98年7月に読んだ本。
●「スレイヤーズすぺしゃる13 仰げば鬱陶し」神坂一[富士見ファンタジア文庫](98/7/31)
スレイヤーズの番外編の新刊です。いつものノリで楽しかったです。
今回はアメリアが登場する番外編も収録。久しぶりだなあ…。あと巻末に第三回人気投票の結果が。
●「烈火情縁−愛と裏切りの挽歌−」星野ケイ[ホワイトハート](98/7/29)
ホンコン・シティキャットシリーズ4冊目。美形のバンパイア・ファラオと、彼によって猫人間(^ ^;)にされてしまった刑事のジュリィの、ホンコンを舞台にしたシリーズです。今回は、暗躍する死人の話で、母親の愛情をテーマにしてます……が。うーん、今回はいろんなエピソードを詰め込みすぎたようで、メインの話の部分がかなり薄くなってしまいました。肝心の事件が表面化してからラストまであっという間だもん(^ ^;)。
今回はファラオとジュリィはなんだか妙に甘いですが、次の最終巻(…残念)ではファラオが極悪非道になるそうで、楽しみ(笑)です。
冒頭にちょっと反鬼組の名前が出てきたから、誰がちょろっとでてくるかと期待したんだけどなあ(T T;)。
●「虚船 大江戸攻防珍奇談」松浦秀昭[ソノラマ文庫](98/7/28)
第二回ソノラマ文庫大賞受賞作。舞台は江戸時代。地球に訪れ、人を攫う虚船(うつろぶね)……UFOに対抗すべく、密かに作られた「青奉行」。おてんば少女・浅葱が率いる青奉行は、虚船を捕獲するために、赤城山に罠を張るが……
江戸時代にUFOが出て、しかもその対抗組織がある…という突飛な設定で、かつキャラはどれもぶっとんだ人たちばかりで(生臭坊主がよかったです(笑))、基本路線は「バカ話」ながら、話の骨格はしっかりしてます。江戸時代を念密に調べて書込んだ風俗、技術、その時代の文明レベルから作られる兵器。こういう、よくできた「嘘」は本当に楽しいです。最後の秘密兵器には大笑いさせていただきました。
話に勢いがあるし、世界設定の確かさ、生き生きしたキャラ、とかなり楽しめる作品に仕上がってます。
●「魔術士オーフェン・無謀編6 自分がイヤにならねえか?」秋田禎信[富士見ファンタジア](98/7/26)
無謀編の最新刊。今回はコギーとマギーの姉のドロシー登場。噂には聞いてたけど、強烈な人だ(^ ^;)。
風の便り(?)に聞いていた、“オーフェンがピアノを弾ける”ってエピソードも載ってました。でもどこで習ったのやら…個人的には、やはり牙の塔で、先生に手取り足取り(はーと)…がいいけど(笑)。
さて、本命(?)のプレオーフェン。今回はあのお姉さんたちがでてこないせいもあって、ちょっと地味な印象ですが、先生がたくさんでてきたし、ハーティアとキリランシェロのシーンがなかなかよかったので、満足です。でも、執行部、例の計画、本当に実行したのか(^ ^;)??
10月よりTBS系でアニメ化するそうですが、途中スペシャルとかでプレオーフェンもやってくれないかなあ。まあ、本編でも回想シーンでキリランシェロも登場するだろうし。
●「キルゾーン 激突」須賀しのぶ[コバルト文庫](98/7/25)
これまた、待ち遠しかった、シリーズ最新刊!!
