03年10月に読んだ本。 ←03年09月分へ 03年11月分へ→ ↑Indexへ ↓麻弥へのメール
●「マリア様がみてる レディ、GO!」今野緒雪[集英社コバルト文庫]438円(03/10/31)→【bk1】【Amazon】
来年1月にはアニメも始まる、カトリック系お嬢様学校を舞台にした、ほんわかしたソフト百合なお話「マリア様がみてる」シリーズ最新刊。
学園祭の前に、体育祭。気まずくなった加奈子との仲を修復するために、自分を避ける加奈子とのかかわりを持つために、祐巳は加奈子とひとつの賭をする。体育祭で、自分のいるチームの負けた方が、何でもひとついうことを聞く、と。そして体育祭が始まり…
なんだかもう、微妙なお年頃の祐麒くんへの萌えが止まりません。アニメ化で一番の楽しみが、動く祐麒が見れるってことだったりします…
前作に引き続き、今回も内容は薄いながらも楽しく読めるお話でした。
肝心の本人が全く気が付いていない、祐巳ちゃん争奪戦(?)の行方が楽しみです。前は瞳子ちゃんが祐巳ちゃんの妹になるのは嫌だなー、と思ってましたが、最近は「瞳子いい奴!!」という気持ちなので、彼女が妹になってもいいかも。頼りない姉の世話を何かと焼く妹という感じでそれはそれで萌え。
由乃さんの妹選びも、今は影も形もみえないだけにどうなるのやら心配。彼女のことだから割り切って「労働力」としての妹選びをするんじゃないかという気もしますが、このシリーズ的にはそういう愛のない姉妹関係は嫌だなあ… でも令さまと由乃さんの絆って強すぎるだけに、由乃さんが愛のある妹を作る姿が想像できないのです。
●「そして彼女は拳を振るう」松原真琴[JUMP j BOOKS]762円(03/10/27)→【bk1】【Amazon】
小畑健さんの挿絵目当てに購入。失礼ながら、中身は全く期待していなかったので、結構楽しめて得をした気分になりました。
園原家の長女には代々霊媒師としての能力が発現するが、八重にあるのは「触れ合うと幽霊の気持ちがわかる」「幽霊を自分に憑依させることができる」という能力だけで、霊をみることもできなければ、気配を感じることもできないという中途半端さ。才能のある霊の力を借りてひと財産作った祖母と母親にそそのかされ、八重は死んだばかりの人気バンドのメンバー・十郎の霊を拾ってきた。ところがその十郎は大の格闘技マニアで…
ちょっとズレたシチュエーションでのホーム・コメディという感じ。あまりハデなドラマはないものの、キャラに味があり、彼らのやり取りを見てるだけでも結構楽しかったです。
「新感覚幽霊ノベル」と帯には書いてありますが、「新感覚」を期待すると拍子抜けするかも。まったりとしたコミカルな話が好きな人にはオススメな本です。
さて、目的の小畑さんのイラストは、カラー3枚(表紙+ピンナップ×2)、モノクロ9枚(うちピンナップの下絵の一部が1枚)。今回のモノクロ絵は線がしっかりとしていてシャープで、小畑さんのお友達の浅田弘幸さんのテイストに近いものがあるかも。女の子の体のラインがとてもきれいで、次の連載は女の子もたくさんでてくる話を書いてほしいなあ、と思ったりしました。
●「十二世紀のアニメーション −国宝絵巻物に見る映画的・アニメ的なるもの−」高畑勲[徳間書店]3600円(03/10/26)→【bk1】【Amazon】
スタジオ・ジブリの高畑勲氏が、12世紀の日本の絵巻物を映画的・アニメ的な視点で分析を行うことでおもしろさを伝える本です。本屋で立ち読みしてたらおもしろかったので、つい購入。でも高かった…
巻物製作者がどういう効果を得ようとして表現したのか、その意図を読み解いていく過程が、同じクリエイターの視点からだけにわかりやすくておもしろかったです。
私は美術館に足を運ぶのが好きですが、どうも絵巻物はそのおもしろさがわからずに苦手にしていました。1枚絵に比べると画面にしまりがないし、画面構成が非合理的に思えてしまって。でも、それは瞬間を切り取る、「1枚絵」の見方に縛られていただけのこと。絵巻物は、時間と空間を移動するメディア…アニメや映画と同じような見方をしてこそ、その魅力がわかるのですね。
