98年12月に読んだ本。

●「ラグナロク3 銀の深淵」安井健太郎[角川スニーカー文庫](98/12/30)

これが今年最後の本かなあ。
ラグナロクシリーズの三冊目。元傭兵のリロイと、相棒の喋る剣のラグナロクの格闘ファンタジー(ってなんなんだ)。
今回は前史時代の超兵器がガンガン登場するわ、《闇の種族》の上級眷族もたくさんでてくるわ、肉や血は飛び散るわ、建物はコナゴナになるわ、……派手だなあ。
話にスピード感があって、よかったです。リロイはますますヤバいことになってきてますが、このままどうなるんだか。
何を考えててるのかよくわからないベストラですが、結構好きかもしれない、こういうキャラ。5000年も思い続けるというのは、個人的には結構ツボですんで。
レナとフェンリルの出会いの話とかも読んでみたいです。
とりあえずは、まだ話にケリがついてないので、はやく続きをだしてくれ、と。


●「不器用なキス」和泉桂[講談社ホワイトハート](98/12/28)

「キス」シリーズ最新作。経済アナリストと、無愛想なシェフの甘々のボーイズラブものです。
今回は、吉野の昔の恋人がふたりの部屋にやってくることから始まります。それで泥沼のケンカ状態になりますが…まあ、所詮は「犬もくわない」なわけで(^ ^;)。
個人的にごひいきの睦ちゃん、出番が今回も少ないのが残念…


●「桐院小夜子さまのキモチ」秋月こお[角川ルビー文庫](98/12/26)

大人気の富士見二丁目公共楽団シリーズの番外編。シリーズサブキャラの女性を中心とした番外編です。小夜子さんは結構好きなキャラかも。でも、瓢箪から駒になっちゃったのね……これはこれから先が大変そうだなあ(^ ^;)。
さて、私のページの読んだ本や作家のリストをみると、なぜフジミシリーズがないか不思議に思っていた人がいると思うんですが…このシリーズ、第一部はすごく好きで、全部読んでます。二部も全部買ってて、つまみ読みはしています。パラパラあちこち拾い読みをするのはしているので全部ストーリーは知ってるんですが、最初から最後まで読み通してないので、ここのリストにはのせてないんですね(^ ^;)。
なぜ二部になって読み通せなくなったのか自分でも不思議なんですが、番外編関係は案外平気なところをみると、悠季の一人称が苦手なようです(^ ^;)。うーん、同族嫌悪かも…私はあそこまで純粋な人ではないけど、うちにうちにこもって自分ひとりで抱え込んでドロドロしてしまうところは自分にもあって、それがどうもひっかかるんだろうなあ。
というわけです、みのうらさん。ちなみにオーフェンは4冊目あたりからがおもしろいです。


●「LOVEのちスキャンダル 雷&冥シリーズ」尾鮭あさみ[角川ルビー文庫](98/12/25)

シリーズもついに5作目。相変らずのテンションの高さで進んでます、このシリーズ。
それにしてもロンちゃん……ノンケなんじゃ(^ ^;)。
シリーズも佳境にはいりまして、次あたりがラスト…なんでしょうか???


●「メニューの余白」重金敦之[講談社文庫](98/12/24)

読む本がなかったので、出先の本屋でとりあえず軽く読めそうな本、ということで購入しました。
タイトルどおり、料理関係のエッセイです。思ったよりはおもしろかったですが、私には縁のないような、高級料理の話題が多かったのと、あとこの作者、ちょっと女性に対して何か含むところあるんだろうか(^ ^;)?…って感じでひっかかったのがなあ。


●「僕達の地球光 泉君シリーズ5」あさぎり夕[パレット文庫](98/12/22)

新刊でてましたよ、ってことで。最近はちょっとマンネリぎみかな?と思いつつ、発売日に買って読み続けてるのは確かだからなんにもいえないや(^ ^;)。


●「中田英寿 鼓動」小松成美[幻冬舎](98/12/22)

