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【覚悟なき者は】 01/09/03 22:37

愚者の戯れ言 9/2に、二次創作への批評についての話が。…二次創作だけではなく、アマチュアがネットで発表している創作物への批評問題につながるんじゃないかと。
プロには何を言ってもかまわないが、アマチュアに文句をいうのは酷い行為だ、という考えの人も、世の中にはいるようですが。私は「表現」においてプロだから特別視されることは何もないと思っています。特にWEBの場合は、全てのサイトはリンクでつながれば「だれでも見ることができる」という意味で等価なんですから。プロもアマも同じ土俵の上にいる。

前にカードワースと批評の問題であれこれ書いたことがありました。そういえばカードワース界では批評をタブーとする雰囲気をなくすための動きがありましたが、あれは実を結んだのかなあ。最近は関連サイト全然みてないので。
また、同人系ファンサイトによくある「ネチケページ」でもたまに「批評をするのは失礼だ」と書いてあるのをみかけますねぇ。
「嫌な思いをするためにサイトをやってるんじゃない」というご意見もあるでしょうが、自由を行使するからには、その反動があるのは当然のこと。それが「表現」でしょう。…と個人的には思いますが、そういう覚悟を誰にでも求めるのは実際問題として難しいよなあとは思っています。

プロであってもアマチュアであっても、心地のいいことしか聞きたくない、その方が創作活動にプラスになるというのであれば、それを実行しちゃえばいいんですよ。それなりの対策をして。ただし、批判を受け付けないのはヘタレ扱いされる可能性が高いですが。
・サーチエンジンやランキング登録など、多くの人の目に触れるようなことはなるべくしない。
・「私は打たれ弱いので、キツい批評は勘弁してください」とわかりやすいところに書いておく。
・他に対する悪口や批評など反感を受けやすいことはかかない。
・友達などにフィルタリングしてもらい、キツい意見は目に触れないようにする。
・2ちゃんねるのような匿名掲示板の、自分の話題がでるかもしれないところには絶対に寄り付かない。

誰にも悪くいわれたくなければ、目立たないようにひっそりとやるべきかと。アクセス数せ稼いで、その上全員に誉められたいというのは無理な話です。アクセス数が増えるほど、アンチな読者も増えてゆくものなのですから。何もかも得ることはできない話。
こういう批評と表現と覚悟の話は今まで散々していたけど、過去話では【表現の痛みと覚悟】とか2001年6月日記の12-22日あたりとか。


【リアクション】 01/09/04 23:57

昨日ああいうことを書いたけど、実際にはあまりアクション起こさないですね、私も。>みのうらさん(9/3)
人様の書いた二次創作については、私は自分の好きなカップリングしか読まないし、私の好きなカップリングってばマイナーばかりで、それゆえ二次創作といえばそりゃもう数えるほどしか存在してないわけで。そうなると批判して作者のやる気を無くさせてはどうにもならないですから、反応しないか、多少ヘタレでも無理矢理よいところをみつけてほめる…かなあ。たとえヘタレポエムであっても、ないよりはマシなんですよぅ…
イチオシカップリングの関連サイトが200くらいあるならば…つまんないところは無視をして、評判のいいところだけ見る、になるかなあ。いちいち批評をして問題点を指摘するのは面倒だもの。でも、自分ではやらないだろうけども、それくらいの規模になったら、同一ジャンルのサイト批評のようなガイドがあれば便利だろうなあ、とは思いますが。でもこれって、全作品を読んでも数時間しかかからないような小さなジャンルでやられるとすっごく迷惑なんですよね。作者のやる気をそいで、ただでさえ少ない二次創作をさらに減らしてしまう危険があるから。


【PublicとPrivate】 01/09/06 23:06

二次創作についての批評の話。いくつか意見をいただきました。「同人サイトでの二次創作というのは好きな気持ちを共有するためのツールのひとつであるから、批評には違和感を感じる」というようなもの、「二次創作というのは批評に耐えれるようなものがそれほどあるわけないから、批評することが場違いじゃないか?」というご意見。

