Invitation to Live Stage

ライブへの誘い


 ザッパのバンドは、Mothers of the Invensionのころから後期に至るまで、実にライブバンドであった。「…ライブ」と銘打った作品は意外に少ないが、ライブ演奏をベーストラックにして完成された作品は、それこそ山のようにある。何でも、ザッパのバンドは、特に中期以降は、ライブで同じ曲は常に全く同じ速度で演奏できるようにリハーサルを行っていたと言うことである。これで、違うライブで演奏された曲でも、1曲につなぎ合わせることができたというのだ。
 ツアーに出かけるときのレパートリーは、6〜70曲にも上り、毎夜違ったステージ構成で2〜30曲も演奏されたという(どんなリハーサルをやったのだろう、想像に絶する)。1976年以来、来日しなかったのが悔やまれる。その理由も、ザッパのライブを行うためには、大編成のバンドが全員上がれるステージと、大勢のスタッフが必要で、日本ではとてもペイできないから、というものらしい。

 ザッパのライブは、ひたすらエンターテインメントなステージであったという。ビデオなどを見ても、そのコミカルな演出、そして確実な演奏力に裏打ちされたステージは、とても見応えのあるものである。英語が分かればもっと面白いに違いない。

 そんなザッパのライブの様子を存分に伝えてくれるものとして、次の3作品をお勧めする。

Fillmore East,June 1971 (1971)
Roxy & Elsewhere (1974)
You Can't Do That On Stage Anymore Vol.1〜6
 "Fillmore East"は、Flo&Eddieが参加していた時期のもので、Funnyなステージを堪能できる。"Roxy&Elsewhere"は、Chester ThompsonRalph Humphreyのツインドラムが冴える!2人のドラマーのビートがあたかも1人で叩いているかのように絡み合って、絶妙且つファンキーなビートが創り出されている。You Can't Do That On Stage Anymore Vol.1〜6は、シリーズもののザッパのライブアルバムで、ザッパのライブステージをより忠実に再現するためにリリースされたもの。残念ながら私はこの中の1枚と、"Sampler"と題された、アナログ版3枚組のボックスセットしか持っていないが、中〜後期のザッパのライブを知る上で、是非聴いておきたい作品である。

 この他にも、"Tinsel Town Rebellion (1981)"などでザッパのライブでの客とのやりとりなどを聴くことができる。また、さらに余裕があれば、何本か発売されているザッパのビデオを見てみるともっと良い。"One Size Fits All"のころと"You Are What You is"のころのステージがカップリングされて収録されている"Dub Room Special"、Adrian Belewのユニークなステージが観れるという"Baby Snakes"(持ってない)、選挙人登録を勧める姿が収められた"Does Humor Belong With Music"などが発売されている。探せばもっとあるかも。


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