「中田語録」の執筆もした、ヒデから信頼されているジャーナリストの筆者が、ヒデのヨーロッパ移籍の事情を中心に、中田英寿という繊細でそして強い青年のことを描いたノンフィクション。
この本を読んでて一番感じたのが、「痛ましさ」かなあ…なぜあそこまで、サッカー以外のことでわずらわされなければならないんだろう。ヒデといえばマスコミとの確執が有名ですが、なぜヒデがマスコミに対して口を閉ざさざるをえなくなったか、それらについても丹念に描かれています。
丁寧に取材して、それらを作者からちょっと突き放して描いているためか、ドラマ性はもうひとつ弱いです…って、ノンフィクションでしょ、それ。…って言われたらなんだけど、金子達仁さんの著作物ってドラマティックじゃないですか。そういうのを求めて読んだから肩透かしを食らうかも。
今、ヒデは当たり前のようにペルージャの一員としてセリエAの試合に出場していますが、それを「当たり前のこと」にするためにどれだけの関係者の努力があって、どれだけの犠牲があったのか……これからももっと大変な問題にぶつかるだろうけど、ヒデが理想とするサッカーができる環境であってほしいなあ、とだけ思います。


●「星界の紋章ハンドブック」早川書房編集部編[ハヤカワ文庫](98/12/19)

小説とはちょっと違いますが(^ ^;)。来年1月からWOWOWでアニメ化されるってことで、主にアニメ関係のハンドブックです。原作まわりとしては、ほんの少しの裏設定ページ、あとSF大会でのトークショーの模様とか載ってます。作者の顔初めてみました…………いいんです、作品さえおもしろければ……
印象としては、ジントがかわいいってことかしら(笑)。出番も多いみたいだし、彼ってちゃんと主人公だったのねー、って(失礼)。
1話の脚本も載ってましたが、アーヴ語をそうするか、って感じです(*^ ^*)。これは読んでのお楽しみ。
私はビデオが発売されてからみることになりそうだけど、スポール提督がどういう感じになるか楽しみです〜。
あとは、作者様にはやく次作を書いていただかなくては…


●「デルフィニア戦記18 遙かなる星の流れに」茅田砂胡[中央公論社C★NOVELS](98/12/19)

…ついに最終刊です。本屋で表紙をみたとき、じーんときたなあ………いい表紙です。今回は口絵も復活で嬉しい(*^ ^*)。
今回は、後始末をつけなきゃいけないことが多すぎたようで、かなり話が慌ただしい感じがするのと、あと前巻に続いて反則技が多いような気はしますが、とにかくごくろうさまでした、ということで。
私は7巻あたりからリアルタイムで読み出したんですけど、毎回刊行が楽しみでした。読むたびに、次の巻を心待ちにして。発売日に本をみつけた時、すぐにどっかの店とか入って読みはじめたり…幸せでした。
茅田さんの新作を楽しみにしてます。
このシリーズの番外編も読みたいけど…
ほんの少し、ネタバレの感想はこちら


●「E.G.コンバット2nd」秋山瑞人[電撃文庫](98/12/18)

「E.G.コンバット」の続編。ルノア教官が指導する、落ちこぼれ五人組が緊急出撃訓練で大成功をおさめた。それをよく思わない、ルノアのライバル・ラセレーナの策略に気がついたルノアは……
一作目よりもさらにおもしろかったです。ほのぼのしたシーン、爆笑シーン、そしてしんみりとするシーン。コミカルな前半だけではなく、緊迫したシリアスな後半の展開にはドキドキしたし、ルノアがカデナに本音を告白するシーン、そしてGARPの行動に涙、涙でした。最後は爆泣き。献身的な機械には、特に弱いんで……
それにしても、月の中心でみたもの。それが話の核心となるのでしょうが、あれは………今後の展開がどうなるか楽しみですね。はやく次がでないかなあ。


●「E.G.コンバット」秋山瑞人[電撃文庫](98/12/17)

