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【ヒカルの碁 第176局「挑発」】 03/01/13


今週のダイジェスト。
・レセプションが始まる前に伊角と和谷は帰った。
・安太善に一方的に対抗意識を燃やす倉田。揚海は大将の陸力が調子を下げているため、韓国チームに牽制をしておこうと思ったがうまくいかなかった。
・北京語で挨拶をしてきたアキラに、棋譜と違って物腰が柔らかいと揚海は感じた。
・選手団は国ごとに会場に入り、レセプションが始まった。アキラは参加者への対応をソツなくこなす。
・秀英は永夏についての誤解の件をヒカルに伝えようと思っていたが、レセプション中は話す機会がなく、終わってから伝えようと思っていた。
・ヒカルは秀英が話してこないのは、あれは誤解ではないからだと思い込むようになっていた。
・抽選が行なわれ、1日目は中国対日本、中国対韓国、二日目は日本対韓国に組合せが決まった。
・団長それぞれの挨拶があり、そして選手代表の挨拶が行なわれた。中国、日本チームの後に韓国代表として永夏が挨拶に立った。
・自分を睨んでくるヒカルに、一方的に誤解されて睨まれているのに苛立ちを覚えた永夏は、挨拶で「秀策が今現れても自分の敵ではない」とわざとヒカルを挑発するようなことを言った。

レセプションは予想通りの荒れた展開に。それにしても永夏くん、誤解で一方的に睨まれるのが苛立たしいからといって、誤解を本当にしてしまうというのは… なんて人ですか。あの顔であの言動とは。
もっとも勉強家で自信家の彼だからこそ、「古豪が現れたとしても、自分が勝つ」という自信があるのではないかと思うのですが。
でも、彼の発言は、通訳の方はそのまま伝えるのでしょうか? レセプションの場を取り繕うために、わざと通訳は無難な発言にしてしまうということも考えられます。でもアキラもある程度は韓国語が分かるので、もしそうなってもヒカルがアキラに問い詰めて聞き出すでしょうし、それがなくても直感でなんていってるのか位はわかりそうですし。

佐為は、ヒカルにとって大切な友達であり、自分を見守ってくれた母であり、乗り越えるべき父であり、そして永遠のヒーローで、そして永久に失われた大切なものなのでしょう。
ヒカルが弱かった頃、ダケさんや骨董屋のオヤジのようなヒカルの力では太刀打ちできないような悪いヤツを佐為は囲碁で一刀両断しました。でももうヒーローが現れて悪いヤツを「やっつけて」くれることはありません。ヒカルは自分の力で、失ったヒーローの強さを証明しなければいけませんが、今のヒカルの力ではたとえ高永夏との対局が叶ったとしても勝てそうにありません。
さて、この高永夏からの挑戦は、一体どういう展開につながるのでしょうか。
韓国と日本チームの対局が一番最後ですし、倉田さんが安太善さんに一方的に対抗心を燃やしていることからしても、永夏に対抗心を燃やすヒカルの意を倉田さんが汲んで大将にする、という展開はありえそうですが…
ヒカルと秀策については、倉田さんはヒカルが秀策の署名に詳しいことを知っていて、社くんは夜中のヒカルの呟きを聞いてきて、アキラはヒカルと秀策の微妙なつながりに感づいている(はず)。それも何か物語に関わってくるのでしょうか。
もうひとつ、翌日には塔矢行洋先生も会場にやってくるわけです。おそらくヒカルと塔矢先生が顔を会わせるのはあの病室以降初めてではないかと思うんですが、saiについてふたりの間で話が交わされることがあるんでしょうか。
saiが消えた5月5日から1年目の日まで、作中であと二日です。

それにしても、団長同士の戦い(?)もなかなかおもしろいですね。どの選手よりもお子様な言動の倉田さんですがなんだか憎めないし、やっぱり世話焼きになる楊海さんも素敵。安太善さんは、わざと倉田さんを煽っているというよりは、天然の腹黒のような気がします…

各キャラクターの性格がよくわかるエピソードはおもしろかったですが、でも今回の絵には小畑先生の疲れが感じられるのはちょっと… うまいのはうまいんですが、細かな線のニュアンスに力がないというか。今回も読みきりの「はじめ(後編)」との両方ですし、その上年末進行でしたから(この号は年末には印刷は終わっていました)、スケジュールも相当キツかったんでしょうね。2号連載を休載しても休む暇はなかったんだろうなあ…

ついでにコミックス20巻の話。表紙と背表紙は社くんです。「テニスの王子様」に続き、一話まるごとフルカラーをやった1話分が全てカラーでコミックスに収録されています。「テニスの王子様」ではコミックス先頭部分だったからコスト的にまだ安かっただろうけども、「ヒカルの碁」では途中にあるからきっとコストが高くなったのではないでしょうか。でもあの美しいカラーがそのまんまコミックスでも読むことができたのは嬉しい限り。またページ数の都合で前後のモノクロページもカラー用の紙で印刷されていてきれいで得した気分になりました。
コミックスではジャンプ掲載時に塗り忘れていたヒカルの服がちゃんと修正されていました。また印刷のせいか、ジャンプの時は気になった森下先生の髪のベタの色ムラもあんまり気にならなくなっていました。


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