このシリーズは、未来の地球…から今は火星に向ってますが…を舞台にしたミリタリーもの。でも別にそれほどハードでもないし、なにより、いい男がたくさんでてくるんですよぉ〜〜〜!!!!…なので、よければ読んでくださいませ。
で、今回もみーはーモード全開でいきますっ!!もう、またまたユージィン様が素敵すぎますぅ〜〜。今回はヴィクトールくんもついに登場!!彼の初登場シーンがカッコよくて、つい叫んでしまいそうになり、でも電車の中だったので(笑)、本に顔を突っ伏して、ふるふる震えてました…ちなみに同じ反応をしてしまったもうひとつのシーンは、ユージィン様が久しぶりに息子に会ったときの反応であります(^ ^;)。…寒かった。
久しぶりのサリエルの登場も嬉しかったし。エイゼンはマックスとすっかり漫才コンビだし。ラファエルは小犬状態でかわいいし(*^ ^*)。
それにしても、ユージィン様とヴィクトールくんの痴話喧嘩…いや、陰険漫才(^ ^;)に巻き込まれちゃた皆さんの運命はどうなるんでしょ?ユージィン様が、何を考えていらっしゃるのか、さっぱりわからないのでございます。ユージィン様が何を意図して、ラファエルを送り込んだのか……だって、サリエルのこと、知ってるはずだよね?……前の本を読み返してみて、知ってるはずだと確信しました。…ふたりの出会いが、ユージィン様に有利になるとは思えないもの…じゃあなぜ……マックスを始末させるため?それだけとは思えないしなあ。まあ、あの方の考えが、下々の者にわかるはずがないんでしょうね(^ ^;)。
●「デルフィニア戦記16 伝説の終焉」茅田砂胡[中央公論社](98/7/25)
待ちに待った、シリーズ最新刊。ティレドン騎士団千名の命と引き換えに、タンガに囚われの身となったリィ。しかもそれはレティシアの陰謀で…という、とっても心臓に悪い展開であります。今回はシェラが大活躍。強くなったよねぇ、シェラも……それにしても、表紙のシェラがいいっす!!ぐっときますねー。今回は挿し絵の沖さんも日程的な余裕がなかったせいで、口絵がないのですが、中のイラストのひとつひとつも、この表紙もすばらしくデキがいいですから、問題無し!!です。
あの方と、ウォルの漫才????……も楽しかったし、最後の方のアレもいやもう、楽しくて!!!!
…でも、あれだけ楽しい世界も、あと一冊で終わりなのね(T T;)。
いろんなところから話は聞いてたし、話を読む前にあとがきを読んじゃったけど、話を読み終わったあとにあとがきを読んだら……寂しくなって、ちょっと涙が出てきました。最新刊がでるのが嫌な気持ちになったのは、このシリーズではこれが初めてだなあ……
いつかは終わりがくることはわかっているけど。でもあの人たちと、あの世界でもっと遊んでいたかった。
●「電脳天使IV」彩院忍[ソノラマ文庫](98/7/24)
シリーズ完結編。「COWIN」との戦闘が決着したのもつかの間、あの史上最強のPCが暴走しめじめ、ネットワーク界が崩壊しようとしていた。零と高が崩壊をふせぐためにとった方法は……
……切なかったですよね、今回は。一番かわいそうに思ったのは、ローランド・レフト。……それだけ、愛していたんだね。そんな彼を愛した、ファン・リーにも泣かされました。
コンピュータプログラムが意志を持つ……という話は、色々あるけれども。こういう未来がくると、いいよね。
●「僕達の堕天使」あさぎり夕[小学館パレット文庫](98/7/22)
シリーズ3冊目です。…なんだかんだいいつつ、つい買ってしまいます(^ ^;)。
今回も泉くんは相変らずですが、最初に伊達とあれだけラブラブなのに、そのくせ天野と組んで…やることヒドイよなあ(^ ^;)。キープくんまで作っちゃうしさ(^ ^;)。
ちょっとやりすぎなんじゃ?って感じで、うーん……といいつつ、新刊が出たらまた買うだろうけど(爆)
●「電脳天使III」彩院忍[ソノラマ文庫](98/7/23)
シリーズ三冊目。「COWIN」との戦闘が本格化します。今回は展開がハデでいいなあ。
あと、「創造主」がキレてます(^ ^;)。もう、やりたい放題というか。
今回、ローランド・レフトとのシーンはすごくよかったです。シリーズ一冊目を読んだ時は、ライトとレフトの区別が付かなかったんですが(^ ^;)、レフトの方がいいっす。
…で、衝撃の結末。これ、リアルタイムで読んでたら、次の話を待つのが辛かっただろうなあ(^ ^;)。
さあ、次はシリーズ完結編だ。
●「電脳天使II」彩院忍[ソノラマ文庫](98/7/22)