表紙のいかにも「美少女」って感じのイラストにひいちゃって、読まなかったんですけど、評判がいいので読んでみることに。いやあ、これはアタリでした。おもしろかったです。
…ある日、地球に忽然と現れた、不思議な生命体の「プラネリアム」。彼らは、女性を狙って殺し、彼らとの闘いで人類の人口は大幅に減り、文明も衰退した。月に移住していた人類が主導となり、人類救世軍は女性を強制的に月に移住させる、「ジュリエット計画」を発動。女性は月に、男性は地球で、プラネリアムと闘う日々が続いていた。…ルノアは数々の戦功をたて、21歳にして大尉となった。彼女をライバル視するラセレーナの画策で、月の軍隊の訓練校の教官に左遷されることに。しかも、ルノアが担当することになったのは、前代未聞の落ちこぼれ五人組だった…
簡単に言えば、軍隊青春モノで、コミカルに話が進んでいきます。でも見え隠れする膨大な設定や緻密な世界感がなかなか。イラストの「☆よしみる」さんが原案となっている話ですが、小説を書く方もかなりの力量がないとこれだけは描けないでしょうねぇ。
それにしても、月は女だけの世界ですか…………すっごく怖そう(^ ^;)。逆に地球は男ばかりか……そっちの話も読んでみたいかも(爆)。


●「風のケアル4 朝遠き闇」三浦真奈美[中央公論社C★NOVELS](98/12/16)

「風のケアル」の新刊です。今回のはかなりおもしろかったです。ハイランドに戻ったケアルを襲う数々の試練。それを乗り越えて、どんどん強くなっていきますね。あと、マリナが痛快で、すごくよよかったです。
あと一冊で終わりだそうですが、どういうラストを迎えるのかなあ…個人的には、予想外なラストはいらない、絵に書いたような大団円がいいです。エリとケアルが再会して、そしてケアルとマリナが幸せに暮らしてくれたら……
それにしても、ケアルの名前の由来って、やっぱりアレだったんですね(笑)。そうじゃないかと思ってた。


●「京極夏彦読本 超絶ミステリの世界」野崎六助[情報センター出版局](98/12/15)

文芸評論家であり、ミステリ評論家でもある作者の、京極夏彦について解読した本です。
とりあげられているのは、「始末」「姑獲鳥の夏・文庫本」までも含む、既刊の単行本です。それを構造的解析しながら、読み解いていきます。私のような素人にもわかりやすくて、なかなかおもしろかったです。
また、極力ネタバレを避けながらやってるあたりも好感が持てます。
京極夏彦マニアには読むだけの価値があるんじゃないかな?


●「睡蓮の刻印」金丸マキ[小学館キャンパス文庫](98/12/12)

この人のボーイズラズものってなかなか味わいがあって好きだったので、これも作者名で買いました。
今回は、中華風(?)の普通のファンタジーです。ワヤン村のリシアは、ある日、長い髪の男にさらわれる。その男によると、リシアは王家の世継ぎで、庶民の気持ちがわかるように、ひそかに王家は王子を里子に出していたのだが……というような話。まあまあ、です。最後の方のアイダの本当の姿が見え出したあたりの展開はよかったです。ただ、この人独自のほろ苦さというようなものがちょっと今回は薄かったような気がします。(そりゃ、リシアも苦労はしているが(^ ^;)…)話事態はまだ序盤という感じで、大きくは動いてないですが、続編はあるのでしょうか?
ちなみにイラストは高田明美さん。


●「モダン・タイムス1」菅野彰[新書館](98/12/11)

舞台は江戸時代、黒船が時々はやってくるけどまだ平穏だった頃、長崎帰りの女形のような町医者の千尋(でも口はすごく悪い(^ ^;))は、ひょんななりゆきから「女義賊・朱頭巾」になるハメに。その上、幼なじみですちゃらか同心の健吾が朱頭巾に惚れて……
おもしろかったです。漫才のような、テンポのいいやりとり、魅力的なキャラもよかったし。基本路線は能天気な話でありながら、それぞれが重い物を背負っていたり、背景にやりきれない事情があったりするあたりが、この作者らしいなあ、と。脇キャラでは慈雨さまと朝顔ねえさんがよかったです。続きも買わなきゃ。


●「極道放浪記2 相棒への鎮魂歌」浅田次郎[幻冬舎アウトロー文庫](98/12/10)

「極道放浪記 (1)殺られてたまるか!」の続編で、作者の数奇な体験談を語った作品。1995年にノベルズ(?)で出た作品の文庫本化です。
またしても、本当か嘘かわからない、絶妙な語り口がおもしろい(*^ ^*)です。鉢合わせネタって、プリズンホテルにでてましたが、あれって本当に実話だったのかしら(^ ^;)。


