれないよ、と言った。…そうやってみんな少しずつ変わってゆく。あかりはまた頑張り始めたヒカルに思いを馳せていた。
そして日本棋院。アキラの対局相手の女性は、こんな強い相手がなぜ低段者にいるんだと戸惑っていた。彼女はアキラの迫力に押され、つい投了してしまう。アキラはヒカルを一瞥したあと、さっさと帰ってしまった。
そのとき辻岡も中押し勝ちで対局を終えたところだった。ヒカルの対局もみずに帰るアキラをみて、ライバルの復帰第一戦をみないのはライバルという噂は嘘だったんだろうか?と訝しく思う。しかし…いやそれとも低段者との対局など見るには及ばないとでも思ってるんだろうか?
アキラは対局場を後にしながら、ヒカルのことを考えていた。この前ヒカルがアキラの前に顔をみせたとき、あの目を見てアキラは悟ったのだ。ヒカルの力はもう自分でしかはかることができないのだと。名人戦一次予選一回戦でヒカルとアキラはぶつかるのだから。
「待てばいい 直接対局はすでに用意されているのだから――」


2週間ぶりの「ヒカルの碁」、やはりこれがないと月曜日が寂しい限りで。
まあ村上二段が噛ませ犬だというのはすでに分かっていましたが、今回驚いたのは辻岡二段の復活。正直、彼に出番があるとは思ってませんでした。
辻岡さんは2年前のプロ試験、アキラと真柴くんと同期で合格。彼が「噂」を聞いたというのは、第49局のアキラvs座間王座の新初段戦のことですね。真柴くんが院生をバカにするような発言をしたので伊角さんと和谷くんがヒカルのことを「アキラが唯一認めたライバル」であると言っちゃうわけです。もっとも伊角さんも和谷くんも当時はそれを信じてなかったんですよね。こっそり舌を出して笑ってますから。このときに他に部屋にいたのは、天野記者。天野記者はこれからヒカルを気にしながらも、もうひとつ納得できない状態が続いていたようですが、この前のアキラとヒカルの邂逅をみたら信じざるをえないでしょうなあ。
伏線を逆に辿っていくと、伊角さんと和谷くんがこういうことを言ったのはヒカルが院生に受かった直後についうっかり「アキラが自分を追っていた」と口を滑らせたのが大元の原因。ヒカルはその段階では実力が伴ってなかったら、「新入りがカッコつけのために嘘を言った」と逆に見くびられるハメになったものです。これは後に様々に影響を与えました。伊角さんはプロ試験期間中に越智くんから「塔矢アキラが進藤のことを気にしている」というのを聞いて、この噂を思い出してしまい、「あれは本当だったのか?」と動揺することであのアテ間違いに繋がったのでした。…こういう何気ないセリフがさりげなく伏線となって、実に有効に後に繋がっていくんですよねぇ。ほったさん、すごいわ、やっぱり。
話戻って、この新初段戦の伊角さんと和谷くんの「アキラはヒカルをライバル視している」発言があったときには、アキラの一番年齢の近い友達・芦原さんは偶然席を外していて、それを聞いてないんですよ。そういうのも全部計算の上でネームを組み立ててるんだろうなあ。
プロ棋士および予備軍で、アキラがヒカルをライバル視しているという噂を聞いているのは院生の皆と伊角さん、和谷くん、越智くん、天野さん、辻岡さん、真柴くんとなります。今回で村上さんとそのお友達(?)も加わりましたが、これで一気に噂は広がるような気がしますなあ。
実際にアキラがヒカルに執着しているのを知ってる棋士は、名人、緒方さん、越智くん、伊角さん(越智くんからの伝聞)、桑原本因坊でしょう。天野さんはずっと半信半疑だったけれどもこの前の二人の姿を見たら認めざるをえないだろうし。和谷くんは気がついたと本編中では明示されてないものの、アキラがヒカルの新初段戦に来たのを知ってるし、ヒカルが欠席した若獅子戦でのアキラの苛立ちとかもみてるだけに、薄々は感づいているんじゃないかなあ。
こうやってキャラごとに情報フラグ立てをしっかり管理して、しかもそれがストーリーにうまく絡んでくるから話の構成が立体的に見えるんだよね。見事なものです。それにしても、遡って第44局でヒカルが「アキラが自分を追ってきた」と口を滑らせたのを書いたときに、後々の影響まで考えながらやってたのかなあ。いや、後のことを考えずに書いてたのにうまく伏線つながったとしたら、そっちの方がすごいですよ… ほったさんは伏線を後にうまくつなげるのがうまいですが、ひとつふたつならともかく、全部を行き当たりばったりで書いてうまく繋げるのはほぼ不可能ですから、大部分は全体の構想を作った上で何気なく伏線をひいてたのでしょう。