京都国立博物館に、「鳥獣人物戯画図」を巻物にしたレプリカが販売されているのですが、それを買って繰りながら捲る体験をしてみようかな。
●「日本美術応援団」赤瀬川原平・山下裕二[日経BP社]1800円(03/10/25)→【bk1】【Amazon】
前衛芸術家の赤瀬川氏と美術史家の山下氏による、対談集。雪舟、等伯、若冲、写楽、北斎などなど「神棚の上に祭り上げられてしまっている」日本美術を、もっと気楽に楽しもうと伝えてくれる本です。おもしろかったです。私の大好きな北斎・光琳・佐伯祐三が取り上げられていたのが嬉しかった。
私自身は美術館にいっても興味あるところしかみないし、判断基準が「好き」「すごい」「欲しい」というように単純な気持ちで楽しんでいます。だからこの本で書かれていることに頷くことが多かったですね。
バブルの頃のほどではないにせよ、今の日本では見切れないほどの美術展が開催されていますが、本当に純粋に絵を楽しんでいる人はどれだけいるのかな?と思えることもありまして。特別展ばかりが混んでいて常設展がガラガラだったり、特別展でも絵の前よりも説明文の前に人だかりができていたり… それでも人が来ないよりはマシなのでしょうが。
おもしろい本ですが、図版の収録数が少ないこともあって、ある程度基本的な日本美術の知識がない人にはちょっと辛い本かもしれません。
全然関係ない話ですが、佐伯祐三といえば、大阪市にいい作品が山のように寄贈されているんですよ。でも、入れ物(大阪市立近代美術館)の建設が暗礁に乗り上げていることもあって、「ここに行けば佐伯祐三の作品をいつでも見れる」場所がないのが辛いんですよねぇ。今の大阪市の財政状況からいえば無理のないことだし、モジリアニの「裸婦」の19億円購入に胡散臭いものを感じてしていることもあって、「箱」としての美術館を今作る必要があるのか?という気はしています。いっそのこと、スペースが余っているATCあたりに常設スペース作るってわけにはいかないのでしょうか。現在はたまに仮設で展覧会をやってますが、いつも佐伯祐三の作品を多数置いてくれてるわけじゃないので。
●「普通の男(ひと)」榎田尤利[角川文庫]476円(03/10/24)→【bk1】【Amazon】
ボーイズ・ラブというよりは、リーマンもの。ノンケの30男二人による、中学生かい!!といいたくなるようなじれったい、"普通"のラブロマンスでした。
会社の倒産により失業したデザイナーの花島は、小さなビジネス書系の出版社になんとか再就職する。そこで出合ったのは、少し前に夜中のコンビニで同じおにぎりを取ろうとしたときに譲ってくれた男・的場だった。そのときは親切にしてくれた的場は、仕事場では素人同然の花島に厳しくあたる。しかしそれは自分に期待をしてくれるのだと知った花島は的場になつくようになるが…
うまい作家さんだけに、描写にソツがないです。気楽に読めました。ただ、少々盛り上がりに欠けたのが残念。でも、癒し系ボーイズラブ(リーマンもの)としては逆にその方が安心して読めるのでいいかも。
●「57577―Go city,go city,city!」枡野浩一[角川文庫]781円(03/10/18)→【bk1】【Amazon】
4コママンガ短歌集。しかも英訳付き。ときおりマンガ(豪華執筆陣)付き。歌自体は「ますの。」に収録されているものですが、57577を4コママンガのようにぶつ切れにすることで別の味わいもでてきます。でもストレートに一行で書かれている方が、個人的には好き。
●「太りゆく人類 肥満遺伝子と過食社会」エレン・ラペル・シェル・著/栗木さつき・訳[早川書房]1900円(03/10/18)→【bk1】【Amazon】
現在ダイエット中ということで、勉強のために色々と検索していたらこの本にいきつき、おもしろそうだったので購入しました。