●「パンドラ ブギーポップ・イン・ザ・ミラー」上遠野浩平[電撃文庫](98/12/9)

「ブギーポップは笑わない」「ブギーポップ・リターンズ VSイマジネーター PART 1,2」に続く、待望の第三弾。
表紙、今回もいいですね〜〜〜。本屋でみつけたとき、震えがきましたよ。物語を予感させる口絵のデザインもすばらしい。緒方さんのイラストもすばらしいのですが、デザイナーもいいんだろうなあ。表紙と口絵だけでも元をとったような気持ちになれます。
って、もちろん中身もよかったです(*^ ^*)。
今回は、中途半端な予知能力をもった6人の少年少女たちの物語。
ひとりひとりでは対して力にならない、彼らはカラオケボックスに集まって予知を行っていた。そこで予知したのは「少女」と「ブギーポップ」の姿だった。そして彼らは、世界を賭けた争いに巻き込まれることに…
やっぱり、少しずつ浮かび上がってくるような、構成がうまいですねぇ。設定もいいし。
「かわいそうな改造人間」っていうのは、個人的にすっごくツボなんですが、今回もぐっときました。288-289ページのイラスト。…いいなあ。
あとは、「炎の魔女」の大活躍!!彼女も好きなので、出番が多いと嬉しい(*^ ^*)。前作や、前々作との接点もつい前作とかを読み返したくなりますよねぇ。
ただ、なぜここまでこの町に限って、立て続けに事件が起こり続けるか(実際、ほぼ同時進行だったわけですから)、それが少々不思議ですが(^ ^;)。
ライトノベルズでは、今年大きな話題となった作品ですし、読んで損はないと思います。この作品で1話完結していますが、細かい設定とかこれだけではわかりにくいところがあると思うし、やはりシリーズ一作目から読むのがいいかと。


●「いつか王子様が −おおいぬ荘の人々−」菅野彰・月夜野亮[桜桃書房](98/12/9)

合作だそうです。おおいぬ荘という名前には似合わない、洋館を舞台にしたほのぼのボーイズラブもの。
お二人が一本ずつお話を書いています。タイトルがタイトルだし、お気楽に読みはじめたんですが、菅野さんの方の話の最後の方で、涙腺が緩みました。特に125ページの明生のセリフ。この人は傷や痛みを抱えながらも生きていく人たちをさりげなく描くのがうまいなあ。
大イグアナのバトラーがいい味出してましたねぇ。
月夜野さんの方の話は、個人的にはちょっと…でした。


●「ただでさえ臆病な彼ら」菅野彰[桜桃書房](98/12/8)

学園ボーイズラブもの。ってかけば、なんだかふわふわした話かと思いますが、ちゃんと足が地についた話でした。キャラそれぞれが痛みを抱えながらも頑張って生きていて。屋上での「告白」のシーンにはちょっとうるうるきました。
あの二人のそのあとも読んでみたいです。


●「夢の宮〜海馬を渡る風〜」今野緒雪[集英社コバルト文庫](98/12/7)

ここしばらくは個人的にはイマイチだった「夢の宮」シリーズですが、今回は修羅場っててよかったです(おい)。
あらすじを読んだときに、「これはきっとホモネタだっ!!」と思って、期待して(?)読んだんですが、そうともいえるような、そうでないような話でした。まあ、それはおいといても、今回はイメージもいいし、満足です。
それよりも。茨木さま(T T;)と、月季がでてまーす!!最初と最後にちょっとだけなんだけど。茨木さまはお気に入りのキャラだけに、嬉しかったというか、切なかったというか。


●「葡萄の奇跡」藤原万璃子[小学館パレット文庫](98/12/7)

零落したボルドーのシャトーを舞台に、ワイン作りに賭ける青年たちの話のシリーズ完結編。
シャトー・フォアラックに日本から取材がきた。その記者の女性は、丈の昔の恋人だった…という、ベタな展開ではありますが、結構はらはらしながらアンリと丈を見守ってしまいましたが。
最後の料理のシーンはおいしそうだったなあ…
ワイン好きな人はこのシリーズを読んでみてください。3冊で終わるし。


