エッセイと言うか、作文と言うのか、思いついた時に。


2005/10/10(Mon)  若い仲間への手紙・方言指導
『あ〜、とんでもない仕事がきてしまった。
上京して来てすぐ働いたバイト先の店長に <鹿児島はパスポートがいるんでしょ?>なんて聞かれた事があった位なのに、方言指導を引き受けてしまった。』
と、ごく親しい友に向かってグチる言葉を小耳にはさんだ。

若い俳優仲間のEさんが、ある映画の方言指導をすると言う。
それが昔、大河ドラマでもテロップをつけて放送されたコトのある鹿児島弁!
しかも、台本の約2/3が地方語だとの事!!
進行具合を聞くと・・・

『本を鹿児島弁に訳すので、余裕がないので、、
この映画が面白のかどうなのかも、まだわかりません・・・』との返事!!
(<所属事務所が同じだ>という理由だけで、嫌われるのを覚悟してまで、伝えるべきコトでもないかな、と思ったが、トシの所為か・老婆心っていうのかしら、つい、手紙を出した。)

   −−−−−−−−−−−−−
同じ事務所の仲間なので、(年長だから、見過ごしては、いけない!との思い込みで)敢えて苦言を・・・。

「仕事だから、ヤル。」
・・・この考えで、方言指導をなさるのは、どうなのでしょう・・・?
ある意味でキケンではないかしら。

☆ 先ず、創る人がほれ込むのが、大切よ。☆

多くの人が力を合わせてより良い作品の完成を目指すのですが、
真っ先にあるのが、シナリオですよネ。
・・・それをより良いものにするための、【言葉選び】は、
とっても大事で、重要なポジションです。
同じ意味を持つ言葉の、どちらを選ぶか・・・その地方にふさわしくて、聞く人に解かりやすくて、しかも地方語の面白さのあるのはドッチ?・・・
↑をクリアするには、作品にたいする深い愛が(言葉、そのものに対しても)必要だと、わたしは思って居ます。

何でも【人に教える】コトで怖いのは、自分が何処か高みに立ってしまう事で〜す。

☆ もっと、もっと読んで、いっぱい悩んでください。☆
☆ もっと、もっと読んで、作品を好きになって方言指導をしてください。☆

的外れでもいけないので、お手紙にました。
気持ちが、上手く伝われば・・・と祈りつつ。
     『ガンバ ☆彡』
    −−−−−−−−−−−−−

(地方語を大切にしたい気持ちと【言葉にこだわる劇、新劇育ち】のわたしの、言葉へのこだわりも、込められてかなり重たい手紙になったのだが、果たしてEさんの心には、正確に届くかなあ、と心配していたが・・・・ 嬉しいかな、返事が来た。)

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
メッセージ有り難うございます。
草村さんの気持ちと仰りたい事はちゃんと伝わりました。
決して、仕事だからと割り切って仕方なくやっている感じではないのです。
友人に甘えて愚痴ったといえば一番近いでしょうか。
(・・・グチっただけなのに【少し仕事をナメているのでは?】とわたしが誤解してしまったのですね)

これで3回目の方言指導になりますが、その度に学ぶ事が沢山ありますし、
その度に自分も鹿児島弁を勉強してきました。
鹿児島の県民性というのはとても言葉にこだわりを持っていて、
適当なんて絶対出来ません。
鹿児島に帰れなくなってしまう。。(笑)
大丈夫です。しっかりやり遂げます!
来週から現場での方言指導です。
またこれもかなり気を使う作業なんですが、がんばります。

長くなりましたが、本当に嬉しいです。
草村さんのメッセージを読んで、熱い方だなと思いましたし、
私ごときの事で大変な時期にメッセージ有り難うございます。
ありがとうございます。
稽古頑張ってくださいね。
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

(郷土を愛し、地方語を大切にする郷土の人々にも納得してもらえる言葉で、日本中の人に解かりやすい地方語を探し、作品をより好くするための言葉を選ぶのは、本当に根気の要るものなのです。それでいて目立つ事の無い 【裏方の裏方】とでも云える仕事を、お手伝いしている若い俳優仲間のEさんから、気迫のこもった返事が届いて、(⌒ー⌒) ほつ。)

     Eさんからの返事に喜んでいる   LEIKO


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