太っていて痩せられないのは、意志が弱いからだけなのか? それとも自分の意志ではコントロールできない要素のためなのか? サイエンスライターによって書かれた本書は、前半は「科学」の目で肥満という疾患を人類が解き明かしてゆく過程を追ってゆきます。その過程で行われた様々な試行錯誤、発見をめぐるどろどろした人間関係、商業に毒された科学の話なども絡んできて、純粋に読み物としておもしろかったです。
「肥満遺伝子」や「レプチン」という言葉は断片的に聞いていましたが、こういう過程で発見され、実際の人間への治療はどうなっているのかは知りませんでした。少しはわかってきたといっても人間の欲望をコントロールする「仕組み」はなかなかに複雑で、科学によって肥満から救われるのはまだ時間がかかりそうです。でも最先端の肥満治療の話を読んでゆくほどに、一部の遺伝的な問題によって病的な肥満になる人は別として、人間の本来の仕組みを科学的に歪めてまで「どれだけ食べても太らない」状態を作ることが本当の解決方法なのか?という疑問がでてきます…
そして後半は人間に肥満をもたらす、社会的圧力についての話。世界的な文化の欧米化によって「新世界症候群」すなわち肥満が、どうして世界中に広がっていったのかを徹底的に解き明かしています。食品会社の巧妙な戦略によって問題は加速していることや、伝統的な食文化を破壊していること。人間が、自覚しないうちにどんどん歪んでいく様を目の当たりにするようで、薄ら寒いものを感じました。日本での食生活状況は、コンビニで無糖飲料がたくさん並んでいるし、都会では駐車場がないために車では却って不便だったりするので、まだアメリカほど酷くはありませんが…
そういえば、極度の肥満化が進む南太平洋の島の話としてコスラエ島と、ナウルの話がでてました。そのナウルといえば「島でとれた燐で儲かるために国民全員が働かずに遊んで暮らしていたが、その燐が枯渇してきたために迷走している」ということで半年ほど前に話題になりました(詳しいことはナウル編やナウル関連をまとめたページ)が、今どうなっているのだろう?と思って検索したら、相変わらずなようで…
●「新本格謎夜会」綾辻行人・有栖川有栖監修[講談社NOVELS]840円(03/10/13)→【bk1】【Amazon】
「新本格」誕生15周年を記念して、大型外航客船「ふじ丸」で行われたミステリーイベントを書籍の形にまとめたもの。一度こういうイベントには参加してみたかったのですが、本を読むことで気分だけでも楽しめてよかったです。
ただ、こういう「謎解き企画」は自分で参加しなきゃおもしろくないんだろうなあと思います。今回のトリックにしても、本をただ読むだけで、自分で考えようともせずに探偵の解決を待ってるだけでは「ふーん」という内容ですから。でも、限られたボリュームの中にヒントをうまくちりばめるやり方はうまいものだなあと、解決編を読んでから推理パートを読んでしみじみ思いました。
●「依存」西澤保彦[幻冬舎文庫]800円(03/10/13)→【bk1】【Amazon】
タックとタカチの"酩酊探偵"シリーズ、「スコッチ・ゲーム」の次の話となる今作はハードカバーで発売されていましが、ついに文庫本化されました。
以前から仄めかされていた、タックと母親と"兄の死"の話です。
長編とはいえ、いつものようにアルコールを飲みながら「不思議な話」についてあれこれ素人探偵が推理を披露してゆき、それから真相らしきものが浮かび上がってくる…という構成になっていますが、全く関係ないように見えたそれらの事件が積み重なっていくことでタックが絡められていた「謎」の核心が浮かび上がってくる構図が見事でした。自分自身すら欺いてしまう人間の弱さが切なく、そしてその痛みを乗り越えてゆける強さが愛しい、そういう物語。このシリーズのキャラには愛着があるので、今回の話は堪能しました。
あとがきをみて、短編集「謎亭論処」が時系列的には後になっていることを知って、あわてて購入、再読しました。2年半前に新刊で出たときに購入して読んでましたが、あまり記憶に残ってなかったので。「依存」の直後の話はでてこないものの、少し先の未来、そしてもっと遠い未来の姿を垣間見ることができてほっとしました。
