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【アニメ ヒカルの碁 第58局「一色碁】 02/11/24

今週のダイジェスト
・王座戦本戦一回戦、倉田六段は鎌石義郎九段に勝った。
・対局後、倉田は出版部の天野のところに行き、長野で行なわれている塔矢名人vs緒方九段の十段戦第五局、最終戦のFAXで送られてきた棋譜を読みふけっていた。倉田は名人の打つ手を「らしくないじゃん」と驚く。
・翌朝、ヒカルの家。新聞で塔矢名人が十段戦で負けたことを知ったヒカルは、負けた原因が佐為との対局にあるのではないかと授業でも上の空だった。どんな内容かは棋譜を見ればわかると佐為に教えられたヒカルだったが、どこでみればいいかわからない。
・偶然ラーメン屋でヒカルは倉田と出会った。ヒカルは倉田に名人の対局がどんなものであったかを聞いた。名人の持ち味はバランスの良さであるが、今回はタガが外れて積極的におもしろい手を打ってゆく、若返った碁であったらしい。
・倉田は名人戦の二次予選でアキラと対局し、勝利をおさめた。しかしアキラは本因坊戦はすでに三次予選までコマを進めており、低段者には既に敵がいない。倉田は、アキラは夏には頭角をあらわしてくると考えていた。
・ヒカルはその言葉に刺激され、倉田を煽てて対局を持ちかけ、碁会所に行った。対局を始めようと碁笥をあけてみると、黒石と間違って白石が入っていた。倉田はそのまま「一色碁」で打とうという。ヒカルのコミなし先番で対局は始まった。
・全部の石が白なので、記憶だけが頼りの一色碁。最初は余裕でやっていた倉田だったが、どんどん本気になってゆく。そしてヒカルの痛恨のミス。それに「助かった」と思ってしまった倉田は、そう思った相手がまだプロになったばかりで、一色碁は初めてのヒカルだったことを思いなおす。…下から突き上げてくるのは、塔矢アキラだけではないことに気が付いた倉田だった。
・考えこんだ挙句、盤面を忘れてしまって焦った倉田だったが、ヒカルが負けを宣言した。ヒカルにとっては初めての一色碁でも普通の碁と全く変わりがないようだった。
・倉田はヒカルを認め、「倉」の一文字だけサインした色紙を渡し、続きは公式戦で自分に勝ったら書いてやると言った。
・そのとき、テレビで塔矢行洋が引退したというニュースが流れた。

今回は原作2話をアニメ1話分にしています。今週は作画がとてもきれいで、ヒカルがなかなかかわいかったです。動きもよかったし。来週はまた作画がイマイチのようですが、一週置きにそういう状態だと再来週はきれいかな。再来週あたりにやる話は絵がきれいでないと意味がないので、スタッフの皆様の頑張りに期待しています。

実は、原作ではこの2話は全く佐為が出てきませんでした。セリフどころか姿さえ。ヒカルが塔矢名人の負けを心配していたシーンは、アニメではヒカルが佐為に色々と尋ねてましたが、原作ではそこはヒカルの独り言で。先週があのエピソードで、二週続けて佐為が出てこなくてどうも不安になったものでした。…しかも、この次の週はジャンプでの連載がお休みだったんですよねぇ…

アニメでは、ヒカルの佐為に対する態度は原作よりもかなり優しくなっていますね。こうやってフォローいれたくなる気持ちはよーくわかるんですが、表現としては私は原作そのままの方が効果的なのじゃないかと思います。でも先週のエピソードの後で、佐為が全く出番なしというわけにはいかないですもんねぇ…

さて、ついに緒方十段誕生です。三勝のうちの一勝は不戦勝で、なんだかタナボタみたいな気もしないではないですが、勝ちは勝ち。めでたいことです。
でも、エピソードとしては碁が若返った塔矢名人の方にスポットが当ってしまうんですよね。…佐為との対局が塔矢名人を縛っていた枷を崩して新しい世界への道を開きました。その影響は少しずつ増幅されて広がってゆきますが、それはもっと先の話。

それにしても倉田さんはかわいいです。「ばか?進藤ってばか?」も、倉田さんが言うと憎めないなあ。一色碁という特殊な碁がどんな影響を及ぼすかと思いましたが、結局はそれはヒカルにとっては普通の碁となんらかわりがない…ヒカルの記憶力・集中力の高さを表す話に。そして、一色碁ゆえに、ギャラリーには戦いが見えないから、今回の一局はヒカル(+佐為)と倉田さんの記憶の中にだけ残るという形に。

さて、ここでここしばらくの展開を時系列で整理してみます。

2001/4/4(水)  ヒカルとアキラの大手合。名人が倒れ、ヒカルの不戦勝
2001/4/7(土)  名人ネット碁開始。ヒカルが名人の病室にお見舞いに。名人、saiとの対局を約束
2001/4/12(木) 十段戦第四局。名人vs緒方は名人の勝ちで2勝2敗に。
2001/4/14(土) 名人とsai、ネットで対局。sai勝利。佐為、自分の存在を危うく感じ始める
2001/4/15(日) ヒカルが名人の病室に。そこでの話を緒方に聞かれる。アキラとヒカルがニアミス
2001/4/17(火) 森下九段の勉強会に参加するヒカル
2001/4/19(木) 十段戦第五局。名人vs緒方は緒方の勝ちで緒方が十段位をゲット。
2001/4/20(金) ヒカルと倉田が碁会所で一色碁を。名人の引退宣言。

名人が倒れてからたった2週間程度で世界がコロっと変わってしまったんですよね…

アニメと原作との違い。原作では今回の話では、全く佐為は出てきていませんが、アニメでは佐為の姿が描かれ、セリフも増えています。
(1)倉田さんの王座戦本選一回戦
原作では1ページで、盤面もほとんど見えないまま終わっていますが、アニメでは対局を詳しく描写し、盤面も全部見えるようになっていました。
(2)名人の負けに驚くヒカル
原作では名人の負けを心配するシーンはヒカルの自問自答という形でした。アニメでは、ヒカルが佐為に聞き、佐為は「棋譜を見ればわかる」と答えます。そのときにヒカルが佐為に、やっといつも佐為に戻ったな、とここしばらく佐為がどこか変だったと心配していたということを言います。原作でのヒカルは佐為の変調をおかしくは思っていても、あまり心配してませんでした。ヒカルにとって佐為は空気のような存在だから、機嫌が悪いんだくらいにしか思ってなかったのかも。
(3)碁会所
「一色碁」という変わった対局を説明するためか、ギャラリーのオジさんたちのセリフが増えています。

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