シリーズ二冊目。ネットワークの征服を企む「COWIN」に対抗して、違法PC製作者たちが反COWIN組織を作り出した。ところが、「創造主」はこの組織には参加を拒み……
…雰囲気かわったなあって思ったら、イラストが岡崎武士さんから佐々木淳子さんになったんですねー。佐々木淳子さんといえば、ふわふわした感じの女の子を書かせたら天下一品ですが、アヤメのイラストがいいですねー。(この方の作品では、「那由他」「ダークグリーン」はすごく好きだった)
私は性格の悪い美形というのはすごく好きなんだけど、それでも今回の創造主の零に対する仕打ちはちょっとかわいそうになったぞ(^ ^;)。
●「電脳天使」彩院忍[ソノラマ文庫](98/7/21)
第一回ソノラマ文庫大賞佳作入選作。本屋でみかけるたびに表紙に心惹かれるものがあったし、ネットでの評判も結構よかったし、気になっていた作品でしたが、掲示板でオススメされたのを機に読んでみました。
舞台は、2020年代の日本。この頃は、コンピューターネットワークにはPC(プログラムド・キャラクター)と呼ばれる、プログラミングされ、人間的な外見と思考回路を持ったプログラムたちが存在していた。『創造主』によって制作されたPCの生島高と篠崎零は、謎の能力を持った未知のPC「麒麟」に狙われることに……
ネットモノですが、別にコンピュータの知識がなくても読めるんじゃないかと。評判になるだけあって、なかなかおもしろいです。キャラもいい感じですし。煩悩を刺激する部分もありますから(爆)。高と零の関係もいいけど、個人的な好みでいえば、ローランドと了の関係がいいなあ、と。
全4巻で完結で、この前完結編が出たばかりです。全部まとめて買ったので、待たずに続きが読めるのが嬉しいなあ。
●「退魔官 赤神恭也」ことだこうたろう[電撃文庫](98/7/20)
〔妖魔〕やそれに対抗する〔魔術〕の存在を政府も認めた世界が舞台の話。日本政府は、妖魔退治を目的とする、退魔庁を新設し、そして特殊魔法警察戦術部隊(S.M.A.P)を新設した。赤神恭也は、S.M.A.Pに入ったばかりの新人の退魔官。あやしげな学説を展開する、考古学者の失踪を追ううちに、大きな事件に巻き込まれることに……
私は魔物退治の話っていうのが結構好きなので、あらすじ紹介を読んで買ってみることにしました。で、レジに持っていくと、「ポスターがありますけど…」と言われて…あ、そうか、イラストが士郎正宗氏で、CGを駆使した美麗イラストが普通の本以上に挿し絵として収録されています。いい紙使っているしなー。この本はイラストも大きなウリなのね。どうりで値段が高いはず。250ページほどで、700円だもんなあ(^ ^;)。
ちなみに、この話は、元は郵便で参加するRPG「真・退魔戦記」の世界設定を使用した小説だそうです。なるほど、RPGノリだよなあ。設定はそうでも、個性的なキャラとか、なかなかおもしろかったです。値段さえ、もっと安ければねぇ(^ ^;)。…イラスト、美しかったからいいですが。
●「不条理な殺人 ミステリー・アンソロジー」[祥伝社文庫](98/7/20)
「小説non」に掲載された短編集のアンソロジーです。
作家陣がなかなか。ラインナップは、山口雅也、有栖川有栖(火村シリーズです)、加納朋子(「ガラスの麒麟」収録作品)、西澤保彦(タック&タカチのシリーズ)、恩田陸、倉知淳、若竹七海、近藤史恵、柴田よしき、法月綸太郎(「二の悲劇」の原形となる初期の短編)。
わりと好きな作家ばかりということもあって、なかなか楽しめました。
●「ラグナロク 黒き獣」安井健太郎[角川スニーカー文庫](98/7/18)
第三回スニーカー大賞受賞作。結構評判よかったので、読んでみました。おもしろかったです。
喋る剣・ラグナロクの一人称で進む話です。主人公はラグナロクの相棒のフリーの傭兵・リロイ。無茶苦茶強いくせに、情に流されるところがあったり、女性に振り回されるところがあったり。そのリロイが、旧知の《冷血のレナ》のとらわれた妹の救出にあたるハメになってから、暗殺者、闇の種族たちとの戦闘に巻きこまれ……という、ライトノベルズではよくあるような設定の話ではありますが、パワーとスピードを感じる戦闘シーンの描写や、キャラ造形、細かい世界設定はなかなかのものです。ラグナロクとリロイの憎まれ口を叩きながらも、心の底では相手をかけがえのないものと思っている、その関係がなかなかよかったです。