●「日本ゴロン」枡野浩一[毎日新聞社]1429円(03/10/11)→【bk1】【Amazon】
歌人・枡野浩一が毎日新聞で連載していたコラムを中心に、あちこちのコラムを一冊にまとめた本です。出版されたのは去年末でしたが、実は書店で見かけるまで知らなくて。
短歌の話、本やマンガ、インターネットの話などなど、今回の本で取り上げる話題は幅広くて、ちょっと話が散らかっているような。
下世話ですが、一番びっくりしたのは「別居」の話。旅行先でこの本を読んだのですが、そのあとどうなのったのか気になって、帰ってきてからネットに接続して、作者の公式サイトを探してみました。「離婚問題に決着がついた今、」そして一人暮らしをしているところからみると離婚になったのかなあ。今回のエッセイが98年くらいから2002年まで収録されていることもあって、作者の気持ちの移り変わり、結婚→子供が生まれる→主夫業という流れも描かれていることもあって、「別居」の話がでたのにはびっくりでした。なにより、谷川俊太郎と佐野洋子「女に」の書評での、結婚を前にして「好きで好きで結婚した二人にも、いつかは破局が訪れるのだろうか。」という呟きが切ないなあ。
あと、この本の書評を読んで、買ったまま積読になってる「800」(川島誠)を読まなきゃダメだなあと思いました。…あの本、どこにおいてたっけ?
この方の本で個人的なオススメは、「石川くん 〜啄木の短歌は、とんでもない!〜」や「君の鳥は歌を歌える」あたりです。
●「隠すマスコミ、騙されるマスコミ」小林雅一[文春文庫]700円(03/10/10)→【bk1】【Amazon】
現代は多くの人がマスコミに対して漠然とした不信感を感じているのではないでしょうか。その一方で、ネットが普及した今でも、一般人はマスコミの報道が情報判断の材料とならざるを得ない部分は依然として残っています。
この本はマスコミが抱える問題をいくつかの事例を通して描いています。マスコミに嘘のニュースを流して何度も騙していた男の話、「ジンジャー」騒動、当時多発テロと報道の限界、日本記者クラブの問題…などなど、どこかで耳にしたことがある話を掘り下げていました。
自分のメディアとの付き合い方を考える上で、参考になりました。
記者クラブ関係の話には唖然。この本の趣旨からすると、この本に書いてあることをまんま鵜呑みにするのは問題ですが、私がたまたま身近でみることになったマスコミ取材の様子からすると、そういうこともありえるのだろうなあ…とつい思ってしまいます。いちいち自分で細かく調べて裏をとるよりも、ある程度信頼できそうなものを「情報」として受け入れる方が楽なので。ただ、その方法の危険性と限界についてをいつも気にとめておかないととダメですが。
●「まひるの月を追いかけて」恩田陸[文芸春秋]1600円(03/10/09)→【bk1】【Amazon】
恩田陸の新刊。9月中旬にはでてたんですね。昨日、本屋で見かけるまで全然知りませんでした。出版情報に対する感度が低くなっててダメだなあ…>自分
静は、二度しか会ったことのない女・優佳利と奈良に旅行に出かけるハメになった。疎遠であった異母兄の敬吾が奈良での取材中に失踪したことを、敬吾と長いこと同居していた優佳利から聞いたのだ。
静と優佳利は、敬吾の足跡を辿るように奈良を旅してゆくが…
「黒と茶の幻想」と同じく、不在をめぐる「ゆらぎ」の物語。狭い奇妙な人間関係が、旅という非日常のフィルターを通すことで万華鏡のように色がくるくる変わってゆくお話でした。
堪能しました。一面に垂れ下がっていた薄い布が一枚ずつめくれていくように、少しずつ心の奥が浮かび上がっていく様子と、死者と生者がゆったりと共存している奈良の描写が絡み合って味わい深くなって。
読んでると、奈良に行きたいな、という気持ちがムクムクと。奈良公園や橿原神宮は何度もいったことあるけれども、飛鳥のあたりは学生時代の遠足以来行ってないから、歩きにでかけたいです。お水とりの頃に。