さあて、ヒカルとアキラの直接対局がすぐそこに。もうアキラとヒカルのすれ違いは終わったのですから、今度は正面からぶつかることになるでしょう。…あ、そういえばひょっとしてヒカルとアキラが最初から打つのは初めてなんじゃ? アキラとヒカルの対局は今までのべ4回ありますが、そのうち3度は佐為が全部打ってるし、あと一回は途中まで佐為で途中からヒカル、しかも当時のヒカルはヘボだったのでアキラがバカにされたと怒り出す結果になってしまって…
うわー、連載第二回で邂逅をはたしている主人公とライバルの対局が今の今までなかったというのはすごいマンガだなあ。
予想するなら、ヒカルは善戦するも力及ばずアキラに負けるんじゃないかと。アキラは予想以上のヒカルの強さに驚く結果に…あたりじゃないでしょうか。ふたりはこれからは何度も対局しつつ、最後はどれかのタイトル戦(名人か本因坊じゃないかと)、至高の場所で死力を尽くして戦うんじゃないかなあ。
コミックス9巻73局で「もうすぐ名人戦の一次予選が始まる」と書いてありますが、そのときの作中時間はプロ試験予選が終わって本選前ですから8月上旬から中旬。ということは名人戦一回戦は8月下旬あたりかなあ。今回141局が7月中旬〜下旬であることを考えると、アキラとヒカルの直接対決まであと一か月くらいですね。その前にヒカルと辻岡さんの大手合はあるんじゃないかなあ。

「ヒカルの碁」全体の流れからして、私自身は物語の伏線の消化具合から考えると全部で28巻あたりで終わるんじゃないかなあと踏んでいます。さて、どうなることやら。

葉瀬中囲碁部の話も一旦これで終わりかな。あとは三谷くんとヒカルの和解でしょうね。卒業式あたりで意地っ張りな三谷くんもヒカルをついに許す…あたりになるんじゃないかと。
葉瀬中囲碁部の、文化系の弱小サークルが和気藹々とやってる姿がとても微笑ましくて好きでした。もう見れないのかなあ、残念。三年生がいなくなると一気に寂しくなるけど、小池くんならきっと頑張ってくれるでしょう。
あかりちゃんはなんだかきれいに、大人っぽくなったねぇ。あかりちゃんももうそろそろ15歳だもんなあ。それにしても金子さんはまた太ったような気がしますが… 再登場すると美形になりがちな小畑さんの絵の中で、逆方向にいったのは唯一金子さんだけかも。

今回の絵、立ち直ったヒカルは少し丸みを帯びてほっとしました。ほっそりしてたのはやはりやつれていたのかしら。それにしても、すごい趣味の服になっております…まるで伊角さんのようで。あと、今回の筒井さんもあれじゃニセモノですよ〜。筒井さんはもっとちんまりとして丸くてかわいいのにっ!! コミックスでは書きなおし希望。
アキラ、相変わらずヒカルのことになると見境なくなるよねぇ。怖い、怖い。
今回のプロ編のピリピリした空気と、囲碁部のまったりとした空気の対比はうまく描かれていました。

第139局の感想で、残った伏線についてあれこれ書きましたが、さらに二つほど追加を。
・和谷くんのなんちゃってひとり暮らし
何気なくかかれますが、これには必然性があるんでしょうか? 誰か(ヒカルかな?)の緊急避難先として使われる可能性はあるかなあ、と思うんですが…
・秀策の棋譜
アキラは越智くんに対ヒカル用の特訓として「秀策の棋譜を並べろ」と言ってるんですが、その理由は一切説明されてないんですね。出会った頃のヒカル(佐為)が「秀策のコスミ」のような古い手を使うとか、アマ碁世界大会でsaiが「現代の定石を覚えた本因坊秀策」みたいだといわれたことからの連想だけなんでしょうか? それとも何かアキラなりに考えがあるのかなあ、と思いまして。この部分はちょっと引っかかってたもので。

来週の予告は「復帰後のヒカルをとりまく囲碁界が奇妙な動きを!?」なんですが、一体何がどうなるんでしょうか? 今更、無断欠席の件を咎めだてるとも思えないし…奇妙な、という言葉で連想してしまったのは緒方さん。出てきてくれないかなあ。

さて、アニメイトの店頭情報によると「ヒカルの碁」のアニメが1月にDVDで発売されるそうです。またサントラ版が1/23発売。既報ですが、OPテーマが11/28発売です。


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