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【ヒカルの碁 第87局「この黒は誰?」】 00/10/15

私はホモ好きですけど、作者にあからさまにやられるとしらけちゃうんですよねぇ。>シャーマンキング

さて、「ヒカルの碁」は巻頭カラー。服の質感がやはりうまいですな。冒頭は大人のお話。プロ試験も終盤となる第18戦に突入し、プロ合格が絶望となった面々もでてくるわけで。6敗の椿と片桐は崖っぷち、もう負けると後がない状態に。それでも諦めるつもりはない、と片桐に宣言する椿。
…第21戦、本田くんを相手に快心の一局を打て、満足そうな奈瀬ちゃん。「あんな碁が打てるから…プロになるのをいつまでもあきらめられないのよね」と切ない表情を。(ここ、小畑先生の画力を感じさせてくれますねぇ。)
最後の望みをかけた上位陣との対局に負け、すべての望みが絶たれた椿と片桐。対局後、廊下ですれ違った二人は交わす言葉もない。椿はヒカルが「バイクに乗せてほしい」と言ったことを思い出し、駅までバイクで送っていく。バイクの音で何も聞こえない風の中、椿はヒカルに「プロになるのはおめェにまかせた!!」と怒鳴る……でもこの一連の流れ、まさに名シーンです。切ない。予選ででてきた時の椿は嫌なヤツでしたが、彼も年齢制限ギリギリになって、会社まで辞めて最後にプロへの夢に挑戦した…と少しずつ事情がわかるにつれ印象も変わってゆき、そしてこの終局。夢の厳しさ、勝負の無常さ。でも片桐さんはまた来年も挑戦してほしいです。うっ、受かってほしい人ばかりだよなあ、越智くんを除いて。
さて、その越智くん。自宅でアキラからの厳しい指導碁をうけていて、あまりのスパルタぶりに「アナタが進藤にイレ込む理由は何!?」とキレてしまう。それに答えてアキラは黙ってヒカル(佐為)との二度目の対戦の一局を並べ出す。そこにみたヒカルの強さが信じられない越智くん。「進藤って何者?」という越智くんに「ボクもそれを知りたい」と告げるアキラ……ここにきて、佐為がらみの一局が浮上してきましたね。でもアキラ、やはりあの一刀両断にされた一局、越智くんに初めてみせた…ということはパパにも緒方さんにも教えてないってわけ? (そのとき同席していたオジさん連中から二人が聞き出した可能性はありますが) この物語の核心に迫る秘密を知ることで、越智くんは重要キャラに一気に浮上。これで次のエピソード(プロ編)への登場も決定…ということで、合格決定。(実際に次週には合格決定となってましたが)
アキラが越智くんに「秀策の棋譜を並べるように」と言ってたのは、やはりこの一局の印象なんでしょうか? その「秀策ぽい」という印象は真実の核心に迫っているけど、それをアキラがわかる日は果たしてくるのかしらん。

それにしてもキャラ俳句、「ストーカー」は事実だけども本誌で言われるのはちょっと。それに季語が入ってないと俳句ではないんじゃ。


【ヒカルの碁 第88局「1人目の合格者」】 00/10/15

表紙、フクがぽよぽよしてかわいいっす。ヒカル、伊角さんに勝ってひそかに上位キラーな彼ですが、果たして得意のvs和谷戦ではどうなるか。
第22戦、ヒカルは3敗を、和谷くんは2敗をキープ。上位対決の本田vs伊角戦は、なんと本田くんが勝って、共に4敗に。本田くん、奈瀬ちゃんに負けた時点でもう終わりかと思ってましたが、これで首の皮一枚で繋がることに。本田くんの喜びっぷりって、こっちにまでひしひしと伝わってきますなあ。さて、この時点で1敗が越智くん、二敗が和谷くん、三敗がヒカル、4敗が伊角さんと本田くん。合格者は3人だけども、星が同数の人が重なればその人たちだけでプレーオフで決着、というシステムにここで言及されます。…ネタフリ? ってことは実際にそうなる可能性は高そうだなあ。
一方、飯島くんの冷酷な批評に無言で席を立つ伊角さん。飯島くんに「伊角さんは落ちたな」といわれて「落ちてねーよ まだ」とムキになる和谷くんって…つくづく伊角さんのこと好きなんだね(変な意味じゃなくて)でも伊角さんに受かってほしいけれども、もちろん自分は勝つつもりで。そういうところが和谷くんらしい。
そして第25戦、残り2戦を残して越智くんは合格を決定。今のジャンプで読者不人気ベスト3には入りそうな越智くんであっても、実力はあるから合格しちゃう。「友情」はなくても「勝利」できる、少年マンガのセオリーに沿わない、現実的で残酷なところがまさしくほったさんなんだよねぇ。…でも合格しても越智くんは気を緩めず、ヒカルの得体のしれない強さを確かめるために、真剣勝負をすることを誓う。…そっか、アキラが越智くんに関わったエピソードは、ヒカルのプロ試験最終戦を消化試合にさせないための意味もあったのね。(もちろん、その対局がさらにプロ編への因縁となるんでしょうが。ひとつのエピソードにいくつもの意味をもたせるのはほったさんの得意技ですから)
さて、今回は和谷vsヒカル戦を前に、和谷くんが結構メインになっています。自宅でネット碁をする和谷くんの目に入ったのは「sai」の文字。慌てて覗きに行ったら、そこはsaiとは似ても似つかぬヘボ碁を打つニセモノだった。…でもこれにはやられたな〜。まさかここでsaiネタが再浮上してくるとは。一度はヒカル=saiの疑惑を打ち消した和谷くんだけども、やはりあれで終わりではなかったんですね。今度はどういうかたちで話に絡んでくるのか。ヒカルとの対局で重要になるとは思えないけれども、やはりプロ編になってからでしょうか。
さて、残りの対局予想。プレーオフの話もでてきたし、中途半端な状態となったヒカルvs伊角の一局のカタを着ける上でも、4敗同士のプレーオフになる可能性は高いかと。ヒカルは和谷くんに勝って、最終戦を勝てばプロが決まるところで越智くんに負けて、プレーオフに。和谷くんはヒカルに負け、最終戦苦手とするフクに勝ってプロを決める。そしてヒカルと伊角さんと本田くんでプレーオフを行い、ヒカルが勝利…かなあ、と。私の合格者予想は最初は「越智くん、和谷くん、ヒカル」だったけどそのままです。
それにしても長かったプロ試験。予選が鬱陶しい展開だったので(今からあれも必要なエピソードでしたが)どうなるかと思いましたが、ほったさんのマジックと小畑さんの画力で骨太の人間ドラマを見せてもらったなあ、と満足です。一週ごとの展開に一喜一憂させられて。本当に月曜日が待ち遠しかった。…ってまとめに入ってますが、まだ終わってないってば。あと少し、プロ試験編が一段落したらたぶん一息つくようなエピソードになるのかな。そして怒涛のプロ編突入だ。そうなったらでてくるかしら、緒方さん!!
 


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