●「銀盤カレイドスコープ vol.1/vol.2」海原零[集英社スーパーダッシュ文庫]571円(03/10/04)→【bk1】vol.1/vol.2 【Amazon】vol.1/vol.2
まいじゃー推進委員会!の強烈なプッシュで興味を持って買ったものの、積読の山に埋もれていて、今頃読了。
才気あるフィギュアスケーター、桜野タズサ。オリンピックを狙えるだけの実力があり、努力家でもあり、美貌の持ち主でもあったが、タズサは気が強くズケズケとした物言いをするためにマスコミとの仲は最悪な状態だった。
オリンピック代表選考会も兼ねたアメリカ大会でタズサは惨敗し、そのために日本の代表枠はたった一つになってしまった。気落ちして日本に戻ってきて学校に登校したタズサの耳に、ふいに頭の中から男性の声が聞える。彼の名前はピート、雷に打たれて死んだせいで、昇天のために魂が固まるまで100日、誰かに憑依をしなければダメだというのだ。そしてピートとタズサの奇妙な同居生活が始まり…
予想以上に熱い物語でした。ヒロインのタズサという少女はどうも好きになれませんが、フィギュアの描写が抜群によかったです。あと、ラストにはホロリときました。
今回のモチーフであるフィギュアスケートはビジュアルの要素が強い競技ですが、ヒロインの一人称を通すことで読者も「肉体感覚」を共有できるというのが小説のよさですね。とはいえ、やはりウェイトレスメニューとか、実際の映像でもみてみたいなあという気持ちになりました。
マスコミとの軋轢の話は、読んでてなんともいえない気分に。ただの一視聴者からみてもマスコミって「それってどうよ」な気分になることもよくありますが、実際の当事者にとってはもっと強烈なんでしょうね。以前マスコミの取材が殺到している状況を近くで体験する機会があったのですが、マスコミに比べたら2chでの叩きなんて全然怖くないよなあ、としみじみ思いました。だって、ネット上の人たちが実際に押しかけてくることはないけれども、マスコミは目の前に押しかけてくるのですから…
●「間取りが語る」間取りの会[宝島社]1048円(03/10/04)→【bk1】【Amazon】
不動産情報に載っている、部屋の間取り図。中には「一体どんなところなんだ?」と頭を捻ってしまうようなものがありますが、そういう愉快だったり不思議だったりする間取り図を集めてツッコミしている本です。他にニュースで話題になったタレントや事件に関連する間取りや、ドラえもん・サザエさんなどフィクションにでてくる家の間取りの解析などもあります。
こういう企画があることは、昔に噂で聞いて読んでみたかったのですが、やっと書籍化。期待通り、気楽に楽しめる、おもしろい本でした。
それにしても、世の中にはそんな金持ちもいるんだねぇ…とため息をつきながらみた、広尾の高級賃貸マンション・5LDKで月273万円。一体どんな人が住んでいるのやら。
●「手折られた青い百合 歓楽の都」駒崎優[ビーンズ文庫]457円(03/10/02) →【bk1】【Amazon】
「足のない獅子」シリーズでお馴染みの駒崎優さんの新シリーズ。
19世紀末ロンドン。その一画にある自治区・レーンは""歓楽の都"。そこでは美貌だけではなく教養もある「宝石」と呼ばれる少年・少女たちが春をひさいでいた。レーンのトップクラスの宝石の一人の少年・ショウは、レーンに新しくやってきた医師・レイと徐々に親しくなっていった。その頃、レーンに快楽をもたらすという怪しい薬が持ち込まれるようになり、ついにその薬のせいで死者まででてしまう。その薬の秘密をショウとレーンは調べ始めたのだが…
表紙がホモくさいですが、ボーイズラブとは微妙に違うような、そうともいえるような… それにしても、この作者の描くホモ話(今回はほのめかす程度)は、私にはどうも萌えられません… 波長合わないのかなあ。
ミステリ的な展開のツメも甘いし。この人の作品らしい、まったりとしたキャラ同士の掛け合いは楽しかったです。キャラ的には毒舌・自信家の美形・ヒューが好みでした。
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