あとがきからすると、続編が出るのかな?楽しみです。ラグナロクとリロイの出会いの頃の話も読んでみたいなあ。
●「グイン・サーガ61 赤い激流」栗本薫[ハヤカワ文庫](98/7/16)
シリーズ最新刊。表紙はカメロンさんです。シブくていいなあ(*^ ^*)。
で、今回も話はイシュト・カメロンと、ナリス・ヴァレリウスが中心です。うーん、あんまり話自体は進んでないような…カメロンさんも、ヴァレリウスくんも、あんな主人を持つと大変だよねぇ(^ ^;)。…頑張ってくださいな(^ ^;)。
イシュトが悪い方向にいっちゃっているのは心配ですけど、それ以上に心配なのは、ちゃんとナリス様はリンダに「話してくれるか」ってこと。私にとってはアムネリスはどうでもいいんですが(おい)、リンダには不幸になってほしくない。何も知らないままでいるよりは、一緒に地獄に行った方が絶対に幸せだと思うもの……今の、ずっとロクな出番がないのもかわいそうだけど(^ ^;)。
女性密度が低すぎます、今のグインは(^ ^;)。もっと女性キャラを活躍させてほしいです〜。
で、新刊情報は9/11に外伝15「ホータン最後の戦い」、これでグインの遠征は一応終わるそうです。ああ、やっと!!!!本編にはやく帰ってきてほしいです〜。(まだ2〜3冊先らしいけど(^ ^;))。本編の方は、10月上旬に「ユラニア最後の日」発売。ちなみにあとがきの段階でもう書きあがってるそうです(爆)。
●「僕を殺した女」北川歩実[新潮文庫](98/7/13)
平成7年6月にハードカバーで出た作品の文庫本化。当時、ミステリファンの間でかなり評判になって、「読んでみたいなあ…」と思ってたけど、ハードカバーなのでなかなか手がでなかったのでした(^ ^;)。
この話は、「有一」の一人称で話が進みます。ある朝目覚めると、彼は若い女になっていて、しかも5年の月日が経っていた。一体何があったのか……というような内容ですが、これはSFでもSF的ミステリでもなく、ミステリです。…ということは、アレかアレかアレだろうなあ…と即座に思い付いた三つの可能性のうちのどれかだろう、と思って読み進め、そのうちのひとつに絞り込めた……と思った時から、話は混迷の度合いを深めます。そんなに単純なものじゃなかった(^ ^;)…なるほど、あれだけ評判になるわけだわ。
一読の価値はあります。
ただ、私には「有一」という「女」はすっごいヤな奴にしか見えなかったんだけど、男の人にとっては外見があれだけキレイだったら「ミステリアスな美女」なのかしらん(^ ^;)。
あと、巻末の解説で一部ネタバレがありますのでご注意を。この作者のは「猿の証言」もすごくおもしろかったです。
●「トンデモ ノストラダムス本の世界」山本弘[洋泉社](98/7/11)
「と学会」の会長による、「ノストラダムス」の予言本の“とんでもなさ”を楽しむための本です。
手間のかかった本ですねー。ごくろうさまです。なかなか笑わせてもらいました。
あの手の本は私は全く読まないのですが、(オカルト系の小説は好きだけど、“と”な本は好きじゃないので(^ ^;)…)きっとホンモノよりも紹介文の方がおもしろいんだろうなあ。
それにしても、1999年7月まであと1年。小学生の頃、この予言を初めて知った時は、遠い未来だったような気がしたのに。…あの頃は、2X歳になった自分なんて、想像もできなかったなあ……で、なんだか怖かったのと、あと、半信半疑ではあったけど……年をとらないうちに世界が滅ぶかもしれない…ってことにちょっと安堵したような記憶があります。うーん、今となっては全く信じてないけどね……自分の中の滅亡願望を完全に打ち消すことはできないけども、でも目の前の欲望が強すぎて、来年の夏に滅亡するのは困ります(^ ^;)。…せめて十二国記が完結するまでは〜〜〜。あと、淳くんのコンサートをもう一度みないことには、成仏できません(^ ^;)。
来年の夏には、騒ぐ人もでるのかねぇ。…きっと私はコンサートチケットでキリキリ舞いで、気が付いたら「あ、7月終わってた(^ ^;)」になりそうな気がします(笑)。
●「紅蓮天女 封殺鬼17」霜島ケイ[小学館キャンバス文庫](98/7/11)
わーい、新刊だ(*^ ^*)。長野編の続き。今回も終わりませんでした(T T;)。
やっぱりいいですねー、聖。四男とのやりとりは楽しかったです。
それにしても、あの長男、母親がアレな上に、弟があんなので、人質がああいう子で……かわそうすぎ(^ ^;)。がんばれ。