何かの「表現」にふれたとき、鑑賞者はそれについてなんらかの感想を抱くものでしょう。特に何も思わないという場合もありますが、それもひとつの感想でしょうし。二次創作を読んでも「おお、これは萌える〜」とか「うわー、ヘタレ…」とか感じることはあると思います。でも「へたくそ」だと思っても、その感想を相手に伝えたり、自分のサイトや掲示板でそのことに触れるのには大抵は大きな心理的な抵抗が働きます。誉めるのは簡単だけどね。
 一方、ハリウッドの大作映画を「つまんない」とWEB日記に書くことはさほど心理的抵抗はないはず。
でも、もしその映画の関係者が自分のサイトを見に来ていることを知っていたら? 自分のサイトを見ている親しい友達がその映画の出演者の熱狂的なファンなら? …否定的なことを自分のサイトに書くのをためらいませんか?

(ネガティブな)批評を人の目につくところでするかどうかの分岐点には二つの要素が絡んでくるかと。
一つは、批評の対象が「Public」か「Private」のどちらであるか
もうひとつは、批評の対象との距離の問題
(1)Publicで距離が遠い場合(例:ハリウッド大作映画)は心理的抵抗は少ない
(2)Publicでも距離が近い場合(例:プロの作家さんと知り合い)は中程度の抵抗。私の場合、つまらないものを「おもしろい」とは書けないけれども、言葉にはかなり注意しています。
(3)Privateで距離が遠い場合(例:全くつながりがない、ネットをしてない同人作家さん)も中程度の抵抗。物によっては辛辣に扱うことがあるかもしれない。
(4)Privateで距離が近い場合(例:ネットやってる親しい友達の二次創作)心理的抵抗大。人間関係に波風立てない方を優先してしまいがち。(相手に批評を受け入れるだけの度量があり、相手との信頼関係がその程度で揺らがないという自信があれば別だけども…)

…と書きましたが、ここで問題が。検索サイトから簡単に辿り着けるようなWEB上の同人サイトを「Private」に入れるべきなんだろうか、というのが。うーん、私はネットに公開され、アクセス制限されてないものはすべてPublicなものだと思っていますが。でも「素人が趣味でやってるものはPrivateだ」と考える人もいるんじゃないかなあ。自分がサイトに書いたことを批判されて「個人のサイトを批評するなんて失礼だ」と怒る人は自分のサイトをPrivateだと思っていそう。 …いや、Publicであっても批評を嫌がる人もいないわけじゃないか。

ちなみにこれらは批判をする側のネットでのアイデンティティが確立されている(自分のサイト持ちor掲示板の常連など)の場合。批判というのは批判した側にもなんらかの反動がかかりますから、自分にもダメージがあるとわかっているとあまりにむやみなことはできないんですよね。
ところが匿名掲示板での「名無しさん」や普通の掲示板でも「通りすがり」的に発言する場合は、自分への反動はほとんどこないですから、好き勝手に言えるわけです。そういう場ではなかなか表にはでてこない本音が聞けるというメリットもあるけれども、そこでは誰も発言に責任を持たないわけですから間違った事実に基づいたいい加減な話や私怨もかなり混じってしまうわけで、そういう場所での評判をうのみするのはもちろん問題。

ちょっとまた同人サイトから話がズレちゃったなあ。二次創作に対して批評をするかしないかというのは、そのコミュニティへの帰属意識の有無もあるかと。イベントで言葉を交わしながら同人誌を購入している人と、「とらのあな」などの書店買いオンリーの人では同人誌や二次創作に対する意識がかなり違うような。後者だと「同人誌」も「商用出版」と買う側にとっては大差なくなってしまうのでは? これについては書き逃げでゴメン。


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