●「海馬が耳から駆けてゆく」菅野彰[新書館](98/12/6)

うちの掲示板で評判になってたので、すごく読みたかったんです。貸してくれた#7さん、ありがと〜。届いて表紙をみたら、あら、これ「活字倶楽部」で紹介されていた本ではないですか。
ボーイズラブ関係の小説を書いている作家さんの、エッセイ集です。いやあ、おもしろかった〜。愉快で変な人だなあ(^ ^;)。かいてる小説…といっても私が読んだのは「オール・アバウト・ユー」だけですが…とはちょっとイメージにギャップが(^ ^;)。
どれもおもしろかったですけど、弟関係の話と、最後の加湿器には爆笑でした。


●「小説版ウィザードリィ 隣り合わせの灰と青春」ベニー松山[集英社スーパーファンタジー文庫](98/12/5)

懐かしいなあ……これは、昔大ヒットしたRPG「ウィザードリィ」のシリーズ1「狂王の試練場」をノベライズしたもの。88年にゲーム関係の雑誌に連載されて、それがハードカバーで出版されてました。そのときも評判は聞いていたけど、ちょっと手が出なかったので、今回の文庫本化で読むことができてよかったです。
ウィズは、私も昔、ハマりました。最初にやったのがファミコン版の3で、これは遊び倒しましたねー。よく素っ裸の忍者ひとりで潜って、アイテム探しとかをしたものです。ファミコン版1は、ワードナーを倒すところまでやっただけ。あと、ゲームボーイ版の外伝1もやりこみました。
だから、でてくる呪文のひとつひとつや、モンスター名がとても懐かしかったです。読んでて、ゲームをやってた当時を思い出して。またダンジョンに潜り込みたくなりましたねぇ…
ウィズファンや、当時ゲームをやった人には絶対的にオススメ。それ以外にも、RPGノリのファンタジーが好きな人にもいいんじゃないかと。純粋なファンタジーとして見るには、ゲームシステムに拘泥された部分や、レベル表示などにちょっと違和感を覚えると思います(^ ^;)。


●「幻影の航海」ティム・パワーズ[ハヤカワ文庫](98/12/3)

人から借りた本です。それもこっちが本を貸したかわりにかしてくれた本で、私から「読みたい」っていった本じゃないんですよねぇ…
出版されたのは1987年、日本では1991年に出版された本です。「ディック賞」(フィリップ・K・ディックなの?)を受賞しているとか。
話は、18世紀のカリブ海を舞台に、海賊たちと魔術師が活躍する話。読みはじめてから3週間、苦痛でした……どうも私は翻訳モノが苦手なんです(^ ^;)。文章がどうもあわないというか。(もっとも、全然違和感なくしっくりする翻訳ものもありますが。翻訳者によりますね(^ ^;))
その上、あんまり好みじゃないジャンルだったので、読み進まないし…でも借りた以上、最後まで読まないと、という根性だけで読み通しました。後半のストーリー展開とかはおもしろかったけど、でもあのヒロインのベスは、それほど魅力的だったとは思えなかったんだけどなあ…………うーむ。
今回の経験で学んだことは、相手に本を薦めるときには気を付けなきゃなあ、ってことでしょうか。自分も相手にこういう思いをさせているかもしれないんだもんなあ(^ ^;)。なるべく相手の好みとかを聞くようにはしてるんですけどねー。


●「天使たちのラプソディー 〜恋敵はエゴイスト〜」松本祐子[集英社スーパーファンタジー文庫](98/12/3)

「天使たちのラプソディー」シリーズ三作目。
お金持ちで天才で超美少年の明輝と、その家庭教師の涼のコンビの話です。
明輝の姉・美玲に、人気デザイナーの不破が急接近。その不破には、以前パトロンを毒殺したという噂があって…
美玲はイヤな女で、友達にはしたくないけど、嫌いじゃないキャラです。今回はその美玲の出番が多かったですねー。明輝と涼は進展があったんだかないんだか(笑)。涼がニブいですからねぇ…まあ、個人的には今のような距離を保ってもらう方がいいんだけど(^ ^;)。


●「活字秘宝 平成の名探偵50人」[洋泉社MOOK](98/12/2)