今回は三吾は出てきませんが、次は達彦さんと一緒にでてくるそうで……またしても三吾は不幸なんだろうね(^ ^;)(^ ^;)。
はやく次が出てほしいです。
●「キスをもう一度」和泉桂[ホワイトハート](98/7/8)
エリート証券アナリストと、無愛想なシェフのボーイズラブもののシリーズ。
レシピエが閉店し、仁科の紹介で高級フランス料理店に就職した佐々木は、スタッフに馴染めず、店で孤立してしまう。また、吉野ともケンカをしてしまい……と色々あっても、結局は、大甘な話でした(^ ^;)(^ ^;)。個人的なお気に入りの睦ちゃんの出番が少なかったのが寂しかったです(^ ^;)。
●「幻月奇談」椹野道流[ホワイトハート](98/7/7)
本業は小説家、裏稼業が霊障を扱う「組織」に属する追儺師(ついなし)の美形・天本森と、人間と植物の精霊のハーフの美少年・琴平敏生による、ゴーストバスターもののシリーズ最新刊です。シリーズ5冊目。
今回は、金沢に「神隠し」にあった少女を助けに行きます。兼六園で森は、罠にハマり、大怪我をしてしまう。森を守るためにも、敏生はひとりで事件の解決に挑むことに…
今回、敏生が強くなったなあ…としみじみ思いました。天本さんの過去の話がかなり出てきたんですが、もっと詳しく知りたいよー(^ ^;)。治療のシーンは、読んでてもすごく痛そうでした(^ ^;)。さすが作者がお医者さん(監察医だそうですが)だけあるよなあ。
天本さんと敏生の関係はこれから先はどうなるんだか…お互い、自分の気持ちすらわかってないもんねぇ(^ ^;)。個人的には今のままずっと続く方がいいけど…
●「僕らは玩具の銃を手に」榊原和希[コバルト文庫](98/7/7)
97年ノベル大賞入賞作の表題作品と、その続編が載っています。
夏休みに、突然街から大人の姿が消え、子供たちだけになった。大学生の健人はなぜか消えずに残っていたが、子供に襲撃される。そこを小学生の周に助けられたが……
青いなあ、固いなあ、って思いながら読んでましたけど、作者の生年月日をみて納得。今、18歳…作品を書いたときには、ひょっとしたら17歳?だったらこういう話になるよねぇ。
だとしても、何もそこまで全身の毛を逆立てなくても………まあ、若い頃には妙な気負いをするものだけどね。今回の話には個人的には共感を感じることはできなかったんですが、センスは悪くないと思います。もうすこしひいて見ることができるようになったら、いいんじゃないかなあ。
この手(?)の話としては、同じコバルトの茅野泉の「教室」シリーズがなかなか読み応えあります。
●「季節はずれの海岸物語」金丸マキ[角川ルビー文庫](98/7/5)
一冊だけ発売日が遅れたんでしょうか(^ ^;)?すごく好きな作家さんだけに、本屋で発売日に見つけられなくて、がっかりしたんですよー。
覆面作家・安倍まりあとして活躍する高校生の三崎東也。そのことをなぜか同級生の新谷楓に知られてしまう。やがて一人暮らしの東也のところに楓が転がりこんできて、二人の同居生活が始るが…
イラストやタイトルや設定が「いかにもボーイズラブ」って感じなんですが、細かいところのエピソードの組み方がフツーのボーイズラブのような「ご都合主義」にならないところがこの作者の好きなところです。東也の自問自答のところ、私にも痛い部分でありました。
自転車のエピソード以降が、なんだか切なかったなあ。
●「数奇にして模型」森博嗣[講談社ノベルズ](98/7/4)
犀川先生のシリーズの新作。
いやあ、今回はよかったですっ!!もう、喜多先生がフル出場!!そっけない犀川先生相手にキリキリ舞いの喜多先生が、かわいすぎるぅ〜〜〜!!もう、メロメロでした。150ページあたりまで読んだだけで、「今回、1100円の元はとった!!」と思いましたもの。……って、“ミステリ超読者”ですみません(^ ^;)。でも、喜多先生が…(エンドレス)
これだけじゃなんなんで、一応、本筋について。今回の事件は派手でしたよね。二つの密室と、首を切断された女性の死体。しかも、最有力容疑者も密室の中。
私は、萌絵ちゃんが気づくまで、わかりませんでした(^ ^;)。とはいっても、可能性のひとつとしてそれも考えていたので、「ほぅ」って思った位ですが。今回の動機ですが、わかったようなわからないような…という感じです。
それにしても、犀川先生、最後頑張っていたよねー。で、このシリーズも、あと一冊で終わり。なんだか寂しいです。最後には、萌絵ちゃんと犀川先生、ゴールインできるんだろうか(^ ^;)?
