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【アニメ ヒカルの碁 第48局「名人vs佐為」】 02/09/15

簡単なストーリー箇条書き。
・名人と打たせてほしいと懇願する佐為に当惑するヒカル。佐為の幻影を背負うようなややこしいことはもう真っ平なヒカルに、佐為は「背負えばいい」という佐為。ヒカルは前に佐為が言った言葉を蒸し返して、「3人目に打たせてもらえ」と言う。そのヒカルの言葉に、ヒカルはもう自分に打たせてくれることはないんだ、とショックを受ける佐為。
・新初段シリーズの対局が行なわれる「幽玄の間」の記者室にやってきた緒方九段。しかし先客として桑原本因坊がいた。寒々とした舌戦の応酬。桑原本因坊はヒカルとすれ違った時に「シックスセンス」を感じていたという。
・そのあと越智くんと和谷くんがやってきて、トップ棋士が二人もいて驚く。そのあとにアキラもやってきた。
・写真撮影の後、名人とヒカルの対局。名人もヒカルに注目し、期待していることを告げた。対局室、佐為は名人と指し向かいのヒカルが座るはずの席に、決意に満ちた表情で先に座るのだった。
・桑原本因坊が緒方九段に賭けを持ちかける。桑原本因坊はヒカルにかけ、緒方九段は名人に賭けた。
・ヒカルが声をかけてもどかなかった佐為だったが、名人が自分が見えてないことを知らされ、寂しげに立ちあがる佐為。そんな佐為をみて、ヒカルも対局させてあげたいと考えてしまった。
・新初段シリーズは逆コミ5目半のハンデがあるが、そんなに差があっては佐為は必ず勝ってしまう。逆に佐為にそれを上回るハンデがあると仮定して打てば、ムチャな碁になるから佐為の実力に気づかれないかも…と考えたヒカルに、佐為はそれでもいいから打ちたいという。
・20分熟考した後、佐為が打った一手目は右上スミ星。

今週は作画が微妙にヘタれてました。エンディングをみると、今回の作画担当が海外スタッフでした。でもカット割は原作とほぼ同じためか、アップの顔は結構きれいで。佐為の顔がバランス崩れてて変ですが、ヒカルやアキラは結構かわいかったですから個人的にはOK。緒方さんも崩れてなかったし。

アニメは絵はちょっと…と思うこともありますが、声優さんの演技が加わるというのはいいですよねぇ。今回も佐為とヒカルの諍い、緒方さんを弄ぶ(?)桑原先生とか、声がつくことで面白さが増したように思えます。桑原先生なんて本当に妖気が漂ってるよっ。さすがベテランさんだけあってうまいです〜。

さて、物語。今まで少しずつ積み重なってきた佐為とヒカルの齟齬がここで一気に噴出しました。「背負えばいい」も「3人目のヤツに取りついてから打たせてもらえよ」もどちらもひどい言いぐさです。もっとも視聴者は佐為の言いようもない不安や、自分で碁石を持てない苦しさも知っていますから… その一方でヒカルが初期に(うっかり)佐為に打たせたせいで色々な厄介ごとを背負ったことや、ヒカルが「佐為」ではなく「ヒカル」自信をアキラに認めさせたいという思いで碁の道に入ったことも知っています。なにより、ヒカルの人生はヒカルのもの。でも、ヒカルがここまでこれたのは佐為の教えがあってこそで… どちらが正しいわけでも、間違っているわけでもないのですが、どうしても譲れないことはあるもので。
幽玄の間のできごとはそれを踏まえた上での佐為の「わがまま」だったわけですが、名人が自分のことなんて全く気がついてないということが分かって立ちあがった佐為の寂しそうな背中が切ない。あんなのをみたらヒカルもなんとかして佐為に打たせてやりたくなりますよね。
で、今回は奇妙な条件(自主的ハンデ)で対局が始まりました。15目のハンデは佐為の言うとおり「相手を全滅させるか、自分が全滅するか」という激しい盤面になりそう。さて、どんな対局になるのでしょうか。

緒方さんが久々に登場。緒方さんの登場は原作では私服の黒の皮ジャン(?)でしたが、アニメではいつも白スーツで。出番が久しぶりなので、分かりやすいようにトレードマークの白スーツになったのでしょうか?
それにしても緒方さん、相変わらず桑原先生に弄ばれています。ちなみに緒方さんがタバコを吸おうとしたときに桑原先生が「そんなアメしゃぶってないで」と自分のタバコを差し出すシーンでは、アニメでは銘柄が見えないようになっていたから意味がよくわからないかも。
原作では銘柄も実在のもので、それがはっきりわかるように描かれています。緒方さんのタバコは赤の「LARK」(タール12mg、ニコチン0.9mg)で、桑原先生のは「PEACE」(タール21mg、ニコチン2.1mg)。緒方さんのタバコもかなり重い(キツい)ものですが、桑原先生のはさらに強いものなので、緒方さんの吸ってるのを「アメ」と揶揄したわけですね。…でも健康のためにはどっちのタバコもよくないと思うんですが…

アキラはこの対局はどうするんだろう?と思ってたんですが、素直に見にきたようです。それにしてもすさまじい色の服で、まあアキラらしいとは言え、なにもピンクにしなくても… アキラにとっては久しぶりにみる「ヒカルの碁」のなるはずだったのが、結局またしても「佐為の碁」になりそうですね。本人はわかってないでしょうが…

アニメと原作との違いです。「進藤って何者?」と「どっちが勝つかかけんか?」のはいる場所が少し違っていますが、流れとしては全く同じです。
(1)緒方さんの服
すでに書いたように、原作では私服の黒の皮ジャンでしたが、アニメではいつも白スーツでした。
(2)写真撮影
日本棋院前でタイトルホルダーと新初段が並んで写真をとるシーンはアニメオリジナルです。
(3)賭け
原作ではどちらにかけるという話のときに「小僧じゃ」と答えながら桑原先生は1万円札を取り出して机の上に置きます。緒方さんも「名人の勝ちは疑いませんよ」といいながら1万円を取り出してその上に重ねていました。…大人って。
アニメでは教育上の問題を考慮してか、お札は一切描かれていません。


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