話題の本(?)をやっとみつけることができました。
タイトルどおり、平成の世に活躍する名探偵を小説・マンガ・ゲームからとりあげた、ムック本です。ちなみに小説では私の読書率は80%程度でした。マンガは20%位…ちなみにゲームはゼロ(^ ^;)。
ファンジンノリですが、ネタバレにはかなり気を使っているのと(当たり前かもしれませんが探偵小説研究会●「本格ミステリ・ベスト100」なんて紹介文でバリバリネタバレしてましたもん(T T;))、とにかく「好き」って気持ちが伝わってくるので読んでて楽しかったです。
京極夏彦、清涼院流水、蘇部健一(六枚のトンカツ)藤木稟(陀吉尼の紡ぐ糸)のインタビューが収録されています。
探偵という人種が好きな人は読んで損ないと思いますよ。妙なネタバレがないから、未読本があっても安心して読んでください。


●「MAMA」須賀しのぶ[集英社コバルト文庫](98/12/2)

「キル・ゾーン」シリーズの作者・須賀しのぶさんの、単発のSFファンタジーです。
父亡きあと、非合法の運び屋の仕事を継いだ少女・マイカのところへ、ハヅキという男がシャハイ宙域に連れていってほしいという依頼があった。シャハイでは、船の行方不明が相次ぎ、1隻も戻ってこないという原因不明の事態が進行していたが…
タイトルどおり、「母」をテーマにしたものですが、そちらよりも「人に近いのに、人でないもの」と「人なのに、人とはかけ離れたもの」として存在することの悲しみの方が印象深かったです。前者はユーベルメンシュ、後者はユージィンに通じるものがあるのではないかと思うんですが。
2月に出る、エイゼン主役の番外編が楽しみです〜〜。


●「鳴釜 薔薇十字探偵の憂鬱」京極夏彦[メフィスト12月増刊号/講談社](98/12/1)

いつもは雑誌の分はここにはかかないんですが……あまりに(私にとって)すばらしいので…
小説現代12月増刊号の「メフィスト」(講談社)にのってる、京極堂シリーズの番外編(?)の短編(中編かな?)シリーズの第一作です。正式タイトルは「百器徒然袋 第一番 鳴釜 〜薔薇十字探偵の憂鬱〜」です。
で、感想。
すっばらしぃぃぃぃぃぃっっ!!
とにかく、痛快!!な話でした。
探偵と拝み屋がコンビを組むと、史上最強だっ!!って話でした(*^ ^*)。この二人のコンビが好きな、キャラ萌えな人にはたまんない作品です(*^ ^*)。
「始末」の予告編では榎さん主役のシリーズという感じでしたが、セリフは京極堂の方が多かった(笑)。それにしてもこういう楽しそうな(?)京極堂をみれると、嬉しいですね(*^ ^*)。「始末」がああいう話だっただけに、余計。榎さんも相変らず天下無敵・傍若無人で、素敵でした。
話は「始末」より後日を舞台にしてまして、キャラのその後の話もちょろっとでてきます。
今回は読んでて叫びっぱなしでしたが、実は一番叫んだのは81ページの上段の左から10行目だったりします(^ ^;)。
新キャラにも痛快な人がいまして、結構気に入ったんですけど、これからも出てきてくれたらいいなあ。
キャラ萌えな人は、この短編ひとつに1400円だしても惜しくないですよー。ミステリ好きな人も、他のラインナップもいいので、買って損はないと思います。
普通に京極夏彦を読んでるだけの人は、単行本化を待った方がいいかも(いつになるやら(^ ^;))


●「こんなに緑の森の中」谷山由紀[ソノラマ文庫](98/12/1)

高校を中退し、大検受験のためにアパートに一人暮らしをするようになった純一。そのアパートで純一を待っていたものは、自分を「猫」だと言い張る少年だった…
あったかい気持ちにしてくれる、癒し系の話です。ドロップアウトした人たちを優しく包み込んでくれる、「楽園」のようなアパート、でもひと夏の魔法がとける日は近づいてきて……単に甘い、“夢のような”たわごとだけでは終わらない話で、母親との会話のあたりとか、最後の方とかしんみりしました。なかなかよかったです。
この作者の他の本も読んでみようかなあ。


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