●「天使たちのラプソディー 〜ヒロインは失踪中〜」松本祐子[スーパーファンタジー文庫](98/7/3)
「天使たちのラプソディー 〜御曹子はご機嫌ななめ〜」の続編。いやあ、でたのね、めでたい(*^ ^*)。
お金持ちで天才で超美少年の明輝と、その家庭教師の涼のコンビの話です。涼が引き受けたエステのCMで知り合ったアイドル・萌に付きまとわれ、そして萌を襲った騒動に巻き込まれることに……
今回は、明輝がいじっぱりで子供っぽくて、なかなかかわいかったです(*^ ^*)。女装も素敵だったし。新キャラの萌ちゃんもたくましくて、パワフルでなかなかよかったし。それにしても気になるのは、明輝の涼に対する気持ち。個人的希望としては、あまり妖しげな方向に行かず、今のような距離を保っていてほしいけどなー。
●「図書館戦隊ビブリオン」小松由加子[コバルト文庫](98/7/2)
「機械の耳」で、97年度の、コバルトノベル大賞と、読者大賞をダブル受賞した作家の新作。高校の図書館が突然“アレキサンドリア漂流図書館”と繋がった。図書館を狙う悪の秘密組織のネオ・バグフォードからの攻撃から守るために、図書館員たちは「ビブリオン」に変身して闘うぞっ!!…というような内容です。テーマ曲つき(笑)。
いい意味で、「バカな本」で、よかったです。「お使いリスト」には笑いました。火浦功の「ひと夏の経験値」とか思い出しちゃったなあ。あれとは方向性が少し違うけども、その手の本が好きな人は一度手にとっては?続き、出てほしいです。
●「パンツァーポリス1935」川上稔[電撃文庫](98/7/2)
第三回電撃ゲーム大賞金賞受賞作。…うーん、なんとなく買ってしまいました(^ ^;)。電撃ゲーム大賞のは、ハズレないし。
舞台は、異世界のベルリン。ナチスが台島しはじめた頃。ヴァルターとパウルは、開発したばかりの新戦闘飛行機・カイザーブルグの軍部受け渡しを拒否し、カイザーブルグで逃走する。そのときに過激な少女・エルゼと出会い、彼らは宇宙を目指すために、軍部と闘うが…
精霊石に紋章を書込むことで発動するエネルギーや成長する戦闘機というアイデアはなかなかおもしろいと思います。話も熱かったですね。ただ、これは「金賞」どまりの作品だなあ、とは思いました。登場キャラたちがあまりに自己中心的で周りへの配慮が欠けてるのが気になるし、なによりも話の細かいところの整合性が…あれだけ派手なことをやって、総統に隠し通せると思う方がどうかしてると思うんですけど(^ ^;)。他にも色々あったけどね。
電撃ゲーム大賞は、作品の評価がきっちりしてますよね。大賞には、それに値するだけの作品にしか与えてないから。私が読んだ大賞受賞作品は、まだ「ブラックロッド」と「ブギーポップは笑わない」の二作だけなんだけど、両方ともレベルの高い作品でした。…そのあたり、結構いいかげんな賞もあるもの。まだ読んでない受賞作品もあるので、全部制覇したいなあ。
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