エッセイと言うか、作文と言うのか、思いついた時に。


2005/01/10(Mon)  初春に『大儲け』をしちゃったオハナシ。ふふ。
お正月早々の話である。
“頼みごと”があるために、止む無く我が家を訪れたYさんの
『首に縄』を巻いて引き連れ(アハハ)
社会保険庁の窓口をたたいた。

Yさんは、俳優ではないが、似たような仕事をしている。
60歳を過ぎているのだが、わたしと同じように、定期収入のない仕事をしている。
出だしは、社会保険もある仕事場に居たのだが「×いち」に成った頃から
フリーで仕事をし、職業欄には自営業と書く生活が20年ぐらい。

(幸いに、わたしは健康で、この何年かは仕事もコンスタントに続いているので
その前の、切なくも厳しい生活実態を 白状できるのだが)
芸事に携わる仕事をする殆どの者は、裏方でも表方でも、スター的存在の
飛びっきりの才能のあるひとにぎりの人だけが、お金持ちで
概ねの自由業のひとは
いつも「金欠病」に罹っていると言っても過言ではないと思う。

Yさんも養育費を払っていた時期もあり、暮らしは楽ではなかった。
社会保険はともかく、国民健康保険だけは加入したら?と訊ねると
『僕は健康だから大丈夫』と柳に風。
『保険ってのは、自分のためだけでなくて、現在必要な人を支えるためのものでもあるノよ!!』等と、役所の人間みたいなセリフを 浴びせた事もあった。

自分の事で手一杯のわたしが、である。笑ってしまう。ハハ。 
だがこの10年は 大のオトナ であるYさんに対し
度を越している行為はするまい、と自粛していた。

だが、今回を最後にしようと心に決め “頼まれごと” は引き受けるから
年金の事だけはハッキリさせましょう!!と、迫った。
しかし『そちらの方は、後日改めて・・・』等と煮え切らない。
恩義のある人の息子さんだ、と思えばこそなのだが
とうとう、お節介な実力行使。

『最低年数が不足してると、これまでに払った保険料もパァーになるノよ!!』
と叫び、折角のお正月休みなのに
Yさんの首に縄を巻きつけて、出掛けた。
道中ずっと『どうせ、年数不足でダメに決まってますよォ〜』と不満タラタラ。

ダガ、何とも嬉しい事に、彼は年金をもらえるコトに成った☆彡
年金ゼロの老後だと信じ込んでいたYさんだから、判ったトタンに
『これからは、礼子さんには頭が上がらないなぁ』ですって。アハハ☆彡
帰り道は、ふたり共スキップを踏んで帰宅。
ホント、うれしかったァ☆彡

アチらコチらと変わった仕事先で積み立てた掛け金を合計すると
20年を超えていた事が、係りの人の検索で判明したのです☆彡
国民総背番号制と云うのは、好きになれない制度だが
今回ばかりはそのシステムに“大感謝”である☆彡。

20年に満たない分は補足納付してでも、年金が受け取れるように協力しようと、
『首に縄を巻き』無理やり同行を迫った甲斐があった☆彡
(モチロン後日取り立てる心算だったが・・・。あはは)

Yさんとしては貰えるとは思っていなかった年金が、月に10万円弱でも
受け取れるので、大喜びだし、わたし的にも立替払いの必要が無くなって
万事 メデタシ メデタシ。 万々歳である。

温儀のあるひとには、生前に何の “ご恩返し” も出来なかったけれど
息子Yさんに対する行動は、その方への思いから発していたので
Yさんの儲けは、わたしの儲けで、こころの底からこみあげる
『大儲け』の嬉しさに、酔っている。

   初春のお屠蘇にも 大儲けにも 酔っている  LEIKO



<< 次のページ  エッセイ目次 前のページ >>

Copyright © 2004- Hero&Lei企画 Reiko Kusamura. All rights reserved.